いちまいの鋸置けば雪がふる  五千石

上田五千石 春陽堂俳句文庫より
滋賀県八日市でのこと。職人の置いた鋸の上に、降ってきた雪がひとひらひとひらと溶けていくのを、じっと見ていたことがあった。鋸の方が、雪よりも温かかったのだ。