3か月でマスターする世界史を見る

 「おはよう日本」の5時代の担当が野口さんと赤木さんになりました。
 前任の童顔の佐藤あゆみアナはどこへ行ったのか? 人事異動で確認した範囲では出てこなかったので、まさか再度の地方勤務かと思いましたが、なんと新番組「3か月でマスターする世界史」のMCでした。
 古代、中世ウォーゲーマーとしては非常に気になるタイトルですので、一先ず見逃し配信で第3回を見ました。で、今週は引き続き第4回も。テキストもamazonで買いました。

 なるほど、西欧中心ではない、オリエント中心の世界史というのは非常に嬉しい切り口です。シルクロードキリスト教イスラム教の台頭から始まっていきます。第3回はキリスト教の話ですが、その出発点としてゾロアスター教を丁寧に取り上げたのがオリエント中心シリーズならではでした。
 こういう切り口で勉強すると、中近東と言うのが文明の原点であり世界史の出発点であったことが再認識できます。
 引き続き第4回では、いろいろと誤解の多いイスラム教を取り上げました。イスラム教は四大宗教の中でいちばん新しく起こり、ペルシャを征服して地中海全体に広がりました。なんとなく教義が厳しく排他的というイメージを多くの人が持っているかと思いますが、本来は非常にフレキシブルで寛容な宗教であるという話しがされて安堵しました。「コーランか剣かジズヤ(人頭税)か」のはずが、西欧に誤って「コーランか剣か」の部分だけ伝わってキリスト教側の対決不可避の判断となり十字軍となっていくのですが、実はムスリム側からすると領土に住んでもらって回収しない方が税収を得られて儲かるのでありがたかったという話し。
 佐藤アナは、聞き上手で上手く先生方を喋らせていました。

茨城会:ナポレオンの復活を対戦プレイする

 2月の茨城会で対戦したはずなのに、日記を検索すると見当たらない。

 結果が地味だったので書くモティベーションが薄くて放置したまま忘れ去った模様です。

 2か月前のことなので忘却の彼方なのですが、画像はあるので並べてみることにします。

 例によって筆者はプロイセン軍、ビューローです。

 今回のホイエスヴェルデでは、ウディノーのフランス軍の方が機動性が良く、目標の街(画面の上の方のホイエスヴェルデ)に先に入られてしまいます。うーむ、これは大問題ですが、シナリオセットアップの問題なので如何ともしがたいです。

 ビューロー麾下の部隊は散開していて、指揮範囲外のものがいて、上手く機動できません。結局、自力イニシアティブのロールを頼むしかないのですが、この日は非常に調子が悪くさっぱりでした。

 こちらはまだ集結して攻撃を開始することもできていないのに、フランス軍の増援が狭いマップの向こう側に進入準備しています。むー、今回は良い所がないではないか、我が軍は!

 結局、最後まで両軍ともに得点を得ることができず、この日はスコアレスドローという骨折り損で終りました。なので、盛り下がってしまって日記に挙げるのを忘れてしまった模様です。

大東亜共栄圏を入手する

 ヤフオクです。

 発売時にスルーしてしまいました。日米戦争は守備範囲ではないからです。

 しかし、世間の評判は良いですし、聞けば中黒さんのデザインでキャンペーンなのに2時間級だと言うので、自分でプレイしてみなくてはいけないと思い直して出物を待っていました。

 少しプレミアムがついていて当初発売価格の5割増しくらいでしたが、世間評判からすればアクセプタブルと判断しました。

 逆に言えば、このくらいの世評でもこのくらいにしかならないのは残念な気もしなくはありません。

☆異常を読む

 昨年の星雲賞海外長編部門候補作の一つです。幸いにして図書館。

 フランス製のスリップストリーム

 同じエールフランス便に乗り合わせた総勢11人の群像劇です。

 同便は3月に離陸し、予定通りにニューヨークに着陸しました。

 ところが、3か月後の6月に同機は再びニューヨーク上空に出現し、非常事態としてワシントンの空軍基地へ着陸します。

 乗っている乗員乗客は3か月前に着陸した同一人物と、まったく識別不能な同一人物。FBIは、3月に着陸した方をデイヴィッド・マーチ、6月に着陸した方をデイヴィッド・ジューンのように識別し、様々な調査を重ねていきます。

 いくら調査をしても識別はできず、強いて言えば3月に着陸した方は3か月間余分に生活して老化しているくらいです。

 当局はついに覚悟を決めて本人同士を対面させます。

 ここから先は文学の一ジャンルをなすアイデンティティの問題に肉薄する小説となります。いろいろなケースが生じるのでそのために登場人物を11人も用意したのかと感心させられます。

 二人の母親の一方を選ばされる息子。3月側がすでに自殺しているケースなど、思考実験として非常に難しいケースが次々に描写されます。読み応えは十分で、小説としては非常に面白いです。SFかと問われると、SFと無理に呼ぶ必要はないかもなと思いますが、隣接領域の重要な問題作として、これが星雲賞候補に挙がったのは日本のSFファンはお目が高いと思います。

 テイストとしては、プリーストの「魔法」や「双生児」に近いです。スリップストリームだし、主題がダブル(重複した人間)ですから。

 ただ、その考察する方向がずっと純文学よりであることは確かです。

 特にSF的な種明かしはありません。

 エンディングでは、プロジェクトは6月のメンバーがエールフランス便に乗った履歴を抹消した上で、新たな履歴を与えて解放します。

 で、最後の最後に、なんと米国航空運航局に3機目の当該エールフランス機が出現したことが伝えられ、大統領は当該機を撃墜する指示を出して終わります。

 本編の主題とは関係ありませんが以下の一節がゲーマーとしては大いに感銘を受けました。

p323

 この建築家は母と子を南仏の別荘に招待した。そこでアンドレはある晩、屋根裏部屋から古い箱を持ってきて、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の遊び方を、つまりいろいろな世界や城のつくり方、キャラクターになりきる方法、シャチやモンスターとの戦い方を教えてくれた。

 それ以外ではフランス人が書くから笑える一節として、

p248

「大統領、マクロン大統領に連絡を取りました。」特別顧問が呼び掛ける。

「フランス人とはソリが合わん。とくにあいつとは。だが、しかたない。ジェニファー、あの生意気な小僧につないでくれ」

新プロジェクトX、Jフォンを見る

 第2回目は長年愛用しているJフォンだというので、生放送でしっかりと見ました。

 そうか、携帯業界最下位のJフォンと、筐体事業撤退も検討したというシャープの最下位同盟による起死回生の逆転劇なのですね。

 絵に描いたようなプロジェクトXネタです‥(^ー^* )フフ♪

 小型化が進んだ状態の携帯電話の中にカメラをなんとかして入れ込めという無理難題をシャープに要求したJフォンも凄いですが、最終的にそれを実現してしまったシャープの技術者がなんと文系卒で独学でエンジニアに転職した経歴だと言うから驚きます。

 フレキシブル基盤を折りたたんで入れ込むという画期的なアイデアで大きさはクリアしたものの、今度は部品間隔が接近しすぎてノイズ干渉が激しくなり、肝心の電話音声が犠牲になるのをクリアするのにノイズ源を一つずつ特定して潰していったという。筆者もエンジニアですが、エンジニア冥利に尽きる仕事だったのであろうと推察いたします。

 でも、最終的に、こうして世に語り継がれるようになるのだから、拾う神ありとはこのことです。

 第3回は、「あまちゃん」で有名になった北三陸鉄道だそうです。

 

デスティニーを見る

 石原さとみの連ドラは、なんと3年ぶりだそうです。
 3年前は「恋はDEEPに」だそうですが、見たことがないので個人的には「アンサングシンデレラ」以来の4年ぶり。
 石原さとみの法曹関係は初めてでしょうか。相手役が亀梨和也で、こちらはNHKの「正義の天秤」の弁護士役が印象に残っています。
 学生時代の5人の友人の群像劇で始まります。その中で、モテる亀梨が地味な石原と付き合い始め、亀梨を好きな田中みな実が強烈に嫉妬する第1回です。
 嫉妬した田中が、亀梨のアパート前にスポーツカーで乗り付けて呼び出し、ちょっとコンビニまでとベッドの石原に行って出るのですが、田中は亀梨を助手席に乗せて暴走します。ハンドルを切り損ねたと思ったところで画面が暗転。
 石原の所に宮沢エマがやってきて田中が死んだことを告げます。

 亀梨と石原の濡れ場ですが、石原の濡れ場を見るのは「失恋ショコラティエ」以来、10年ぶりでしょうか。

 「鎌倉殿の13人」で活躍した宮沢の現代劇は非常に新鮮、と言うか違和感ありました。「グレイトギフト」の坂東弥十郎と同じです。

オッペンハイマーを見る

 万難を排して劇場へ行って見ました。
 うーむ、クリストファー・ノーランです。
 まず時系列がズタズタです。「ロードマークス」みたいです。
 どうしてそうなるかと言うと、戦後のレッドパージの時にオッペンハイマーが赤の疑いで聴聞会に掛けられた、その聴聞会から話しが始まるからです。
 原爆の父として対日戦争を終わらせた立役者であるオッペンハイマーですが、彼の弟、妻、恋人など近しい人に共産党員経歴を持つ人が複数人います。そんなことは承知の上で国がオッペンハイマーマンハッタン計画のリーダーに抜擢したはずなのですが、計画中にアイソトープの輸出に関して正面衝突したストローズがオッペンハイマーに対する遺恨からオッペンハイマー聴聞会に引き出したのです。
 で、聴聞会でいろいろな人がオッペンハイマーについて証言しますが、ストローズ側に有利な証言をする人が最初に登場します。なので、これはオッペンハイマーと知遇を得た順序ではありませんから、必然的に時系列順には並びません。
 また、もう一つ別の問題があって、最初の方の証言者はオッペンハイマーに敵対する人が多いので、オッペンハイマーの印象が冒頭ほど悪くなっています。徐々に真実が明らかになっていき、オッペンハイマーに対する視聴者の見方も変わっていくように意図されています。
 最終的にオッペンハイマーソ連のスパイではなく愛国者だと認められるのですが、その一方で原爆の威力に戦慄した彼は水爆を始めとするより強力な核兵器開発には反対する立場を取るようになり、そのことを非愛国的だと思う人々とは決裂します。その相手には時のトルーマン大統領も含まれます。
 一方で彼をスパイでないと擁護する側の若手・下院議員としてジョン・F・ケネディの名前が登場します。
 オッペンハイマーは優秀な物理学者ですが、実験は不得意で、理論物理学で世界のトップを走るには数学が弱いなどという否定的な視点も登場します。特に女好きと人付き合いの悪さに関しては、彼が聴聞会に掛けられる大きな一因となったように本作では感じさせます。
 若い頃の愛人である心理学者のジーンがスパッと脱いで濡れ場を演じたことで本作はR指定になってしまっていますが、少なくとも日本では濡れ場目当てで見る人がいるとも思えないので限定解除で良かったのではないでしょうか。
 広島、長崎の惨状を成果としてまとめて報告する陸軍の報告をオッペンハイマーが見ていると思われるシーンはありますが、本物の広島や長崎はまったく映りません。そこはどうだったのかという議論が各所で持ち上がっていますが、確かに物足りない気がします。
 もともと原爆はナチスに落とすつもりだったということや、日本に落とすにあたっての候補都市が12あり、そこから京都を外す経緯だけが説明されたりと、これまでの原爆投下意思決定の世間理解と異なる部分もあり、帰宅して調べなおしてしまいました。
 あとノーラン作品ではいつもですが、判りにくいです。特に登場人物が多いので、小説なら登場人物リストで確認しながら読めるのですが映画だとそれができない。
 もし可能なら、「これから見る方は事前にパンフレットかウィキで登場人物の顔写真リストを作って、出てきたらどこの誰だかすぐに判るくらいまで予習して見に行くのが吉」かと思います。
 アインシュタインのように予習不要な人物もいる一方で、ロスアラモスの大勢のメンバーの中には見分けにくい人物群もいるので。

 そういう意味ではパンフレットを買って復習したので、ここでもう一回見ると理解が深まりそうな気がしています。

 劇中でニールス・ボーアが大きな役割を担うのですが、あまりよく知らなかったので帰宅して調べてしまいました。

ja.wikipedia.org

 とは言え、昭和プロレスファンとしては、「アイアンクロー」も見なくてはなりませんので、これを映画館でもう一回とは行かないでしょうか。
 とは言え、退屈することのない三時間でした。

 お勧めではあります。