携帯から

久しぶりなのでタグ忘れ。
集英社文庫太宰治人間失格』のカバーがリニューアルしたそうで、表紙がデスノートを手がける小畑健だとか。
それで結構売れてるらしい。

あたしは硬派に新潮文庫です。


アニメ『さよなら絶望先生』が面白い。
真面目に漫画描いたらシリアスものもいけそうなタッチですが、知ってのとおりギャグ漫画。アニメしか知りませんがタイムリーなネタを毎週はさんでくる。

なんとなく太宰を思い出してしまった。
ちょっと読み返してみようと思う。

「ソラニン」「虹ヶ原ホログラフ」浅野いにお 小学館/太田出版

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス) ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス) 虹ヶ原 ホログラフ

浅野いにおという人物を知らなかった。
ソラニン」は2巻完結。社会人になって間もない、そして知ってゆく日常の倦怠感。なにか将来を見通せない(いや見越してしまった?)芽衣子。
そして会社を辞めてみた。
同棲してる種田となにか新しい将来が見えてくるのだろうか?けれど小さな幸せはあれど日常の延長。

とても丁寧な描写で作中の倦怠感が伝わってくる。種田は途中死んでしまうのだけど、そこからが芽衣子の自分自身の復活物語。種田の死をバンドを受け継ぐことで昇華しようとしているようだった。

これいい!浅野いにおばんざい!
短編でギュッと中身がつまってる。凝縮というには日常的で濃いものではないんだけど。
次いこ。

「虹ヶ原ホログラフ」1巻完結。過去と現在のストーリーを紡ぎあわせ全編で「蝶」がでてくる。なにかの作者のイメージなんだろか。
主人公が誰とは言いにくい。幼い頃のいじめ、自殺未遂、そして現在に関わってくる人間関係。きっと全部小学校の学区内での出来事なんじゃないかと思う。
サイコな登場人物。(語彙足らずで申し訳ない)
殺人。
謎は謎のまま展開するストーリーなんだけど、なにか思い出しそうな作品。それはこんなこと自分も思ってたとか、見たことある場面だとか。
心理描写は「ソラニン」に比べたらわかりにくい。そういう作品だってこと。

「こいわらい」松宮宏 マガジンハウス

こいわらい

幼い頃事故で小脳失調になったという過去があるが、それを抜きにしても面白い。
一見なんの変哲もない棒を意のままにあやつりちんぴら共のあごをいとも簡単にたたき割ってしまう女子大生メグル。そしてその棒はプラダのリュックにしまわれてる。
生活のために引き受けた仕事。メグルは、いつも大金を持ち歩いている会長の用心棒となった。その大金に難癖をつけ狙おうとするちんぴらを次々に(細かい格闘描写すらなく)やっつける。爽快だ。
しかしそんなことをしていれば当然仕返しとばかりにまたちんぴらは来るのだけど、それすらも敵じゃないくらい強い。
メグル本人も自覚はないものの、鰐家につたわる秘剣を体得していたのだった。そして因果なのか作為なのか会長とは浅からぬ立場だと知る。
物語は秘剣完成へと向かう。

その過程もまた面白い。秘剣完成のヒントとなる川又。川又もまた天才剣士。
フリスビーを早朝ジョギングしてるおっさんの額に当て倒す。倒されたおっさんはポカーンとしながらもしばらくすると何事もなかったようにジョギングを再開する。これぞ放心剣wこんなの読んだこと無いw

舞台は京都。京都の地名が次々とでてくる。固有名詞みたいであたしなんかどこがどこやらわからないのだけど、詳しい人にはわかるのかな?京都弁も物語を深刻にしない効果がある。ちんぴら、なんとか会とか出てきてもやくざものじゃない、もっとのんびりした小説なのだ。
ぜひ暇と時間があれば読んでみてください。ライトノベルでいけるんじゃないかと。

「さよなら妖精」米澤穂信 創元推理文庫

さよなら妖精 (創元推理文庫)

日本を「見に」きたというユーゴスラヴィアから来たマーヤ。わずか2ヶ月という滞在期間だけど世話をするようになる高校生たち。
日本語は話せるようだけど、マーヤは観光地などの着飾らない文化を知りたいと守屋、太刀洗、白河、文原の4人と行動をともにするようになる。将来は政治家になるというマーヤにただの高校生、守屋は心を動かせる。

物語は回想シーンです。1991年付近の世界情勢がわかる。

日常ミステリのようだ。こういう分野は北村薫が先駆者だと思う。が、しかし部活動の弓道のシーンは丁寧に書かれていて、マーヤへの説明がそのまま読者への説明になってる。
墓場のシーンの物憂げさ悲しさ?やりきれなさなんて北村薫を必ず思い出すくらい(読んでるのが前提)。

やがて戦地になるであろうユーゴスラヴィアへ帰るマーヤ。マーヤはユーゴスラヴィアのどこからきたのか?

日常とは不可解なことが多い。それらに関心をよせられるような心があるだろうか。なかなか無いものだと思う。この作品、ユーゴスラヴィアへの関心を高めてくれる。

回想が終わり1年後、実際に各地で紛争が起きる。

「ロクメンダイス」中村九郎 富士見書房

ロクメンダイス、 (富士見ミステリー文庫)

恋をしないと死んでしまうハツ、主人公は、六面ダイスと呼ばれる居住スペースに寝泊まりする患者。そのハツが心を揺さぶられると心辺警護という防衛反応が他人に危害を加えてしまうチェリーに恋をした。
もっとも恋かどうかわからないものだったけれど、助けてあげたいという思いがあった。そのチェリーが同じ六面ダイスに患者としてやってきた。

淡い青春小説かと思いきや、作中いろいろな箇所で伏線がはられていたり、カウンセリングっぽく語られ現実世界と心の世界とが暗喩のように語られていたり、と。
そして騙しあいのようなわかりやすいミスリード。そこのとこはミステリになってた。
暗喩、比喩が日常生活に落ちている、そんな小説。
地雷と言われる基準にもなったかな(,,・∀・)

「少女は踊る暗い腹の中踊る」岡崎隼人 講談社

少女は踊る暗い腹の中踊る (講談社ノベルス)
若い著者ですが物語はとても読み進ませるものがある。
一人の少女が自分のバイクにとんでもないモノを残していった。それは両足を切断された乳児の死体。主人公、北原結平の脳裏にこの近辺でおこる連続乳児誘拐事件がかすめる。少女がその犯人なのか?
姿を眩ました少女を追ううちに違う犯行だとわかってくる。まだ別にいる!

全体的に雨雲のように陰鬱、凄惨な感じを受ける。が、帯コメントにあるように『凄惨だけど、爽やかです』なつくりかもしれない。少女を発見するが通報などはしない。少女を捜す過程で主人公も罪をかぶってしまっている。そして少女を世話しながら主人公の暗い過去が浄化されていく。
そして本当の殺人鬼の登場。すべては主人公の過去とつながっていた。
ミステリなのか、密室やトリックは出てこない。ある意味ミステリ。メフィスト賞はそういうのも入りますからね。

この著者、次作どうするんだろうね。萌えキャラがいるわけでもないしw

読み進まない

並行して読んでる本が多すぎて、なかなかここで紹介できないでいます。

なので最近読んだ本をいくつか書いてしまいます。
とくにエンターテイメントではないジャンルもありますが、別に気にする方もいないでしょうし。。

あ、そうだ並行して読んでるにも関わらず、あとから買って読み終わりそうな本を注文しました。

西尾維新零崎軋識の人間ノック講談社
零崎軋識の人間ノック (講談社ノベルス)
基本ですね。