恋愛と転職 II

chatsnoir2006-06-11

重なる時はすべてのことが重なるものだ。以前、引越しをした際は、引越し(二回)、転職、結婚、出産が重なった。
別に引越しが趣味だったわけではない。ただ、ここ10年ほど、一年に一度以上のハイペースで引越しをしていたが、毎回何かしらやむをえない事情があっただけだ。そんなわけで、ここ2年半以上も引越しをしていないと、ノマドが習性になってしまったのか、訳もなく、そろそろまた何かが起こりそうな気がしてしまう。

恋愛と転職はつくづく類似性があるとまた考える。うまく行くときは何もかもうまくいく。何もない時は悲しいくらい何の出会いもないものなのに(期待しているか否かは別として)、ある時期にくると突然、思ってもないくらいの素晴らしい相手が一人ではなく複数現れる。重なるときはとことん重なるものだと、雨を眺めながら過去を思い出した。

恋愛と転職

転職なんて恋愛みたいなものだと思う。初めてその会社にコンタクトした時、
ときめきを感じられるかどうか。波長があうかどうか。第一印象でほとんど決まってしまうのだと思う。

そこそこ好きな相手とはやっぱり結ばれない。結ばれたとしても幸せな時間は持てない。そうではなく、最初に会った時に後光が差すように輝いて見える人がいる。そういう人とはどんなに紆余曲折があったとしても、いずれ深い関係をもつようになる。

後光を感じる相手に出会うときは、なぜか自分に恋人がすでにいる時が多い。そして相手に恋人がいることも多い。双方、決してうまくいっていないわけではない。ただ、どうしようもない感情がわきあがってくるのだ。元の恋人に後ろめたさを感じてでも、そして相手の元恋人に恨まれてでも突き進んでしまうのを抑えきれないだけなのだ。後で、深く後悔することになるのも少なくはないけれど。

で、話は元に戻る。転職もそうなのだと思う。運命の相手は突然、光り輝いて現れる。一目見た瞬間、相手がその存在だと確信するのだ。

How to spend $$$ nicely

最近、ちょっと考えたこと。

会社にせよ、個人にせよ、お金をいかにうまく稼ぐかは、多くの人が関心を持っているし、皆それぞれ、それなりにスキルを持っている。

でも、稼いだお金を「いかにうまく使うか」というスキルは全然磨かれてない気がする。考えてみれば、同じくらい大事なことなのに。

会社で言えば、Profit を出す Sales 部門と同じレベルで、Marketing 部門は効率的に資金を使わなければいけない。貴重な収入があったのなら、それをうまく使わなければ、せっかくの収入を得た意味がなくなる。

「日本人が」という言い方はあまりよくないのだが、文化的傾向として、この国の人たちは概して、この「お金を使うスキル」が身についてない気がする。個人のレベルでも会社のレベルでも。だからこそ世界有数の貯蓄率があり、それをむしりとろうとする詐欺が横行するのだろうけど。

よく「お金さえあれば」という言い方をするが、お金(予算)がいくらあっても、使い方が下手ならば、目的は達成できない。逆に、スキルさえあれば微小なお金(予算)でも、目的は達成できる。

いかに費用対効果を高く予算を使うか、個人のレベルでも仕事のレベルでも今一度考え直したいと思っている。

Million Dollar Baby

chatsnoir2005-06-24

ハリウッド映画は退屈なのが多いので、普段は他人との話題あわせのためくらいにしか映画はみない。しかし、この映画は久々に(ほとんどはじめて?)感動した。

飛行機の中の冊子の案内を見ても、ただのボクシング映画にしか思えなかったのだが、暇をもてあましてたまたまつけた映画がこの Million Dallar Baby だった。

見始めたのは、ちょうど主人公が栄光を極める直前から奈落の底にたたきおとされる場面だった。このギャップと主人公に襲い掛かる試練の波には否応なく画面にひきつけられるものがあった。

映画が終わった後、迷うことなく最初から見直してしまった。
見てから2,3日たった今でもこの映画のことを考えてしまう。ハリウッド映画でははじめての体験だ。

たまにはアメリカものの映画もみないといけないのだなあ、と感じたのであった。

クロ號

chatsnoir2005-06-01

猫マンガのクロ號が完結した。

このマンガ、作者の杉作さんの持ち味なのか、筆一本でシンプルに描いたような絵も好感がもてるのだが、何より、シビアな猫の世界が淡々と展開されていく様が、猫好きの心をたまらなくそそる。

主人公クロの弟は、連載開始直後にあっさり死んでしまう。クロの子供らしいチビクロも主人公なみのかわいらしさを振りまいていたさなか、突然あっさり保健所送りに。親猫たちがそれに抵抗しようとするが、あまりに無力。

このあたりの、無常なまでのあっさり感はキアロスタミの映画にも通じるところがある気がするといえば、強引すぎる連想だろうか。

完結する第九巻では、やはりというか、主人公クロがあまりにあっけなく「おやすみなさい」してしまう。クロと同じく黒猫を飼っていた身としてはあまりに切なくたまらない最後だ。

マンガでここまで心を動かされたのも久々だった。

そうそう、話がそれるが、単行本では、モーニング/イブニングに連載中だった時に欄外に書かれていた編集者のコメントを見ることができない。これは惜しい。
「ヒゲの職業がやっとわかりましたね。なんと無職だったんですね。」
などのようにひとひねりある文章が多く、マンガ本編同様楽しんでいたのだが。