今、現在、パワハラで苦しんでいる人へ
弁護士とパワハラについて話し合う機会に恵まれた。
そこで得られた知識を、現在進行形でパワハラを受けて苦しんでいる人に伝えたいと思う。
パワハラの音声証拠はその日のうちに的を絞って保存
ICレコーダーで証拠音声を記録することは重要。しかし、肝心のパワハラの証拠となる箇所を、パワハラされたその日のうちに、長時間にわたる記録の中から特定して、切り取って保存しておくことを勧める。
でないと、いざパワハラの証拠として弁護士に聞いてもらう時に、困る。
パワハラを受けた日から時間が経ってしまうと、7~10時間もの音声記録を全部聞いて、パワハラの箇所を探さなければならなくなる。これは、かなり、重労働だ。
時間が取れないなら、せめて、どの時刻にパワハラを受けたのかを音声ファイルの名前にでも記しておくと、のちにパワハラ箇所だけを取り出したい時の手がかりになる。
パワハラの結果としての不眠の診断書や病休を取得
パワハラの音声証拠だけでは、裁判で勝つことは難しい。法廷では、パワハラ(原因)と被害(結果)のつながりを示す必要がある。パワハラがあったことを証明するとともに、その被害の存在も証明しなければならない。パワハラで実害が生じていることが前提となる。
例えば、パワハラを受けて不眠症になったならば、医療機関を受診し、診断書を手に入れる。これが被害の証明になる。
または、病休を取る。パワハラで病休を余儀なくされたこと。これを、パワハラの被害として主張することができる。
パワハラの音声記録だけしか提示できない場合、「まあ、確かに、理不尽な物言いをされていますが、実際の被害がないですね。」とみなされ、パワハラの損害賠償請求が困難になる。
奇跡的に裁判で勝てたとしても、不眠等の診断書や病休取得の事実が存在しない状態では、慰謝料は10万以下になり、弁護士を雇う費用が30~50万なので、赤字となってしまう。
パワハラには耐えずに逃げるか歯向かうかしよう
そもそもパワハラに耐えても何も良いことはない。
周囲に相談しても何も変わらない場合は、パワハラを見て見ぬふりする人や組織には見切りを付けて、とっとと去る方が心身に良い。
しかし、試しに歯向かってみるのも良い手段である。
「首になるかもしれないが、首になったらなったで別の仕事をしよう。仕事が見つからなかったら貯金を切り崩そう。貯金がなくなったら生活保護もらって生きよう。あるいは、ビジネスのチャンスと捉えて、自分にできることを棚卸して、起業しよう。うまくいかなくても、どうせ誰でも最後は死ぬから、それが少し早まるだけだ」と腹を括り、正面から向き合うのである。
私の場合、パワハラ常習犯*1の目を、正面から無言で見続けた。相手はあからさまに怯えていた。なんだこの程度の人間なのかと、拍子抜けした。立場を利用した弱い者いじめしかできない人間であった。
こういう輩に対しては、刺し違える覚悟で敢然と立ち向かうのが最も効果的だ。今度パワハラしてきたら、次のように言おうと考えている。
「喧嘩売っているんですか? 喜んで買いますよ。どこで喧嘩します? 体育館裏行きますか?」
パワハラへの対処法を学ぶ機会を増やして欲しい
どうか、文部科学省は、学校教育の中に、パワハラへの対処法をシミュレーション形式で学ぶ機会を設けて欲しい。
なぜなら、パワハラは本当に、どこにでもあるから。
護身のために空手を学ぶように、パワハラへの対処法を気軽に学ぶことができるようになれば良いのに、と思う。
*1:濡れ衣を着せる、本人は守らないルールの押し付け、嘘つきと決め付ける、業務に関する情報を伝えない、恫喝、約束破り等