web小説の読書記録/『酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う』

新巻へもん 著『酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う』を読んだ。第6回カクヨムWeb小説コンテスト「異世界ファンタジー部門」大賞受賞。完結済みの作品。
休日に仕事がやりたくないところ、SNSの漫画広告を見掛けて、何となく原作を一気読みする流れだった。
題名の通りの展開の他、ハーレム、実は主人公が歴史から消された有力者の後継者だと示唆される等、きっちりお約束を詰め込んだテンポの良い作品。
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『ドラゴンボール』と『葬送のフリーレン』の投げキッス

鳥山明の急逝を受け『ドラゴンボール』を読み直した。わかりやすい絵、テンポの良い展開が傑作だと思う。そんななか、コメディリリーフとして登場する世界征服を目論むピラフ一味のピラフがブルマに対して投げキッスをするシーンがあった。ピラフ一味は投げキッスをエッチなことと表現していた。この一連のシーンで思い出すのは『葬送のフリーレン』の主人公フリーレンが僧侶ザインをパーティーに勧誘する際の投げキッスである。こちらもフリーレンの投げキッスをエッチなことと表現していた。投げキッスをエッチなことと表現した初出が『ドラゴンボール』かは不明になるものの、フリーレンの投げキッスはピラフの投げキッスへのオマージュではないかと思われる。また更に言えば、ピラフ一味は3人(ピラフ、シュウ、マイ)とフリーレンパーティー(フリーレン、フェルン、シュタルク)の人数も一致しており、コメディパートそのものを参考にしている可能性がある。

2024年3月24日/過去の再生

音楽を再生をランダムにすると懐かしい楽曲が流れる。今の趣味とはかけ離れた、面白くない、もう聞きたくもない楽曲だ。だからこそ、その楽曲に聴き入ってしまう。以前の自分はそこに何を聴き取っていたのか。何を楽しんでいたのか。音の連なりと共に脳裏をよぎる言葉にできない物事。音楽はitunesで管理しており、古い楽曲はダウンロードを指定していないはずだ。でもコンピューターは賢いから、選択した楽曲はダウンロードするけれども、削除していない楽曲はそのままになっている。コンピューターと人は異なる。人の認知は愚かだから、選んだものがあれば、選ばなかったものが無くなると思い込んでいるのだ。かくしてコンピューターは人の思いも流行も気にすることなく、平然と過去を再生するのだった。なお、タイトルの日付以後はAIが作成したものになる。

Stardew Valley/2年目

Stardew Valleyを始め、ゲーム内時間でⅠ年が経過した。
現在のプレイ時間は56.6時間で2年目の夏の4日目を迎えている。

公民館の畜産品のバンドルをクリアすべく1年目の冬の終わりから鳥小屋と家畜小屋を新設した。2年目の春に入り、動物の育て方を調べて育成を開始したところ、金策が捗るようになった。現在はデラックス家畜小屋、大型の小屋までグレードアップし、行商人から購入したアイテム等も使用して畜産品のバンドルを達成した。

DARK SOULS Ⅲ/(友人が)冷たい谷のボルドを撃破

DARK SOULS Ⅲのプレイを開始後、灰の審判者グンダの撃破後に放置していた。
このところ、自宅に友人が出入りをするようになり、この友人はフロム・ソフトウェアのエルデンリングをクリアしていた。
直近、フロム・ソフトウェアがエルデンリングの新作DLC版の情報を公開、友人と同作を話題にしていたところ、話の流れで本作をプレイすることになった。

ニューゲームを開始し、灰の審判者グンダと戦い、敗北を喫した。友人とプレイを交代したところ、友人は初プレイで灰の審判者グンダを撃破した。これは上手いのでは無いだろうか。友人はそのままプレイを続け、ロスリック城に入り、冷たい谷のボルドと何度か戦って撃破した。友人はプレイが面白くなったらしく、改めてニューゲームからプレイをやり直していた。

友人曰くエルデンリングを比較すると操作が少しモッサリしているらしい。DARK SOULS REMASTEREDをプレイした私から言わせれば、DARK SOULS Ⅲは操作の反応が良すぎる位である。

今後はおそらく友人が本作のプレイを進めるかもしれない。

Stardew Valley/プレイ開始

Stardew Valleyを始めた。
プレイ開始は2024年1月21日。
現在のプレイ時間は28.8時間で1年目の秋の21日目を迎えている。

ゲームの中まで急ぐ必要は無いと思い、特に何も調べずにプレイを開始し、都度ネットで調べている。

最初は釣りのやり方がわからずに困惑した。未だに釣り餌を使用して釣りをする方法がわからない。

鉱山の最下層120階に到達した。

2024年1月の音楽

Shuta Hiraki & Shuma Ando『idiorrythmie』


Grace Cathedral Park『Grace Cathedral Park』


Shuta Hiraki『9⁰ (5)』


slowerpace 音楽『Monologue [remastered]』

三体

劉慈欣 著、大森望、光吉さくら、ワン=チャイ 訳『三体』。前日譚を入れるとシリーズ6作品の1作目になる。

冒頭は文化大革命の描写から始まる。序盤は科学者たちが超自然的な事態に遭遇し、命の危険の代わりに研究を中止するよう促されるという展開。過去と現代(のARゲーム)を行きつ戻りつしながら将来の脅威の正体が明らかになっていく。

序盤の現代パートはアルカジー&ボリス=ストルガツキー「世界終末十億年前」のような展開。鈴木光司の「リング」シリーズのように提示された謎は全てきちんと種明かしされるため、曖昧模糊とした脅威のようなものは無い。

年末年始からSF作品を読み進めているものの、長い物語に手を出してしまった印象。

三体

三体

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新世界より

貴志祐介 著『新世界より』を読んだ。第29回日本SF大賞受賞作。漫画やアニメ版もある。

人間は呪力と呼ばれるサイコキネシス能力を身に着けており、主人公の渡辺早季は神栖66町という注連縄で隔てられた集落で暮らしていた。しかしながら、主人公と同級生の仲間はふとした好奇心から自分たちの住む世界の歴史や成り立ちを知ることになる。

会社の同僚に貴志祐介の愛好者がおり、勧めれられて読んだ。
著者の作品は『黒い家』のみしか読んでいない。著者はサイコパスを題材にしたホラー作家という印象だが、元々は本作「新世界より」の原型をハヤカワSFコンテストに応募して佳作となったという経歴があるという*1
『黒い家』一冊しか著者の作品を読んでいないにも関わらず、主人公たちが情け容赦無いサイコパスに追いかけ回される印象が強かったが、本作も同様の展開がある。これはホラーの王道の展開なのだろう。悪意盛り沢山の設定や仏教(密教)に基にした怪しげなサイコキネシス能力等、湿度高めのジメジメとした日本的な不快感が味わえる。

アルテミス/プロジェクト・ヘイル・メアリー/egg

アンディ=ウィアー著『アルテミス』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『egg』を読んだ。ようやく『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読むことができた。

アルテミス

小野田和子 訳。
月面都市アルテミスに住むジャズは月面EVA(船外活動)の資格取得を目指しながらポーターとして働いている。ある日、ジャズは懇意にしている実業家の依頼を受け月面都市を左右する陰謀に巻き込まれる。
ジャズの他、研究員のマーティン=ズヴォボダが面白い。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

小野田和子 訳。
目が覚めるとコンピューターによる質問が続く。天井には室内を管理するロボットアーム。同じ部屋にある2つのベッドには男女の遺体が眠っている。男は自分の名前も思い出すことができない。ふと蘇る断片的な記憶。行動範囲が広がるにつれ自分の置かれた環境を把握した男は自らの目的を思い出すのだった。
著者の長編『火星の人』や『アルテミス』とは全く異なるアイデアの展開がある。興奮した。そうきたか!!
なお、英語のヘイル・メアリーはラテン語のアヴェ・マリアにあたり、アメリカンフットボールにおいては劣勢のチームが一発逆転を狙って投げるロングパスを指すという。

egg

アンディ=ウィアーのウェブサイトで公開されている短編。日本語訳は日本在住のゲームプランナーであるアレックス=オンサガー。
非常に短く素朴な作品。
www.galactanet.com

web小説の読書記録/終身刑のエルフ

「SFマガジン 2023年12月号 No.760」を購入。柿崎憲の連載「SFファンに贈るWEB小説ガイド 第33回スローライフに憧れて」で紹介されていた「バスタード・ソードマン」に続き、「終身刑のエルフ」を読んだ。「終身刑のエルフ」は完結済みの作品。合計127話。ブラックストーン刑務所の終身刑のエルフと人間の囚人との交流と共に王国の衰退等が描かれる。面白い。

「終身刑のエルフ」作品情報

スローターハウス5/仮面の告白/高い城/web小説

年末年始の読書記録。web小説を除くと過去を振り返る物語を読んでいた。しかし過去の振り返り方も一様では無かった。

スローターハウス5

カート=ヴォネガットジュニア著、伊藤典夫 訳『スローターハウス5』。
今年は結果的に第二次世界大戦を扱った映画作品を観た。これを機に第二次世界大戦におけるドレスデン爆撃を扱った本書を手に取った。
スローターハウス(Slaughterhouse)は動物を屠殺する建物を意味し、本書の題名はアメリカ人捕虜が過ごした食肉処理場を指す。
直線的な過去の振り返りの物語では無い。昨今で言えばテッド=チャン著「あなたの人生の物語」のように通常とは異なる時間軸から人生が振り返られる。

仮面の告白

三島由紀夫 著「仮面の告白」。
平野啓一郎「三島由紀夫論」を読むにあたり、三島の著作を複数購入し、手始めに本書から手に取ったものの、序盤を読んでは最初から読み返すという状況に陥っていた。そのため、最後にはおそらく第二次世界大戦に関する話題が出るだろうという当て推量で一気に読み進めた。序盤は三島の性的指向等に関する話題が続き難儀だった。後半は第二次世界大戦と友人の妹の女学生に関する話題が増え読み易い。

『高い城・文学エッセイ』

スタニスワフ=レム著『高い城・文学エッセイ』より芝田文乃 訳「高い城」、沼野充義 訳「偶然と秩序の間で―自伝」を読む。
年末年始の休みを機に手に取った。

高い城

著者の幼年期からギムナジウム時代の記憶を言及した作品。
いわゆる自伝ではなく、主に物や何やらについての記憶であり、最終的に著者の思想等が語られるに至る

「偶然と秩序の間で―自伝」

題名の通り簡単な自伝。レムの自著に関する評価や執筆経過等が語られる。

web小説

『バスタード・ソードマン』

308~311話まで読む。
遂に主人公モングレルのギフト(能力)の一端が明らかになった。

「バスタード・ソードマン」作品情報

『落ちこぼれ衛士見習いの少年。(実は)最強最悪の暗殺者。』

第一章(33話)まで読む。
必殺仕事人と忍法帖シリーズ的ファンタジー小説。コミカライズ版あり。
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