ちりとてちん

 昨日から、福井県小浜市を舞台とするNHK朝のTVドラマ小説「ちりとてちん」が始まった。

 期待して見始めたが、福井弁がまるっきりデタラメなのには呆れるばかりであった。もっとも、地元の人間だから気がつくわけで、全国どこの方言でも、地元の人間から見たら同じようにデタラメなのかも知れない。思わず、日本の演劇界のレベルは低いんだなぁと思ってしまった。

 実は、ニューヨークにいる頃、しばらく夜学の演劇学校に通っていたことがある。色々なことをやらされたが、「発音」の授業があった。これは、同じ英語圏でも、国や地方によって発音が異なるため、様々な役を演じ分けることができるように「発音」を理論的に教えるという授業であった。教えているのはエール大学の演劇科を卒業した女優の卵で、英語圏の演劇界のすそ野の広さを感じた。

 また、先日は、NHKの衛星放送で、中国人女優のチャン・ツィイ−の特集を見た。チャン・ツィイーがいかにして女優になったかという特集であるが、北京舞踏学院ではダンスを、中央戯劇学院では演技をしっかり学んでいる。

 何も、アメリカや中国の真似をして、演劇学校を作れとは言わないが、いわゆるコンテンツ産業の重要性が増しつつある中で、日本もこうした表現芸術の分野にもっと力を入れた方が良いのではないか。