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鈴木大輔「このような試合は二度と繰り返さないように」

 秋田戦終盤の2失点。
 1失点目は秋田が左サイド中盤からのスローインを、前方へ投げたところから広い合いに。
 こうして秋田はスローインにおいても、前へと放り込むことで、セカンドボール勝負に持ち込むのが狙いの1つですね。

 これを一度は林が拾いますが、キープしようとしまったことで囲まれてしまいボールをロスト。
 結果的にではありますが、ここの判断が失敗だったかもしれません。
 そこから前へ繋がれて、最後にシュートを放った半田への日高の対応も若干遅れてしまい、やられてしまいました。


 これが89分のことで、94分にも左サイドからパスを繋がれてフリーな大石にクロスを上げられてしまい、まずサイドでの守備対応で後手に回ってしまった。
 それを久保庭が触りますが、クロスが不十分で青木がミドルシュートを放つと、品田がハンドの判定でPKとなっています。
 微妙な判定ではありますが、品田は遅れてブロックにいっており、そもそもとしてフリーな状態でシュートを打たれていることが問題だと思います。

 このPKは藤田が止めてくれましたが、このプレーで得たCKから逆転のゴールを浴びます。
 大石がCKを蹴ると、才藤がゴール前中央でゾーンの間にうまく入って、頭で合わせゴールを決めています。
 才藤もフリーな状態でしたし、狙い通りのシュートだったのではないでしょうか。


 改めて2失点を振り返ると、決して偶発的なものではなく、やられるべくしてやられたようにも思います。
 PKに繋がる左サイドの守備もかなり甘かったですし、1失点目も球際で負けていた。
 セットプレーでの守備にも課題が出てしまいましたし、まだまだ守備の改善点は多いように思います。

 ジェフは全体的に攻め疲れが見えていたのか、運動量も落ちていたと思います。
 秋田は1人少なかったわけで相手も疲れていたはずですが、ここぞという時に走れるのがこのチームの強みでもあるのでしょう。
 スタミナの部分やメンタル面でも、相手に上回られた試合だったのかもしれません。


 ただ、1失点目も林が攻撃に移ろうとしてロストしており、PKに繋がるシーンでも高橋が前へ繋ごうとして拾われたところから攻め込まれている。
 常にカウンターの意識を持つことが基本のチームではあるのでしょうが、結果的に攻撃に移ろうとした際のボールロストからやられているわけで、判断力などの問題も出た試合だったと思います。
 それらも含めて、総合的な甘さの出た展開だったのではないでしょうか。

 キャプテン鈴木大輔は、以下のような話をしています。

www.jleague.jp

鈴木大輔
やり続けるしかないというところですが、このような試合は二度と繰り返さないように、細かいところ、90分通して最後の最後までスキを見せないということはやらなければいけないです。

 2失点して敗れてしまいましたし、ディフェンスリーダーとしてもキャプテンとしても悔しい試合だったとは思うのですが、鈴木大輔のプレー自体は悪くなかったと思います。

 ゴールを決めたシーンも品田からのロングパスを、前線に上がっていた鈴木大輔が折り返したもの。
 この試合でジェフの攻撃はサイドや裏は取れていましたが、肝心のゴール前ではなかなか優位に立てなかった。
 相手は基本的にゴール前を固める秋田ですから、やはりそういった相手にはゴール前での力強さも欲しくなるところがある。


 オシム監督が巻を重宝したのもそのあたりだったと思います。
 結果的にゴールシーンでは、鈴木大輔が攻撃参加をして、スペースのない中で球際で戦ったり、パワーを見せたりという部分を補ってくれた印象でした。
 鈴木大輔は同点になってしまった直後の攻撃でも、ゴール前でプレーして惜しいシュートを放っています。

 ただ、これはイレギュラーなものだし、相手が1人少なくなったからこそ出来た攻撃参加だったのではないかと思います。
 鈴木大輔の攻撃参加によって足りなものが補えるようではダメで、もっと普段から中央でポイントを作りたいところではないかと。
 小森と2インサイドの起用方針を考えればパワーの面では難しいかもしれませんが、その分3人でのパスワークなどもっと狙って中央からの攻撃も作ってほしいところではないでしょうか。

 鈴木大輔は、大分戦でもロングパスなどで大活躍を見せていました。
 本人の調子は良さそうな印象ですが、あまりロングパスばかりが目立ってしまうと、チームとしてはどうなのかなとも思います。
 品田も入ったわけですしテクニックのある選手は多いわけですから、それを活かしたチームを見たいところですね。

左インサイドでスタメン復帰した田口泰士が今季初ゴール

 秋田戦ではついに品田と田口が、スタメンで揃い踏みを果たしました。
 1-2で敗れ悔しい試合となった秋田戦ですが、一時離脱していた田口が復帰できたことは大きな収穫だったと思います。

 ここまでアンカーで起用されていた田口ですが、新加入の品田がアンカーでプレーしているため、秋田戦では田口が左インサイドに。
 田口は昨シーズン序盤も守備時はボランチで、攻撃時は右インサイドに上がる役割を果たしていました。
 しかし、うまくボールを受けきれず、はまっていなかった印象でした。


 そのため、今回も若干の心配はあったのですが、秋田戦ではインサイドの位置に留まるだけでなく、左サイドにも流れてパスワークに絡んでいました。
 これによって、田口自身もリズムを掴み、チームとしても左サイドのパスワークが改善されたところがあったと思います。
 状況的には昨シーズン終盤、左インサイドの見木が後方に下がってビルドアップに加勢する動きにも近いものがあったのではないでしょうか。

 特に現状だとインサイド最有力の横山はアタックに重点を置いてビルドアップに加わることは少ないですし、小林も細かなパスワークはあまり得意ではない。
 それだけに田口が左インサイドに入って、ビルドアップに効果的なサポートできるようであれば、今後が楽しみなところもあるのではないでしょうか。
 もっとも対戦相手だった秋田はある程度ボールを持たせて守るチームでしたから、まだまだ様子見なところもあると思います。


 さらに今回の田口は、仕掛けの部分でも貢献。
 もともと田口は名古屋でもSHでプレーしていましたし、流経柏時代には前線でもプレーしていた選手。
 ジェフもやられた苦い経験がありますが、ゴール前に飛び出して仕掛けるプレーも出来るタイプだと思います。

 秋田戦でジェフが奪ったゴールも、その田口が決めたものでした。

 中盤の品田からの浮き球のパスを、前線に上がっていた鈴木大輔が折り返すと、小森が頭で合わせてシュート。
 これはGK囲にストップされますが、田口が決めてゴールという流れでした。

 改めてゴール前の動きを見ると、小森の動きがやはり良いですね。
 品田のロングボールに対しては早々に鈴木大輔に任せて、自身はフリーになってシュートを狙っている。
 ここでは決めきれませんでしたが、ストライカーとしてのセンスを感じます。


 最後は田口がFWのこぼれをつめてゴールを決めたということで、インサイドとしての仕事を果たしたシーンだったと思います。
 田口もしっかり鈴木大輔の折り返しを受けるポジション取りをしていましたし、相手の前に立っていた。
 最後はつめただけとも言えるでしょうが、1トップシステムを採用しているわけですから、最後のシーンでインサイドがゴール前に飛び込んでいるということが大事だと思います。

 この日の田口は、ヘディングシュートでの活躍も目立ちました。
 CKでのターゲットになることも多く、75分には中盤の高橋からのクロスにうまく合わせてゴールを狙っています。
 田口は身長が高いタイプではないですが、ジャンプするタイミングも良いので、意外とヘディングシュートもうまい選手ですね。


 これも品田の加入もあって、プレースキックを他に任せられて、田口が競り合う役割を担うことが出来たと言えるでしょう。
 この日の品田のプレースキックは若干ずれるシーンも目立ってはいましたが、今後に期待したいパターンだと思います。
 品田はゴールシーンでも起点になっていますし、今のところ非常に良い補強となっていますね。

 田口にとっては、これが今季初ゴールということになります。
 今年でジェフ5年目となる田口ですが、最多ゴールは2020年と2021年の2ゴールということで、ボランチが基本だったとはいえ、ゴール数に関しては若干物足りない印象もありました。
 今後、インサイドで定着するということになれば、ゴール数をもっと増やしていってほしいところですね。