あの辺でお引越し


MoEの同僚から「ねえ!とうとう引越しだよ!」というメールが画像とともに送られてきていて、少し返事が遅れたら「聞いてる!?とうとうお引越しだよ!」ともう一度同じメールが送られてきたでござる。【問題】 すっごく聞いてほしかったのか、よほどうれしかったのか、メールシステムを信用していないのか。 【答え】 たぶん全部

という画像を紹介しました。こちらの画像はMoEの引越し中の画像だそうです。「いっこくのかんきょうしょうのひっこししゃしんがこんなことでだいじょうぶだろうか」という不安は今度りっぱなあたらしいラボを見に行って解消することにしたいとおもいます。

3月にいくよ!とフライング気味に連絡したら「おーじゃあ来たら、あれとこれとそれが知りたいから教えてくれ。準備してきてくれ。」というメールをもらい、よっしゃと準備していたのにいけなくなったから、「ごめん、いけなくなってしまったが、学生と同僚がスタディーツアーでいくので、彼らだけ新しいMoEをあんないしてくださいな。連絡もらっていた資料はメールかなんかでやり取りするから。」というメールをすると、「おっぱにはー!同僚、学生、うえるかむ、うえるかむ!」というかるーいメールがかえってきて、ああ、変わっていないところは変わっていないなあ、とおもう。久しぶりに書いているので感が戻りきらず文章が長い。そして読みにくい。すみません。このところさんざん、学生の卒論の文章に駄目出ししているというのに、本人はこの体たらく。

寒い日が、雪の日が続いていて、あっついだろうな、もうすぐ緑のマンゴーのサラダが美味しい季節だな、とかの国が恋しくなります。このあいだ日本でカンボジアの30倍の値段をだしてマンゴーを買いたべました。それはそれでおいしかったけどもー。

問 あの辺ではいまも雨が降っているのかな

答 乾季なのでたぶん降っていないと思います。

さて、3年も立ちました。いやー、ご無沙汰。自分でもまさか3年何も書かないとは思わなかったのです。
というか、この3年間に、カンボジアには5回渡航しました。日本に帰った2013年の12月に一ヶ月ほど、その後2014年、2015年にも3月と8月にそれぞれ。
カンボジアに帰ってきたら、ふらっと更新するかもとか言ってたじゃないの!という話しですが、住んでいるのと短期滞在ではあまりに状況がちがいまして。短期滞在はほんとうにすることがたくさんでいっぱいいっぱい、気も焦る、しかもそのうち3回は学生が一緒に来ている、とてんやわんやでした。

ええ、言い訳です。

実際のところ忙しかったけど、カンボジアは3年でどんどん変わっていって、まあもうこの3年前のブログで情報を得る人は少ないとは思いますが、ちょっと滞在しただけで情報発信なんて出来やしないんですよね。いや、そもそも情報発信を期待されていないか・・?

それでも書きたいことが無いわけではないので、またカンボジアに行ったら、またここを開こうと思います。

・・・・ほんとうは3月に行くはずだったのに、某所からストップがかかり行けなくなりその悔しさを久々のブログ更新にぶつけているところ。MoEのみんな、3月いけなくなっちゃってごめん。メールも相談ももらっていたのにごめん。新しい建物もラボも見に行けなくて・・・・きぃーー悔しい!

というわけで9月に飛ぶ直行便で次の機会を狙いたいと思います。9月に行くぜ・・・・。

あの辺で雨が降ってた

さて、プノンペン、在外派遣制度での滞在、最後の更新です。10ヶ月、全て、一日一日が本当に長かった。終わったらあっという間と言うけれど、なんと重い時間だったろう。
このブログはもともと、日本の職場の同僚に、プノンペンで生きてます、を伝えるためのものでしたが、なんだかんだと学校関係者以外にも読んでくださった方がいたらしく、カンボジア環境省を訪ねてこられた方に、ブログ書いてますか?と言われ思わず嘘を言いたくなったり(正直に書いてますといいましたけど)、思わぬ国々から連絡をもらったり、とそれなりにいろんなことがありました。まあ、私への直接のコンタクトは本当に非常にわずかで、連絡をくださった方の名前を全部言えるくらいなんですけど、それでも私の書いた情報でカンボジアに興味をもったり環境省の仕事を面白がってくださってうれしかったです。ありがとうございました。

私は日本に戻ったら、職場である学校で学生とたわむれたり研究に戻ったりするのですが、このブログはカンボジア滞在ブログ、なので、これまでのようには更新しません。たまーに、カンボジアでの体験で書き残していたことを(もちろん書き切れるはずも無くたくさんあるのです)、ひまなときに書き加えたりするかもしれませんが、日本に戻ったら日本の生活でいつもの学生と戯れなけりゃなりません。

余談ですが、学生も、学校での研究生活も楽しいのですよ。私の学校は理系のためほぼ男子校、年頃が集まっている割には無邪気であんまりとがったりうがったところのない素直な学生がたくさんいると思います。最終回に関係ないけど、学生とのエピソードなどなぜか紹介してみようか。だってねえ、カンボジアの思い出を振り返っていると泣きそうなので、先にあるだろうことを眺めてみようかなって。

1 学生食堂では、昨今の「食育」の一環なのか、食材のピックアップやその栄養素、調理法、産地などを紹介したフライヤーや冊子の様なものを配っていることがある。ある日昼ご飯を食べに行って、それをもらって帰ってきた研究室の学生が、突然つぶやいた。
「鰹かあ・・・おいしそうだなー、いいなあ。お酒にもあうよねえ。いいなあ。俺も さかり の鰹が食べたいよ!」・・・さかりの鰹ってなんだよ!それは「旬」だ!そこのところの日本語は、「旬の鰹が食べたいよ!」だ。うちの子たちは、ちょっと国語ができないよな、彼の名誉のために言えば、複素関数もフーリエも得意なんだけどな、日本語がちょっと苦手だよなあ。

2 卒論仮提出の原稿を、修正で真っ赤にして返されたためにちょっと涙目の学生、わたしに「あとちょっとなんだからがんばるんだよ!」と言われると、「だって、先生、俺あれなんだ、だめなんだ、あれがわからないんだ」とわたしにもなんだかわからないことをしどろもどろにいう。うんうん、なにがダメなんだかほんとにわからないよ。しばらく待っていると、「えーと、国語の、あれ、・・・はにへと?」はにへと・・・?
・・・・てにをは!てにをはだー!うん、なんか新しい、「はにへと」は新しいけど、「てにをは」がダメだ、を言えないのに脱力。わかったけど、やっぱり頑張って。君は測量とかは得意なのになあ・・・。

・・・こんなことがまた起こるだろう先のことを眺めていて良いのだろうか。本当に良いのだろうか。
いろんな爆笑エピソードと伝説を残していってくれる学生たちは、就職してちゃんとやっているみたいです。よかった。君たちのエピソード、もう卒業しちゃったし時効だよね。さて、日本に帰ったら、またこんな楽しいことがあるでしょう。カンボジアを去りがたいのは事実ですが、ずっといられないのもまた事実。夏休みはずっとつづかないから。夏休みはずっとつづかなくても、カンボジアにはまた戻ってくるし、次の調査滞在では、また突然の更新が・・・あったりしますよ、たぶん。

さて、画像はどうしたものか相当迷って、結局こういうことだったかな、と、風の通る涼み小屋のハンモックで、アンコールビールの午後、な一枚を。こんな滞在だった。

統計的な事情

これまであれが旨いとか、こんな場所があるとか、こんなもの買えます、あんなもの作れます、職場での仕事がどうとか、そういう話をしてきましたが、いただくメールで聞かれたのが「おなか壊しませんか?」とか「カンボジアに行ったときこんなことが不思議でした」というメールだったりしたので、心配性とか好奇心というのは日本人らしくとても良い性格なんだろうな、と思います。海外で押しが弱い、お人よし、と言われるのも日本人の性格と聞きますが、実際にはあんまりそういう感じもしません。某歩き方でたっぷり知識を付けて来ているからか、市場でも「そんなにそのおばちゃんはふっかけてないよ、怒鳴ってくれるなよ、あなた口悪すぎよ・・・」と思うような、なんか切なくなったり悲しくなったり、な日本人に会うこともあります。これは日本人に限らず旅行客は大概そうな気がします。外から来て、ちょっとしかいないからって気が大きくなったり、強気に出てみたり、わからないでも無いけどなんかさみしいよなあ。

寂しかろうとなんだろうと、良いことばっかり書いていてもいかがなものなので、事実として、滞在中にあったヒヤリハットを最後に羅列。ネタにはしなかったけど、こんなことがありましたよ、だから皆さんも気を付けてね、まあ日本人は心配性だし私のようにおっちょこちょいでは無いと思うので、確率として短期の旅行でそんな酷い目には遭わないと思いますが、というリストです。

「滞在中の主なトラブルの例」
バイクに轢かれる → 2回 (重たいオートマバイクの女性ドライバーに注意)
バイクでバイクとぶつかる → 3回 (3回とも私は無傷、運転手が足を打撲とか)
風邪を引く → 2回 (涼しくなってからの風邪はなおりにくい)
リバーサイドで詐欺の客引きにあう → 1回 (省庁勤務だと言ったら世間話をしてさって行った、兄弟詐欺師)
その詐欺師を近くの公園で見かける → 1回 (外国人観光客相手に詐欺の真っ最中だった)
長距離バスが故障する → 2回
リバーサイドでひったくり(未遂)の被害にあう → 1回 (夕方リュックで散歩中すれ違った人にいきなりリュックの首根っこを引っ張られた)
レストランのお会計間違い → 1回 (オーダーキャンセルミス)
ホテルの予約がホテルに勝手にキャンセルされる → 3回 (予約サイトのブッキングで勝手にキャンセルとか、飛び込み客に部屋を開けちゃったとか)

「想定されながら無かったこと」
食中毒 (何でも美味しく問題なかった)
感染症、病気、けが (バイクの事故以外は擦り傷程度)
歯が痛くなる 
財布をおとす、鍵をなくす

私が交通事故に遭いやすい体質であるとかは影響があるかもしれませんが、まあ10ヶ月超いればこのくらいはあるだろう、という感じがします。この手の統計はあくまで統計だし、行動範囲によってリスクはいくらでも変わるので、ああ、私の場合はこれくらいね、ぐらいしか意味を持ちません。

トラブルがあるとだいたい、びっくりして、その後は怒るか悲しくなるか、です。日本人は日本にいて、本当に正確で間違いの無いこと、が当たり前の生活をしているので、本当に「ちいさなこと」、が許せない。これは他人のことを言っているのでなく、わたしもそうです。「ちいさなこと」だと思い込もうとしてもなんかもやもやする、というのはよくあることです。でもこれは、正確であること、が正義だと教えられている国の人間だから、もうしょうが無いんだね。正確であること、よりも、相手がいやな思いをしないこと、メンツをつぶされない、つぶさないこと、を重んじるこの国の人のやり方と、時々本当に相容れないことがある。怒ってうまくいくことはこの国にはほとんどない。よくよく考えてみれば、そもそも大抵の場面で怒ってどうにななるより、笑って頼んで譲り合ってどうにかなる方が良いに決まっている。怒る、と言う行為自体、自分はおまえより上にいる!という自分の意思を自分勝手に相手に伝えていることのように思う。おまえが間違っている、と、どうしてそんなに簡単に決めつけられるのか(怒るという行為はそういうことに他ならないと思う)、人のふりをみる、と言うことはこういうことか、と「なんだおまえ、その年になるまでそんなこともわからなかったのか」と同僚に笑われそうなことを、市場の片隅でもローカルレストランでも知ることが出来る。

そんなわけでこの国が大好きなので、帰る前からすでにホームシックですが、帰ったら帰ったで、日本の生活が楽しいと思います。いる場所が天国なお得な性格。

注1 画像は世知辛いことを書いたので、何か癒される映像はないか!と、私の好きなカンボジアのカエル顔の赤ん坊を。カンボジアの赤ん坊は泣いているさまをほとんど見ない。国民総子供好きの国では、だれかれ構わず赤ん坊をいじるので、お母さんべったりな子どもや、人見知りの子どもというのができにくいのだろう。結果あまり子供が気難しくないんだろう。年末、日本からやってきた一歳児は、おかあさんべったりの超人見知りだったが、毎日のようにホテルの従業員に否応なくかまわれ、あきらめ顔で抱っこされる子どもになったらしい。カンボジア人、親切の押し売りは子どもにも容赦ない。なんでもいいけどかわいいよ、カエル顔。

注2 画像2はこれもまた脈絡もなく最近のあさごはん、ばーいさいちゅるーく(豚肉のっけご飯)、スープ、キュウリと生姜のなます、お茶付3500リエルです。スープは人参とジャガイモをイカと干しえびの出汁で仕立てた優しい味、フライドガーリックとネギ油がちょっと入ってておいしい。何があろうとご飯がおいしい、それだけで正義だなー。ちなみにこのごはん、これで小盛りだから。

EMSどーん

日本からはスーツケース1つとバックパック1つできました。が、帰るとなるとなぜ荷物が増えているのだろう。

もともと、スーツケースもバックパックも、荷物制限ぎりぎり、この航空会社ではこのくらい大目に見てくれるらしい、という情報まで調べ、ダメって言われたら超過を払おう、と言う気持ちで、でもチェックインのお兄さんに、まあいいよ、と情けをかけてもらってのギリギリの荷物量だったので、こちらで減っていなければ帰るときにも荷物は厳しい。まあプノンペン空港はあんがいゆるゆるなので、文句も言われない気もするが、あんまり重たい荷物を持って動くのもいやだ(注1)と言うことで、事前に日本にEMSを出すことにした。

日本からカンボジア、カンボジアから日本はどちらも、なぜか通常航空便よりEMSサービスのほうが安いのです。.早くて安い!使わない手はないな。はじめに気がついたときに、日本の郵便局で、「カンボジアに送るんですけど、通常航空便よりEMSの方が安いのはなんでですか・・・?」と聞いたら、局のお姉さんに「え?本当ですか?そんなエリアがあるんですか?」と言われた。お姉さんも知らなかったらしい。でもアジアの一部地域では、通常便より速達の方が安くなる場合がありますよ。

さて、荷物を送るには郵便局に行きます。EMS窓口に荷物を持っていきます。私はワットプノムのとなりの中央郵便局に行きました。ここで注意。日本だと好きな箱に自分で好きに荷物を詰めることができますが、カンボジアではそれはできません。もしあなたが荷物の重さのバランスを考え、すきまきっちりぴったりに段ボール箱に詰めて荷物を持っていったとしても、郵便局で全部ぶちまかって悲しい思いをするので無駄なことはやめましょう。荷物は送りたいものを大きい箱に全部入れるか、バックパックなどに詰めてお姉さんの前に並べるのがよろしい。その分量を見て、お姉さんたちが箱を選び、作り、詰める作業をします。自分で詰める作業はできません。

でもお姉さんたちはプロですから、それはちょっと壊れ物!とか、それは真ん中あたりに入れて!くらいの指示をすればそれは見事に詰め込んでくれます。隙間までぎゅうぎゅうに。私の荷物は一番大きなEMSの箱でも入りそうに無く、2つにわけないといけないのか・・・?と思っていたら。だいじょーぶ!もんだいないから!と言われ、お姉さんたちの作業を横目にラベルを書きました。ちなみにラベルも超簡単。日本の宅急便並みの簡単さ。税関申告書とかなにもいりません。なんで・・・?

さて、お姉さんたちは当然箱に入りきらない荷物なので、ふたが閉まらない、どうするかと思ったら上に別の段ボールをあてて、その上からガムテープでぐるぐる巻きに。明らかに直方体ではなく、なんかいびつなマフィンのような荷物が出来上がっているのですが、それでいいのですか・・・?いいか、お姉さんたちが良いというならいいか。秤に乗っけて主さをはかり、重さに応じて料金を支払う。あと段ボール代(私のは3ドルだった)も追加で。荷物の送料は27キロでした。

カンボジアから日本へのEMSは上限30キロ、大きさは最長辺1.5メートル、最長辺+短辺1×2+短辺2×2が3メートル以内、が条件です。ちょっと複雑ですがXYZと軸をとったときに、Z軸が一番長い辺だとすると、それが1.5以内、XY軸平面の四角形の周辺+Z軸方向の長さが3メートル以内、と言うことです。・・・どうなの、この説明はわかりやすくなっているの?ともかくかなりで買い物が送れる、と言うことです。お姉さんたちのプロ技で、ちょうど良い重さで発送になった私の荷物よ、私より一足早く、日本に到着してね!

注1 私の使っている航空会社は預ける荷物の他に機内持ち込みが10kgオーバーで許されるというちょっと珍しい仕組みだが、でもトランジットの間10キロ超の荷物を持って動くのは結構イヤ・・・。
注2 荷物が届くのには公称で3日ほどとありましたが、お姉さんがいうのにはたぶん1週間くらいとのこと。どちらにしても私より先に日本に帰るね。

ぐるぐるチキン

プノンペンの街角では炭火で焼かれたチキンがぐるんぐるんとまわっている。子豚やアヒルがぶら下がっている街角も一般的な風景だが、私は断トツでこのぐるんぐるんチキンが好きである。ぐるぐるチキン、つまるところ鳥の丸焼き、なんですが、内臓を抜いた鳥をくちばしから頭くびまで全部ついた状態で鉄の棒にさし、炭火の上でじっくりあぶる。途中刷毛のようなもので、油やシーズニング、はちみつなどをぬり、こんがりてかてかに焼き上げる。

一羽ちょうだい!というと、そのパック絶対一羽おさまんないでしょ・・・というサイズの発泡スチロールのお惣菜ケースのようなものに、むりやり詰め、臭い葉っぱときゅうり、ライム、2種類のたれ(タマリンドのスィートチリソースと塩コショウ)が詰まったビニル袋をつけてくれる。きゅうりは丸ごと1本、ライムもごろっと2個がセットされ、自分でさばくのが面倒なら、ばらして、といえばおばちゃんがあっという間にいくつかの部位に分けて、やっぱり切っても収まらないじゃん、という感じの発泡スチロールケースを作ってくれる。

ライムは持ち帰ってから切り分け、ライムジュースを作って塩コショウと混ぜるのだ。これが、塩コショウライムだれ、クメール語ではおんばる・まれっ・くろいちゅまーです。すべてにおいて万能のソースです。これでご飯を食べてもおいしいです。が、今回は鶏肉。タマリンドの少し酸味の効いたニンニク入りの甘いチリソースも絶品だが、ただの塩コショウライムがなんでこんなにうまいのかな・・・といえばたぶんカンボジアの胡椒がうまいからだろうな。何しろ、ほんのり甘くててかてかになった鶏肉の、しかも地鶏の、噛み応えたっぷりのしっかりした味に何ともあう。

臭い葉っぱはドクダミを少しマイルドにしたような味で辛く苦い。これと、キュウリ、鳥、葉っぱ、キュウリ、鳥・・・と繰り返していると、丸一匹なのにあっという間にペロッと食べられそうだから怖い。ほんのり炭のにおいの鶏肉はチキンサンドや鶏肉のっけご飯、チリソースで、にもぴったり。これだけ楽しめる鳥の丸一匹やき、ぐるぐるチキンは2万リエル、5ドルほどです。日本円だとワンコインでおつりがきちゃう贅沢、ぜひお試しください。

注1 店によって首から先がないところもありますが、脳みそと首肉がおいしいので首ありを買うといいと思います。首肉は山蛇の燻製に似た味がして大変おいしいです。うん、ぜんぜんよいたとえになっていないことはわかっている。

ほうこくかいのこと

先週、私はゾンビの様になっていました。

職場の、学校の同僚から、先生滞在もそろそろまとめの時期でしょ、まとめに入らないとでしょ、という善意のメールが送られてきたのは11月のことだったか。そのときの私は「なにいってんの!こっちはやっと分析が軌道に乗ってこれから測定をがっつり始めるところなんだよ!まとめどころか今からスタートだっつうの!」とかなりすさんでおりました。そこから2ヶ月半、先週私のすさみっぷりはピークを迎えておりました。というのも、本当にまとめないといけなかったから。

私の滞在は10ヶ月あまりでしたが、ちょうど10ヶ月を迎えた先週、ここでこんなことしました報告会、が省内で設定されて、そこでプレゼンをすることになったのです。同僚が上司から預かったタイムテーブル(クメール語)を私に訳しながら説明する。「初めにディレクターの挨拶でしょ、我々の発表があって、あと偉い人のコメントと謝辞があるからね・・・そうだ!おまえ、フォーマルがいるぞ、作業着着てくるなよ!」

同僚の心配事、一番が、この日本人はフォーマルを持っているか、でした。なんとか数十枚のスライドを作り、装置や分析の説明、測定データについて、など、内容を2人でまとめる。発表前日、チーフが請け負い仕事の測定データを持ってやってくる。「このデータ、確認をしてほしい、確認をしたいんだけどどうだい?」・・・ぶっちゃけ私は今、明日の発表のための原稿を作成していて、本当にそれどころでは無いのです。十数分ほどデータの確認をして、確かに微妙なので、発表が終わったらね、終わったらちゃんと見るから!とお引き取り願う。発表当日、今度は同僚が来て、「俺の発表なんだけど、作ったスライド、いろいろ知りたいことあるんだけど」と質問をたんまり。この同僚、頭が良すぎて、当然わたしより数倍理論的かつ回転が速く、やりとりが大変、質問があまりに的確過ぎて回答に手が抜けない。が、私はいま、今日の午後の原稿を書いているのです!わかりますか?君はクメール語で発表するでしょうが私は英語で発表するのよ!むきー!となったら、わかったわかった、後二つだけ、とそれでも小一時間粘っていきました。

同僚たちの熱心さにより私の発表準備が脅かされている・・・とおもっていたのですが、報告会の30分前、発表会場に行ったら、私の発表には同僚の通訳を入れるように、との上司からの指示。なぬー、持ち時間ぎりぎりにスライドを作ってしまった・・・どうしよう?と同僚に行ったら、俺の時間を減らすからなんとかなるよ、というので、任せることにした。

わたしの発表は、私が1スライドか一塊のスライドごとに英語で説明し、それを同僚がクメール語でもう一度説明するスタイル。初めは結構几帳面に説明していたのだが、途中で気が付いた、同僚のフォローすげえ。私が言ったことの倍くらいクメール語で説明をしている。あー、これ、私は最小限にスライドの内容をしゃべったほうがいいのではないかしら?と時間削減のためにも説明を控えると、同僚もそれを汲んだらしく、私が言いたいことを聞いている人に伝わるようにカンボジア語に直してくれる。なんだ・・・このあまりにもできすぎた同僚は。10か月一緒にやってきただけのことはある、私の適当な英語を、聞き返されることはほとんどなく、唯一いくつかわからない英単語(テクニカルターム)を伝えただけでなんとも楽にスムーズに発表が終わった。

しかも本当に、私の発表が伸びた分、自分の発表を高速に簡潔にはしょり、時間内に収めていた。超ぴったり!君は超人かなんかか。偉い人のコメントスピーチが終わり、花束と記念品を頂き、ああ、本当におわったんだなあ・・・と会議室前に用意されていた果物をもしゃもしゃ食べながらほっとしたのでした。てゆうかほんとうにほぼすべて同僚のおかげ。私の適当な発表も同僚の通訳でフォロー。そもそも分析装置の説明や、分析法のトレーニングも私の説明の10倍を理解する同僚の能力によるもの。その同僚が一番熱意をもって、時間を使って私の話を聞いてくれるので、その彼から他の同僚に説明が行くので、他の同僚も内容を理解する。すべてを君に助けられたよ。あんたがいなかったらまともな仕事にならなかった気がするよ。

分析機器の調整と確認、コツコツ作ってきたマニュアルの印刷、状態管理ノートの整理の仕方、など、あとまだ少し伝えなければならないこと、準備しなければならないことがあるが、何よりこれだけガッツリやってきた同僚たちとなら、日本に帰っても簡単に連絡をとりあえるだろう。これで終わりにはならないだろう。でもひとまず、10か月間滞在させていただいた環境省のみなさんに、ラボの同僚に、力のある上司に、毎日ラボを賑やかしている課のみんなに、ラボカーのドライバーに、いつものガードマンたちに、すべての環境省スタッフに、本当にありがとうございました。

注1 しかしながら、万能な同僚が取ってくれた花束・記念品贈呈の写真はぶれてました。いい、人間は完璧でないほうがいいよ。