RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

呪文よ世界を覆せ

呪文よ世界を覆せ - ニコ・ニコルソン / 第1首 後輩の煙草を灯す手の内で 鳴けない蝉がジジっと焦げた① | 月マガ基地 [ https://comic-days.com/episode/14079602755592959460 ]

 

三十一文字が面白くなるマンガが、また世に出た。売れないお笑い芸人は短歌の世界で己を見つけるのだろうか。ちょっと楽しみ。

ライターとかしていたあの頃

二十歳の前後は、けっこう記憶があやふやで。確か十七あたりから、ライターとか編集をさせてくれた個人事務所の仕事をもらっていた。まだ実家住まいで、仕事が始まると泊まり込みになるので、いろいろと準備して向かったものである。

その中で特に気をつけたのは、好きな曲をダビングして作ったカセットテープだった。AIWAウォークマンとカセットテープをお気に入りのランチボックスに納め、ガシャガシャ鳴らしながらバッグに詰め込んで出発するのが常だった。

徹夜仕事は寡黙になり勝ちなので、イアホンで好きな曲を耳にしながら、書き進める。深夜の編集部で仕事を進めていると、時折自分は好運だったのかな、などど考えては笑いが込み上げることがあった。

少なくとも好運だったのだ、ある意味では。好きな子に付き合ってくれという自由。仕事で失敗してもリカバリできる自由。友人と過ごす自由。いろいろな人に人に引き立ててもらえる、そしてそれを謝絶する自由。

 

自分の選んだ自由が、本当に正しかった自由なのかはわからない。

だが、確実なのはそれが選ばれたものだということ。私の選んだ私の自由だということだ。それから四十年が経とうとしている。

 

私は自分の選んだ自由が、間違いだったと知った。もうリカバリはできない。