シーズン1シングル構築カプ・コケコ壁
カプ・コケコ 10まんボルトめざめるパワー地リフレクターひかりのかべ@ひかりのねんど
ギャラドス かみくだくじしんみがわりりゅうのまい@ギャラドスナイト
ギルガルド アイアンヘッドかげうちせいなるつるぎつるぎのまい@じゃくてんほけん
ポリゴンZ 10まんボルトれいとうビームあくのはどうテクスチャー@ノーマルZ
ボーマンダ おんがえしからげんきじしんりゅうのまい@ボーマンダナイト
ガブリアス じしんげきりんがんせきふうじつるぎのまい@きあいのタスキ
カプ・コケコの種族値、特性、覚える技を見た時点で壁貼り役としての適性が高いと感じてスタートした構築である。
カプ・コケコは従来のライコウに近いスペックに性質にくわえてちょうはつを覚えるために先発としての適性が高く、さらにエレキメイカーによって眠り技によって時間を稼ぐことも封じることができ、また、後ろのエースも眠りから守ることができる。
麻痺が弱体化しすばやさの減少幅が減ったことや、Z技の登場により受け気味に組むよりも潰し重視で構築したほうがゲーム性とマッチすると考えたのも壁構築を組んだ一因である。
壁から展開するエースとしてはギャラドスとギルガルドを真っ先に採用した。
まず、カプ・コケコで壁を張る以上、不意のこだわりスカーフによる頓死へのリカバリーが効くポケモンが望ましく、地面や毒を起点にしやすいポケモンとしての採用である。候補としてはカイリュー、ボーマンダ、ハッサム、カミツルギ、パルシェンなどが挙がっていた。
ギャラドスの採油理由としてはメガシンカすることで特性がかたやぶりとなり、ばけのかわやてんねんを貫通するためエースとしての活躍が期待できそうであったことによる。バルジーナのイカサマが半減すること、メガシンカすることでエレキフィールドの恩恵を受けられること、主力技がテッカグヤに半減されないことも採用の理由の一つである。
ギルガルドの採用理由はカプ・コケコを初手で倒してくるZどくづきフェローチェを起点にすることが可能であり、鋼タイプの中でも最もスペックが高いことが採用理由になる。つるぎのまいを覚える鋼タイプのうち、カミツルギはひかりのかべを張っても特殊耐久に不安があること、ハッサムではギャラドスとメガシンカの枠を食い合ってしまうために消去法的な採用でもあった。最終的にはマンムーに対して選出が窮屈になるところもあったため、ギルガルドの枠をハッサムに変えることも一考か。
上記の三匹の選出が基本となるため、残りの枠は基本選出では対応しづらい相手を想定して組んでいく。
ポリゴンZの枠は当初はZさいみんじゅつデンジュモクを採用していた。エースが物理のみでは強力な物理受けをスムースに処理できず消耗が激しくなるために、特殊系による切り崩しを期待しての採用である。デンジュモクは自身より遅いポケモン全てをZさいみんじゅつの起点にでき、特に受けループ系の構築を全破壊しやすいと考えていた。ところが、実際に戦ってみると初期環境では低速気味の構築は少なく、いたとしてもアローラのガラガラなどが採用されてデンジュモクは活躍が難しかった。そこで、同じように受けポケモンを起点にすることができるZテクスチャーポリゴンZに変更することとなった。テッカグヤやポリゴン2のような受けポケモンを軒並み起点にすることができ、さらに壁も相まって積みエースながら打たれ強さも持つポケモンとして活躍するようになったため、この変更は正解であった。
余談になるが、一件エレキフィールドとZさいみんじゅつは相性が悪いが、そもそもカプ・コケコが倒されたあとデンジュモクを展開できることはほぼないため(基本的にカプ・コケコを倒せるポケモンはデンジュモクを倒せるのである)、その点の噛み合わせはさほど悪くはない。
残りの2枠は同じようなエースによる全抜きを狙った構築とのミラーマッチに備えてラムのみミミッキュときあいのタスキガブリアスとしていたが、ほぼ選出する機会はなく選出されたとしても立ち回りでもある程度フォローができると考えたため、ミミッキュの枠をボーマンダに変更することとした。
ボーマンダはギャラドスと性質が近いポケモンであるが、受け気味のポケモンをみがわり+りゅうのまいで起点にしていくギャラドスと、高速で高い打点を発揮できるボーマンダを相手の構築に合わせて選出するのは使い勝手がよく、この変更をした時点でシーズン1は終了となった。
・カプ・コケコ
コンセプトからリフレクターとひかりのかべは確定。
残りの二つの技スロットではほえる、ちょうはつなどの優先度が高いが、今回は10まんボルトとめざめるパワーで火力を発揮することで起点になるのを回避しつつ、単体でも機能するようにした。
サブ技のスロットを消してちょうはつを採用するとしたら、カプ・コケコやランターンを起点にできるポケモンを採用するのが望ましい。
めざめるパワー地面は抜群でもマジカルシャインと威力が同じなので敢えて狙うほどの重要性があるわけではないが、ジバコイルやアローラのガラガラには有効である。
マンムー、ガブリアスに対してはきあいのタスキの可能性を潰しつつ後ろで起点にする予定ではあるが、カプ・コケコ+ポリゴンZが採用された構築であるという時点で壁構築と看破されてそれに応じた動きをされるリスクがあるのが難点である。
しぜんのいかりを採用した上で、ギャラドス、ボーマンダをじしんかじょうにして発動を狙うという手もある。
・ギャラドス
カプ・コケコとの連携をとるために採用。当初はたきのぼり、こおりのキバ、じしんの攻撃技三つで採用していたが、テッカグヤで受けられることが多かったためにさらに起点に仕返すためにみがわりを採用して二つの技で攻撃範囲を最大限とれるようにかみくだく+じしんにした。
・ギルガルド
カプ・コケコとの連携をとるために採用。
技構成は壁ターンを活用するつるぎのまい、ブレードフォルムに変化した後も引かずに戦えるかげうち、カプ・テテフへの打点となるアイアンヘッド、ポリゴン2に有効でありかげうちと攻撃範囲を補えるせいなるつるぎとした。
持ち物は壁と相性のいいじゃくてんほけんとした。
・ポリゴンZ
当初はこの枠にはデンジュモクが入っていたが、命中が不安定なZさいみんじゅつよりも安定して効果が期待できるZテクスチャーのほうが有効だと考えてポリゴンZに落ち着いた。
テクスチャーで変身するタイプは、防御面に優れ半減されづらいゴーストと、10まんボルト+れいとうビームで幅広い範囲を攻撃できるでんきが候補だったが、主力技がシャドーボールの場合はポリゴン2を倒せないためにでんきタイプにした。
Zテクスチャーが通ればほぼ勝てるが、カプ・コケコとの連携がとりづらいため(カプ・コケコを倒せるポケモンはほぼポリゴンZに打点があることになる)、受けにきたポリゴン2を起点にすることが多い。
耐久があがる都合上、先制でテクスチャーしたほうがリターンが見込めると考えておくびょうにしたが、受けを起点にすることが多いのならばひかえめのほうが良かったかもしれない。
・ボーマンダ
ギャラドスの攻撃範囲が狭くなったため、相手に応じて使い分ける目的で採用した。
テッカグヤやポリゴン2などで止まってしまうためエースとしては不安で採用を躊躇していたが、それらのポケモンはポリゴンZで起点にすることが可能であるため、実際に使ってみると打点の高さも相まって活躍が多かった。
からげんきのスロットは悩んでいるところ。はねやすめ、みがわりも候補。
・ガブリアス
起点構築ミラーだった場合に選出する枠。
きあいのタスキを盾にがんせきふうじとつるぎのまいで相手の行動を制限する。
あとは選出画面で電気の一貫を切って安易に電気でこだわらせないのも仕事である。
今、書いていてその目的ならほえるのほうが期待通りの仕事ができることに気づいた。
・総評
良かったところはポリゴン2やテッカグヤをスムースに処理できるために受けポケを相手に手こずることがなく、省ストレスでプレイできたところ。
また、選出の仕方もシンプルであり、どのエースを通せば勝てるかを考えるだけでよい。
壁ターンが切れる前に勝敗が決することも多く、優勢にしろ劣勢にしろ趨勢は早い段階で決する。
こうした、プレイヤーへの負担を低減し、パフォーマンスを維持できることは長い戦いを続けるレート戦では思った以上に大切なことだと改めて思った。
悪かったところはガブリアスを活かすことができなかったこと。
特にガブリアスはほとんど選出することはなく、浮いた枠になってしまった。特に選出率を平均化する必要はない(カプ・コケコはほぼ選出していた)のだが、更なる勝率に繋げる方法を考えたい。
今のところすぐ挙がる改善点としては、マンムーに対して選出が不自由になっていたという点がある。起点にできるポケモンがギャラドスしかいない上(リフレクター+じゃくてんほけんギルガルドという手もなくはないが)、ボーマンダ、ガブリアス、ポリゴンZでは対抗できないため、パルシェン、ローブシン、ハッサムといったマンムーに強く出られるサブのエースを採用すれば選出パターンが増える。
ポケバンクが解禁されることでサンムーン初期環境は終わりを告げるが、多くのポケモンが登場するようになる喜びよりも、名残惜しさのほうが先に立つ。
あまりにもメタモンを捕まえるのが嫌過ぎてポケバンク解禁までは軽く流すつもりでいたのだが、対戦が楽しく思いのほか多くのポケモンを育成してしまった。
サンムーンでの多くの仕様変更には最初は懐疑的なところもあったが、その結果快適なゲーム性であったことも対戦に入れこんでしまった一因であろう。
ポケバンクの解禁はあまりにも大きな変化であり、どのようなポケモンが活躍するようになるのか想像もつかないが、解禁後も楽しめる環境であることを期待したい。
サンムーン・ファーストインプレッション
概論
総じて、足が遅くて耐久向けのポケモンが多く、環境が加速し過ぎないようにストッパーとしての役目が期待されているように考えられる。これらのポケモンが真価を発揮できるか環境に依存する部分が大きく、今後の研究に委ねられている。
また、はたきおとす、ステルスロック、ハイパーボイスなど重要な教え技がないことで一部の既存のポケモンも攻撃性がダウンしている。
一方でZ技により手軽に爆発的な火力が得られるようになっており、どちらにバランスが触れるのかが注目であるといえる。
・ミミッキュ
ばけのかわは行動回数を確保できるという意味ではいたずらごころやマルチスケイルに性質が近く、ストッパーとしての活躍が期待できる。おにび、でんじは、ちょうはつと補助技も豊富。
ノーリスクでつるぎのまいもできるけど、打点がそんなに高くないのでどうなるか。
まだばけのかわの効果を検証できていないので詳細な仕様が気になります。でも、聞くところによるとがんじょうの上位互換っぽい……。
・カプ・コケコ
エレキメイカーが単純に火力五割増しの上、すばやさ種族値も130と高い。ねむりと麻痺にならないというのも優秀。状態異常に強いのは本当に偉い。
シンプルにこだわりメガネでボルトチェンジしても強そうだが、状態異常に強いのを活かして補助技主体で運用しても悪くなさそう。
しぜんのいかりもあるので、誰が相手でも腐ることはないのも嬉しいところ。しぜんのいかりはじしんかじょうやきずなへんげ、ビーストブーストとも相性がいいかもしれない。
・ゲンガー
基本的に役割を持たせるよりもみちづれで相打ちが仕事だと思っていたので、ふゆう剥奪よりも、みちづれ弱体化のほうが痛い。
今までありがとう、ゲンガー。
と言いたいところだが、フェアリータイプの増加により毒需要が増えた場合、スムースに採用できる毒タイプがほとんどいないので、そこでゲンガーを採用することは充分に考えられる。
ゲンガー以外で汎用的に採用できそうなどくタイプ、ウツロイドぐらいしかいないんですよね……。
・カプ・レヒレ
スイクンに近い役割が期待できるかもできないかも。サイクル戦になった時にしぜんのいかりが削り技として便利。
ねっとうやねむるを事実上使えないので、長期戦よりは短期的なサイクルで勝負を決める形になるか。
・カプ・テテフ
単純に打点が高い。すばやさが半端なラインだが、こだわりスカーフでそれをカバーしてもいいし、丁度いいパートナーがいるとこだわりメガネで第六世代のサザンドラのような動きをしてもいい。
サイコメイカーの先制技封じができるという意味でもこだわりスカーフとの相性はシンプルによい。
ハッサムはバレットパンチも効かないので、構成によっては一方的に有利に立てる。
エスパーを一貫させてしまうとサイコメイカーサイコキネシスで粉砕されてしまうので、常に存在は頭の片隅に置いておきたい。
・カプ・ブルル
耐性はそれなりに恵まれているものの、安定した役割は少なく、主力技が草なので半減もされやすい。すばやさも低いので対面も強いとは言えない。
それらの欠点をねじ伏せるグラスメイカー、という感じ。
単体でガブリアスに強いのにくわえて、グラスフィールドが地面技を半減するので、バンギラスやクチートと相性が良さそう。
ウッドハンマーの火力にばかり目が行くが、やどりぎのタネやウッドホーンで長めのサイクルを見越して戦うのもいいかもしれない。
・ガブリアス
今までに比べると、テッカグヤ、カプ・ブルルなど、火力や汎用性が高めのポケモンに後だしされてしまうのが悩みか。ステルスロックもとりあげられましたしね。
とはいえ、初期は便利キャラとして採用率が高いはず。
・グソクムシャ
名前のセンスがいい。
特筆すべきはであいがしらを初めとした豊富な先制技で、積みエースやメガシンカに対しても上から押さえつける動きが期待できる。
問題は積みエースにはであいがしらを半減するポケモンが多いことでしょうか。ボーマンダ、ウルガモス、バシャーモ、ルカリオ、ハッサム、ギルガルドといったポケモンにことごとく通らない。
ボルトチェンジやとんぼがえりでであいがしらで叩くチャンスを稼ぐとか? でしょうか。
・ペリッパー
とくこう種族値95なので、ニョロトノよりは火力がある。
飛行タイプによる耐性とぼうふうを得たかわりに補助技を失ったニョロトノって感じでしょうか。特にコンボを狙ったりしないのであれば、単体でも採用しやすいのはこっちか?
メガシンカの仕様変更により強くなったメガラグラージとも相性補完がそれなりにいい。
・アシレーヌ
うるおいボイスってフェアリースキンみたいに倍率かかるんですかね?
主力技が水なので、水の通りやすい環境になるかどうか。
・シルヴァディ/タイプ:ヌル
汎用性が高いすてゼリフ持ち。
タイプ:ヌルで後攻すてゼリフしてもいいし、シルヴァディで終盤の活躍に期待することもできる。
Zすてゼリフで控えを全快できるので、起点作りをしつつリカバリーする、みかづきのまいクレセリアみたいな動きができるかもしれない。
というか、そんな面倒なことをしなくてもタイプ:ヌルでトライアタックかえんほうしゃれいとうビームでんじは@しんかのきせきとか
・フライゴン
りゅうのまいエースとしては、麻痺しない点が優秀。じしん・げきりんも命中が安定しており信頼性が高い。
でも普通に火力も耐久も足りないので僕はラムカイリュー使います、という感じ。
というか、SMじゃげきりん覚えないかもしれない。
・キテルグマ
物理耐久がとくせいによって極めて高く、広い範囲に対して流しつつ圧力をかけていく、バンギラスの物理版のような動きが期待できる。
難点なのは飛行と格闘が弱点であることで、ボーマンダ、バシャーモ、ルカリオといった特に強力な物理ポケモンへの対応能力が低い。いわゆる特殊受けのポケモン、ハピナス、ラッキー、バンギラスなどは皆格闘弱点ということで、安易に並べると格闘に極端に弱い並びになってしまう。
相性のいいパートナーが見つけられるかが課題。
現状では耐性に恵まれつつ削り能力にも優れているカプ・コケコやカプ・レヒレなどが有力か?
・デンヂムシ
なんで進化の中間に専用特性があるんだ? ダブルとかで専用構築する価値あったりする?
・デンジュモク
れいじゅうボルトロスをさらに極端にした感じ。でんじは無効+ほたるび火力で受けループをスーパー粉砕できそうだし、普通にスカーフでも。
足が遅めの相性補完重視・サイクル重視みたいなパーティに対してはめっぽう強い一方で受け出し性能も対面性能も低めで、シンプルな能力に反して雑に使っても強い、というポケモンではなさそう。
・テッカグヤ
エアームドの耐久を下げて攻撃面を色々強化した感じ?
言うまでもなくタイプが強くて、強い相手には一方的に強い。エアームドとの違いは不利な相手にも攻撃手段があって自ら崩しにいけるところ。ただし、はねやすめがないので回復手段はねむるやたべのこしに限られてしまう。
はがね・ひこうというタイプからのやどりぎのタネはローリスクでの対処が難しいので、削りつつ後ろの負担を軽減できる便利な戦法になりそう。
エアームドに倣うなら、パートナーはバンギラス……といいたいが、エアームドよりもさらに対格闘が任せられないことには留意がいる。
・カミツルギ
すばやさと攻撃面に秀でているので、いちばんビーストブーストを活かせそう。
耐性を活かしてサイクルをしてもいいけど、耐性は特殊に強めなのに(電気、フェアリー、水を半減し氷弱点でない)、特殊耐久が低めなのが残念なところ。
サポートを受けてのつるぎのまいエースとして運用すれば、物理耐久の高さから先制技で致命傷を受けづらい、ビーストブーストで火力をさらに発揮できるなど、強みが活かせる。
・ウツロイド
バンク解禁前では数少ないステルスロック持ちで、リフレクター、ひかりのかべ、どくびしなども完備。
ただ、頓死しやすいタイプなのが不安材料か。
・アクジキング
耐久高っ。なんだこいつ。
耐久の高さで無理矢理場に出して、どーん! することはできるんだけど、それは火力の高いサザンドラでもよくない? という気もする。
毒技を覚えるので、フェアリーを叩けることが重要な場合はこっちのほうが強いかも。
・マッシブーン
名前と見た目にセンスがありすぎる……。
ORAS シングル カバルドン(仮)
極めて高い物理耐久と豊富な補助技が魅力で、大別するとあくびで起点作りに専心する起点構築で採用するタイプとなまけるの復帰力を以て物理受けを担うタイプが存在する。
特に前者はちょうはつを強く誘うので、こだわりハチマキで奇襲を狙うというようなことも視野に入る。
前者の、起点作りの相互互換にはラグラージがいる。
カバルドンをラグラージを比較した場合、四倍弱点を持たないために頓死しにくく物理耐久に優れる一方で、ラグラージは弱点がカバルドンよりもさらに少なく浮いているポケモンに打点を持ちやすいという違いがある。
物理受けとしての相互互換にはエアームド、クレセリア、グライオン、ヤドランなど。カバルドンはすなおこしのスリップダメージで相手を消耗させやすく、こうげき種族値が高めのためにサイクル戦で敵を削りやすいが、特殊決定力の起点になりやすいのが難点である。
(1)起点作りカバルドン
がんせきふうじ あくび ステルスロック ほえる@オボンのみ
あくびで後ろのエースのサポートをさせる構成。
HDに厚く振ることで一部の強力な技以外では一撃で倒されなくなるため、行動回数を一回は確保できることが多い。こだわりメガネのみずわざやくさわざで倒された時にフォローができるよう、カイリューやボーマンダなどと組み合わせると相性がよい。
攻撃技にどれを選ぶのかは悩みどころだが、ちょうはつを覚えるポケモンは浮いているポケモンが多いためじしんを採用しても有効とは言いがたい。けしんボルトロスやファイアローに対して打点になる上、後続をサポートできるがんせきふうじのほうが優先度は高い。
すばやさを下げることで後ろにビビヨンやジャローダ、あくびニンフィア、グロウパンチガルーラなどといった先制することで相手を起点にできるポケモンがいるのならばさらにシナジーを見込むこともできる。
(2)物理受けカバルドン
こおりのキバ じしん なまける あくび@ゴツゴツメット
サイクル戦を想定した物理受けカバルドン。スイクン以上の物理耐久を持つため、物理受けとしての信頼度は高め。
メガガルーラ、メガクチート、メガリザードンX、カイリュー、ガブリアス、ドリュウズ、バシャーモ、ハッサム、バンギラス、ランドロスなど幅広い相手に受け出していくことができる。
ゴツゴツメットや砂嵐で自然に相手を削っていくため、ダメージレースでも優位に立ちやすい。
対策
(1)で述べた起点作りカバルドンに対しては、ただ単純に倒すのではなくあくびをさせないのが対策になる。
代表的な方法としてはちょうはつやキノコのほうしなどで補助技自体を封じてしまうのがてっとりばやい。こだわりスカーフトリックなどで相手の行動を拘束してしまって良いだろう。
もちろん、露骨な対策ポケモンを出せばカバルドンは妨害を厭って交代する危惧もあるだろうが、起点作りかバルドンの後ろに控えているのはお膳立てをしてから場に出されることを想定したエースであるため、場が整っていない間にそれらのポケモンがでてくるのならば望ましい展開である。
(2)への対策としてはサイクル系の構築への対策をどうとるか、である。物理受けとして見た場合、数値こそ高いものの耐性も少ないため、こだわりハチマキ強引に押し切ることも可能ではある。また、回復手段をなまけるに頼るためにどくどくで切り崩すこともできる。
メガガルーラに特殊技を採用したり、ちょうはつジャローダでカバルドンの後ろの特殊受けの突破を狙うなども効果的であろう。
採用するメガシンカによっては強引に突破することもできるが、砂嵐やゴツゴツメットのダメージで損耗しないようHP管理は大切である。
ちょうはつを比較する(1)
タイプ あく
分類 変化
威力 -
命中率 100
PP 20
相手をちょうはつ状態にし、攻撃技しか出せないようにする
ちょうはつを採用する場合の目的には以下の四つが考えられる。
1.展開の阻止
2.受けループ対策
3.起点作り
4.その他、コンボ妨害
実際にはこれらの役割を複合的に持たせていることになる。
一つずつ解説していこう。
1.展開の阻止とは、あくびカバルドンやリフレクターニャオニクスからの展開を封じ込めることである。
この用法を目的としてちょうはつをする場合、初手性能が高いポケモンに持たせるのが効果的である。また、当然先制してちょうはつできなければ意味がないため、すばやさも重要なラインになる。
展開役をちょうはつが効いている間にスムース倒すことができる、他の初手出しされることが多いポケモンに一方的にアドアバンテージをとられない、想定外のポケモンに不意に対峙しても腐らない汎用性などの要素も大切である。
いたずらごころでちょうはつができ、でんじはで腐りにくいけしんボルトロス、多くのポケモンに先制でき汎用性が高いファイアローやゲンガー、自身がステルスロックで展開が可能なゴウカザルやグライオンなど。
2.受けループ対策とは、回復技を封じることで受けループを打破するための採用である。
この場合、ちょうはつをいれた上で自分自身でサイクルを破壊することができることが望ましい。たとえば、ブラッキーやエアームドでラッキーにちょうはつをいれたとしてもラッキーとグライオンで受け回すことでなかなか本体にダメージを与えることができず、
具体的にはちょうはつを入れることでラッキーを突破できるサザンドラやヒードラン、補助技を封じて物理受けを突破するテラキオンなどである。
3.起点作りとはちょうはつで補助技を封じること自体が展開になるケース。
具体的にはちょうはつでクレセリアを起点にするメガギャラドスやキリキザン、ちょうはつで補助技を封じてリーフストームを積むことができるジャローダなど。
この用途でちょうはつを採用する場合、みがわりで近い用途とすることもできることも覚えておきたい。
4.その他、コンボ妨害
上記のケースにあてはまらないケース。
単純にちいさくなるやちょうのまいを防ぐことが有用なケースも多い。
本来ならば1の用途を包含してコンボ封じとするべきなのだろうが、ORASにおいては1の用法が大きな意味をなすために別に項目を用意した。
ORAS シングル ライコウ
1.概要
でんきタイプの中でも攻防に優れた、バランスのいいポケモン。でんきタイプの中でも種族値が高めで、ファイアローのようなひこうタイプ、スイクンをはじめとしたみずタイプ、でんじはを使うクレッフィ、ニャオニクスなどに対して安定して強く出ることができる。
他のでんきタイプ、サンダー、けしんボルトロス、れいじゅうボルトロス、ウォッシュロトムといったポケモンに比較するとじめんわざを無効にできない点で劣るが、こおりが弱点でないためにみずタイプに受け出しをする際に安定したり、でんきを半減するためにでんきタイプ同士で対峙した時に有利なのが長所。
特に麻痺しないかつでんきタイプのわざを半減で受けることで、けしんボルトロスに対して有利に立てるのが強み。
他のでんきタイプと比較するとほのおわざやかくとうわざを覚えないなどサブの攻撃技が少なめで、ナットレイやラグラージ、バンギラス、フシギバナ、マンムーなどでストップしやすいものの、リフレクター、ひかりのかべ、めいそう、ほえるなど補助技が豊富であり、種族値の高さも相まって様々な運用の仕方ができる。
多くの相手に腐りづらい他のでんきタイプに比べると有利不利がハッキリしたポケモンであり、構築段階でなんのためにライコウを採用したのかを明確にしておくことが大切といえる。
2.型解説
i.メガネライコウ
10まんボルト めざめるパワー(こおり) ボルトチェンジ じんつうりき@こだわりメガネ
火力を重視したこだわりメガネライコウ。ファイアローやスイクンを一撃で倒せる火力が発揮できる。
ボルトチェンジも相まってサイクル気味の構築と相性がよい。主力である10まんボルトに無効タイプがあるので、ガブリアスなどに隙を見せた際にフォローできるポケモンと相性が良い。
じんつうりきを採用するとメガフシギバナに大ダメージを与えられる他怯みでマンムーやキノガッサとの対峙で勝てる可能性が残るが、半減されにくいシャドーボールでもよい。
ii.壁ライコウ
ほうでん めざめるパワー(こおり) リフレクター ひかりのかべ@ひかりのねんど
ローブシンやボーマンダといった積みポケモンに繋げる壁ライコウ。
近い運用ができるポケモンにはクレッフィ、ニャオニクス、アグノムなどがいるがちょうはつを採用しやすいけしんボルトロス、ファイアロー、ギャラドスなどに有利なのが強み。
積みの起点になるのを避けるためにめざめるパワーのスペースにほえるを採用するのも良い。
めざめるパワーを排すると地面タイプに弱くなるが、仮にじめんタイプに倒されても裏でギャラドスやパルシェン、カイリューなどで起点にすることができれば取り返せる。
iii.瞑想ライコウ
10まんボルト めざめるパワー(こおり) みがわり めいそう@たべのこし
めいそうで火力を発揮する構成。
他のポケモンのサポートを受けずにウォッシュロトム、クレセリア、けしんボルトロス、サンダーなどを起点にすることができ、火力がそれほど高くない特殊ポケモンを相手にはみがわりを残しやすいため、バックに物理ポケモンが控えていてもそのまま押し切ることがしやすい。
みがわりの残しやすさを活かして、めいそうではなくどくどくとプレッシャーで制圧するという手もある。
3.対策
まず、構築段階でどういった型のライコウであるかを看破することが大切である。
相性補完を重視したパーティに採用されたライコウではボルトチェンジでサイクルを優位に立つ構築の可能性が高いし、積み技を覚えるポケモンが多いパーティでは壁を張るライコウと推測することができる。
概要で述べたように、有利不利がハッキリしたポケモンであり、特殊耐久の高いラッキーやバンギラス、あるいはでんきを半減以下にしこおりで弱点をつかれないメガフシギバナやマンムーなどなら一方的に有利に立てるが、壁ライコウを安易に倒してしまって後ろの起点にされたり、受け出したところをボルトチェンジで逃げられるなどもありうるため、安易にライコウを後出しで倒せるポケモンを採用したことが対策になるとは言いがたい。
他のポケモンとの連携を想定した上でライコウが採用されやすい構築にどう対応していくのかを考えるのが大切である。
シン・ゴジラ感想
シン・ゴジラを見ました。
結論から言って、凄く良かった。
ロウ・ファンタジーとして見ても面白いし、災害映画としても良い。設定だけ取りあげても一晩中語れそうだし、民族学的な視点を持ち込むこともでき、ボーイズラブとして楽しむこともできる。
もちろん、こうした色んな見方ができるというのはより楽しむためのスパイスであり、拘泥するのは本質を捉えていなくて、『ゴジラという超弩級の災害に対して日本はどう対応するのか』というエンタテイメント作品である。
ゴジラやべえ!
ゴジラすげえ!
でいいのだ。
だが、この傑作を自分自身に刻み込むという意味で、この作品の感想を自分の中でまとめたい。
なお、自分はゴジラシリーズもエヴァンゲリオンも全く知らないこととここに付記しておく。
まず、ロウ・ファンタジーとしての面白さ。
神の名を冠した”ゴジラ”という空前絶後の有事に対して政界や行政がどう対応するのか? というリアルを正面から描いている。
前半で法的なしがらみから自衛隊をなかなか投入できないもどかしさもそうであるし、行動可能になった自衛隊の迷いのない動きもいい。
故に、自衛隊の歯が立たないという絶望感も雄弁であるし、アメリカや諸外国の迅速な対応も無理からぬものとなることが終盤のタイムリミットに繋がる。
冒頭の、まだゴジラが生物とさえ判明していない段階での予断に走った対応にはやきもきした人も多いだろうが、彼らとて決して無能ではないことは作中でも描かれている。 それがリアルなのだ。
次に、ゴジラの設定。
核分裂をエネルギー源にする不死の生物。
どうして今まで思いつかなかったんだ? と歯嚙みするほどシンプルなアンサー。
フィクションによくいる不死の存在につきまとうエネルギー源はどうなっているんだ? という疑問にあっさりとつきつけられた回答。既存のゴジラの放射能というキーワードとも合致する。
ヤシオリ作戦、というネーミングからするとモチーフの一部には八岐大蛇もあるのだろう。凍結液を口に流し込むシーンも、八岐大蛇を酩酊させるシーンのメタファーと言える。
八岐大蛇は水害の化身とも解釈され、開拓や製鉄による人間の自然破壊を受けて逆襲をはかる自然の怒りともされる。
ゴジラ誕生の経緯を思えば、ゴジラは原子力の力を宿した現代の八岐大蛇であり、タイトルのsinにも繋がる。
細かい点を言えば、無人在来線爆弾というネーミングにもキレがある。
陳腐な言葉にはなるが、怪獣を倒すのは偉大なる英雄ではなく、科学力や工業力、そして一人一人が積み重ねた力。
いかにも日本らしく、10年後もかくありたいものだと思わせる。
もっとも、この作品は社会派でもなんでもなくて、純粋なエンタテイメントというのが自分の受け止め方なのは冒頭に述べた通りである。
軽い気持で、ゴジラシリーズ一作目も視聴してみたい。
壁構築 考-1 壁構築のコンセプトと壁役の比較
1.壁構築とは
2.壁ポケモンに求められること
3.壁ポケモンを比較する
4.壁の弱点
5.壁の対策
6.結びに
1.壁構築とは
壁構築のコンセプトは、”リフレクター””ひかりのかべ”(以下壁と称す)を使用することで、エースの行動回数を確保することにある。運用法こそ異なるものの、考え方としてはダブルバトルで”ねこだまし””このゆびとまれ”などで隣をサポートすることに近いものがあるだろう。
壁から”りゅうのまい””からをやぶる””ちょうのまい””つるぎのまい””グロウパンチ”などの強力な積み技を安全に使わせたり、”じゃくてんほけん”を発動させたりといった動きが基本的な動きとなる。
なお、類似した構築として”あくび”でエースが安全に行動する機会を確保する構築が存在する。眠り状態にすることで行動自体をストップできる”あくび”ギミックと比較した場合、壁は場にかける技であるために妨害する手段が少ない点、耐久力がある程度の期間持続的に上昇するために反転攻勢を防ぎやすい点、”じゃくてんほけん”と相性がいい点が優れている。
対して欠点としては、ダメージ技以外の、定数ダメージには無力である点、急所に弱い点などが挙げられる。
もちろん、相性のいいポケモンには似通った部分もあるため両者を併用した構築も考えられる。
なお、本稿では考え方をシンプルにするために基本的には初手から壁ポケモンをくりだすことを想定しているが、実際には初手では対面性能に優れるポケモンや”ステルスロック”ポケモンをくりだし、試合中盤から壁を展開するような動きをすることも多いだろう。
2.壁ポケモンに求められること
壁を張ることができるポケモンは多いが誰でもいいというものではない。具体的には
a.行動回数の確保
b.対妨害性能
c.起点にされづらさ
d.持ち物への依存度の低さ
などが重要となる。
a.行動回数の確保、というのはどんな相手でも安定して壁を使う行動ができるか、という意味である。耐久力・すばやさの双方が大切になる。
例えば”いたずらごころ”はほとんどの相手に先制して確実に壁技を使うことが可能であり、不意の”こだわりスカーフ”による攻撃で壁技を使うことができない、ということが発生しづらい点で行動回数を確保しやすい。また、”こだわりハチマキ””ブレイブバード”一撃で落とされてしまう程度の耐久力しか持たないポケモンでは選出画面にファイアローがいるだけで選出が不自由になってしまう(”こだわりハチマキ””ブレイブバード”を起点に”つるぎのまい”できるようなポケモンを控えに用意するという手もあるのだが、対ファイアローに関しては”ちょうはつ”による妨害も想定しなければならない点に注意が必要である)。
b.に相手の妨害技への性能。第一に挙がられるのは”ちょうはつ”を持っているかもしれない相手に充分に対応できるかだろう。単純に”ちょうはつ”対策に攻撃技を用意しておけばいいというものではなく、”ちょうはつ”をしてくるかもしれないポケモンに対して有利に動けるかどうかが課題となる。対戦において”ちょうはつ”してくるポケモンはけしんボルトロス、ファイアロー、ジャローダ、ギャラドス、ゲンガーなどが代表的であり、これらに対して見た目だけでも有利なポケモンは壁役としての評価が高くなる(ただし、壁役でこれらのポケモンを殴り倒したとしても”ちょうはつ”を喰らってしまってはコンセプトが崩れていることには注意が必要である)。
それ以外では、くさタイプや”マジックミラー”、あるいは”しんぴのまもり”を覚えるポケモンは”キノコのほうし”を防げる点で評価される。
c.に起点にされづらさ。壁構築で嫌なパターンとしては壁を放置したまま積み技を連打される、という流れがあるためにこれらを防げるかどうかである。幸いにも壁ポケモンは”でんじは”あるいは”へびにらみ”を覚えるポケモンが多いため、すばやさの高さを活かして”りゅうのまい””ちょうのまい”などでの制圧を受けることは防ぎやすい。それ以外では”イカサマ””おきみやげ”などを覚えるポケモンは起点にされることを防ぎやすい。
d.に持ち物への依存度の低さ。多くの場合”ひかりのねんど”を持ち物とするため、上述の要素を持ち物込みで持ち合わせても意味がない。早期に退場することが望ましいという性質上、実質的に持ち物なしでも充分な仕事を果たせることが期待される。
ただし、”ひかりのねんど”に拘泥する必要はそこまでなく必要に応じて”ラムのみ””きあいのタスキ””だっしゅつボタン””ゴツゴツメット”を持たせることもあるだろう。壁要員を複数採用する場合には当然どちらかは”ひかりのねんど”は持たせられない。
これらの挙げた要素は代表的なものであり、実際には構築によってどの要素を最重要視するのかは変わってくる。
多少他の要素を犠牲にしてでも”おきみやげ””だいばくはつ”でエースが動ける時間を長く用意するパターンもあるだろうし、耐性の多いポケモンで壁を張ることで相手の攻撃を誘導し後ろのエースを交代出ししやすくするという手もある。
3.壁ポケモンを比較する
・クレッフィ
”いたずらごころ”を持つことが最大の特長。おなじ”いたずらごころ”を持つエルフーン・けしんボルトロス以外からは先制で”ちょうはつ”を受けることがないため、仕事への信頼性が高い。後述のニャオニクスもあわせて壁要員ということが看破されやすいと言われることも多いが”いたずらごころ”を妨害できるのは上述の二匹しかおらず、それ以外のポケモンでは『わかっていても妨害できない』点が強み。
”イカサマ”を覚えるために物理の起点になることを牽制できる。
自主退場技はないが、耐性が多いため後ろのポケモンとスムースに連携しやすく、残りHPがわずかでも残っていれば終盤再利用もしやすい。
壁より存在感のある”いばる””みがわり”型の存在から”みがわり”を想定した動きを相手に強いる点も優秀である。
型によらず”ちょうはつ”が有効であるため”いたずらごころ””ちょうはつ”の的である点は懸念材料だが、それを逆手に取った”マジックコート”の採用も一向に値する。
・ニャオニクス♂
同じとくせいを持つクレッフィと比較すると耐性は貧弱で”イカサマ””マジックコート”も覚えないが、”しんぴのまもり”で状態異常からエースを守れること、”あくび”によるサポートが可能な点が強みである。
壁役・エースともに状態異常を防ぐ術がないことも少なくないため、”しんぴのまもり”のためだけに採用を考慮する価値はある。
”いたずらごころ”故の強みはクレッフィと同様であるため、クレッフィの項も参照。
・ジャローダ
”あまのじゃく”で自身がエースになることが可能であり、その火力の高さから起点にされづらいことが非常に優秀。構築次第では、エースと壁の両方をこなすことが視野に入る特異なポケモン。
”へびにらみ”でじめんタイプにも麻痺を入れることができる他、”がんせきふうじ””こごえるかぜ”などによるすばやさダウンを受けないことも相まって初手として多く用いられるカバルドン、ラグラージ、キノガッサ、ガブリアスといったポケモンに対して有利に動きやすい。”ゴツゴツメット”を持てばガルーラにまで強め。素のすばやさが丁度ゲンガーを抜けるラインである点も優秀である。
”ちょうはつ”で相手の展開を妨害することもでき、起点作りポケモン同士でかちあった時はかなり強い点も含めて初手性能が高いことが強み。
最大の問題はファイアローに弱いことで、”ちょうはつ”でも”こだわりハチマキ”でも無抵抗になってしまう。ジャローダを使う場合は、初手ファイアローに対応しやすいポケモンと併用することが望ましい。
・ライコウ
メジャーな”ちょうはつ”持ちであるけしんボルトロスやファイアローに強気に動けることが最大の強み。ゲンガーよりも早く、けしんボルトロスやファイアローに強い壁ポケモンは事実上ライコウしか存在しない。
”いたずらごころ”と違って”こだわりスカーフ””じしん”などで頓死することがありえるため、”じしん”に対して切り返しやすいボーマンダ、ギャラドス、パルシェンなどと連携するとよい。
”ほえる”を採用しないと積みの起点にされづらく、その場合は”めざめるパワー”の技スペースがなくなってしまうなど技スペースが足りないところが悩みどころ。
・ラティオス
単純に火力が高く、壁以外の運用も多いために”ちょうはつ”されづらく、メジャーな”ちょうはつ”持ちに自然に打点を持つことができる。
高いすばやさと”おきみやげ”の存在が武器で、壁ターンを有効活用するために自主退場したり、あるいは壁を張る余裕がない状況でも”おきみやげ”さえ決まれば擬似的に二枚の壁を張ったのに近い効果が得られるなど、柔軟な動きが武器である。
・アグノム
”ちょうはつ”によって相手の展開を妨害できること、”ステルスロック”でエースによる突破をしやすくできることが強み。
”だいばくはつ”で”きあいのタスキ”や”みがわりを潰しながら退場できる点も優秀である。
多くの便利な技を覚えるポケモンではあるが、耐久の低さから行動の取捨選択がシビアになりがちな点には留意が必要である。
・エーフィ
”マジックミラー”で”ちょうはつ”を受けない点が売り。”トリック”や”キノコのほうし”など、起点作りを妨害する技のほとんどをシャットアウトできる。
ただし、耐久力の低さからエーフィ一体で”ちょうはつ”対策としては心もとないところがある。”ステルスロック”や”あくび”を防げるために展開してくる相手にも強めで、こちらから”あくび”をしかけることもできる。
なお、”アシストパワー”を覚えるため”バトンタッチ”構築においてはエースになることもある。
・ヒートロトム
”けしんボルトロス・ファイアローといったメジャーな”ちょうはつ”持ちに強く、後攻”ボルトチェンジ”で後ろに繋ぐことができる。
ただし、すばやさ・耐久ともに低めに留まるのが不安要素である。
・ユクシー
耐久力に恵まれており、”おきみやげ””あくび””とんぼがえり”など豊富な技を覚える。
ただし、すばやさが低めであること、”ちょうはつ”のような妨害技にリスクを持たせづらいことなどが課題となる。
4.壁の弱点
壁構築において警戒すべきことは、
a.壁を張れないこと
b.壁のターンを無駄遣いさせられること
c.張った壁が有効に働かないこと
などが挙げられる。具体的にはどのような状況下というと、
aでは壁技を使う前に先制攻撃で落とされたり、”ちょうはつ”されたりという可能性が考えられる。また、リザードンのような物理・特殊どちらなのかわからないポケモンに対しては、有効な壁技を使う前に壁役が倒されることがありうる。
bでは、考えられるのは自主退場技を持たないポケモンを相手が敢えて倒さないことで、決定力を場に出させないような状況である。また、”キノコのほうし”などで壁役が眠らされて壁のターンを浪費させられる場合など。
cは、例えば『”リフレクター”を張ったが相手が”つるぎのまい”を使用したために”リフレクター”の意味がない』というような場合である。
5.壁構築への対策
項4で述べたことがそのまま壁への対策となる。
構築段階で考えるなら、”ちょうはつ”を持ったけしんボルトロスやエルフーンが非常に有効である。クレッフィやニャオニクスに対しても一方的に封殺することが見込める。けしんボルトロスやエルフーンは壁構築に限らず”あくび”や”ステルスロック”による展開も防げ、比較的スムースに構築に入るポケモンであるという点でも優秀である。ライコウは”ちょうはつ”持ちに強めのポケモンではあるが”ちょうはつ”事態を防げるわけではないために壁展開自体を防ぐために”ちょうはつ”を入れる価値はある。
壁役は”ラムのみ”を持ちにくいため、”キノコのほうし”などで寝かしつけるのも擬似的に近い効果が見込める。エースも”いのちのたま”やメガストーンを持つことを優先して”ラムのみ”を持たせづらいポケモンも多いため眠りのみならず”でんじは””おにび”など、ダメージ技以外で戦力を削ぐことが有効になる。
それ以外では”つるぎのまい”のような積み技で壁を上回る火力で攻撃するのも手である。”でんじは”などで妨害されるパターンは多いので、ガブリアスやローブシンなど、状態異常に強いポケモンが望ましい。
立ち回りレベルでは壁ターンを無駄に消費させるように動くのが基本である。壁を張るポケモンは多く場合火力がさほど高くないため、敢えて倒さないままターンを経過させることが容易である。特に自主退場技を持たないポケモンを使う場合はエースへと交代出しすることを視野に入れて壁役に向けて放たれた攻撃でエースが致命傷を負わないように耐性をずらしていることが多いため、壁役に対して有効ではなくエースに対して有効な技を打ち続けることで相手の行動を制限したままターンを消耗させることができる。
”おきみやげ””だいばくはつ”などで自主退場された場合は有効ではないが、それでも相手の頭数を減らすことには成功しており、一方的に不利ではない。
よしんば相手の思惑通りに展開されても壁の効果はダメージを半減するものでしかないため、”じゃくてんほけん”にさえ気をつければダメージを蓄積させて強引に殴り倒すことも不可能ではない。
こうした対抗手段を全て処理され、試合を有利に運ばれても諦めてはいけない。一発でも多く攻撃をあてられるように立ち回り、急所に当てる確率を高めたい。
どうしても環境に壁構築が多いような場合には”かわらわり””きりばらい””すりぬけ”などを採用することも考えることになるかもしれないが、実際に壁対策のためだけにこれらを採用することはまずないだろう。