デスキャブ@フジロックを語り尽くす 4
今日はセットリストについて語ろう。
今回のセットリストを見て「ベストヒット」的という声が結構聞かれていて、実際にその通りだと思う。
演奏された全15曲をアルバム別に分けると
4枚目2曲、5枚目4曲、6枚目4曲、8枚目2曲、9枚目3曲
現在のデスキャブの単独公演でのセットは全22〜23曲、1時間45分くらいのボリューム。今回、1時間30分の予定だったので18〜19曲くらいかなと予想していたが、実際は15分削られて15曲ということになった。
直近のセットリストから考えると15分短縮により
2枚目 Title Track
3枚目 A Movie Script Ending , Styrofoam Plates
4枚目 Expo86 , Tiny Vessels
9枚目 Summer Years , 60 & Punk
から3曲くらいが漏れたと思われる。
今回のセットではっきりしたことは、セットリストは2〜4枚目の初期から中期にかけてのデスキャブがインディーバンドとして世に出て来た時代よりも、5〜6枚目のメジャーで完全にブレイクした時期にやはり重点が置かれているということ。その辺りからファンになった層がやはり多いのだろう。7枚目は黒歴史にされて、直近の8〜9枚目もそれなりの割合で演奏する。
だから、今回もフェスセットでいつもより短めでも多分2〜3枚目の曲も1、2曲は予定していたと思うが、短縮によりばっさり削られたということ。4枚目はバンドもファンも最高傑作という認識があるから演奏ゼロになることは無いけど、今回は少なめ。
まぁ、自分のように初期〜中期にどうしても思い入れが強いファンも、単独公演のセットならある程度満足するように練られてはいるけれど、フェスとかではどうしても今回のようなセットになる。それでもベストと言われれば異論は無いけどね。
デスキャブ@フジロックを語り尽くす 3
Death Cab for Cutie @ ホワイトステージ
アメフト後の滝行を耐え、15分早めて始まったデスキャブ。
バンドの状態、テンション、演奏、音質のすべてが最高だった。
クリスが去ったあとの現行ラインナップでのライブを観たのは初めてだったけど、デイブもザックも加入後3、4年を経ていることもあり、すっかりバンドにフィット。ニックとジェイソンの堅実なプレイ振りも相変わらずで、クリス時代とは違ったバンドとしての完成度を見た気がした。
でも、例えば大好きな「Title & Registration」のイントロのギターと終盤の特徴的なキーボードってクリスの役割だって、それを何十回と観てきたけど、今はそれぞれデイブとザックが演奏してる。大して違いはないのだけど、複雑な気分がしたのもまた事実だった。
ベンのテンションもいつになく高かった。「No Sunlight」での最後の煽りとかこんなのもするのかと新鮮だった。「ありがとう」とか日本語を話してたけど、MCはほとんど無かった。短縮セットだから1曲でもプレイしようという姿勢だと思うけど、熱心なファンだからこそもう少し何か語って欲しかった。
観客はあのコンディションでもあの場にいたってことは熱心なファンが多かったのだろうと思う。みんな大きな声援を送っていたけど、「I will follow you into the dark」とかもっと合唱できないかなと思った。アメリカの単独だと客の合唱用のパートもあるからね。「Soul Meets Body」の時には既に体調不良で後ろに下がってたけど、パラッパラッパパ♪の合唱はどんな感じだったのだろうか。
バンドの演奏が良かったのは嬉しかったし、また別で書こうと思うけど、セットリストもベスト的な内容だった。ネットでの評判も良かったけど、個人的にはあの雨のせいで不完全燃焼だった。せっかくのデスキャブ@初フジロックがこんなことになって残念だけど、これもまた人生なのだろうか。
デスキャブのライブは5年振りで今までに無いインターバルの長さだった。今回の経験を乗り越えて、やはり日本での単独を希望するし、予定さえ合うなら再度アメリカで観たいという想いを強くした。
デスキャブ@フジロックを語り尽くす 2
ALVVAYS終わりで19時前、ホワイトのアメフトが20時からだから今から移動したら、ちょうどいい感じ。しかし、CAKEの最後の雨ですでにやられ、足下も浸水。雨は結構強いし、今から23時30分のデスキャブ終わりまで持つのか?大丈夫か俺?しかし、このためにわざわざ来たのだから行くしかない、いざホワイトステージへ。
American Football @ ホワイトステージ
アメフトのライブを観るのは実は初めて。もともとOWENから入って、その後に本体のアメフトを知った。デスキャブにしてもアメフトにしても「エモ」で括られるのが個人的には嫌いで、前者は「インディーロック」で後者は「ポストロック」だと主張したい。もちろんアメフトの1枚目は永遠に色褪せない名盤で、デスキャブの「カラス」にも匹敵すると思っている。
ライブの冒頭に感じたことは、音がめちゃくちゃ良いということ。アメフトのライブはそこまで期待しない方がいいという意見もあり、You Tubeなんかで見ていても若干不安定なところはある。ただし、この日の演奏は抜群に良かったと思う。セットは直近の固定から2枚目を1曲、3枚目を1曲外してきており、1枚目は定番の4曲をしっかり演奏してくれたし、やはり観客からも大きな声援が飛んでいた。
「Honestly?」の冒頭の歌いだし、「The Summer Ends」のトランペット、「Stay Home」や「Never Meant」のイントロなんかはやはり何回聞いてもこのバンドを好きでいる理由だと思う。
あと、思ったのはマイク・キンセラのギター弾きながら歌う姿は絵になる。わりと直立不動な感じで淡々と弾くし、スタイルやルックスも良さも相まってカッコいい。
結果的には雨も良い感じの演出となって、初体験のアメフトは大満足だった。
それでも基本的に降り続ける雨は、デスキャブまでのインターバルではさらに激しくなり、滝行のレベルで本当に何かの修行かと思った。
デスキャブ@フジロックを語り尽くす 1
なぜ、こんなことに・・・。
アメフト → デスキャブっていうマイフェイバリットバンド1、2の奇跡の流れをフジロックの夜のホワイトステージで見れるという神とスマッシュが与えてくれた最初で最後のチャンス。
過去にアメリカのフェスでもアメフト、デスキャブが同時にラインナップされたフェスはないはず、あれば自分が行っていたと思うから。それをまさかの同日、同ステージに初めてブッキングしたのがフジ、まさしく奇跡。
それがなぜ、こんなことに・・・。
詳しくは明日以降に書くとしてまずは2日目その他のバンドを。
CAKE @ グリーンステージ
昔アメリカのフェスでチラ見したことあったけど、バンド全体の佇まいが格好いい。あの緩い感じでも一応USビルボード1位の実績ありですからね。ベストヒット的なセットリストで大して詳しくなくても、ほとんどの曲が分かった。こういうバンドが長く愛されるところがアメリカの奥深さだと思う。
ALVVAYS @ レッドマーキー
このバンドを知ったのは「Archie , Marry Me」をデスキャブのベンがカバーしていたから。インディー感満載でドリームポップ的な音楽性は同じくアルバムが2枚出た当時のPains of being pure at heartに通じる。曲もよく書けてるし、演奏もいい、1枚目にも2枚目にも必殺曲が数曲ある。ボーカルさんも素敵だし、単独あったら行きたいとすら思えた。
デスキャブ 全来日公演メモ
フジロック出演を記念して、過去の来日公演を振り返ろう。
① 2003.9.24@原宿アストロホール
「カラス」発売のタイミングで1夜限りの初来日。
② 2004.3.15@渋谷クラブクアトロ
③ 2004.3.17@心斎橋クラブクアトロ(参加!)
①から半年後、待望の単独ツアー。
④ 2005.8.13@サマソニ大阪(参加!)
⑤ 2005.8.14@サマソニ東京
サマソニに初出演。Oasis、Weezer、La's、TFC等と同日でした。
⑥ 2008.8.9@サマソニ東京
⑦ 2008.8.10@サマソニ大阪(参加!)
「Narrow Stairs」発売の年に、サマソニ2回目の参加。
⑧ 2009.2.12@名古屋クラブクアトロ(参加!)
⑨ 2009.2.14@新木場スタジオコースト(参加!)
⑩ 2009.2.16@心斎橋ビッグキャット(参加!)
待望の東名阪単独ツアー。
⑪ 2012.8.16@名古屋クラブクアトロ(参加!)
⑫ 2012.8.18@サマソニ東京
⑬ 2012.8.19@サマソニ大阪(参加!)
「Codes and Keys」ツアーとしてサマソニに3度目の登場。
過去13回の来日公演のうち8公演を観に行ったことになる。
こうして振り返ると、「Narrow Stairs」が全米1位となったあとの
⑥〜⑩の頃が1つのピークであると思うし、サマソニも2008年が一番良かった。
Death Cab ブログ 復活
今年のフジロックにデスキャブが来る!!
というわけで、ずっと放置していたこのブログも再開。
この4年間のデスキャブ。
・クリスに代わる新メンバー2名(デイヴとザック)が加入。
・アルバムが2枚(「KINTSUGI」と「Thank You For Today」)出た。
・日本には一度も来なかった・・・。
自分は2014年9月にカナダでクリスのラストライブを観て以来、バンドとしてのライブは観ていない。特に2004年から2012 年辺りは来日もあったし、アメリカにも行ったりして、毎年のようにライブを観ていたが、もう4年以上なし。でも、実は2017年にアメリカでベンのソロライブを2公演観たよ。
ライブは観てなくても、音楽全体への情熱が低下しても、やはりデスキャブだけは日常的に聞くし、情報やセットリストはチェックしてしまう。
まぁ、いずれにしても、今年はフジロックにデスキャブが来る。
デスキャブ とは
今では広く「デスキャブ」の愛称で知られるバンド、Death Cab for Cutie 。
1997年にシアトル近郊のカレッジタウン・ベリンガムで結成され、現在まで9枚のアルバムを発表。
長らくUSインディーシーンの熱狂的なファンによって支持されてきたが、TVドラマでのフィーチャーや、その繊細かつ誠実な音楽性、活発なライブ活動などを通して今やインディーの枠を飛び越えアメリカを代表するバンドにまで成長。
2008年5月に発表した通算6枚目のアルバム「Narrow Stairs」はUSビルボードで1位を獲得。
2014年、結成以来のギタリストでプロデューサーのクリス・ウォラが脱退。新たなメンバーを2人迎えた新体制となった。
最新作は2018年8月発売の「Thank You for Today」。
そして2019年、7月開催のフジロックにて7年振りの来日が決定した。