GSMA「西アフリカのモバイルマネー 2016年版」

GSMAが公表しているレポートをご紹介いたします。


2016 State of Mobile Money in West Africa(PDFファイル)


2011年から2016年にかけてのモバイルマネーの進化が見やすく整理されております。

西アフリカのモバイルマネーがさらに拡大するうえでの課題として、以下が挙げられております(p. 11)。

  • オペレーション上の基礎
  • イノベーションとエコシステムの拡大
  • 女性
  • 継続的な投資

フランスのフィンテック9選

Maddynessの記事をご紹介いたします。


Vous changez de banque ? Découvrez ces startups qui vont vous faire gagner de l’argent
https://www.maddyness.com/finance/2017/02/06/banque-fintechs-macron/


フランスでは、今月発効した法改正で、銀行を乗り換えるのが簡単になりました。

そうしたなか、斬新で生活に役立つ金融サービスを提供する9つのフィンテックが取り上げられております。


似たようなサービスは日本や英語圏でも既にありそうですが、個人的に最も面白いと思ったのは、友人間の送金サービスであるPumpkinです。

Youtubeでは、プロモーションビデオのほか、デロイト主催のピッチの様子を見ることができます。

後半のQ&Aでは、「友達がいなくても使えるのか?」「競合との違いは?」といった質問が浴びせられております。

IFC「デジタル金融サービスとリスク管理のハンドブック」

IFCが公開しているハンドブックをご紹介いたします。


Digital Financial Services and Risk Management Handbook(PDFファイル)


世界的なERM(enterprise risk management)の標準であるISO 31000をデジタル金融サービスに応用した本です。

リスク管理の考え方や実際の事例が実務者向けに体系的に整理されています。


以下、内容の要約ではなく、個人的に付せんを立てた図をご紹介いたします。



リスクの分類と相互作用(p. 19)



新規に代理店を登録するための事務フロー(p. 31)



リスクアセスメントの流れ(p. 69)



リスクのヒートマップ(p. 79)


著者のおふたりはどちらも女性で、この業界でのキャリアが長い方々です(p. 112)。

金融機関のオペレーショナルリスクのトップ10(2017年)

昨年に引き続き、risk.netの記事をご紹介いたします。


Top 10 operational risks for 2017
http://www.risk.net/risk-management/operational-risk/2480528/top-10-operational-risks-for-2017


大きな変動はありませんが、ランキングの1位から10位は以下の通りです。


1. サイバーリスクとデータセキュリティ
2. 規制
3. アウトソーシング
4. 地政学リスク
5. コンダクトリスク
6. 組織変化
7. ITトラブル
8. AML/CFT制裁コンプライアンス
9. 詐欺
10. 物理的な攻撃


若干補足しておくと、4の地政学リスクは、アメリカやヨーロッパの政治的な動向が金融機関のビジネスに波及するリスクを指します。

政治や外交には全く詳しくありませんが、地政学リスクは、それ以外のリスクにも間接的に影響するそうです。


10の物理的な攻撃は、金融機関の従業員や顧客や資産がテロの犠牲になることを想定したものです。

2016年にも多くの事件がありましたが、金融機関が舞台となってしまうことが現実的な脅威と受け止められているようです。


金融機関のオペレーショナルリスクのトップ10(2016年)
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20160221/1456055753

de-riskingに関するFSBの文献

個人的な忘備録として、correspondent bankingの減少を取り上げたFSBの文献をまとめておきたいと思います。


Report to the G20 on actions taken to assess and address the decline in correspondent banking
http://www.fsb.org/wp-content/uploads/Correspondent-banking-report-to-G20-Summit.pdf

Progress report to G20 on the FSB action plan to assess and address the decline in correspondent banking
http://www.fsb.org/wp-content/uploads/Progress-report-to-G20-on-the-FSB-action-plan-to-assess-and-address-the-decline-in-correspondent-banking.pdf

FSB action plan to assess and address the decline in correspondent banking
http://www.fsb.org/wp-content/uploads/FSB-action-plan-to-assess-and-address-the-decline-in-correspondent-banking.pdf


3つ目のPDFファイルは、昨年の12月に公開された最新のレポートです。

de-riskingを解決するための技術的なソリューション開発のために公的セクターが関与した例として、メキシコ当局の取り組みが挙げられております(pp. 23-24)。


Correspondent bankingとde-riskingを知るための文献一覧
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20161113/1479035950

難民に対する金融サービス提供

難民に対するマイクロファイナンスや金融包摂が話題となっているようです。


The Future of Refugee Financial Inclusion
https://cfi-blog.org/2016/11/15/the-future-of-refugee-financial-inclusion/

Microfinance for Refugee Populations: What We’ve Learned and Where to Go Next
http://nextbillion.net/microfinance-for-refugee-populations-what-weve-learned-and-where-to-go-next/


難民については全くの門外漢ではありますが、銀行が顧客にしたがる層では決してなく、技術の活用も望める分野であることから、押さえておきたいテーマであります。


難民危機:援助とフィンテックと生体認証が交差するところ
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20160806/1470478527