『i-mode』の生みの親、夏野さんのお話まとめ@イノベーショントークライブ

■講演タイトル
 「この時代に求められるリーダー像」


■講演者
 夏野剛さん:『i-mode』の生みの親、ドワンゴGREE他数社の取締役


■講演内容


□前段の話
・今日の趣旨は、IT革命後の現在の世界を少しひいて見てみましょう、というもの。


・「IT革命」が流行語になったのは、10年前


・みんなが当たり前だと思っていることが、10年前は当り前じゃなかった。
 それを今、思いなおしてみるのも重要なんじゃないか。


・20年前は一人1台PCがなかった。ありえない。
 ワープロ専用機で編集してた世界。


・仕事の進め方そのものがこの10年間で大転換している。
 PCも携帯もない。携帯でメールできない。




□IT革命について
・IT革命は1990年代後半から始まった。アメリカでは1994年〜。94年12月に米Yahoo!始まる。
 94年までネットはオタクのものだった。
 コンピュータ技術と情報通信技術がキードライバ。
 IT革命により、人間の行動パターン、ライフスタイルに劇的な変化が起きた
 はずなのに・・・?


・IT革命によって何が起きた?
 L技術のコモディティ化が起きた
  技術は市場で入手可能
  技術を使ってどのような付加価値を生み出すか=ビジネスモデル構想力が必要
 L情報流通スピードの「超」高速化
  コントロール不能
 Lすべてが「流通」する時代へ
  どこに必要なものがあるかが簡単に発見できす
  (モノ、カネ、技術、人材、会社)
  オークションの一般化


・IT革命がもたらす変化
 L情報の「非対称性」を前提とした仕組みはもういらない
  供給側と需要側で持っている情報が違うことを非対称性という。
  要は、情報が行き渡ってないことを前提としたビジネスは成り立たない。
  例えば、記者クラブ。例えば、多段階役職制度(特に中間管理職)。
  例えば、間接選挙
 Lユーザーのオペレーター化がどんどん促進される
  国内航空券の70%がネット経由で買われる。
  例えば、旅行代理店はもういらない。
  オペレーターがやっていたことをユーザーがやってくれる。発想の大転換
  例えば、証券会社の支店窓口、本屋・レコード屋、図書館、地域物産展。
  中間に存在するものは、それ自身が価値を生み出さなければならない。
  価値を生み出せれば、引き続き存在価値がある。
  ⇒物は使いよう。組み合わせの仕方で生き残れる。いくらでもある。
 L経営者の役割の変化
  一昔前の経営者、管理職の重要な役割は「管理、監督」
  今は、ヒエラルキーに基づく情報収集による管理、監督ではなく
  方向性を指し示すこと。


・IT革命は未だ道半ば
 Lこの10年で社会は大きく変わったように見えるが、まだ道半ば
  Eコマース売上vs民間最終消費支出(GNP)
  ネット広告費vs広告費全体
 Lこれからがむしろ本番
  若い人には当たり前のことが、中高齢者には複雑でわからない、という状態



□IT時代に求められるリーダー像
・方向性を示すこと
 今まで「情報を精査し、議論を尽くす」そのための仲裁者、調停者がリーダー
 これから「ある一定以上の調査のあとは、進むべき方向を指し示すこと。」
 なぜなら、今は情報過多。いい情報も悪い情報も即座にたくさん集まる。
 議論の積み上げでは結論がでない。


・ディテールを知る
 情報が簡単に手に入るということは、
 相手のこともよく知れるし、
 こちらのことも相手はよくわかっている状況。
 情報をおさえないと話ができない。


・哲学、信念を持つ
 今まで「リーダーは誰がやっても同じ」
 これから「組織の社会的ミッションは何?競争優位は何?最終的に何を目指す?
      を自分なりに持った上で経営判断を行うことが必要。」
 自分はこう思う、が重要。間違っていてもいい。
 人と意見が違っていてもいい。


・昨日と同じことを疑う
 今まで「予定調和の計画。ロードマップ好き」
 これから「組織は何も言わないと、変化しない。
      変化しないと、周辺が変化するので、退化する。
      常に変化をリードすること。」


□今日伝えたかったこと
・フレキシビリティと
 ポケットをたくさんもって、大きな視点で物事を見ること


・ひいて考えると、当然のことが起こっている。
 意志とか哲学を持ってる人のほうが、魅力的。


・今日の話は物を考えて、仕事をしている人にとってはいい話。



□質疑
リクルートの社会的ミッションは?
 →経歴のトラッキング、ベストマッチングのシステム的創出
  強いところをイノベーションしてみたら?他のところじゃなくて。
  リクルートはいろんな人材を輩出してるが、役員は全員リクルート
  これっておかしくない?人材流通は双方向であるべきだ


・新しいことをやるときに利益率は出ない。どれくらい我慢したらいい?
 →信念をどう思っているか。
  ネット事業は、規模。規模が獲得されれば利益率が出る。
  短期的に環境が変わるから、利益の確保なんてできない。
  タイムフレームと規模を事前にセットしておくこと。
  3年で立ち上がらないとだめ。始めて1年で感覚はつかめる。
  初速以上にビジネスはならない。
  利益率を気にする経営者は騙せばいい。
  手じまいを早くする。
  BtoCはユーザー数。有料課金は割合。
  SNS、プラットフォームは1000万人いくかいかないか。


ソーシャルメディアは変化?どう捉えてる?
 →Twitterはおもしろい。
  人間才能発見システムだと思ってる。
  人間同士上下関係はない。才能のポートフォリオが違うだけ。
  専門家が自然発生的に起きるのは素晴らしい。
  そのためには実名であるべき。実名の面白さはある。


・サービス開発の秘訣
 →ヒントは身近にあり
  こんなことができたらいいのに、なんでここまでできてないんだろう、
  という素朴な疑問を解決するだけでも大変な付加価値に創造になる
  「こんなことできたらいいのに。」を考えるだけ。
  高尚な問題解決を話していてもしょうがない。
  だって、相手はコンシューマーじゃない。難しいことは通じないよ。
 →フツーに考える
  技術、制度、社風、経営陣の理解力(4大障害)など、今抱えている「限界」をまず忘れて
  フツーに考えたらこうあるべきだ、を整理し、その上でどこまで出来るかを考える
  会社の限界を前提に組みあげちゃダメ。
  リソースが足りないなら、外から採用すればいいじゃない。
 →勝てるケンカをする
  自分が確信できる(主観)、理屈にかなっている(客観)、会社(社会)のためになる(目標)の
  3条件にかなっているときは、徹底的に抵抗勢力とケンカする。トコトン喧嘩する。
  狂犬であれ。信念もってやってるなら、最終的には会社のためになるんだから。
 →魂を込める
  個人の信念、魂、意志をどれだけ込められているかで商品力は変わる。芸術と同じ。
  熱意は必須条件。建築家に学んだこと。
 →自分は何が変なのかを理解しておく
  まったく平均的な人間はいない。自分の思考、嗜好、志向のクセを理解しておく。
  理解した上で、組織と上手に付き合ってく。

TechWave編集長・湯川鶴章さんの講演メモ。題目は「Google時代の終焉」

・今、何が起こっているのか
 ex.) 紙の百科事典→ネットの百科事典(ネットデジタル)→wikipedia(ソーシャル)
 すべてのメディアでこのような流れが起きている
 最終形がソーシャル


・人はなぜ働くのか、なぜ生きるのか
 表現するため、評価されるため、他の人とつながるため
 →3つの根源的欲求を満たせるのがインターネット。


・進化の歴史
 ポータル+バナー広告
  ↓
 検索+検索連動型広告(2006、2007年くらい)←youtubeなどCGMに人が集まり始めてきてた。
  ↓ (CGMがメディアになり始める。でもどうやって儲けるのか。)
 ソーシャルメディア+?


Facebook
 ログインボタン:既に登録済の友達の顔写真を表示→登録率の向上
 Likeボタン:PANDORA(音楽サイト)、Yelp(グルメサイト)、Levis→人間関係から消費行動の促進につなげる
 Analytics:男女比が出る、Likeボタン、googleがとれなかった嗜好が取れる、広告出稿が簡単

 
・Likeボタンを入れると効果が高まる
 Facebook経由での流入が250%増
 おそらく、ここ半年くらいでアメリカのすべてのサイトにlikeボタンがつくのではないか
  →Facebookに全消費者の嗜好データが集まってくる


Facebookの次の手
 決済 : Facebookコネクト
 位置情報


Facebookが携帯の連絡帳になる?(モバイルにのってくる)

 
・5億人のユーザー(中国、インドにつぐ国の規模)


Facebookでどんな変革がおきる?
 パーソナライゼーション
 SEO中心時代の終焉
  →Techwaveは検索経由よりTwitter経由のほうが多い。どんなつぶやきをすればクリックしてくれるのか?
   サイトの作り方を変えないといけない。この半年〜1年くらい?


GoogleFacebookを取り込む?
 検索→人々のつながり
 Facebookは情報公開に対してオープン
 Twittergoogleが取りこんで、検索結果で表示されるようになった(リアルタイム検索)
 一部、Facebookのデータがリアルタイム検索に入り始めている
  →bing対抗。bingはFacebookを取り込む。Googleも取り込まざるを得ない


・広告
 世界の広告市場6000億ドル
 20%は顕在の刈り取り、残りは潜在(興味・喚起)に使われている。
 Facebookは80%をとれる。20%はGoogleで。


・情報、金はソーシャルグラフ経由になる(リアル店舗含め。)


・メディアがメディアじゃなくなる。メディアはコンテンツのストレージになる。
 21世紀のメディアとはソーシャルメディアのことをいうようになるだろう。


・ゲームの変化
 威のゲーム
 軍事化:主権国家、国民
  ↓
 冨のゲーム
 産業化:産業企業、市民、世界市場
  ↓
 智のゲーム
 情報化:情報智業、智民、地球智場


・日本でどうなるか?
 実名主義、プライバシーを重視
  →文化の違いはあるが、人間みな同じ


Twitterの影響で実名主義に対する考え方が変わってきた
 Twitterほど頻繁にオフ会が開かれるメディアはなかった
  →Twitterをやるようになってから、飲み会の設定をしなくなった
   飲みたいときに、飲みたい人を集める
 自分の情報を公開することによるメリットに気付く人が多くなってきた


    • -


■質疑タイム


・実名のリスクについて
 →必要な情報ってなんだ?という話。
  メールアドレスさえあればOK。嗜好はmixiとかFacebookに担ってもらえればいい。
  自分のところで名簿管理する必要はない。
 

・海外の人間関係の数よりも、ローカルの人の人間関係の数が増えたときがティッピングポイント
 →日本はもうすぐ?Loops斎藤さんの記事参照http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/09/facebook-d057.html


・ひとつのプラットフォームになるのは怖い
 →自分の奥さんはTwitterはやってない。自分のつぶやきを奥さんに見られたくない。
  人間はいくつものペルソナを持っていて、使い分けている。
  それぞれにソーシャルグラフが必要?
  Facebookはひとつでいい、ペルソナを演じる必要がない、と言っている。
  演じ分けない世界が出来るのかもしれない。あと50年もすれば。


・ソーシャル対応に舵をきれる会社とキレない会社の差は?
 →今はTOPの差。
  ソーシャル対応が業績の差になって表れてくると、みんなやるようになる


・ソーシャルの次は?
 →インターネットの特性を表した最後の形態がソーシャル
  テレビ広告もはじめは、ラジオ広告を読んでる人を映すだけだった(15年間)
  特性を活かす形になるまでそれくらい時間がかかる
  インターネットも普及して15年でソーシャルが出てきた
  Facebookをこえる何かは出ていない
  新しいインフラが出てくれば話は別。


・ソーシャルで成功している会社は、何か問題が起きても炎上しない。
 エンゲージメントが確立しているから。

 ソーシャルメディアに実名で登録する? or しない?

アメリカ=実名文化 は、間違い


あなたは、mixiTwitterなどのソーシャルメディア
実名で登録していますか?


アメリカは実名文化、日本は匿名文化」
だから、Facebookは日本で流行らない、という論調をよく目にします。


そして、私もそう思ってました。


しかし、ある人に教えて頂いたこのエントリー*1を読んで、
アメリカでも、実名文化が当たり前だったわけじゃない、
ということを知りました。


アメリカに実名文化があったから、実名で登録するようになったわけじゃない。
実名で登録させる仕掛けがあったから、結果的に実名文化が出来上がった、
ということですね。


mixiで匿名登録が多い理由


ご存知の方も多い方と思いますが、
mixiって、
「リアルの友達とつながるためのメディア」
を標榜しています。


「ネットだけでつながる出会い系ではないよ」
ということですね。


その世界観が守られているならば、
実名で公開するリスクはないので、
実名で登録しても、何ら問題はないはず。


しかし、リアルの友達とつながるだけであればこそ、
リアルの友達にしか伝わらないニックネームで登録しても
問題はないわけです。


結果、ニックネームで登録する人が多くなり、
匿名文化が出来上がった、ということになるのかもしれないです。


アメリカと日本では逆の使われ方をするようになる、かも。


このエントリー*2にあるように、
Facebookは、
 「パーティーなどリアルな場で構築した人脈を管理できるツール」
としてスタートし、
アメリカ人の階層意識、ブランド志向を利用する仕掛けを施し、
ここまで拡大してきました。


そして、Facebookが社会のインフラとして当たり前になり、
 「アメリカ=実名文化」
という固定観念が事後的に出来上がったということです。



日本だと、リアルでの人脈形成って
アメリカほど活発ではないと思いますので、
アメリカと同じような流れでは、今後も実名文化は形成されないでしょう。


となると、
 ネットだけで自分の興味のある人が探せて、
 その人とネット上で繋がることが出来て、
 実際に会って、リアルでコミュニケーションをして、
 結果、人脈が形成される、
という、
アメリカとは逆の流れのソーシャルメディアの使い方が
日本では今後活発になるかもなぁ、と妄想をしています。


コンテキストが日本のソーシャルメディアの方向性?


コンテキストって、文脈・前後関係・背景と日本語で訳されます。


前述のように、日本のソーシャルメディア
コンテキストで人が繋がる可能性があると思います。


そのあたりを体験するべく、
自分もTwitterでは、実名、実写真だけでなく、
個人プロフィール(会社情報とか家族構成とか)も
公開をするようにしました。


公開してればこその出会いが
ちょこちょこと起き始めていますが、
まだ、劇的な変化、化学反応までは体験できていません。


このあたり、何か面白いご経験をされた方がいらっしゃったら
ぜひ教えてください。

*1:Facebookの普及に見る米国の社会階層性と、『米国=実名文化論』の間違いhttp://synodos.livedoor.biz/archives/1482931.html

*2:Facebookの普及に見る米国の社会階層性と、『米国=実名文化論』の間違いhttp://synodos.livedoor.biz/archives/1482931.html

「電子書籍の普及」と「ソーシャルメディア」は、遠い日の花火ではない

電子書籍の普及」
 と
ソーシャルメディアによるコミュニケーション文化」
が、蜜月関係にある、というお話。


電子書籍の衝撃』
という本を読みました。


その本には、電子書籍が普及するためのキードライバとして、
以下4つがあると書かれています。


1.電子ブックを購読するのにふさわしいタブレットkindleとかiPadとか)
2.タブレット上で本を購入し、読むためのプラットフォーム(ibookとか)
3.電子ブックプラットフォームの確立が促すセルフパブリッシングと、本のフラット化
 →「有名な人が書いたから」「ランキング上位だから」とかに左右されずに、
  「自分がいいと思うものを選ぶ、読む、評価する」という
  アンビエント化を指してます。
4.本と読者が織りなす新しいマッチングの世界


今まで、日本で電子ブックが根付かなかった理由は、
日本の出版業界の構造により、3がなかった
そして、ネット文化が未成熟だったため、4もなかった
からのようです。


ただ、1に素晴らしい端末(iPad)が登場し、
(1)業界が電子ブックを無視できない潮流になってること
(2)3の価値観がユーザーに芽生えていること
(3)4の文化が出来つつあること
により、日本でも電子ブックが普及する、と書かれています。



(3)についてちょっとだけ堀ってみます。


(3)は、ソーシャルメディアそのものです。


Facebookのlikeボタンしかり、
Twitterでフォローしてる人が「この本いい」って
言ってたのを聞いて、本に興味を持つ、買う人しかり、
マイミクのブックレビューしかり・・・
TV、雑誌でオススメの本、
卸に言われるがままの本屋さんの平積みの本よりも
ソーシャルでつながっている(=ソーシャルグラフ
友人にオススメされる本のほうが
「当たり」な本に出会える確率が個人的には高いです。


電子書籍を利用したばっかりの人が
こんなことを言ってました。


キンドルとかibookみても、
 ランキング上位の本しか探せないんだよね〜。」


きっと、プラットフォームに
本との出会いを求めるのは間違っていて、
自分が所属する、構築しているソーシャルグラフ
いい本とは出会えればいいのだと思います。


そういったことが当たり前になれば、
電子書籍もごく普通の慣習として、根付くのかな、と。



そのときに、リアル書籍店舗はどうすればいいのか。


それはまた別の機会に。




※掲題は、大好きだったCMのオマージュ(パクリ)です。

映画「大脱走」を見て、自分が何屋なのかを問う

映画史に残る不朽の名作「大脱走」を
初めてスクリーンで見ました。


六本木ヒルズの映画館で
午前10時の映画祭
と称して、不朽の名作50本を週替わりで上映してて
今週が「大脱走」だったんですよね。


今回は、「大脱走」を見て、
「自分は何屋なのか?」
を考えた、というお話。



※見たことない人のための「大脱走」ざっくりあらすじ
 第二次世界大戦中の史実の話を題材とした映画。
 ドイツの第3捕虜収容所に収容された連合軍将校たちが、
 全員250名で逃げ出す(=大脱走)ことを企み、敢行する。



大脱走を企画する司令官みたいな人が
大脱走をするために、
必要な作業を洗い出し、
そして、一芸に秀でたものに、その役割を与え、作業を任せ、
みんなでひとつのゴール(=大脱走)を目指します


映画中に出て来た役割は以下の通り。


■穴掘屋
 収容所から外の森まで続く地下トンネルを掘る人
 腕力に自信がある人担当


■製造屋
 穴を掘るために必要なつるはしとか、
 トンネルの奥のほうに空気を送るエアーポンプとかを
 ありあわせのもので作る人
 器用な人担当


■情報屋
 収容所の所長とか、収容所を警備をしてる人とか
 各作業チームの進捗状況とか、とにかく色んな情報を知ってる人
 情報感度(アンテナ)が高い人担当


■偽造屋
 脱走後に必要なパスポートとか、身分証明書とかを偽造する人
 絵心がある人、緻密な作業が出来る人担当


■調達屋
 とにかく必要なものを集める人
 警備員とかをたらし込んで、外から物資を持って来てもらったりするため
 人たらしの能力がある人、交渉がうまい人担当


■仕立て屋
 脱走後に着る洋服を作る人
 裁縫が出来る人担当


■測量屋
 地下トンネルは、その出口がみつからないように
 近くの森まで掘る必要があるため、
 収容所から森までの距離(=トンネルを掘る距離)を測る必要がある。
 その距離を測る人
 測量技術を持ってる人担当


■土処理屋
 トンネルを掘った後に出る土の処理を考える人
 柔軟なアイディアを持ってる人担当


■警備屋
 警備兵の動きをチェックし、その動きを各チームに伝える人
 周囲に目を配れる人担当



とまぁ、こんな感じで、
出るわ出るわ、一芸に秀でた男たちが。


当然、映画を見ながら
「もし、自分がこの収容所にいたら、何の役に立てるだろう?」
って思うわけです。


ひいては、
「今の自分は何屋(何のプロ)なんだろう?」
とも思うわけです。


これは、
「営業やってるから、おれは営業屋だな」
とか
「商品企画やってるから、企画屋だな」
とか
そういったレベルの話ではないです。


「職種」の話をしているのではなく、
「職能」の話です。



たまには、立ち止まって、
「自分は何屋か?これから何屋として生きて行くのか?」
こんな自問をしてみるのもいいかもしれません。


あ、そんな話と関係なく、「大脱走」はおもろいですよ。



リアル店舗の活きる道〜アイディアハック part2〜

さらにみなさまから
ご意見&アイディア頂いたので、
メモメモメモ。

ツールとしてECサイトを利用 (ryoちゃん、thanks!)


1.店舗のコンセプト(付加価値)を明確にする事。
2.今すぐECサイト、ブログ、twitterを始める事。



ECも店舗もblogもtwitterもあくまでツール。
問題なのはその店が商品プラスαなにを提供するのか。


安さ、品ぞろえの良さ、商品提案力、
アフターケアー、ライフスタイル提案、専門性、etc


他の店舗に負けないコンセプト(付加価値)があれば、
後はその情報やサービスをblogやtwitter
広告などを使って認知度を上げて行くだけ。


コンセプトが決まっていれば
ツールの使い方は意外と簡単に見えてくるのでは?


コンセプトが不明確または魅力的でない店が
消えていっている気がする。

ceroのコメント

実際に商いをしている若旦那(ryo)からのご意見、貴重!

「いかにリアル店舗でモノを買わせるか?」
というテーマからは、ちょこっとずれてるかもだけど、
「目的」と「手段」の明確化。
これは出来ているようで、
出来ていない人が多いような気がするね。


ちっちゃい商売をやっているお店が生き残る筋 (アシカ氏、thanks!!)

ちっちゃい商売を考えるシバリにて。


網羅的な在庫を抱えられないので、
得意分野に特化した勝負となる。


このとき、かっちょいーお店を目指さないならば、
地元密着のニーズを探ることになろうか。


価格をいじれるなら、安さ追求もアリか。


泥臭くも地元情報を付加価値とする。


書いてて、我がまちの「客との関係がズルズルなお店」を想起した。

常連と一見の比率をどう設定する?
これはすこしずれる話。


とまれ、かっちょいーお店でなくとも、設定をきちんと決めて、
その枠内で演じることはすごく大切だと思う。


結局、「店員さん(によるサービス)」がリアル店舗の切り札か。

ceroのコメント

そうなんですよね。
「店員さんのプロフェッショナル化」は根底にあって、
そのプロフェッショナル化のベクトルをどこに向けるのか?
ってことだと思いました。


商品の提案力?
アフターサービス力?
商品の取り揃えるセンス?


色々、軸はあると思いますが、
その軸の設定が店主の腕の見せ所。

その軸で、
地元のお客さんと
「客との関係がズルズルなお店」
が構築できれば、リアル店舗での購買につながるかもしれないですね。

リアル店舗の活きる道〜「でんかのヤマグチ」さんにヒントをみた〜

昨日のルビコンの決断で、
「でんかのヤマグチ」さんの事例が紹介されていた。


リアル店舗の活き残る道のヒントがあるように思うので、
以下、備忘のためのメモ。


※TV局の紹介分と、
 過去、日経ビジネスに取り上げらていた
 「でんかのヤマグチ」さんの事例を読んで、
 その内容をまとめてくださっていたblogから引用しております。



(ここからTV局の紹介文引用)---
家電戦争!驚きの高値売り
仰天サービスで量販店に挑んだ電器店


1996年。
東京・町田市ある電気店『でんかのヤマグチ』。


社長の山口 勉(やまぐち つとむ・当時56歳)と妻で経理担当の雅江。
昭和45年の開店以来、訪問販売に力を入れ、
町の電気屋さんとして愛されてきました。


その当時の売上高 約16億円、従業員45人、
バブル崩壊後の消費低迷を何とかしのいでいた。
そんな町の電気屋さん『でんかのヤマグチ』を襲った衝撃とは?


都心部で急速にシェアを伸ばしてきた
ヨドバシカメラヤマダ電機などの家電量販店は、
郊外の住宅地に大型店を展開。


人口が 35万人を突破し、
ベッドタウンとして発展した町田市にも家電量販店が相次いで進出。
町田を舞台に家電戦争が勃発していたのです。


圧倒的な安さ、大変な衝撃が『でんかのヤマグチ』に襲いかかり、
社長の山口は思わずその苛立(いらだ)ちをメーカーの担当者にぶつける。


「うちはね、今まで誇りを持って売ってきたんだよ!
 あんた達メーカーさんの言う、卸値(おろしね)で仕入れてきたんだ。
 同じ卸値で(量販店の)この値段で売れるわけないじゃないか!」



なぜ量販店は価格を安く出来るのでしょうか?



その秘密は仕入れにありました。



量販店はメーカーから1,000台、2,000台と
大量に仕入れているため大幅な値引きを受けています。



そして返品しない、在庫を大量にかかえる、
というメーカーからすれば非常に助かることをしてくれるので、
ある程度まとまった現金がキャッシュバックされているのです。



それらを商品の価格に還元=割り引きをすることで
安く売っても利益を得ることが出来るのです。



公正取引委員会の調べによると、
家電の仕入れ価格が量販店を100とした場合、街の電気店は103〜115。(2008年12月)



小さな会社が安さで勝負すると圧倒的に不利です。
さて、山口社長には打つ手があるのでしょうか?


(ここまでTV局の紹介文引用)---


(ここから日経ビジネス引用)---

このでんかのヤマグチさんの粗利はなんと37.8%。

薄利多売を得意とする家電量販店とは明らかに逆のアプローチですね。


しかも、パナソニックの販売店の平均は、30-33%だそうです。

特に部品修理は、人件費を除けば非常に粗利が高い模様。

とはいっても、基本的にクーラーなどでも感じますが、
その設置料金は意外にも高いと思いますが。



このヤマグチのユニークなところは、
購入した商品に欠陥があった場合


「お客様の期待を裏切ったのは事実。
 壊れた製品を修理する前に、まずはお客様の『心の修理』が不可欠だ」


と社長が語っています。


うーん、心の修理とはよく言ったものだ・・・と思いますが、
これはほぼすべてのビジネスにおいて、
非常に基本的なところですね。
特に、薄利多売のビジネスを展開しようとした場合、
最も見落としがちな部分です。



ヤマグチはもちろん従業員がたくさんいるわけではありません。
外販営業は13人

その営業マンが全ての可能性のある顧客を訪問、
もしくは量販店に対抗する形でのビラの展開を積極的に行っていません。

いわゆる「集中と選択」を中心に行っています。


顧客を2つの軸のセグメントに分けています。


年間購入金額購入頻度です。


そこで驚くのが、
1年未満に累計100万円を超えるお客が、 19.5%。
さらに1年間で1%以上伸びています。

それとは対照的に、
累計30万円未満で頻度が3-4年に一度の顧客の割合が低下。


つまり、社内の限りあるリソースを可能性の高い、
いわゆる優良顧客に絞って展開していると。



マーケティングでは、SPTと呼ばれる基本的な方法があります。


S:セグメンテーション
P:ポジショニング
T:ターゲット


顧客のセグメンテーションをうまく分けて、
自社のポジショニングを量販店と全く反対の形で位置づけ、
そしてターゲティングをきっちり行っている良い例かと思います。



「たまに帰ってくる息子が『ヤマグチ』は高いから、
 オレが駅前の量販店で買ってきてあげるよ」


なんて言っても、操作が分からない、壊れた、などの場合に
すぐ駆けつけてくれるのは、量販店でも息子でもなければ、
ヤマグチの外販営業マンだそうです。


うーん、社員だとしたら嬉しい一言ではありませんか。
もちろん、そういわせるヤマグチの社員さんもすごい。。


(ここまで日経ビジネス引用)---