悪質ホストやギャンブル依存症など様々な社会問題がありますが、その根底には今の生活や自分自身をぶっ壊したいという衝動があるのかもしれません。今の社会や自分に対する不満や失望が自分をダメにしようとする衝動につながるのかもしれません。「もっと自分を大切にしなさい」といわれますが、現在の自分という存在に価値を見出すことが困難な時代でもあります。
自分を大切にするためには自尊心が求められます。自尊心は子供の頃から少しずつ育まれるものですが、家族や周囲から大切にされたという経験が必要なのです。家族との時間や学校での人間関係が希薄になっているため、自尊心が育ちずらい環境にあるのかもしれません。また、競争が敬遠されているため、努力することや成功体験を獲得する機会も少なくなっています。自分の価値というものは大切にされている感覚や頑張っているという自覚によって芽生えるものだと思うのです。
自分を確立していかないと、いつの間にか問題を抱えるようになるかもしれません。現代人は誰しも危うい一面を持っているものです。以前「自分探し」という言葉が流行りましたが、本当の自分に出会えた人は多くはないのかもしれません。どこか遠い世界に本当の自分がいるわけではなく、納得できる信頼できる自分を育てていくしかないのです。