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第11節 ジェフ対秋田 プレビュー 堅守の秋田を相手に前を向いて戦えるか

 先週のサッカー関連の記事で、少し気になったものがありました。
www.football-zone.net

ブラジルでダービーで、こういう追いつかれ方をしたら警察沙汰になっている。それが普通。僕らが一周、スタンドを周る時も拍手を送っていてくれるサポーターもいましたが、そういうのはあってはいけない。我慢強く拍手を送ってくれたことには感謝したいけれど、もっと厳しく選手に対応していいと思う

 オシム監督も常々、サポーターに厳しさを求めていたことを思い出しました。

 ダメな時はダメだとはっきり訴えるべきだとよく話していて、そういった厳しさが勝者のメンタリティを育むという発想ではないでしょうか。
 特に海外の選手や監督には、日本のサポーターが時折優し過ぎると感じるところがあるのかもしれませんね。
 特に昨今はSNSで自分の"推し"に対して、ポジティブな意見ばかりが受ける印象もありますが、そればかりでは"推し"を甘やかしてしまうし、厳しい目も必要なのかもしれません。


 ジェフは1-1の引き分けに終わった前節大分戦に関しても、試合内容は悪くなかったと思います。
 しかし、自分たちのやりたいサッカーが出来て、気分的に気持ちよく戦えて満足してしまうというパターンが、一番まずいような気もします。
 やりたいサッカーが実現できたにも関わらずそれでも勝てなかったとも言えるわけで、良いところを取り上げることももちろん大事ですが、なぜ勝てなかったのかもしっかりと追及してほしいところですね。

 その大分戦では特に前半、低い位置からビルドアップを開始して、ワイドに大きく展開する。
 外から外への攻撃が機能して、攻勢を仕掛けられていたと思うのですが、それが秋田相手にも通用するか。
 秋田は今年も堅守を維持しており、10試合で失点7はJ2で2番目タイに少ない数字となっています。

www.jleague.jp

 今季ここまでの秋田は、4勝3分3敗の勝点15で8位。
 ジェフは4勝2分4敗の勝点14で10位ですので、秋田の方が上に立っています。

 秋田のスタイルは今年も変わらず、フィジカルを駆使した激しいサッカーを展開しています。
 守備では運動量をベースに相手を囲いに行って、球際で厳しく潰してくる。
 そこでボールを奪って、素早いカウンターを仕掛ける攻撃が武器となっています。


 長いボールを積極的に使い、セカンドボールを拾ってチャンスを作る。
 さらに、セットプレーとロングスローからの攻撃も脅威ですね。
 今年もラフなプレーが多く、対戦相手としては怪我などにも注意しなければいけないところがあると思います。

 今季開幕時の秋田はあまり動きが良くなかった印象で、守備で前から行けず、後方で跳ね返す展開が多かったと思います。
 さらにカウンター時のスピードや人数のかけ方も甘く、攻守に勢いを感じない状況でした。
 開幕戦愛媛戦を0-1で落とすと、第2節山口戦も0-2で敗戦しています。


 しかし、そこから徐々にコンディションを上げていき、第3節徳島戦で2-1で今季初勝利
 そこからは第6節清水戦しか落としておらず、ここ最近4試合も2勝2分。
 前節岡山戦も0-0で引き分けてはいますが、秋田の方がチャンスを作っていたように思います。

 秋田のようなフィジカル中心のチームはコンディションが大きく左右するところがあると思うので、結果的に好不調の波が出来やすいのかなと思います。
 それでも上位を目指すチームではないので、調子がいい時に勝ち点を稼げれば良いという判断なのかもしれません。
 ジェフも調子の波を感じる部分がありますが、昇格を目指すのであれば、もっと安定感のあるチームを目指さなければいけないと思います。


 ジェフとしてはホームとは言え、好調秋田相手ということで、難しい試合となるかもしれません。
 秋田がハイプレスをかけてきて、前を向けない状況となると、嫌な試合展開になってしまうのではないでしょうか。
 逆にジェフが押し込んで先手を取る試合を展開した方が、戦いやすくなってくるかもしれませんね。

 ジェフもここ3戦は負けていないとはいえ、8-0の大勝を上げた栃木戦は評価しづらく、1-0で勝利した徳島戦は内容も拙かった。
 大分戦では良い内容で戦えたものの、1-1の引き分けと勝ちきれなかったわけで、状態が上向きと言えるのかまだ何とも言えない状況ではないかと思います。
 良い形でゴールデンウィーク連戦を迎えるためにも、しっかりとした試合をしてホームでの勝利を期待したいですね。

小林慶行監督「(大分戦後半は)前から行くのが難しい状況でした」

 徳島戦で1-0の勝利、大分戦で1-1の引き分けとなったジェフですが、両試合共に試合後の小林監督は守備面の話が多い状況となっています。
 失点数を抑えられていることも大きいのでしょうが、ここ数戦はハイプレスがはまらない時間帯が増えており、守備で我慢の展開となっていることも原因ではないかといった内容です。

 徳島戦では、初めに「自分たちのやりたいことが表現できた回数が、一番少なかった試合」と表現しています。
 1-0で勝利はしましたが、相手にPKも与えていますし、試合内容で言えば徳島の方が優勢だった試合だと感じる試合でした。

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 小林監督は「相手のビルドアップに対して、守備をはめることが出来なかった」ことが苦戦の要因と話しています。

 前半途中の修正に関して、「深追いしてひっくり返されるシーンがあった」と話していることからも、プレスがはまらなかったため、ある程度引いて守る指示を出したということなのでしょう。
 それが試合途中から多かった、4-4-2で守る戦い方に繋がっていくのだろうと思います。
 また、徳島はそれほどプレスに来ていなかったので、「自分たちが前進させられればよかった」とも話しており、押し込まれた要因は守備だけでなく、ビルドアップ面にもあったと考えているのではないでしょうか。


 大分戦でも特に後半から、「前から行くのが難しい状況」だったと話しています。
 それによって攻撃のスタート位置も下がり、前進に苦労した展開だったという分析です。
 会話の内容からして、そこまで内容に手応えを感じていない試合だったのかもしれません。

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 具体的な話もされていて特に重要なのは、前から行きたかったけれど、前に出ていくと「トップ下の渡邉がフリーになってしまう」ということで、そこが悩みの種だったということなのかなと思います。

 それもあって徳島戦に続いて、前半途中に修正し4-4-2でセットして守る時間が長くなっていったということでしょうか。
 実際、ワイドな攻撃が目立った試合ではありますが、ハイプレスがはまってハーフカウンターを展開できたという内容ではなかったと思います。
 小林監督は基本的にハイプレス志向の強い監督ですから、プレスがうまくいかなかったため、この試合にあまり良い印象を持っていなかった可能性もあるのかもしれません。


 改めて思うのは、ジェフのハイプレスというのは、ともかくボールを奪うことを前提に考えて仕掛けていっているのだなということ。
 プレスをかけるといっても考え方は色々あって、例えばプレッシングサッカーの成功例でいうと、昨年の東京Vなどは念入りにパスコースを消しながらプレスにいって、相手のビルドアップを牽制する。
 そこからチャンスがあったらボールを奪いにいったり、相手のミスを誘ってカウンターを仕掛けていく手法だと思います。

 そのため、東京Vのプレスは見方によってはリトリート守備も兼ねながら、そこから前へ出ていく守備だと思います。
 しかし、ジェフの場合は全体で前に圧力をかけながらプレスにいく形なので、この2試合のようにプレスがはまらなかったら、リトリート守備へとカチッと切り替えなければいけない。
 結果的に、ハイプレス時とリトリート時の差が激しい状況となっているように思います。


 それ自体がいいことなのか悪いのことなのかはまだわかりませんが、そうなってくると評価も別々に考えなければいけないところがあると思います。
 徳島戦に関して小林監督は「粘り強く、我慢強く戦えた」と話しており、特に最終ラインが局面で粘って戦っていた試合だと思います。 
 そこに関しては評価すべきだと思うのですが、一方でそこまでボールを持ち込まれていたことに課題を感じるところもある。

 現にDFラインでの対応が増えたからこそ、徳島戦でもPKを与え、大分戦でもあわやPKというシーンがあった。
 ジェフのリトリート時の守備に関しては、全体的にラインが下がりがちな印象もあります。
 プレスとリトリートを使い分けていくという状況になるのであれば、これから夏に向けてもっとリトリート時の守備の質も高めていかないといけないのかもしれませんね。