山本耀司 著 『服を作る - モードを超えて』

服を作る - モードを超えて

服を作る - モードを超えて

Y's の洋服が好きで時々買います … といってもごく時々財布と相談しながらですが ;)

Y's を立ち上げた山本耀司さんについては断片的に読んだことがあって、慶應から文化服装学院を経て起業したこと、コム・デ・ギャルソンとパリに乗り込んだことなどを知り、興味を持っていました。そんなこともあり、春に出版された山本耀司 著 『服を作る - モードを超えて』を近所の不思議な書店ガケ書房で見つけて手にとりました。

かっこいいですねー。山本さんが起業した70年代の小規模服飾企業について記述があるのですが、マンションの一室で企業して … と、今の(IT)スタートアップみたい。

好きな部分をみっつ。いや、もっといっぱいあるのですが …

僕が作りたかったのは、自立しようとしている女の人たちを応援するような労働着。

服はライフスタイルや生き方の提案を手伝うもの

ファストファッションをどう思いますか。
テレビの低俗番組と似ていますね。その瞬間、楽しければいいという。

「洋服を着る」ことにもう少し意識的になりたいな、と思いました。もっと自分でも作りたくなりました。

それにしてもかっこいいなあ … Y's のお店を見に行きたくなりました。秋になったらもう何年も使っている Y's の大きなストールを出さないと。そういう何ていうか人生を共にしてきたものがあるっていいですね。気に入っているものを作っている人の思いを感じてうれしい一冊 :)

石田博 著 『10種のぶどうでわかるワイン』

当初『10皿でわかるイタリア料理』という本が気になっていたのですが、結局迷いに迷ってタイトルの『10種のぶどうでわかるワイン』を購入しました。イタリア料理の方も近々読みたい!

10種のぶどうでわかるワイン

10種のぶどうでわかるワイン

これまで何度も「ワインについて知りたい!」と勉強しようとして挫折に挫折を重ねてきました。手にしたワイン本ははずかしいほどだし、費した金額も私にしたらかなり(まあ、飲んだ分はおいしかったからよいのですが…)。有名シャトーはこれで、このぶどうで、ここの土地は … と何の記憶の手がかりもなく覚えるのは、いくらワイン好きでも、三度の飯より三度の飯が好きでも厳しい。知っていたらかっこいいよねとファッションとして知ろうというやましい気持ちもあり w

そんな私ですが、この夏友人の親戚のご好意でドイツでワインを生産している地域にお邪魔させてもらう機会があって、「今度こそいけるかも!」と本屋さんで目にとまった本書を購入したのです。

ワインの生産地をより身近に感じる機会や、ヨーロッパ留学中の旅の土地勘など、リアルな体験が手伝って「あ、このぶどうはこの前訪れた地域のワインだぞ」「フランスのアルザスはよく遊びに行った地域のご近所だ」と無理なく知識を広げていくことができそうです。「よし!覚えるぞー」と意気込むのではなくて、「ワイン含めいろいろなものを好きな地域からぼつぼつでいいか」と肩ひじはらずに気が抜けたのもあって、ひさびさのワイン本、すっと読めました。以前なら数行読んで眠くなっていたところ、1日ほどで読んでしまいました。著者が体験を交えて読みやすく書いているというのもあると思います。

そんなこんなでワインまだまだ知りたいです。来年はぶどう摘みに混ぜてもらえるということでとても楽しみです。

■ 余談: おいしいイタリア

冒頭で今回読んだぶどうの本と『10種のぶどうでわかるワイン』のどちらを買うか迷った…と書きました。

10皿でわかるイタリア料理

10皿でわかるイタリア料理

私は料理をするのも食べるのも大好きで、イタリアのデザインにも興味があって、何度となくイタリア語を始めては挫折しています。。。ワインの勉強のように w そんな私ですが、一冊だけ手元においてイタリア語を勉強しない時でもしばしば眺めるイタリア語本があります。その名も『おいしいイタリア語』。

おいしいイタリア語

おいしいイタリア語

肉や魚について、季節毎のイタリアの野菜について、調理道具について、イタリア語の単語とともに豆知識が日本語で書かれていてイラスとがきれいと来ればね、もうぱらぱら見ずにはいられません。

イタリアのアーバンファーミングのプロジェクトとご縁があって、彼女たちを訪れてディープなイタリアを体験したらイタリアのワインの勉強もイタリア語の勉強もすすむかな、なんて思わずにはいられません ;)

記憶に残る食事 ー ドイツ、丘の上のレストラン

今お手伝いしているドイツのプロジェクトの人たちとオフィスからほど近い丘の上のレストランに行きました。夜8時を過ぎても明るくて、それはそれはきれいな景色で、国境を越えてフランスまで見渡せました。地域の白ワインを飲んで、ドイツ南西部の料理を食べました。ご馳走になったこともあり、値段は書きませんが、これを知ったら日本で適当な飲み会に5000円も6000円もお金を使って行くのは躊躇ってしまいます。よい景色、よき人たち、よき食事。まだまだ知らない食事の喜びがあるなあ、と痛感するのでした。

写真があるともっと伝わると思うのですが、最近は「モノより想い出」ならぬ「写真より想い出」で写真をあまり撮らなくなりました。仕事の後の「ふー、いい景色だね、おいしいね」っていうくつろいだ雰囲気を壊したくなかったし、日々目にする SNS のポストに疲れ気味だということもあり。でも写真はとてもいいものだと思うので、自分もまわりの人も気持ちよく撮れるように練習したい。

同じ地域の似たような風景を見つけたので、ここに。もうちょっと高いところで、山の向こうまでつきぬけて見えている感じです :)

日常でよい買い物をしにくい国

ドイツから帰って来ました。帰ってきて早々、Freilandhaltung に当たる放し飼いの卵が見つからず、ドイツに戻りたくなっています。猛暑のせいも多分にあるけれど ;) そんな中思ったことを書いてみます。

ドイツでは、ファーマーズマーケットはもちろん、普通のスーパーマーケットでも Bio のマークのついた品物が並んでいます。ドラッグストアのチェーンの dm でも同様。少し高めですが、買うのを躊躇するほどではなくて、「自分にも環境にもよいのなら」と Bio のものを選べます。

Bio で手間がかかる分高くなってしまうというのはわかるのですが、そもそも手が出ないほどだったら絵に書いた餅でしかなく、こういうところ、日本は学ばなければいけないなあと思うのです。反対に物の適切な価格も学ばなければいけなくて、100円ショップ、安売店などを見てなんだかなあ … とも。あと、普通の人が食べてみたい、使ってみたいと思うような見た目でないことが多いのもよくないと思う。「熱心な自然保護活動家向け」では近寄れなくて、ある程度お洒落なプレゼンテーションが必要だと思うのです。

環境には良さそうだけれど何だか近寄りがたくてしかも高い、または、安いけどよくわからない、そんなものが売られているのを見てなんだかなあ … と。もちろんドイツでううーんと思うこともあります。安売り生活洋品店の kik とか。でも、選択肢が身近にあるっていうだけでも一歩も二歩も先を行っている。

ぶーぶー書きつらねてきましたが、近所には大事に作られたおいしい野菜を売るお店、おいしく美しい料理を出してくれるお店がいくつかはあって、応援したいし、もっと増えるといいなあと思います。ファーマーズマーケットも特別なイベントではなくて、もっと日常の一部になるといいな。

そんなこんなです。ドイツ居心地いいなあ、と改めて思うのでした。

「自分で作る」のすすめ

今月はとうとうミシンを買ってしまいました。あとどれだけ日本にいるんだ w と突っ込まれそうですが、縫いたかったんです ;)

部屋着をふたつ、シャツ、ロングスカート、余った布で小さな袋をふたつ縫いました。型紙もどきを自分で作って、こんな感じかな … で意外とできちゃうんですよね。ロックミシンがほしい、工業用ミシンだったらなあと思うところはなきにしも非ずですが ;)

料理も同じで、自分でも結構いろいろできる。こう言っちゃなんですが、コンビニや下手な定食屋さんよりよっぽどおいしくできると思います。なのでほとんど自炊で、買うのは素材がほとんど、あとは家では焼けないパンを買うくらい。外食は本当に好きなレストランや食事会、一緒に時間を楽しみたい人たちと月に数回くらい。

いろいろなものを自分で作ってみて、もしかして忙しい中「自分で作る」ということを忘れてしまっているのかもしれません。「既製品はうまくできているから」「外で食べる方がおいしい」は半分本当で半分嘘だと思います。自分の人件費を考えたら全然節約にはならないけれど、意外とやってみたらできるし、自分で作ればいくらでも丁寧にできるし、実際作るプロセス自体が何より楽しい。あと、言い出したらキリがないですが、環境を汚染して作られ児童労働の結果安い価格が実現され遠路はるばる運ばれてきて(それでもまだ安く!)提供されているものはいやだし、何が入っているかわからない上味も微妙なものを食べるのはいやです。三度の飯より三度の飯と料理が好きなので、大事な機会を逃してなるものかーという思いもある ;)

そんなこんなで、今一度「自分で作る」というか「自分で作れる」ということを思い出してみるのはよいことなのではなかろうか。分業万歳、便利万歳もいいけれど、その裏では何かを忘れてしまったり、犠牲にしてしまったりしているわけで。で、「自分で作れる」ことを思い出してちょっと自分で作ってみると楽しいもので、やってみてはいかがでしょうか。

投資・消費・浪費に分けてつける家計簿 6

7月分の家計簿をつけ終わりました。投資・消費・浪費に分けてつける家計簿、半年続いたことになります。よくがんばりました :)

今月は靴を買ったり、ミシンを買ったり、プロダクトの制作費を立て替えたりと支出の多い一ヶ月でしたが、家計簿をつけていると具体的な金額で「今月使っているなあ」と意識できるので、適度に浪費しがちな場面で支出を抑えられます。「ビールとたこ焼きはやめておこう」「マッサージ行きたいけど来月のお楽しみにとっておこうっと」などなど w 支出が多いと家計簿つけたくなくなってしまいますが、そこは踏ん張る。あと、家計簿をつけていないと、最悪の場合、やけくそになって「もう今月はいいや、洋服買っちゃおうっと」みたいにもなりかねず危ない。

投資・消費・浪費の割合は、プロダクトの制作費を除くと、投資38.6%、消費60.3%、浪費1.1%といったところで、浪費が低く抑えられたのはやっぱり家計簿効果なんじゃないかなと思います。

そんなこんなの半年目に入った「投資・消費・浪費に分けてつける家計簿」でした。みなさまも家計簿いかがでしょうか :)

■ 投資・消費・浪費に分けてつける家計簿について知るきっかけになった本

ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと

ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと

『エフスタイルの仕事』ー 作り手と使い手をつなげる丁寧な仕事

たしか天然生活の記事だったと思うのですが、河原町丸太町に kit という雑貨屋さんができたことを知りました。店内に入ると、落ちついた気持ちになるとても感じのよいお店です。

Kit | SANKAKUHA inc.

お店の右奥にお弁当袋など素敵な雑貨が置かれたコーナーがあって、よく見てみるとエフスタイルというところのもののようです。この「エフスタイル」、どう形容してよいのか難しいのですが、ウェブページの説明を引用すると…

「製造以外で商品が流通するまでに必要なことはすべてやってみること」をモットーに、デザイン提案から販路の開拓まで一貫して請け負う

ベーシックプロダクトスタジオ・エフスタイルについて

という五十嵐恵美さん、星野若菜さんのおふたりが営むプロダクトスタジオとのこと。

うまく言えないのですが、河原町丸太町を自転車で通りかかって冒頭の雑貨屋さん kit を覗く度にどんどんエフスタイルのことが気になって、プロダクトはもちろん、プロダクトと共に置かれている『エフスタイルの仕事』というエフスタイルのおふたりの本も気になって … 2310円という価格に迷いに迷うも、ついに購入しました。

エフスタイルの仕事

エフスタイルの仕事

ああ、、、買ってよかったです。北陸を中心とした物作りの現場、物作りに携る人の表情などきれいな写真が満載で、作り手の思いをプロダクトで伝えようと真摯に仕事を進める様子が伝わってきました。いいですねー。ため息。

最近、Mobile Garden というプロダクトをデザインして亀の歩みで売っているのですが、丁寧にメッセージを伝える過程など、学ぶところがとても多かったです。

プロダクトのデザインや流通についてとても好きな本が二冊あるのですが、相通じるところがあるかも。

人生を決めた15分 創造の1/10000

人生を決めた15分 創造の1/10000

奥山清行さん、ほかの著書もよいですよ :)

フィンランドのマリメッコ手帖

フィンランドのマリメッコ手帖

うまく終われませんが、物を作りことに携わる人にはとてもよい本だと思います。是非手にとってみてください :) ああ … 新潟のショールームを見に行きたくなってしまいます。