『ハーンマスター』便利ツール

 以下に『ハーンマスター』に役立つツール等のPDFをアップしています。

 これらは個人的に自作したもので、ダウンロードされた場合は個人使用にとどめて下さい。よろしくお願いします。

・『ハーン』サマリー A4サイズ4枚
http://skullline.sakura.ne.jp/HarnSummary1.0.pdf


・ショート・シナリオ『ハンドホルトの雌鶏』 15枚
http://skullline.sakura.ne.jp/HarnAdventure1.0.pdf

TORGエタニティ シナリオ作成のコツ

 ども、久々の更新です。

 先週、哲郎さんが主催されるTORGエタニティのオンリーコンベンションに参加させてもらいました。デイ・ワンのアイルシナリオが2卓たち、半数以上が初心者の方でした。初心者の方たちの受けがよく、当日にデイワンシナリオを買いいかれたとのこと。凄いですね!

 

 

 

 公式シナリオで和訳されているのはデイ・ワンだけになります。
 デイワン以外に遊ぼうと思ったら、公式シナリオを和訳するか自作する必要があります。

 今回は自作シナリオのコツを紹介します。もっとも、自己流のやり方なので参考までに。
 いや、本当にシナリオメイキングは、各自のプレイスタイルやら経験やら、センスに左右されるものと思っています。

 そこら辺も丁寧にひも解いてやろうと思います。

 自分のスタイルですが、ノリ(笑い)重視とシステム寄りです。美しいストーリーや格好良いロールプレイよりも、セッション中の笑いを重視。システム寄りというのは、データを駆使して遊ぶタイプだけど、ルール解釈ガチガチよりも場のノリを重視することもある感じ。TORGエタニティで言えば、ノリ重視でよいロールプレイにポシビリティをガンガン与えるというマスタリングはしませんが、面白い提案とかはルール多少曲げても対応するし、複雑な処理はセッションの進行度などを見て簡略化したりする感じです。世界設定の活用に関しては、重要なポイントは抑えつつ、自分なりの解釈を加えて、俺ワールドを展開させる傾向が強いですね。

 シナリオを作る際、核を1つ決めます。核とは「演出したいシーン」などですが、自分の場合、大体がネタ(ギャグ)です。TORGの世界はリアリティごちゃまぜの世界なので、混沌としたシチュエーションが生まれやすいです。サイバー教皇領に支配されたブラジル。バイキング拳法家のギャングとサイバー異端審問官の戦いに、ティラノサウルスのゾンビを連れた復讐者が! この三つ巴の戦いに、ストームナイトが割って入るみたいな、妄言じみたシチュエーションもできちゃうんですね。
 まず、「なんやこれ!」って仕掛けを考えます。ちなみに自分の場合、身内セッションを想定して作ることが多く、およそアラフォー世代以上のおっさん友達が想定プレイヤーになりますのでご留意を。ファンタジーで鉄板のネタ、ドラゴン。ただ、ドラゴン自体に色々なニュアンスが含まれています。「燃えよドラゴン・スレイヤー!」というシナリオ名を思いつきました。カンフー映画の巨頭ブルー・スリーの「燃えよドラゴン」のパロディですね。ファンタジー世界のアイルでドラゴン退治を依頼されたストームナイトが、最終的に「ドラゴン」――凄腕の武道家と戦うというシナリオはありですね。ただ、シナリオ途中で武道家を匂わしたら、勘の良いプレイヤーならオチを読むことが想定できます。もう一捻りってことで、ラスボスは武道家のドラゴンに決定。「ドラゴンのドラゴンかい~」ってね。拳法を使うドラゴンなら、アメコミ世界のリアリティであるナイル帝国のパルプ・ドラゴンですね。舞台はアイル、パンパシフィカの干渉から拳法家のドラゴンを匂わせて、オチはパルプ・ドラゴン。流れはできました。後は肉付けです。
 導入はアイルでデルファイ評議会からドラゴン退治の依頼を受けるで決定。で、ドラゴン退治なので、かれこれこういうドラゴンが居て、こういう被害がでているという形になるのが普通です。ただ、オチの関係ネタバレできません。そこで、ロンドンにドラゴンが襲撃するらしいという予言を受けたということにします。ファンタジー世界のアイルなら予言(呪文や奇跡)は軽いものではないけど、不確定な話なので駆け出しストームナイトに真偽を確かめるための指令が下ったみたいな形にできます。次にパンパシフィカとカンフー・ドラゴンの関与。何故、ロンドンにいるのかという動機付けです。武道に関する宝を狙ってっていうのが妥当でしょうね。パンパシフィカのエタニティーシャードってのが妥当でしょうが、捻りがない。カンフー・ドラゴンが欲しがりそうなものとして、カンフー映画集を秘伝書と勘違いしているというのはありがちかも。秘伝書の正体がパンパシフィカ製のメモリスティックってのも意外性があるかも。いや、いっそのことコアアースのカルト的人気のカンフー映画DVD集がハードポイント化したものの方がそれっぽいかも。パンパシフィカも欲しがるだろうし。舞台は英国なので、香港がらみはありそう。そこで、香港のカンフー・スターの香港返還記念に作成されたDVD集などどうだろう。シナリオ中に名前をそのまま出すのはあれなので、ジャック・チェンにして。で、ここまで考えたら導入の予言も「『ジャックの鎖の書』を求めてドラゴン、ロンドンに来襲す」という形にできますね。『ジャック・チェン大全』というコアアースのDVD名前をアイルリアリティで解釈したら、こんな感じでしょうか。ジャックは人名と判定できるとして、チェンはチェーン(鎖)と誤解みたいな。5枚組DVDを「書から5つの光の輪が見えます」とかにすれば、「五輪の書」とのミスリードもあっていい感じですね。ちなみに、ここら辺のネタの連鎖は一発ででるものでもなく、数日あーだこーだ考えて、練っていく感じです。
 肉付けは完成。次にシステム的にどうするか、落とし込んでいきます。1アクトのシナリオとして、戦闘2回、ドラマチックな問題解決1回、ラストバトルの構成にします。1回目はパンパシフィカ勢力との接触。アイルでよくいる敵(ラーク)などが、日本人サラリーマンを襲っているところをストームナイトが助ける。彼らは骨董品を求めてアイルに来た商社マンとします。次に、『ジャックの鎖の書』についての調査。ドラマチックな問題解決にします。最終的にそのような骨董品を扱っているコアアースのブローカーがチャイナタウンにいるとします。その店ではスマートフォンがつながるとかすると、目的の書がハードポイントではないかという情報の小出しにもなりますね。ようやく見つけたブローカーは、すでに死体。眉間に手裏剣が刺さっており「何で、ニンジャ?!」展開。『ジャックの鎖の書』を追って、ニンジャたちと戦闘。勝利後、『ジャック・チェン大全』のネタバレがあり、そこにドラゴンが来襲し、ラストバトル。この程度までラフに組みます。TORGエタニティでは、カードの効果で色々ハプニングが起きます。ラフに作って色々調整できるようにした方が回しやすいですね。NPCもかっちり作るより、役割と属性を決める程度でもよいです。NPCと恋に落ちるロマンスカードがあるため、性別もPCに性別に合わせて調整します。で、ロマンスカードを引いたPCの好みに合わせのもグッド。ネームドニンジャだったら、実は男装していたセクシーくのいちだったとか、女装していた美少年サイキックニンジャとか、無理やりNPC性別を変更するのもTORGではありと思っています。流れもPCたちの食いつきによって調整しましょう。ブローカーの受けがよければ、生存していてよいし、ニンジャを改心させたければ、そうさせて、ヌケニン絶対殺すマン上司がでてきて共に倒すなんかでもよいです。もっと言えば、シナリオ自体のメインフローも受けが悪そうで、よりPCに受けていることがあれば、それにシフトさせることもありかと。
 敵のデータですが、ピッタリのデータがない場合がほとんどです。ですので、基本ルールに乗っているエネミーデータを流用し、カスタマイズしましょう。ラスボスのカンフー・ドラゴンはドラゴンのデータそのままでは強すぎるので、サイバー教皇領のガーゴイルをベースに魔法能力をパルプパワーに変えてカスタマイズとか。ニンジャは、ネームドはPC作成ルール使い中ボス程度に成長させるとかですね。TORGエタニティはデータカスタマイズが簡単な方なので、近接タイプ雑魚や術者タイプ中ボスなどの各レルムのテンプレートを乗っけるだけでそれっぽくできますよ。

 最期、シナリオのPCデータについて。ストーリーをPLではなくてPCにも理解してもらえるのが望ましいですね。プレロールドPCを用意するのが一つの手。舞台になるアイル出身者は欲しいですね。後、(知性がそれなりに高い)コアアース人がいれば大体のシチュエーションの解説役になれます。今回のシナリオではパンパシフィカ出身がいればスムーズですね。パンパシフィカのエレトリックサムライ、アイルの魔術師、コアアースの宗教家、4人目は自由枠とかでしょうか。キャラメイクしてもらう場合は、推奨コズムを打ち出したりします。今回のケースでは、「必須:火力役(ダメージ基本値、耐久力、共に13以上)。推奨レルム:アイル、パンパシフィカ、コアアース。推奨:魔法使い」みたいな感じでしょうか。

 とりあえず、自分流のシナリオ作成術の紹介でした。前述しましたが、やり方は個人的なものなので参考程度にしかならないと思います。まずは、やってみるのが大切かと。TORGエタニティは、システムでストーリーテリングを補助してくれる部分が大きいです。どこかのレルムで悪漢に追いかけられている少女を出し、戦闘、ドラマチックな問題解決、ラストバトル等の王道パターンでも、カードによるイベントとか入るので、ユニークなセッションになりがちです。カードのなどの内容をどうアドリブするかについては、経験とセンスによるところが大きいかなと思います。

 参考になりましたら幸いです。

トーグエタニティ日本語発売! キャラメイクのコツについて

 ご無沙汰です。康次郎です。

 

 3年ぶりのブログ更新になります。

 

 コロナの影響で、オフラインセッションをやる機会はめっきり減りましたが、主にオンラインセッションでTRPGライフを楽しんでいます。

  

 今回のお題は、2018年1月18日の日記で紹介したTORGエタニティです。本国ではキックスタートが7回行われまして、オーロシュまでのサプリメントが完了、残すコズムはパンパシフィカのみとなりました。

  そしてなにより新紀元社から日本語版ルールブックが、7/20に発売! これで遊ぶハードルが相当下がりました!

 

 

 

 ただ、旧版の基本ルールブックに掲載されていたアーキタイプ(サンプルPC)が今回は掲載されていません。これは、原書もアーキタイプはマスタースクリーンに付属で基本ルールにはついていないのですね。

 

 そこで、今回はキャラメイクのコツと、自作PCを何体か紹介しようと思います。

  

キャラメイクのコツ:初めに

  トーグエタニティは、20回以上プレイしていますが、パーティに役割分担があり、PCたちの連携が大事なシステムだと思っています。例えば、強敵を倒す場合、対人行動が得意なPCが弱体化を行い、補助が得意なPCが支援をし、火力PCが連携による一撃を叩き込むというのが、王道パターンになります。今回の日記はこれを念頭に紹介を行います。

  ただ、前提として私がデータ重視のパワープレイ傾向が強めということを留意してください。具体的には、4人パーティに対する中ボスとの戦闘では、中ボスはもちろんリアリティ能力者、とりまきの雑魚が8体程度はだす感じです。また、特に理由がない限り、後衛PCも攻撃対象に含めます。

  後、ゲームバランス的な観点では、カード運用が重要なシステムになっています。プレイヤーのカード運用の上手さ、また、PCの人数で、だいぶんバランスが変わります。3人パーティならカード回しがきつくて、「偉業」も達成しにくい。逆に6人パーティなら、強力なカードがPC達の手札にある確率が多くなるので、頭数以上にPC有利になる感じです。PC人数多いなら相当尖ったコンセプトのPCもありかなと思います。

  

キャラメイクのコツ:能力値とタイプ

  トーグエタニティの能力値は《魅力》、《機敏》、《知性》、《精神》および《体力》の5種類です。1つの能力値の特化型キャラクターは強力です。《体力》以外の能力値は、それぞれ対人行動の技能と対応しています。対人行動でプレイヤーズコールまでいけば、その敵の手番を無効化できるのは、とても強力。そして、敵も得手不得手があるので、各対人行動のエキスパートがパーティに揃っているのが理想です。しかし、能力値はポイント制なので1つの能力値を高くしようとすれば、他の能力値を下げる必要があり特化型はなかなか難しいのですよ。トーグエタニティのシステムバランスの素晴らしいところは、どの能力値も重要という点。能力値配分は頭を悩ます面白い部分です。実際、キャンペーン用にアイルの魔法使いを作成した際、《機敏》を1下げて、《知性》を1上げるべきかを半日くらい悩んでいました。

 なぜ、悩むのか。各能力値についてシステム面での見解をば。

 

・7以上は欲しい能力値:《精神》、《体力》

 まず、耐久値に直結する《体力》です。モブ敵でもダメージ基本値が10程度。他のPCには1~2ショックで済むダメージでも、鎧を着ていない《体力》5のPCは1負傷を負うことになります。打たれ弱さに直結する《体力》は、よほど高性能の鎧を着るとかでなければ、6以下にしないほうが無難です。

 次に《精神》。ショックダメージの総量は《精神》で決まります。また、ダメージ吸収やリンク回復に使用する〈リアリティ〉のベース能力値でもあります。こちらも低くしない方が無難と思います。

 

・低いと被弾率があがる能力値:《機敏》

 耐久値以外の防御値は《機敏》がベースになります。低すぎると被弾しやすくなりますし、敵の攻撃の成功レベルが高ければ高ダメージを受けるリスクも増えます。後衛型PCでもそこそこは必要かと。また、多くの戦闘系スキルのベースになっているので、前衛型PCは高い方が望ましいです。ただ、鎧に《機敏》上限があるので、重装タイプはそこまで優先度は高くないです。

 

・技能に重要な能力値:《知性》、《魅力》

 もっとも多くの技能のベースになっているのが《知性》。知識系だけでなく、〈発見〉や〈手がかり分析〉、〈追跡〉などアドベンチャーパートで重宝する知覚系技能も網羅しています。次に《魅力》。これまた、交渉系で重宝する〈説得〉などのベースです。

 トーグエタニティは、正義の味方のストームナイトの活躍を描くドラマチック志向のシステムです。全員、これらが低い脳筋パーティというのは困りものです。

  

 能力値についての見解が済んだので、次は能力値配分のパターンを紹介します。

 

・特化型

 11以上の能力値を1つ作るパターンです。技能と「特典」もその能力値に合わせて集中させるのが強いですね。トーグエタニティは、物理火力で敵を倒す火力型ビルドのPCが不可欠です。これは《体力》集中型がが相性よいですね。耐久値も高くなり、近接武器のダメージ基本値も上がりますし。

 

・集中型

 10の能力値を2つ作るパターンです。コンセプト的に2つの能力値が必要な場合、これぐらいの配分に落ち着きます。《体力》《機敏》型の前衛型や、《知性》《精神》型の魔法使いなどですね。

 

・バランス型

 能力値を7~9の範囲で納めるタイプ。どんなこともそれなりにできるというのは、十分有用なのですね。《知力》特化型PCであっても、常に〈知覚〉を成功するわけでもない。こういう時にフォロー可能な仲間がいるとありがたいものです。

 また、支援型の「特典」を比較的活かしやすいのも、このタイプだと思います。

 

 キャラメイクのコツ:出身コズム

  キャラコンセプトで大きなウェイトを占めるのが出身コズムです。ロールプレイ指針としてどこまでやるかはプレイグループやプレイヤーの解釈によりますが、出身コズムのロールプレイへの影響は大きいと思っています。

 例えば、原始と奇跡の世界リビングランドは、青銅器文明程度の技術しかなく、部族社会がベースです。株式会社みたいな概念を理解するのは矛盾になります。

 ただ、多種の価値観ごっちゃ混ぜの世界観がトーグエタニティの大きな魅力でしょう。例えば、アイドルのコンサート。リビングランドのエディーノスは「宗教儀式?」と思い、ゴシックホラー世界のオーロシュのヴィクトリア人貴族は「オペラと思ったが、あの娘の服装は何だ。ジプシーの踊り子なのか?」など辛辣なコメントを、テクノデーモンが支配する闘争社会から来たサーコルドのレジスタンス兵士は「これは集団軍事訓練? いや、噂に聞いた慰安会というものか??」とデ・カルチャーを感じる。こういうロールプレイは楽しいですね。

 パーティに複数のコズム出身者がいた方が、楽しいと思います。また、キャラ被りも少なくなりますしね。

 ただ、例えばパンパシフィカで金輪産業の悪行を暴こうとするハッカー集団を援助する場合。参加PCが、ハッキングという概念を基本的に理解できないアイルとオーロシュ、ナイル帝国のコズム出身者の場合、シナリオ進行が難しくなるのが想定されます。

 シナリオの舞台になるコズム出身者がいると、そのコズムの常識を紹介しやすくシナリオ進行の助けになります。または、コアアース出身者だと、基本的に地球が舞台なので、どの占領エリアでもNPCとコンタクトしやすいかなと思います。

 

 キャラメイクのコツ:技能と特典

  技能と「特典」は、PCができることを大きく定めます。装備や「特典」は、出身コズムで制限を受ける場合があるので、この「特典」を選びたいのでこのコズム出身になるという考えもありますね。

 「特典」の解説をすると長くなるので、今回は省きます。ただ、魔法と奇跡、超能力を使用可能にする「特典」は、PCの行動の幅を広げますね。参照するルールは増えますが、旧版よりずっとずっとシンプルになっていますよ。

 

 キャラメイク例

  キャラメイクのコツの実践として、例を4つ挙げますね。

 

コアアースの毒舌聖職者

能力値:魅力9、機敏7、知性8、精神9、体力7

技能:応急手当1、回避2、格闘1、コンピューター1、信教3、説得2、挑発3、投擲武器1、発見1、リアリティ1

特典:人徳、奇跡/スーズ、ブレス、ワード・エネミー

装備:ケブラー防弾ベスト、マルチツール、モバイルフォン、火炎瓶×4、聖印

背景:聖職者の家に産まれたが、両親に反発し嵐のような思春期を過ごした。しかし、親の愛に気づき、社会に役立つ人間になろうと誓った。社会にでて直ぐ、世界に最悪な嵐が吹き荒れた。リアリティ能力者として目覚めたのは福音だ。世界を正すため、この力を使う。

コンセプト:バランス型の何でも屋ですが、特に挑発とサポートが得意です。

 

ナイル帝国のタンクヒーロー

能力値:魅力6、機敏8、知性6、精神8、体力12/14

技能:威嚇1、回避3、格闘1、錠前破り1、説得1、地乗車操縦1、発見1、白兵戦3、間合い2、リアリティ2

特典:警護、スーパー能力値(体力)/大制約 スタンダードシーンでは働かない

装備:タンクエンブレム(「重胸甲」相当)、タンクハンマー(「ウォーハンマー」相当)、ヒーリングポーション

背景:無辜の民を護りたい。この強い想いが人を変える。村を襲うナイル帝国の戦車を鉄パイプでスクラップにした時、不屈の盾たるタンクヒーローが誕生した。街の整備工たちが戦車の残骸から鎧と武器を作ってくれた。装備も万全、後はドクターメビウスに鉄槌を下すだけだ!

コンセプト:味方を庇うことも可能な近接パワーファイターです。

 

元ナードのアイルの魔法使い

能力値:魅力6、機敏7、知性12、精神8、体力7

技能:応急手当1、回避1、感知魔法3、手がかり分析1、トリック1、追跡2、白兵戦1、発見1、変成魔法3、リアリティ2

特典:状況認識、スペルキャスター/スタン、ディミニッシュ、パスファインダー

装備:エルヴンチェイン、ダガー、呪文詠唱用薬品セット、バックパック

背景:大学を卒業後も定職に就かず引き籠っていたが、世界が一変してしまった。長年蓄えた知識は、魔術の知識として再構築された。いいだろう。この世界の危機を何とかしてやる。そして、平和が訪れたら大賢者として隠遁するのだ。

コンセプト:パーティに一人は欲しい高知性キャラクターです。そして〈知性〉と相性がよいのが魔法です。未訳のアイルのサプリメントは、魔法の追加データが多く、拡張性も高いです。

 

サイバー教皇領のサイバー斥候

能力値:魅力6、機敏10、知性7、精神7、体力10

技能:回避2、隠れ身2、コンピューター1、銃器戦闘1、追跡1、発見2、白兵戦3、間合い2、リアリティ2

特典:旋風、サイバーウェア移植/ハードプラスアーム、ハードプラスライフロック、ベルビュー20-20サイバーアイ

装備:ロングソード、リフレクト・アーマー、GWIゴットミーター、弾薬帯

背景:アイルのハイロードのユーソリオン配下斥候だったが、深い霧に迷ってしまい気が付けば酷い嵐に巻き込まれ、終いにはサイバー教皇領のリアリティに変身してしまっていた。サイバーアイのお陰で物事がはっきり見えるようになり、ユーソリオンやマルローの悪事も知ってしまった。糞くらえ! 落とし前をつけさせてやる。

コンセプト:軽戦士タイプの前衛キャラです。モブ敵の排除や、〈間合い〉による敵の弱体化が得意です。

 

 キャラメイクについて思うところをまとめてみました。あくまで自分のプレイスタイルにあったものなので、参考までに。

 トーグエタニティは大変面白いシステムです。独特なのでとっつきにくい部分もあると思いますが、ルールは整理されています。まずはやってみることをお勧めしますよ!

濁世を生き延びろ! 新作ウォーハンマー4版!

 ご無沙汰です。康次郎です。

 今回はウォーハンマー4版です。発売元は cubicle7 。D&D5版の指輪物語モジュールなどを出している会社ですぜ!

http://cubicle7.co.uk/our-games/warhammer-fantasy-roleplay/

 とりあえず、ざくっとポイントだけ訳して遊んでみました。

 感触で言えば、今風になった初版。初版がイギリスで発売されたのが1985年。30年以上も昔になります。このころは、ウォーハンマーのミニチュアゲームも世界観が固まっていなかった時期。TRPG用に泥臭くてリアルかつパンクな中世ファンタジー世界が作られたのと思います。その後、ウォーハンマーのミニチュアゲームは、ヨーロッパやアメリカで大ブームになり、世界観が固まっていきます。
 2005年に出された第2版は、システム的には初版を当時大人気だったD20システム風に再構築したものと思っています。世界観は初版とミニチュアゲームの折衷という感じ。ミニチュアのヒーロー達ととは異なる、一般人の物語という形で区分したのですね。
 2009年のFFG社から出された3版は未調整の失敗作だっと思っています。クリスマス商戦に出された大作。しかし、コンテンツ(カード等)を売りたいという経営戦略のもと、別々のアイディアを混ぜ合わせ、不完全のままウォーハンマーの看板で発売させたと印象です。まあ、年末や決算期で発売されるキャラゲーと似た流れですかね。3版のシステム部分は、洗練されてスターウォーズTRPGで活用されています。ウォーハンマーの世界観に併せて作られたシステムではないのでしょう。
 そんな流れでの4版です。最初、2版のバージョンアップ版のような印象を受けていましたが、それよりも初版リスペクトを強く感じます。D&Dも5版で初版寄りになりましたよね。初版を遊んでいた世代が、企業で決定権を持つようになったのが影響なんでしょうかね?


 ま、システムの内容をざくっと紹介します。基本能力値は10種類。2版と比較すると、敏捷力からDexterity(器用度)、知力からInitiative(反応)が独立しています。これらの能力値は初版にあったものです。能力値的な種族バランスでは、エルフが凄く強化されました。人間に劣る部分がない感じは、これも初版を彷彿させます。ただ、バランスは別のところでとっています。ご存知、運命点。そして、Resilience(執念点)。後者は4版から追加された、ヒーローポイントで永久消費するとダイスロールで成功を変えたり、失敗した混沌変異ルールを無視できたりします。己の意志で現実を捻じ曲げる力ですね。運命点に対する幸運点のように、執念点と同数のResolve(信念点)が与えられます。これはクリティカルや恐怖などの不利な状況を1ラウンド無効化するものです。これは、PCの生き様に沿ったロールプレイをすれば、GM裁量で回復します。例えば、鞭打苦行者がシグマー神への狂信をアピールするとかですね。運命点と執念点はランダム決定ではなく、種族で定められた初期値にボーナス値を配分して決定します。人間は運命点2、執念点1にボーナスの3点を割り振り。エルフは運命点および執念点の初期値は0、ボーナス2なので、1点ずつ割り振るしかないよねって形です。エルフは能力値が高くとも、打破力、リカバリー能力に欠けるわけですよ!

 キャリアは64種類。初版にあったアカデミックやレンジャーなどの区分が復活。また、上級キャリアの概念が変わって、各キャリアにキャリア・パスができました。例えば、騎士は、従者→騎士→名だたる騎士→内陣騎士のようにキャリアアップしていきます。ちなみに初版から復活した物乞いですが、Pauper(貧困者)→Begger(物乞い)→Master Begger(達人乞食)→Begger King(物乞い王)ってな感じ。もちろん、キャリアアップ以外に転職するのも可能ですぜ!


 種族、キャリア、能力値はランダムで決定しますが、初期経験点を諦めることで、好きなのを選べたり、能力値ならポイントバイできたりします。


 技能ですが、一般技能は全キャラ、能力値でロール可能になりました。また、平均的なテストの難易度が(+20)に変更。だれも何も見つけれない、だれも交渉できないなどがなくなり、初期キャラでも人間なら大体5割で成功するようになりました。これは失敗によるセッションの停滞を排除しようとう試みなんでしょう。この考え方は後述の戦闘にも表れています。
 「近接攻撃(基本)」、「肉体抵抗」、「動じなさ」も初期技能に含まれるようになりました。これらは、2版では【武】、【頑】、【意】と能力値で判定していた部分です。4版では技能は個々にパーセンテージを成長できるようになりました。なので、ここら辺も比較的伸ばしやすいのです。ダガーや片手武器などの基本武器を扱う「近接攻撃(基本)」は、ハーフリング以外の種族選択技能になっています(哀れハーフリング!)。種族初期成長で+5、キャリアでも伸ばせるならさらに+10アップできます。ちなみに、「遠隔攻撃」は上級技能になりました。持っていなければ試みることができません。
 異能については、同じ異能を複数回習得して強化できるようになりました。「強打」を3回習得できれば、ダメージ+3等です。複数回数習得の制限は異能ごとに決められており、「強打」なら【筋】ボーナスに等しい回数になります。
 後、面白いと思ったのが人間の種族異能のDoomed(運命付け)。10歳の誕生日にモール司祭が占いを行う風習があり、それを「運命付け」といいます。『信仰の書』に記載のある奴ですね。この、神託どおりの最期、「厠で惨たらしく一人で死ぬ」などを達成できたら、次のPCに経験点の半分を引き継げるというものです。これは、雰囲気溢れていていいっすよね!

 ここまで読んで何かイージーな世界になったと思いましたか? もちろん、そんなことはありません。ある意味より過酷になったと思います。

 重要な判定には、対抗ロールが使われます。成功レベルを比べて、勝者を決めるものですね。
 そして、戦闘における命中判定とダメージはこの対抗ロールで判定することになりました! こちらの命中率は53、出目が36で成功レベル2。相手の成功レベルは-1なので、3差の成功。ダメージは基本値+3で算出って流れです。
 恐ろしいのは、双方失敗でも成功レベルの差で勝者が決まるため、ダメージが発生することです。2版のように3割程度の命中で双方はずしまくるということはなくなりました。
 また、ゾロの成功でクリティカル。失敗でファンブルが発生します。クリティカルは、問答無用でクリティカル表をロール。クリティカル効果、顔面がぐちゃぐちゃになったり、指が数本切断されたりとよりえぐい感じなりました。ファンブルは、初版でもあったOops! Table(おっとっと表)でアクシデント内容を決定です。
 2版のようにハーフリングパンチでも、ダメージダイスで10が出続ける限りグレーターディーモンを倒せるという浪漫はなくなりました。ダイス目の影響がよりダイレクトになり、ある意味よりデンジャーに。
 そして、この流れを加速するのが初版にもあったAdvantage(優位)ルール。自分がダメージを受けず、攻撃を成功させている限り、+10のボーナスが加算され続けていくものです。今回、スクウェア戦闘ではなく、エンゲージ制の抽象戦闘になりましたが、人数差のボーナスは健在で、3倍差以上で+40! 戦闘は一方的になる傾向が非常に高くなったと思います。
 タコ殴りが強いかというと、遠隔攻撃の方もえげつないと思います。今回、射線ルールがなくなった模様なので、ある意味、一方的に攻撃し放題。しかし、強力すぎるからか上級技能になり、遠隔攻撃可能なキャリアもごく少数になりました。狩人は弓の技能を持っていますが、弓自体を持っていないなどです。

 まあ、初期キャラの戦闘バランスですが、自分がマスターした際はPCの圧勝。しかし、ダイス目によってはPCたちの優勢も崩れることがあったでしょう。

 戦闘バランスについては、プレイ経験が足らずよく判っていません。


 ただ、2版では戦闘に軸足を置いた遊び方をしていましたが、4版は世界観、物語に軸足を置いたものにシフトしているという印象も受けました。
 2版では戦闘職とそれ以外の戦闘能力は初期ではそれほどなかったため、ネズミ捕りでも戦士として運用することが可能でした。4版では、ネズミ捕りはネズミ捕りらしい運用で遊べということかな?


 4版はどういう遊び方を提示するかは、今後発売される公式シナリオで確認していきたいと思います。

 なんにせよ350ページオーバーの大作の新作ウォーハンマー! じっくり遊んでいきたいと思います!

トーグが帰ってきた! TORG Eternity

 ご無沙汰しております。更新が年1回程度になっております。昨年も、D&D4版の伝説級キャンペーンのDMやったり、英雄級キャンペーンにPL参加したり、Earth Dawn4版のキャンペーンのマスターをやり切ったり、充実したTRPGライフを送ってました。

 昨年の眼玉といえば、TORG Etarnityです。これ2013年にブログで紹介したTORGの最新版になります。昨年にキックスタート開始。開始後、半日で目標額8千ドル達成! 最終的には2千人以上の出資者から35万ドルを超す資金が調達されました。日本にルールブックなどが届くのは、今年の3月以降になる見込みですが、出資者にPDFは配布済み! 公式シナリオのプレイヤーで遊んだり、冬コミの同人誌に紹介記事を寄稿させてもらいました。


 TORG Etarnityは、TORGの世界観とシステムを現代風にアップデートしたものです。ニッポンテックが中国を含めたコズムに変わるとか、システムでD6も使用するとか、事前情報で不安に感じる部分もぶっちゃけありました。しかし、蓋を開けたら、以前の遊びごたえが、現代風にリブーストされていました!

 変更点は色々あるのですが、個人的に大きな部分をピックアップ。

世界観
・ハイロードの侵略を受けたのが、1990年代から現在に変更。
・ニッポンテックが中国、韓国を含めたパン・パシフィカに。金輪産業は健在だけど、レルムのテーマが「キョンシー・ゾンビパニック」、「カンフー映画」と「韓流ハードボイルド」風に。
・ハイテクデーモンが支配する世紀末世界観のサーコルドが基本コズムに追加。

ルール
・難易度、達成レベル周りが整理されシンプルに。
・キャラクターの特殊能力を表すパーク(Perks)の追加。
・経験値ルールを追加。ポシビリティは幕間ごとに基本値にリセットされる形に。
・ダメージ決定にボーナス・ダイス(D6)追加。
・ドラマカードが3つに細分化。

 例えば、ドラマカードは、遭遇ラインを決定するドラマカード、強化などに使用するデスニティカード、コズム特有のイベントを決定するコズムカードに分かれました。

 「アドレナリン」などはデスティニーカードになったわけです。ちなにみカード効果も現代風にアップデート。あの「ロマンス」の対象から「異性」という括りがなくりましたぜ、旦那! つまりですね、「同性」、いやさ、「性別なし」でもええんですよ! ずばり、ダークネスデバイスにも使用可能! 「大黒、おまえの漆黒の世界を桃色に染めてやるぜ!」とか一度は言いたい台詞っすね!


 ま、こういう説明だけではイメージがわきにくい部分もあると思いますので、実例をば。今年初めてのTRPGセッションを、TORG Etarnityのマスターで行いました。シナリオメイクから、リプレイっぽいのまでどんな感じだったかのセッションレポートを挙げますね。



 ただ、テキトーな身内セッションの記録なので、そこは割り引いてくださいね。

 まず、シナリオメイキング。前作TORGのマスター経験はそんなにないので、プレイしやすいコズムを選びます。個人的にはアイルかナイル帝国ですね。アイルは公式シナリオのPLに参加したことがあるので、勝手の少し判るこちらに決定。

 マスター経験者からTORG Etarnityはコズムカードでイベントがポコポコ起こるので、シナリオを作りこまない方がやりやすいと聞いてます。自分のマスタリングはアドリブ寄りなので、やりやすいですね。しかし、シナリオの核はいります。そこで、旧版のシナリオ用に考えていたネタを使おうと思いました。


 アイルで「砦に半裸の蛮族がいる。背中に炎の悪魔のタトゥーをした戦士だ」という情報を与えます。実は、背中に仁王の入れ墨をしたヤクザだったというミスリードネタ。砦とヤクザというキーワードをネタに話を膨らませるんですね。

 この時点でPL募集開始。結局、身内サークルの10年以上つるんで遊んでたTORG猛者5名が参加することが決定。奴らなら、シナリオが何であろうが、勝手に盛り上がってくれるという奇妙な安心感があります。

 PLにEtarnity出資者が3名いるので、当日キャラメイクすることに決定。データ見たら作りたくなるのが、ゲーマーの性と思っています。


 3週間くらい前にカード印刷完了。シナリオの細部をボチボチ考えていきます。イギリスの砦で、ピンとくるのは何か? 「第9兵団のワシ」の壁かなぁ?


 このアイディアで進めていたんですが、1週間前に布団の中でピンときました。イギリスってたら、モンティパイソンやん! アーサー王を題材にした「ホーリーグレイル」って映画あったやん! あれ、ファンタジー業界に多大な影響を与えているやん!

 ウェブでチャッチャと調べたらロケ地はドゥーン城ってとこでした。ここを舞台に決定。そうすると連鎖的にアイディアがわいてきます。シナリオの核に「聖杯」を持ってくるのはTORG的にNGと判断。代わりに劇中にでてきた「ホーリーグレネード」(聖なる手榴弾)というふざけたアイテムにすることに決定。これをエタニティシャード的サムシングに決定。イギリス人の希望ってこういう諧謔精神に満ちた物になるに違いない!

 次にNPCの設定。ヤクザを出すのは決定事項。後、何をどうだすか? そこで、劇中のホーリーグレネードにまつわるエピソードを思い出します。アーサー王はアホなので、三位一体の聖なる数字「3」を数えられず、ピンを抜いてから「1、2、5」ってカウントしてしまうというブラックジョークです。

 シナリオ名を「カウント・ワン・ツー・スリー」にして、メイン遭遇を3つにすることに決定。ヤクザの名前を三郎に決定。アイルの敵として2つ首の巨人。最後の1を表す人物を何にするか? 怪しい爆弾といったら、ナイル帝国のリアリティ爆弾を連想しますよね。ということで、ナイルに決定。名前は王(ワン)というエセ中華系キャラに決定。で、伯爵(Count)を名乗らさせれば、カウント・ワンで駄洒落になるよね〜

 ということでシナリオのデータ以外の部分はほぼ完成。


 しかし、忘れちゃいけいないのが、ロマンス要員。カードによるイベントがあるので、ある程度のヒロイン枠NPC(男性含む)は用意していた方がいいです。もっと言えば、NPCの性別はある程度、どっちでもいい感じにしておいた方が楽です。

 以前にマスターした旧版のシナリオでは、プレイヤーたち全員が“オタサーの姫”やると言ってNPC半分程度の性別を入れ替えたこともあります(しかも、オタサーの姫のロールプレイを全員が5分で飽きやがりましたw)。

 本作のロマンスカードは1枚ですので、1〜2名用意できれば十分でしょう。三郎は背中の入れ墨があるので、女性じゃやりにくいので男性に固定。そこで、同行者NPCとして「ホーリーグレイル」からサー・ロビンをピックアップ。勇敢なる“チキン野郎”ですね(サー・ロビンの歌は最高です!)。ロビンは女性名にしても日本じゃ違和感ないしね。


 普段は元ネタがあるシナリオは避けますが、勝手知ったる身内。半分はモンティパイソンを知っていることは把握。また、パロディがセッションの本筋にならず、PC同士のツッコミ合いがメインであることは、メンツの顔ぶれでほぼ確定しています。


 で、当日。サークルの後輩でオンラインセッションツール「どどんとふ」の製作者、たいたい竹流君も参加者の1人。TORGマニアの彼は、最高額の1,000$でキックスターターの出資をした猛者中の猛者です。アメリカのGenコンで製作者とプレイしてきて、デルファイ評議会NPC眼鏡っ子女子大生のハッカーの設定をぶち込んできやがりました。

 今回の依頼はこの女子大生からなされるように事前連絡済み。で、集合場所に行っても奴さんがいません。どうやら、犬の散歩で遅れるとツイート済みとのこと。ま、あるある〜


 他のプレイヤーがキャラ作成を進めていると、たいたい氏が到着。キャラメイクどうする? 依頼主の眼鏡っ子ハッカーにするのと聞いたところ、「しない」。データを作成したら倒されてしまうので作らないという極めてゲーマーらしい主張。キャライメージは決まっていて、「アース君」にするとのこと。

 このアース君は、たいたい竹流君マスターのTORGのキャンペーンのNPCです。このキャンペーン、年に2回ある合宿で行うフリー参加型のものでして、10年以上続いていました。アース君は、各コズムを旅する劇団の少年団長でして、PCたちの依頼主。藤田和日郎の弟系少年主人公タイプ。

 イメージができているので、キャラメイクは早く、周りも茶々を入れます。

「リアリティと説得、知識は高めだな」

「能力値は、魅力高めで筋力低め?」

「いや、オール平均値の8っしょ!」

「そ・れ・だ!」


 わいわいやりながら、キャラメイク完成。今回のセッションのストームナイトは下記の5人だ!

月影アース(コアアースの弟系少年主人公)
 プレイヤーはたいたい竹流君。支援系キャラで、パークは《天性の指導者(Natural Leader)》と《伝播者(Storyteller)》。大地と書いてアースと読ます日本人。

キバー(リビングランドのエディーノスのオプタント)
 プレイヤーはEtarnity出資者で、TORGオンリーコンでマスター経験有り。たいたい竹流君に次ぐTORG猛者。キャラクターは唯一アーキタイプを改造したもの。ちなみに、今回のエディーノスは、ラナーラ信徒でも原始的な服や道具を使用します。

マイラス(アイルのデュナド司祭)
 プレイヤーはサークル一番のウォーハンマーRPGマスター。キャラクターは、顔半面に祈りの言葉の、背中一面に聖印のタトゥーをしたおっさん。「俺はデュナド神の神罰体現者!」って、TORGウォーハンマーちゃうから。厳つい外見に反して、治癒と補助系奇跡で固めたサポートキャラ。

クーサリオン(アイルのエルフ・アーチャー)
 プレイヤーは、飄々としながらえげつないデータ運用に定評あるナイスガイ。キャラはエルフの弓使い。ちなみに、Etarnityのエルフは金髪碧眼になりました。

ジュダ(オーロシュのディアボリスト)
 プレイヤーはEtarnity出資者で、本セッションでは一番若手。キャラクターは悪魔崇拝者のヴィクトリア人貴族。もちろん、白人男性至上主義者。ダメダメなナイスガイ。



「え、技術レベル最高がコアアース? アタッカーはいないの? アタッカーいないと今回は辛いぜ」

 パーティバランスに言及する経験者たいたい竹流。Etarnityはパーティ連携がより重要になりました。まず、ポシビリティ能力者をプレイヤーズコールで倒すことができなくなったため、火力キャラが必要に。ダメージの出し方ですが、成功レベルによってボーナス・ダイス(D6)を追加する形に変更。ダメージ基本値に5以上の成功なら1個、10以上の成功なら2個、D6をロールします。出目が6なら、5としてカウントし、振り足し。6が出る以上、ダメージは増えますが、基本最大+2D6が限界。3D6以上ロールしようとすると、パークやらデスティニーカードなどが必要になるわけです。


 で、今回のパーティに火力キャラはちゃんといます。エルフとエディーノスです。Etarnityでは装備格差が相当緩和されました。エルフの持つコンポジット・ロングボウは拳銃程度の火力があるわけです。さらに、エルフ専用パークにより複数目標へ攻撃が得意。エディーノスは自分の爪で戦いますが、自己強化の奇跡を持っています。また、リビングランドの世界法則により特定条件で特攻した場合、ボーナス・ダイスが1個追加されます。単体アタッカーとしてリビングランド出身キャラは悪くない性能に。


 バランスが取れていないわけでもないし、この面子ならプレイヤー同士でなんとかやるという信頼があります。

 ということで、最後に性別確認。全員、男性とのことなので、サー・ロビンは女性キャラに確定。


 たいたい竹流君が、アース君と眼鏡っ子女子大生のセルフボケツッコミをしながら、導入パートは終了。ドォーン城で謎の閃光と共に、近代兵器が使用可能になったという情報が。神々しい光を見たという別の情報も。ドォーン城と言えば、「ホーリーグレイル」のロケ地としても有名。英国人の諧謔心がホーリーグレネードを生み出したかも? ハイロードに目を付けられる前に調査と、確保を何ちゃらかんちゃら〜

 で、ここで1名以外「ホーリーグレイル」を知らないことが発覚。

マイラス:モンティパイソンといえば、ランバージャックの歌だぁ


 ということで、文明の利器を使用してYouTubeホーリーグレネードのシーンを紹介。しかし、皆がえらく食いついたのは、殺人兎ちゃん。ウィザードリィのヴォーパル・バニーの元ネタです。

「うへへへ、ワンカットで殺されている」とか大喜び。

「マスター、絶対出してくる。ヴォーパル・バニー出す気満々や」

 ベタすぎて出す気はなかったのですが、プレイヤーの希望に沿って行くのがアドリブマスタリング。この時点で、ラスボスは兎ちゃんにすることに決定。


 そんなこんなでキャラ紹介と導入を済ませてセッション開始。まず、各PCにポシビリティのトークンを配ります。前述の通り、ポシビリティは幕間で初期値にリセット。特定のパークを取らない限り初期値は3。幕間で使い切りになったため、使いやすくなった半面、数が限られるので使い道の選択は吟味する必要が増した感じでいい変更だと思います。

 つづいて、デスティニーカードを配り、その後、コズムカードを1枚配ります。これはコズム毎のイベントをカード化したもので、貰ったらすぐ発生するもの、任意で使えるものなど様々。


GM「コズムカードでワンダリング・モンスター引いた人いる?」

クーサリオン「これ? え、え、ヴォーパル・バニー出すんですね!w」

GM「出さねぇよw」

 このカードはいきなり敵と戦闘が始まって、敵の強さに応じて1〜3ポシビリティ全員がもらえるという内容。PLの任意で使用できますが、どうせチュートリアル戦闘をやるので、これを使ってもらう形にしました。テンポよいセッション進行のため、こういうのもありだと思っています。


GM「森を馬車で進んでいると前方から女性の悲鳴が聞こえるよ」

 悲鳴の主は、(一応)ヒロイン枠NPCのロビン。周りを青白い肌をした人間の一団を取り囲んでいます。こいつらはラーク。アイルのショックトルーパーみたいな一般的な敵キャラです。

GM「鎧を着た女騎士の周りに、ラークが群がっているよ。そのボスはポシビリティ持ってそうだ。スタンダード・シーンの戦闘だぜ」


 ドラマデッキからカードを引いて、ラウンド進行。1ラウンド目は敵先行です。Etnitiyで戦闘バランスが大幅に見直されました。前述の通り、装備格差がかなりなくなりました。また、【耐久力】が【筋力】に統合され、ショックが【精神力】から算出されるようになりました。マッチョはダメージ軽減で、術者系はショックダメージの多さで凌ぐという形に。ポシビリティでのダメージ軽減は健在ですが、《リアリティ》判定が必要になりました。20以上の達成値でノーダメージも可能になりましたが、そもそもポシビリティを大量には持てることが少ない。ということで、どんな敵が出ても、旧版以上に脅威になるというバランスになったと思います。

 案の定、マイラスがラークにタコ殴りされ、1負傷を喰らいました。普通はここまでは酷くはないのですが、マイラスとジュダは防御の要となる【敏捷力】と【筋力】に最低値の5を割り振るピーキーなキャラメイクをしています。責められと弱い。

アース「Etnitiyになって、戦闘は速攻バランスになったで」

 マイラスたちのような極端なケースを除いてもダメージ軽減リソースが少なくなったので、やられる前にやるパターンが定番になった模様。

アース「雑魚の群れを掃討するのに、ファイヤーボールとかグレネードなんかの範囲攻撃も欲しいのよね〜」

 と言いつつ、自キャラは手榴弾など用意していません。そして、推奨行動を失敗するアース君。マイラスが奇跡で仲間を強化し、ジュダが魔法で敵を弱体化。


キバー「3体に攻撃。アタッカーは殴るだけになりがちなのね〜」

 ポシビリティで敵の攻撃を耐えつつ推奨行動をして手札の充実、大放出で大逆転という旧版のセオリーの重要度が下がりました。その分、1回の戦闘にかかる時間が短縮し、軽くなりました。

 クーサリオンの弓の複数目標攻撃も強く、雑魚の半分以上が倒されました。2ラウンド目には戦闘終了。ボスはポシビリティをダメージ軽減に使用しましたが、出目が振るわず轟沈。コズムカードの効果で全員の2ポシビリティを渡します。


 女騎士とその従者のおっさんを一行は助けます。お礼と自己紹介をする女騎士。ここで、キバーは彼女が恐怖のため若干失禁していたことに気づきます。

キバー「オマエのニオイ覚えた」

アース「おもらし系ヒロインかぁ、またニッチできつい性癖を〜w」


 念のため言いますと、マスターの趣向ちゃいますねん。勇敢なるサー・ロビンは、チキンなビビりキャラっていう元ネタの再現です。恐怖のため脱糞するパロディ・バージョンもありましたが、流石に失禁に留めた次第。で、彼女から北にキラキラするもののビジョンを夢でみたので、デュナド神のお告げと思い探求の旅にでたとのことを聞く一行。

アース「あかん娘や〜」


ジュダ「白人女性ですよね? なら、善しっ!」

マイラス「デュナド信者なんだろ? なら、問題なし。おい、嬢ちゃん。俺はデュナド司祭のマイラス、こいつがヴォーパル・トカゲ、ヴォーパル・アーチャー、ヴォーパル・ジェントルマンだw」

アース「こいつら〜w」


 で、マイラスがコズムカード「死体漁り!」を使用。これは、魔法財宝表からランダムでアイテムを得られるもの。アイルはダンジョン・ハックの傾向が強くなりました。オイントメント・オブ・インビジビリティという透明軟膏をゲッド。透明になることで高い防御効果が得られます。


マイラス「ヴォーパル・ジェントルマンが一番脆いな。これ渡すわ」


 一行はまずはロビンたちとドォーン城の近くにあるスターリングに向かうことに。スターリングはスコットランドの中心都市。アイルの影響で城塞都市に変化しています。ここでジュダがコズムカード「宮廷流陰謀」を使用。全PCが2ポシビリティ得るものの、悪評のため世間の印象が最悪になるもの。偉業などで払拭可能。

「おい、狂司祭だ……トカゲ男もいるぞ……おい、あれはお漏らし卿じゃないか!」


 これでマイラスが教会の異端児であることは確定。これでは弱いと思い、ロビンも白い目で見られてることに決定。へたれな妄想娘に加えて、親が金で爵位を買ったことにします。どんどん、駄目ヒロインに。


アース「でも、情報収集はしたいな。誰か領主に話を……って、俺か?w」

 狂司祭、悪魔崇拝者、野生のトカゲ人間、世俗に無関心なエルフ。交渉という発想に立てるPCは、アース君しかいない。高めの《交渉》とポシビリティのお陰で、領主からドォーン城の情報を入手。現在、城は無法者が占拠しており、山賊の頭は背中に悪魔のタトゥーをした蛮族戦士であることを。

ジュダ「悪魔! そいつにデスティニーカードの「仇敵(NEMESIS)」を使用します!」

 これは、敵のポシビリティ能力者に仇敵設定を付け、自分とそのNPCが3ポシビリティ得るという、シナリオを派手にする面白いカードです。

マスター「じゃ、ジュダはその男を知っているよ。三郎というパン・パシフィカのヤクザで、背中に仁王の入れ墨をしている。武術の達人で長ドスを振り回すよw」


ジュダ「想像と違った〜w」


 三郎は完全な悪役にせず、交渉次第で何とか対処できるコースも想定していましたが、仇敵にされたのでは戦闘は確定です。その後、一行は宿屋に。


マスター「宿屋の親父は、あんたらの寝床はここだと馬小屋を指すよ」

アース「ひっで〜 あ、カードの効果かw でも、アース君は部屋で寝たがるぞ」

クーサリオン「自分はここでいいですよ」

キバー「ひゃっほ〜 草〜 こいつもベッドで寝たら、矛盾判定だしぃw」

マイラス「馬小屋で寝るのは慣れている」


 部屋を希望するアースとジュダの願いを、ロビンがお金の力で叶えます。その後、ロビンが手紙を書いている場面をアースが目撃。書き言葉が貴族のものでないことを発見します。親が爵位を金で買った事実の前フリですが、アース君は誰にも相談できないことに気づきます。

アース「キバー、マイラス、クーサリオンは気にしない。この機微がわかるジュダは日本人の僕をバカにするに違いない。なんてこったw」


 そんなこんなで、街のシーンは終了。コズムカード一つでイベントの内容がかなり変えていく感じですかね。



 翌朝、ドォーン城に向かう一行。山賊の一団ということで、正面衝突は避けることに。見張りをクーサリオンの弓と、奇襲攻撃で無力化し、中に潜入を図ります。


キバー「奇襲はキバーがやるぜ! こいつは《カメレオン肌(Chameleon Skin)》のパークを持ってるんで〈隠れ身〉が得意判定だぜ!」

 得意判定とは1回目のダイスロールの出目が1でない限り、2度目を試みれるというルール。まさに適任。

キバー「ギャー、出目1! エディーノスのパークなんでリンクも切断。ガサっと茂みから出て、やあやあ我こそは嵐の騎士キバー!w」

一同「あかんって〜ww」


 出目1は「災厄」といって悪いことが起こります。ここはキバーがアイルの世界観に染まり、騎士道に沿った名乗りをあげることで勝手に演出。もちろん、OKです!

 出会え、出会えと40人ばかりの山賊どもが集合。そして、奥から神輿に乗った三郎が登場。

「頭、敵襲です、頭!」

「頭じゃねぇ、何度言ったらわかるんじゃい。わいは若頭や!」


ジュダ「間抜け面の山猿がいると思ったらお前か。アイルで何をしている?」

 仇敵演出をするもののすでに透明軟膏は塗り済みなんで、変な感じに。


三郎「あぁ〜ん、その声はどこぞのヘタレ貴族か? 何だまた手品でインチキしてんのか?」


アース「この数と正面衝突はまずい。「知人」カードを使用!」

 すると、山賊の中にそぐわない人物が。

日本人「ん、アース君じゃないか!?」


 旧知の日本人植物学者ですが、三郎の部下の三下たちと同じくアイルのリアリティに侵されています。

三郎「ほぅ、先生のお知り合いですか。でも、危険ですから下がってもらいます。おい、先生をお連れしろ」


 数人の手下に引きずられ学者が退場。モブの数が減ります。


三郎「マジックマッシュルームはわしらのシノギ。ここはわしらのシマじゃぁ!」


マイラス「何、ほざいとるんじゃ! アイルはデュナド神のシマじゃぁぁ!w」


 ということで、ドラマチックな戦闘開始。1ラウンド目にいきなり敵先行でかつ高揚が! 三郎が3名を巻き込んでドスを振り回す。「仇敵」のお陰でこちらもポシビリティが3増えているので、振り足しに使用。本作ではポシビリティの打消しには専用パークが必要になったため、打ち消される心配は余りなくなりました。

GM「ダイス目走って45」


 流石に致死レベルの攻撃。3人はポシビリティをダメージ打消しに使用(そして〈リアリティ〉判定にも)。「仇敵」はこのように仲間にとばっちりがかかることもあります。ご使用は計画的にw


 残りのモブの攻撃もポシビリティで耐えます。コズムカードで稼いでいたので、多少の無理はできる感じ。


ジュダ「敵に呪文使いはいませんね? コズムカードの「溢れ出すマナ」を使用。3ラウンドの間、魔法技能が得意判定になります。で、オーロシュの《悪魔魔術(Diabolist)》のパークを使用。これで魔法技能に+5。アイルの世界法則で3ショック受けて、魔法判定に+3!」


 えげつないボーナスを乗せて放った呪文はディミッシュ。三郎たちが耐えれるハズもなく、【敏捷力】に−4のペナルティが! こうなれば、攻撃も通りやすくなります。その上、マイラスの強化奇跡も飛びます。

 次ラウンド、敵が先行ですがペナルティのお陰で攻撃が冴えずに終了。後攻で、アースが三郎に〈間合い〉を試みて、目標値を10上回りプレイヤーズコールに。敵に「隙」(こちらの判定に+2)か「不利」(相手の判定に−2)を与えることが2回でき、さらに敵の次の手番は無効に。

アース「隙隙で、大スキ!w」

 現在、敵の【敏捷力】−4に加えて+4ボーナス。キバーがえげつない攻撃を放ちますが、三郎はポシビリティをぶち込んでダメージ無効化。

ジュダ「フフフ、実は拳銃持ってるんですよ。死にたまえ! あ、20出たw」


 【敏捷力】5でもこれなら当たります。ポシビリティやらカードを使用して、何と「偉業」達成です。


マスター「あっ、はい。子供に転がらされてもんどりうった半裸のヤクザを、透明化したヴィクトリア紳士が眉間に拳銃突きつけて倒すという、実に希望に満ちた英雄的行為ですw」

一同「わ〜〜w」

 また、60以上のロールが達成されたので、アイルの世界法則によりジュダの手袋が〈銃器戦闘〉に+1ボーナスを与える魔法のアイテムになります。

アース「キャンペーンするなら、アイルから初めて魔法のアイテムを充実させるのがいいよな。矛盾は起こるけどw」

 三郎を倒すと、子分は降伏します。植物学者から地下で麻薬になるキノコの採取を試みていたらしいことが判明します。実際は麻薬密売などだったんでしょうが、リアリティ・ウォッシュでアイル風に変化した模様。


 さらにアースが情報収集のダイス目が走り、この城の洞窟は地下世界につながっており、キノコ採取に行った者が数人戻ってこないこと。帰還者からは大きな人影を見たなどの目撃証言があること。また、最近、森で巨大なモグラと大きな穴を目にした話を聞きます。


アース「あ〜、Etnitiyになって狭間の地が各地と融合しちゃってて、どこでもダンジョンになってるんやよね〜」

キバー「巨大モグラって、やっぱりアレか? あのマシンなのか?」


 憶測が飛び交う所で1幕目終了。


アース「残党たちに《伝播者(Storyteller)》を使用するぜ」


 これは偉業を伝播して特別なポシビリティ・プールを得るパーク。しかし、どんな伝説やねんw


 ということで、2幕目開始。次は地下ダンジョン攻略。ポシビリティがリセットされ、コズムカードを配ります。


ジュダ「あ、「宮廷風恋愛術」!」


 これは、アイル風ロマンスカード。歌や詩で告白するもので、必ずしも恋仲になれるわけじゃありません。しかし、「ロマンス」より手にしやすいのがミソです。


ジュダ「う〜ん、ロビンはなぁ、でも、もっとましなヒロイン出るとも限らないしなぁ。地下だしオークのヒロインとか出そうだし。あっ、ロビンの従者って実は美女だったりします?」


 こういう目ざとい提案は、プレイヤースキルの1つでしょう。しかし、すでにおっさんであることは口にしていたので却下に。


ジュダ「う〜ん、保留」



 で、一行は地下洞窟に。ここはドラマチックな行動解決で進めることに。手順Aで道順を探ります。〈発見〉を1人成功すればOK。手順Bは地底湖の水泳。【敏捷力】判定で全員の成功が必要。手順Cは崖下り。こちらも【筋力】判定で全員。

 手順Aは難なく成功。BとCはジュダとマイラスはかなりきつめ。序盤でポシビリティを使う羽目に。更に別の意図的ハプニングが。

クーサリオン「この「罠だ!」のコズムカードを使います」

 これはパーティの任意の対象にデストラップが発動するという酷い内容。その威力はボーナス・ダイスの出目に等しい負傷。結果は3でアースに発動。

アース「うぉぉ?w」

 負傷を消すのに2ポシビリティ消費。その後、カードの効果で3ポシビリティ獲得。なかなかハイリスクのカードなのでご利用は計画的にw


 ここで、ジュダが急にロビンに愛の歌を。「宮廷風恋愛術」を使用し、2ポシビリティゲット。愛より何よりポシビリティが欲しいw



 消耗しつつもこの行動解決クリア。一幕目と比べてポシビリティが溜まっていないけど、アースのプールがある分、まし。2シーン目は二首巨人との戦闘。スタンダード・シーンです。


マスター「君らが息をついていると、キバーが目ざとく何かの接近に気づくぞ。3メートルほどの人影、双頭の巨人だ」

クーサリオン「三下の話にあった巨人だな」


 敵はポシビリティ能力者ではないものの、トリケラトプスのデータの改造したヘビー級。高い攻撃力と防御力を誇ります。ここで、クーサリオン出目が腐りだし、有効打を稼げません。しかし、精神系は低いことを見抜いたジュダがスタンの呪文で行動を無効化。キバーの大きな一撃が決まり倒します。

 しかしながら、パーティのリソースはそれなりに消耗した感じ。

アース「あぁ、手札補充で「ロマンス」来ちゃった、この後にまともなヒロイン登場するのか?」


 はい、出します。王伯爵を少女に変更決定。で、クライマックスに突入。

 洞窟の奥に進むと灯りが見えます。そこにはなぜか近代的なテントが。そして、そこで何やら作業をしているエジプト風被り物をした半裸の男ども。

アース「やっぱり、ナイル帝国か〜」


マスター「すると、君たちはスポットライトに照らされるよ。そして、高いところからお団子頭でチャイナドレスのインチキ中華系少女が高笑いしながら現れるよ。「キャハハハ、飛んで火にいるヒーローたちめ! お宝はこの王伯爵様も物アルヨ!」なんか勘違いしているみたい」


 ここで、カウント・ワンのネタが通じていないので、ネタばれ。ネタを外したこと自体、ネタにする所存。

アース「あ〜、3、2、1ってなってたんか〜」



 ナイル帝国軍団と一戦交えるかとなった矢先、後方で悲鳴があがる。白い疾風の後に倒れるショックトルーパー。「アイヤー」悲鳴をあげて倒れる少女。ラスボスのヴォーパル・バニーの登場だ。

マスター「ということで、ラスボスとのドラマチック戦闘だよ」


キバー「……「ロマンス」、バニー使った方がおもろくね? こいつはコミューン・ウィズ・アニマルズの奇跡を持っている!」

一同「そ・れ・だ!w」

マイラス「おいおい、ヴォーパル・カップルの爆誕かぁ!w」

ジュダ「兎は万年発情期、いけます!w」

 こういう想定外のアイディアがでるのがTPRGの面白い所。笑いを取ってなんぼ、面白いはジャスティス。もちろん、採用して、ラストバトルをドラマチックな行動解決に変更。これに失敗したらボスとの戦闘続行ということにします。リスクは高いけどPLたちはやる気満々。

 手順Aはキバーがコミューン・ウィズ・アニマルズを発動。他のPCは〈信教〉を推奨行動とします。これは難なくクリアし、手札を充実させます。

 手順Bは防御専念。バニーの攻撃を受けつつ、「大丈夫、こわくない」をします。全員成功が必要で、失敗毎に1負傷を得ます。ここはポシビリティをぶっこんで全員成功。順調です。

 次は手順Cですが、ここにきてドラマカード「C」がなし。防御専念を推奨行動とします。4ラウンド目も「C」なし。ドラチックな行動解決が5ラウンドとルールで定められました。次がラスト。しかし、また「C」なし。「イニシアチブ掌握」もなし。

アース「まだやれる、「起死回生の努力」がEtnitiyにも健在やで!」


 難易度を上げて残りを無理やりクリアするルールです。手順Cはキバーの〈説得〉判定。手札は充実しているものの難易度は相当高め。

マスター「他のPCが同じ難易度の〈説得〉判定に成功するごとに+2ボーナスあげるよ」

アース「あかん、アース君でもダイス走らんと無理やわ」

クーサリオン「あ、20w」


 ここで、クーサリオンが手持ちの「ヒーロー」などを使用していいかの確認。キバーの分があることが確認できたので、「偉業」を狙います。そして、「偉業」達成。エディーノスとヴォーパル・バニーの縁結びをする伝説の仲人エルフ。実に希望に溢れた伝説です。そしてアイルの世界法則でエルフのマントが〈説得〉+1の魔法のアイテムに。


キバー「おいらも「偉業」やったら〜」

 ポシビリティ、カードを投入するも、そこまで出目が伸びず。しかし、ドラマチックな行動解決は成功!

 どんな荒野にでも、愛の花咲くそれがTORG Etnity。二人のけだものフレンズがどったんばったん大暴れ。

キバー「うぉ〜、この痛み〜 ララーナ様に捧げますぅぅww」

 格闘の末、すっきりした顔でキバーが戻ってきます。その首にはバニーの牙が刺さったままです。


マイラス「甘噛みだぁw」


マスター「命って素晴らしいって、うっとりした表情でロビンがジュダに寄りかかってくるよ」


ジュダ「う〜ん、Etnitiyって「キャンペーン」なくなったので、全部行きずりの恋になるんですよねw」


 恋人は回転寿司だよ、それがTORG Etnity。


 バニーに女子力で負けたエセ中華少女などを拘束してから、ホーリーグレネードを探します。

マスター「ドリル戦車の中に、それっぽのが保管されているよ。しかし、ホーリーグレネードを模した安っぽいエンブレムだ。どうやら、エタニティシャードじゃなくて護符みたいだね」

アース「コアアースの護符? そりゃ、強いや」

マスター「どうも英国内限定っぽい感じ?w」

アース「おぅ、しかし、それっぽいw」


 こうして、ミッションクリア。PL達はPCの成長ルールを確認しだします。


キバー「リビングランドにサーベルタイガーをお供にできるパークあるから、これを流用してバニー連れていこうかな?」



 旧版同様、一度遊ぶと次のセッションを遊びたくなる魅力があります。


 ネタ優先の身内セッションですが、参考になるところはありましたでしょうか?


 システムや世界観の紹介は冬コミの「トーグ・エタニティ・ガイドブック」にもっと詳しく書かれていますよ。残り数冊しかないとのことだけど、まだ入手は可能です。


 ずっと進展がなかった「トーグ リヴァイスド エディション」も2月に無事発売されそうな感じです。

 D&D5版に続いて、TORGも盛り上がるかな! ってか、盛り上がれ〜

今年もDAC大阪!

 無沙汰しております。1年ぶりの更新でございます。

 はい、TRPGはしております。D&Dはキャンペーンに参加したり、DAC東北でDMをさせてもらいました。ウォーハンマーでは新しい人たちと遊んでもらい新鮮な体験をさせてもらいました。ハーンマスターも初心者と遊んだり、同人誌をもらったりしています。TORGオンリーコンも参加させてもらいました。

 未訳ゲーもアースドーン4thのショート・キャンペーンやったり、シンバルムやったり、マウスガードTRPGに手をだしたり。


 ま、ぼちぼちですわ〜


 で、今回はDAC大阪です。今年の4月29日と30日に大阪の難波でD&D系オンリーコンベンションを今年も開催です!


http://dac-osaka.com/


 自分もD&D4版2レベルのダーク・サン卓(初心者対応)でDMさせてもらいます。



 D&D4版、5版、パス・ファインダー、クラッシックD&Dといろいろそろっております。ゴールデンウイークのしょっぱなは予定が空いてるかた、3月10日まで絶賛1次募集中なんで、どないです?

DAC大阪のご案内〜

久々の更新は告知です。

前に少しふれたDAC大阪が実現します!

http://dac-osaka.com/


5月28日(土)と29日(日)に大阪の都心部D&D系のコンベンション開催!


自分もD&D4版のダーク・サン卓でDMに立候補しています。

明後日まで、PL2次募集中です〜

3次募集はないかも知れませんので迷っている方は応募されたらいかがでしょうか?