窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(012)

第03週「女は三界に家なし?」(火)

放送日

  • 2024年4月16日

登場人物

  • 中村育二(桜川侑次郎、涼子の父)
  • 平山祐介(増野、カフェ「燈台」店長)
  • 奥田洋平(岸田、桜川家の執事)
  • おぎのさな(山下、明律へ入学を希望する生徒)

概要

悪気なく花江を女中と間違えてしまった留学生の香淑。花江は笑って流すも、寅子には「嫁に来た人の気持ちはわからない」と言う〔引用者注:ここまでは11話〕。そんな折、よねは涼子が書いた法廷劇の脚本を「甘い」と批判。寅子はよねに「人の本気に上も下もない」と反論し、言い合いになる。一方、はるもひそかに花江との関わり方を悩んでいた。(NHKオンデマンドの解説より)

「嫁に来た人の気持ちはわからない」という花江のつぶやきを聞いてしまったはるは、日記に「花江さんが何を考えているのかわからない。彼女を尊重し、優しくしている。女中のような扱いとは?」と書くが、その直後に花江の味付けにごく自然にダメ出しをしていた。

桜川家は三代続いて男子が生まれず、涼子の父・侑次郎も婿で寿子には頭が上がらない。そして寿子にとっては受け継いだ桜川家を存続させることが何より大事。そのためには涼子が早く結婚して子を生すことが最重要なのだ。涼子に向かい「桜川家に生まれた女の務めを果たしなさい」と詰め寄る。おまけに始終ワインを飲んでいる。

よねはカフェ「燈台」でバーテンとして働いている。が、酔客に侮蔑されると言い返し、増野が止めに入る。恐らくこれは年中行事なのかも知れない。「勉強なんかしなくても女は楽に稼げるのに」と言われるのが今のところ最も腹が立つ。こうした世界から抜け出るために誰よりも真剣に勉強をしているのだ。が、級友に食ってかかってばかりいて、寅子に「たとえあなたの本気が勝っているからって、誰かをけなしていいわけじゃない」と言われてしまう。

さて、明律際。寅子らは法廷劇を披露するが、客席からはいつもの男子学生・小橋から心無い野次が飛ぶ。あまりの暴言に怒ったよねが舞台を降りて客席まで文句を言いに行くと、小橋はよねを突き飛ばす……

感想

あの小橋という男子学生は酷い。女子が気に入らないなら見に来なければいいのに、なんでわざわざ文句を言うために劇を見に来たのかがわからないし、気に入ろうが気に入るまいが、公演を妨害するような行為は、主宰者だけでなく他の観客に対しても失礼極まりないことであり、許されることではないと、子どもだってわかる。

明律大学が学長以下、命運を賭けて女性の弁護士の実現に取り組んでおり、この法廷劇も女子部の存続・発展のための一環であるのに、それを邪魔立てするとは、大学に対する重大な反逆である。この一件を以て退学になってもおかしくない。そもそも日常的に女子部の存在意義を教職員が男子生徒らに説いていれば、こんな事態は引き起こされなかったと思うが、事ここに至っても、穂高教授は咳ばらいをするのみで注意に行ったりはしない。

思うに、小橋はいち男子学生ではなく、彼の言うことは世間の集約であり、これと同じことを彼女らはことあるごとにあちらこちらから言われ続けてきたのだろう。彼はその象徴なのだ。恐らく。

小橋がよねを突き飛ばしたのは、先週の話を振り返ると、よねが小橋を挑発してわざと突き飛ばさせたのか、とも思う。観衆の中で女性に暴力をふるったとあれば、たとえたいしたけがはしていないとしても、何らかの処罰は免れないだろうという判断か。が、怒りに火のついた寅子は、明日、彼に何と言うのか……?


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「虎に翼」(011)

第03週「女は三界に家なし?」(月)

放送日

  • 2024年4月15日

登場人物

  • 福室莉音(小泉由紀子)

概要

生徒数が減り、存続の危機に陥る明律大学女子部。宣伝のため二年生の寅子たちは先輩の久保田、中山と法廷劇を上演することになる。演目は実際の判例を元にした「毒まんじゅう事件」。脚本は涼子が担当。よねでさえ、居場所を守るために参加すると言い、喜ぶ寅子。準備のため寅子の家に集まって衣装制作を行うことに。しかし花江は浮かない顔で――。(NHKオンデマンドの解説より)

寅子が入学して一年半が経った。三年生は久保田、中山の二名に、同級生は60人が20人に減り、一年生も42名入学して既に10名が退学。このままでは女子部存続の危機に……

今日の語り

「ちなみに優三さんはまた試験に落ちました」(棒読み)

感想

寅子は生理痛が重く、4日も学校を休む羽目に。朝ドラは女性が主人公であることが多いが、「生理痛」、いや「生理が毎月くるもの」ということを描いたのは初めてではあるまいか。いや110作を数える朝ドラの中でまだ6作しか見ていない自分が言うのもアレだが。女性にはそういう煩わしさがある、辛い人は辛い、ということをきちんと描くことは大切だと思う。どんな作品でも必ず描くべき、とまでは思わないが、これまではなかったことにされ過ぎていたんじゃないか。

前週で花江が、味付けに一度ダメ出しをされたことに一瞬不満げな顔を見せた、それに続きがあるのかと思ったが、それ自体は何事もなく一年半が過ぎた。が、そういう些細なことが織のように花江の中に溜まっているのだろう。

寅子の家にやってきた涼子、玉、梅子、崔香淑らに花江が茶を出すと、友人に女中だと勘違いされる。「寅ちゃんには嫁に来た人間の気持ちなんかわからないのよ」と言われ「はて」という顔をする寅子だが、食事の時に自分は父や兄と一緒に普通に食べているのに花江はおさんどんをしていて席に就けない。そのことに寅子は何も感じていないわけで。壁があるのは世間だけではなく、寅子の心の中にもいろいろあるのだ。

明律大学の幹部連が女子部存続の危機に、どうしたら入学者を増やせるかと頭を抱えていたが、まず男子生徒に女子を虐めるのをやめさせること、トイレの数を増やすことが焦眉の急ではないか。


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「虎に翼」(010)

第02週「女三人寄ればかしましい?」(金)

放送日

  • 2024年4月12日

概要

判決の日。寅子たちの予想は外れ、妻が着物を取り戻すことが認められる。大喜びする女子部の面々だったが、よねだけは「甘い」と怒りを隠さない。裁判には確かに勝ったが、あの女性の受ける扱いは変わらない、と言うよね。寅子は、着物を返還された妻・峰子の「離婚裁判は続くが、最後まで戦う」という言葉に、「法律は盾のように人を守るためのもの」だと考えるようになる。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の田中裁判長

民法が夫をして妻の財産を管理させるのは、夫婦共同生活の平和を維持するとともに、妻の財産の保護を目的とするものであること、疑い入れぬことである。だが、本件のように夫婦生活が破綻を生じた事情において、妻が形見の品、かつ、日常生活に必要な品々の返却などを請求することに対し、夫がそれを拒絶することは、法に規定されている権利の濫用といわねばならず、夫としての管理ばかり主張するのは、明らかに妻を苦しめる目的をもってのことにほかならない」

今日の山田よね

「あの男は彼女への非道の仕打ちの償いをすることもない。何も反省しない。きっと彼女にしてきたこと、またほかの女に繰り返す。本来法律は、力を持たないあたしたちが、ああいうクズをぶんなぐることができる唯一の武器。そうであるはずなのに」

今日の寅子とよね

「嫌いな奴のことを知る時間なんて無駄だろう」
「え? 私よねさんのこと割と好きよ。勉強熱心だし、はっきり物事を言うところは私に似ているし、男装姿は似合っているし、何より、知らない誰かのために涙して憤慨するあなたは、とってもすてき」

感想

昨日あれほど気を持たせた判決だが、アバンで決着がついてしまった。あれだったら昨日のうちにそこまでやってもよかった。翌日につなぐためにわざといいところで「引く」のは古今東西当然のように使われる手だが、限度があろう。被告側が「なんだそりゃ、納得いかねえ」といきりたつところで終わらせてもよかったのでは。

それはそれとして、さすがは金曜日、メモしておきたい印象的なセリフが玉ほど登場した。

原告勝訴の理由は、おおむね昨日自分が予想した通りであったのは少々嬉しかった。夫が資産管理をする権利があるのは結婚生活がうまくいっている限りにおいてであり、破綻した後もそれを主張するのは権利の濫用である。よい理論だ。

東田甚太が峰子を殴ろうとした時に「ちょっと待った!」と叫び間に入った寅子は見事だった。一方よねの、「殴らせればよかった、そうしたら私たちが証人になって暴行罪で現行犯逮捕だ」というのも面白い考え方だ。

そのよねは、現代のセクキャバのような喫茶店バーテンダーとして働いていた。あの男装姿はその制服でもあったのだ。あれは実家? 単なるアルバイト? 涼子は母親から「少し日に焼けたんじゃない? 自分の価値というものをもっと考えなさい」と叱られるが、その母は酒を飲んでいる。涼子のことを考えてか、それとも……。寅子の家は裕福で、家族中もよく、寅子は両親や兄に愛されて育った。恵まれた家庭なのだ。しかし、花江とはるの間には何やら不穏な空気が……?



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「虎に翼」(009)

第02週「女三人寄ればかしましい?」(木)

放送日

  • 2024年4月11日

登場人物

  • 飯田基祐(大庭徹男、梅子の夫)
  • 見津賢(大庭徹太、梅子の息子)
  • 筒井真理子(桜川寿子、ユキの母)

概要

傍聴した裁判について尋ねた寅子に対し、穂高は皆で議論してみるよう促す。暴力を振るう夫からなんとかして着物を取り返す方法を懸命に考える寅子、涼子、梅子、香淑。寅子と同じように憤りを感じていたよねも今回ばかりは一緒に頭を悩ませていた。裁判の結果が気になる寅子たち女子部の面々は判決を見届けるため、課外授業として裁判所に向かう。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

離婚が成立していない以上、財産の管理権は夫にあり、従って着物を取り返すことは不可能。これが寅子らの出した結論だ。が、諦めきれない寅子は、裁判の傍聴を提案する。これはいいアイデアだった。裁判所は異様な雰囲気に包まれた。裁判官や弁護士はもちろんだが、傍聴人にも普段は女性などほとんどいないであろうところへ、しかも傍聴マニアですら「つまらない」という小さな裁判に、女性が大勢押しかけたのだ。桂場等一郎はお団子を持ったまま覗き窓から様子を伺う。

さあ、裁判官はどのような判決を出すのか、というところで「つづく」。そんな殺生な!

弁護士の主張は前回の繰り返し。どのような判決を下すかは既に決めて来てあるはずで、傍聴者の雰囲気で判決が覆ったらそれはそれで問題だ。また短い休憩時間で判決文を書き直している余裕があるとも思えない。しかし、この裁判の行方をこれだけ大勢の女性が見守っていますよ、と行動に示したことで、何かが変わるかも知れないのだ。また、そうやって少しずつでも何かを変えて行こうとするのが彼女らのなすべきことでもあろう。

多くは語られないが、桜川涼子、大庭梅子、崔香淑らも、ここまで決して幸せ一杯の人生を歩んできたわけではなく、厳しい現実に直面して来たことが示唆されるのもよかった。

ところで、結婚するの財産が夫のものになるとはいうが、だからどう使おうと夫の勝手、ということにはならないのではないか。家庭をうまく運営していかれている上においては細かい判断は夫がする、でもいいかも知れないが、本件においては、家庭は破綻し、妻の生活は成り立たなくなっている。夫は家庭の「経営」に失敗しているわけで、資産の運用方法については外部からの指導があってしかるべき、とは言えるのではないか。旧民法だって、妻に生活費を渡さずに遊び歩いている夫を擁護するものではないと思うのだ。



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「虎に翼」(008)

第02週「女三人寄ればかしましい?」(水)

放送日

  • 2024年4月10日

登場人物

  • 栗原英雄(田中裁判長)
  • 長谷川忍(東田川の弁護士)
  • じろう(峰子側の弁護士)
  • 遠藤雄弥(東田甚太)
  • 安川まり(峰子)

概要

よねを尾行し、初めて法廷で傍聴することになった寅子。行なわれていた裁判は、離婚の決着がつかない夫婦の間で、せめて形見の着物を返してほしいと妻が夫を訴えたものだった。妻には所有権がないことを知って憤る寅子は、帰宅後に優三を質問攻めにする。なぜ結婚した女の財産は夫の管理下に置かれるのか。女性が置かれる理不尽な立場を認識した寅子は、「結婚」にますます懐疑的になる。(NHKオンデマンドの解説より)

女性も弁護士になれるような法改正が延期になったことについて事情説明に訪れた穂高重親に、寅子は傍聴した裁判の話を伝え、妻が財産を取り戻せないのは本当か尋ねる。穂高は、法律に正解はない、君たちだったらどう弁護し、どういう判決をくだすか考えてごらんと投げ返される。

感想

妻に財産の所有権が法的にないことを知って憤る寅子をなだめる優三の手綱が見事。「深呼吸してー、ハイ吸ってー、吐いてー」

最近寅子と優三の仲がいいね、と話す花江と直道。直道は「駆け落ちまでしようとしたくらいだから」と言い、はるが「あれは間違いだって言っているでしょ!」と叱るが、え、そんな事件ありましたっけ? 

先週登場した名村辰が演じる小橋浩之、今日もクレジットがあった。新聞記者かと思ったけど、そうではなく、どうやら明律大学の(女子をからかう)男子学生みたいだ。



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「虎に翼」(007)

第02週「女三人寄ればかしましい?」(火)

放送日

  • 2024年4月9日

登場人物

概要

華族の令嬢・涼子、最年長の梅子、留学生の香淑とお昼を食べるようになった寅子だったが、誰とも群れない山田よねとは距離が縮まらないでいた。世間の風は冷たく、新聞は寅子たち女子部の新入生をおもしろおかしく取り上げる。そんな中、法改正が延期になるとの知らせが届く。動揺する中山を慰めようとする一同に、よねは冷たい言葉を浴びせる。(NHKオンデマンドの解説より)

よねは午後まだ授業があるのに、勝手に早退してしまう。気になった寅子が追いかけると、彼女は裁判所へ吸い込まれていった。

感想

中山千春は泣き虫と言うには度が過ぎる。何もあんなに大きな声で、注目を集めるように泣かなくても……とは思う。山田よねが、こんなことで泣く人も、綺麗事を言って慰める人たちも嫌うのはわからなくはないが、だったら見に来ないで(誰もいない)教室でお勉強していればよさそうなものなのに、わざわざ取り巻きに近寄って悪態を吐く。この攻撃性はどうしたことか。

今日も伊藤一二三と山根初代のクレジットあり。伊藤は寅子を見て「よく堂々としていられる」と非難したじーさんで山根はそんな寅子を励ました近所のおばちゃんか?



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「虎に翼」(006)

第02週「女三人寄ればかしましい?」(月)

放送日

  • 2024年4月8日

登場人物

  • 土居志央梨(山田よね、男装)
  • 桜井ユキ(桜川涼子、新入生代表) ←第一話で写真だけ登場したけど
  • 平岩紙(大庭梅子)
  • ハ・ヨンス(崔香淑)
  • 小林涼子(久保田聡子、先輩)
  • 安藤輪子(中山千春、先輩)
  • 高橋努(竹中次郎、新聞記者)
  • 名村辰(小橋浩之)
  • 羽瀬川なぎ(玉、桜川家のお付)
  • 久保酎吉(明律大学学長)
  • 津村知与支(総務部長)
  • 五頭岳夫(おじいさん講師)
  • うらじぬの(笠松まつ)

概要

昭和7年(1932年)。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子や留学生の崔香淑らがいる。「女性に弁護士資格が認められる法改正はまもなく」という学長の言葉や、穂高教授との再会もあり、やる気に胸を膨らませる寅子。新入生案内が終わり、張り切る寅子に、山田よねは「ヘラヘラしてうっとうしい」と言い放つ。(NHKオンデマンドの解説より)

語り

「お察しと思いますが、優三はまた試験に落ちました」

感想

いよいよ明律大学入学。新しいキャラがどっと登場し消化が大変だが、女子部の方々はみなキャラが立っておりわかりやすかった。新入生代表で挨拶をした桜川涼子は英語で(きれいな発音!)話し出すし、付き人を帯同している。山田よねは男装し、ピリピリして寅子らに突っかかって来る。一期生たる先輩は7人、それ以外の人はどこにいるのかと思ったら、入学した80人に対し、現在は全員で7人なのだという。中山千春は、これ以上法律の勉強を続けるなら別れると言われ、先日婚約者と別れたばかり。同じ大学の男子は、そんなことやってると嫁の貰い手がなくなるぞ~と低レベルにからかってくる。

いろいろ言いたいことはないでもないが、まずはこれから始まるキャンパスライフを眺めよう。



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(10)「月夜の陰謀」

題名

  • 「光る君へ」第10話「月夜の陰謀」

放送日

  • 2024年3月10日

登場人物

概要

兼家は道長たち一族を巻き込んで、秘密裏に花山天皇を退位させ、孫の懐仁親王を擁立する計画を進め始める。その頃まひろは、家に帰ってこない為時を案じ、妾の家を訪ねてみる。そこには身寄りもなく最期を迎えようとしている妾の看病をする為時の姿があった。帰宅したまひろのもとに道長からの恋文が届く。まひろは道長への文をしたため始めるが……。(公式サイトより)

道長はまひろに、一緒に都を出ようと誘う。藤原を捨てると。だからここまま一緒に行こう、まひろも父と弟を捨ててくれ、と。まひろは、それは嬉しいけど、道長様はこれから偉くなって、よりよき政を行なってほしい。一緒には行かないと断わる。断わるけど、そのまま二人は結ばれる……

道兼に言いくるめられた花山天皇は、ついに出家を決意し頭を剃る。が、一緒に出家するはずの道兼は態度を翻す。花山天皇が内裏を出たあと門をすべて締め、神器を懐仁親王の許へ運び出す。クーデターは成ったのだ。

今日のまひろ

「私は、都であたなのことを見るめ続けます。片時も目を離さず、誰よりも愛おしい道長さまが政によってこの国を変えていく様を、死ぬまで見つめ続けます」

今日のまひろ(2)

「人はしあわせでも泣くし、悲しくても泣くのよ」
「これはどっちなんだ」
「どっちも」

雑感

ついにまひろと道長が結ばれた。だがそれは、将来を約束されたものではなかった。毎回琴線を揺さぶる内容だが、第5回に続いてドカンときた。

まあ、甘ちゃんだなあとは思う。都を出て、いったいどうやって暮らしていくつもりなのか。どこに住むのか。仕事はどうやって見つける。都の外の民の暮らしがどんなものなのか、道長は全くわかっていない。わかっていないのに、「まひろと一緒ならなんでもできる」と言う。それでも、大臣や関白や摂政になる道をまひろのために捨てるというのは、一大決心には違いない。

タイトルの「陰謀」とは「寛和の変」を指す。寛和2年6月23日に発生した、花山天皇の退位・出家及びそれに伴う政変のことだ。これが昨年、あるいは一昨年の大河であれば、数百人の武士が取り囲んで……ということになろうが、誰一人死ぬことなく政変は終わった。しかし、それと同等の、いやそれ以上の激しさがあった。

「よしこの霊を鎮めるためには花山天皇が出家するしかない」という前提の上とは言え、道兼はよく誘導したものである。ドラマで見る限りは、今回の政変は、ほとんど道兼一人で行なったようなものだ。それに見合う褒美が与えられるといいが。

道綱が謀りごとに加えられるが、ことの恐ろしさを理解していない。寧子は道綱も出世させてくれと兼家に要求するが、兼家の許で出世するとは、こういうことなのだ。

為時は高倉の女のところに入り浸りで家に帰って来ない。いとは不安に思っている。いとは単なる乳母というだけでなく、為時と関係があったのだろうか。気になってまひろが覗きに行ったら、乳繰り合っていたのではなく、病気になり余命わずかな妾のことを必死で看病していた。妾が必ずしもみじめだというわけではないのだ。父のことを見直すまひろであった。

今日のtwitter


山田裕貴と西野七瀬が結婚

2024年3月31日、山田裕貴西野七瀬が結婚したことが報告された。美男美女かつ好感度の高い俳優同士のカップルで、実に微笑ましい。自分が知ったのは翌日の午前中だったため、エイプリルフールのフェイクニュースかと訝しんだが、事実だった。

世間の評価も概ね好意的と思われるが、「反町隆史松嶋菜々子以来の美男美女カップル」という報道を目にした時は驚いた。いくらなんでもそれはないだろう。本ブログの記載は漏れも抜けも多いが、反町・松嶋以降も40件以上の結婚を報告している(全部並べようかと思ったが、多過ぎるのでやめた)。美男美女のカップルはたくさんいるから。

二人が共演した「ハコヅメ」は楽しいドラマだった。二人の未来に幸あれ。

「虎に翼」(005)

第01週「女賢しくて牛売り損なう?」(金)

放送日

  • 2024年4月5日

概要

穂高に出くわしたことで女子部への出願がはるにばれてしまった寅子。娘に普通の結婚を望むはるは弁護士を目指すなど当然大反対。必死に説得しようとする寅子に、はるは現実の厳しさを教え、明日改めて振袖を買いに行こうと提案する。翌日、母との待ち合わせ場所で寅子は裁判官の桂場に再会。母を説得する方法を尋ねると、「私も女子部進学には反対だ」と言われてしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の寅子と桂場とはる

「それに私、同じ土俵にさえ立てれば、殿方に負ける気は」
「いいや負ける。通うまでもなくわかる。君のように甘やかされて育ったお嬢さんは、土俵に上がるまでもなく、血を見るまでもなく、傷つき、泣いて逃げ出すのがオチだろう」
「お黙んなさい!」

感想

「結婚するのが女の幸せ」――母はるがラスボスかと思われたが、ちょっとしたきっかけで味方になった。

はるが心配していたのは、進学したら、寅子は一番になるかも知れない、法律家にもなれるかも知れない、でもなれなかった時は? いや、たとえなれても、その先は? 嫁に行き遅れ、みじめな生活を送らなければならない。それは地獄なのだと。でも、寅子には、母の言う結婚生活自体が地獄にしか思えない。地獄へ行く覚悟があるのなら……はるが「子どもの気持ちを第一に考える」と言っていたのは嘘ではなかった。

桂場が、おだんごを食べようとしているところへ寅子がやってきてお礼を言い、そこから議論になる。最後ははると。その間、何度かおだんごを口の側まで持っていくが、ついにひとくちも食べることができなかった。この松山のコミカルな演技は二度見ても笑える。思えば、第一話で、寅子の配属先の上司が桂場だった。焼き芋を食べようとした時に寅子が挨拶をし、食べるのに待ったをかけられたのだ。

「どうする家康」でも、松山ケンイチ(の扮する本多正信)は隙あらば食べ物を口に頬張っていた。


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「虎に翼」(004)

第01週「女賢しくて牛売り損なう?」(木)

放送日

  • 2024年4月4日

概要

味方のはずの直言も頼りにならず、寅子ははるに女子部の話を切り出せない。そうこうするうちに花江と直道の結婚式が迫る。式が終わるまでおとなしくしていてと花江に釘を刺された寅子は、「したたかに」ふるまう作戦に出る。しかし、重要な場面で男性の横でスンッとしている女性の姿には納得できない寅子。式が終わり、いよいよ寅子ははるの説得を決意するが……。(NHKオンデマンドの解説より)

結婚式と同じ会場であったイベントに穂高重親が出席しており、式を済ませた直言、はるらとバッタリ顔を合わせる。両親と穂高先生は面識がある様子。直言は大学で穂高教授の生徒であり、ゼミ合宿か学会参加のための旅行か、一緒に泊まった旅館で女中として働くはるに直言が一目惚れ。最終的に穂高が二人の仲人を務めた、ということらしい。

寅子を認めた穂高は、直言くんの子だったのか、珍しい名字だからもしやと思っていたが、と言い、「君は合格だよ、待っています」と伝える。直言とはるは青ざめる。

翌朝、寅子ははるに黙っていたことを謝罪し、結婚式が終わるまで話す機会がなかっただけで隠すつもりではなかったと釈明。そして、進学したい意を伝える。はるは……

感想

穂高と寅子の両親が顔見知りだったのは意外だが、顔を合わせた瞬間に、ここでバレるのは決定的なので、視聴者も全員「アチャー」となった。

「飲みに誘いたいところだが、息子さんの結婚式とあればそうはいかないだろうな」という穂高に「いえ、こちらはもう大丈夫だから、どうぞ行っていらして」と直言を送り出したはるが不気味。本来、このあとは直言を問い質すところだろうが、直言抜きでまず寅子から話を聞こうと思ったか。

が、いきなり翌朝になってしまったので、その日の夜は何もなかったようだ。

お米を研いでいるはるの背中に寅子が話しかけるが、はるの背中が怖かった。石田ゆり子はあまり好きな役者ではなかったが、今日の演技は見事。というか怖い。早く決着させてほしい。

佐田はいいなあ。法律の道に進むならこういう本を読んだらいいんじゃないかと思う本を寅子にプレゼント。寅子は喜ぶが、自分に言わせれば喜び方が足りない。寅子が喜ぶことは何かを考えてくれて、考えた結果は確かに当たっていて、実際に行動で示してくれる。こういう男は貴重だよ。兄の直道も寅子のことを考えてはくれているが、考えた結果はまるで外している。ワカッテイナイ。寅子の思考は標準から外れているから、必ずしも直道が間抜けなわけではない。

直言や寅子のうしろで、やきもきした顔をしているのがツボだ。家のことを誰よりもわかっているのだ。


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「虎に翼」(003)

第01週「女賢しくて牛売り損なう?」(水)

放送日

  • 2024年4月3日

登場人物

概要

教室から聞こえた「女性は無能力者」という言葉に思わず反応してしまった寅子は、教授の穂高重親と臨時講師の裁判官・桂場等一郎と出会う。法律に強い関心を持つ寅子に「明律大学女子部法科」へ来いと言う穂高。そこは、女性も弁護士になれる時代が来ることを見越した女性のための法律の学校だった。希望を見いだした寅子は母・はるが実家に帰っている間に出願しようと企む。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の穂高と寅子

「続けて」
「それは、女が無能だということでしょうか?」

今日の佐田(と直言)

「本当にいいんですか。その、奥様がお許しになりますかね」

感想

佐田の通っている法学校では、穂高が寅子の意見を聞こうとする。ただの遣いの女なのだが、授業の内容に耳を留め、その内容に疑問を感じたことに、見どころありと感じたか? 法律家になろうとする人間は、こうした市井の声にも耳を傾けるべきだと考えたからか?

法律用語の「無能力者」は日常語の「無能力」とは意味が違うが、それを知らない寅子を笑う学生らに桂場が「何がおかしい、彼女はわからないことを質問しているだけだ」と叱責するのもいい。桂場は終始不機嫌だが、寅子が女だから不機嫌だというわけではないのだ。

そして、穂高が寅子に明律大学に誘い、その気になった寅子が父親に相談、直言は娘は見合いより進学の方が向いていると考えて賛成する。が、佐田は、はるが賛成するとは思えず、はるが賛成しない限り、直言がなんと言おうと話は進まないと思っているところがオカシイ。

当時の民法では女性に一切の決定権がなかったとは知らなかったが、法律は法律、実態は別にあるということだ。逆に、実態はどうあれ、表向きの家長は直言。そういう矛盾があるのだ。

直言と寅子が出願のために内申書の提出を女学校の担任に求めた時も、担任は「奥様はご存知なのですか!」と訊き返し「まずは奥様と相談されては」と薦めるのは、はるがこんなことを認めるわけがないと思ったからだ。今から6年も学校に行けば、卒業するのは20代半ば、そうなったらもう嫁の貰い手はないのではないか、まして女性があまり賢くなり過ぎても……

直言はいくつになっても寅子に嫁の貰い手がないなどということはないと信じ込んでいるし、寅子自身は必ずしも結婚したいとは思っていなかったから、響かないアドバイスではあったが、これが当時の一般的な見方なのだろう。今でもこういう風潮は消えたわけではない。

もうひとつ、能天気にただ「結婚」に憧れていただけのように見えた花江が、実はしたたかな戦略で直道を仕留めたと知り、寅子が唖然とするシーンがある。女が自分の望みを叶えるのはとても大変だからこそ、したたかにならなければいけない、寅子はなんでも正直過ぎるというのだ。見合いの席でも思ったことをすぐに口に出してぶち壊しにしてきた寅子にとっては、考えさせられる一件だった。


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「虎に翼」(002)

第01週「女賢しくて牛売り損なう?」(火)

放送日

  • 2024年4月1日

登場人物

概要

寅子がお見合いに苦戦する中、親友の花江は寅子の兄・直道との結婚準備を順調に進めていた。在学中に結婚することが夢だった花江。寅子には女性が当然歩むべきとされる道がピンとこない。そんな中、大学の夜間部に通う下宿人・佐田優三に弁当を届けに行った寅子は、教授・穂高重親、裁判官・桂場等一郎と出会う。この出会いが寅子の運命を変える。(NHKオンデマンドの解説より)

今日の直道

「おれには、わ・か・る」

感想

もういいから寅子は佐田優三と付き合っちゃえよ。佐田は司法試験の浪人中だが、銀行で働いて収入もあるし、よいではないか。寅子の話をちゃんと聞いてくれている様子を見てそう思った。

前回、見合いの相手の横山太一郎を怒らせるに至った寅子のセリフが直接には見られず、まあ調子に乗って生意気なことをしゃべったんだろうと想像してくださいということかと思ったが、今日はそこもていねいに放映してくれた。伊藤沙莉の早口は本当に心地いい。これからこのセリフ回しが折に触れて聞けるかと思うとワクワクする。

花江は在学中に結婚するのが夢だったと語る。そういえば「らんまん」でも、女学校では在学中に結婚相手を見つけて次々にやめていく話が出て来た。双方の両親と仲人による顔合わせの会では、双方の父親がまるで全部自分たちがやりましたという顔をしているが、実際にほとんどのおぜん立てをしたのは両家とも母親。が、母親は何も言わず夫を立てている。寅子はそういうところがいいとは思えないのだ。

はるが急遽帰省することになり、寅子は留守の間の家事を任される。寅子は花江と稲を「予行演習をさせてあげる」と称して助っ人として呼ぶ。夜学に通う佐田のお弁当を作り忘れたため、あとから届けに行くが、ちょうど講義で

「この場合、実子の長女よりも認知された庶子の方が相続権は上位に至る。この法的根拠を説明できる者は」
「それは、婚姻状態にある女性は無能力者だからであります」

というやりとりを耳にし、女性が無能力者であるという部分に寅子は叫び声をあげる。

田中真弓が出演していてびっくり。役者をすることもあるのか。一昨年の「鎌倉殿の13人」には山寺宏一が出ていたが。

クレジットのあった伊藤一二三と山根初代がわからない。伊藤は寅子に「お帰り」と声をかけた近所の爺さんか?(後ろ姿のみで顔が見えない) 山根はそれっぽい人が見当たらない……。


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「虎に翼」(001)

第01週「女賢しくて牛売り損なう?」(月)

放送日

  • 2024年4月1日

音楽

  • 森優太

主題歌

  • 「さよーならまたいつか!」米津玄師

登場人物

概要

昭和6年(1931年)・東京。女学校に通う猪爪寅子は父・直言、母・はるから次々とお見合いを勧められる。女学校を出たら結婚し、子どもを産み、家庭を守るのが当然とされていたからだ。だが、納得できない寅子。やりたいことはないものの、結婚するのも何かが違う……。同級生で親友の花江に「親不孝」と言われ、三度目の正直と意気込んだお見合いの席で、寅子は調子に乗ってしまう。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

日本国憲法が発布され、猪爪寅子が日本初の女性弁護士になったところから始まった。そして昔に戻って話が始まるが、幼少期は描かれず、いきなり本役で始まった。

女学校を出たら嫁に行かせるべく、両親はお見合いを手配。本人は梅丸歌劇団に入ろうと家出を画策するが、見つかって阻止される。一度目のお見合いは席上で居眠りをしてしまい破断。二度目は父から「女学校の成績は一二を争っており」と紹介されると「二位です、一位じゃないです。でも私あの成績には納得がいっていません、テストの点数は同じだったのに。先生に訊いたら内申点の差だと言われたんですけど……」などと葉や釘で話し出し、破断。三度目の相手は、世界情勢やアメリカの政策失敗などを滔々と語り、寅子がそれに意見を言うと「自分は対等に語り合える夫婦が理想」と最初は鷹揚なところを見せるが、自分が話について行けなくなると「女のくせに生意気なッ」と怒鳴って席を立ってしまう……。

今の感覚だと「ちっちぇえ男たちだなあ、そんな奴と結婚しなくていいよ」となるけど、自分が目の前でこういうことを言われたら、どうすればいいのかわからんね。親友からは、学校を出たら嫁に行くのが育ててくれた両親への恩返しだと言われてしまうし。

寅子の父親は花湯にいたアホのおっちゃん。そして寅子は(花咲ではなく)梅丸歌劇団を目指すという。そこはかとなく前作とのつながりを感じる一種の楽屋落ちだ。ついでに親子喧嘩の際にはるが夫に「あなたは黙っていて頂戴」と言ったのも、そこはかとなく麻里子さんを連想させる。寅子はスズ子と同い年だそうなので、「そういうことですよ」と示す意味もあるのだろう。伊藤沙莉の早口がいい。これからもこういう感じのコメディタッチで行ってほしい。


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(09)「遠くの国」

題名

  • 「光る君へ」第09話「遠くの国」

放送日

  • 2024年3月3日

登場人物

  • 初登場の人はなし(初めてか?)

概要

東三条殿に入った盗賊の正体は直秀ら散楽一座だった。道長の命で検非違使に引き渡される。一方、直秀らの隠れ家を訪ねていたまひろは盗賊仲間と勘違いされ、獄に連行される。宮中では、花山天皇と義懐の関係が悪化し、代わって道兼が信頼を得始めていた。その頃、兼家を看病する詮子を思いもよらぬ事態が待ち受けていた。(公式サイトより)

今日の実資と桐子

「先の帝はすべてのことをよくご覧になっていた。先の帝が懐かしい」
「懐かしんでも院が帝に戻られはしませんから」
「わかっておる」
「わかっているならもう言わないで」
「わしが公卿であれば!」
「じゃあそれ、日記に書けばよろしいのでは? そうよ、日記、日記」
「日記には書かぬ! 恥ずかしくて書けぬ」

今日の兼家

「これより力のすべてをかけて帝を玉座より引きおろしたてまつる。皆心してついて来い」

今日の惟規(と為時)

「一念通天(ひたすら念じれば思いはかなう)、率先垂範(人の先に立って物事を行い模範となれ)、温故知新(古事をたずねて新しい知見を得よ)、独学固陋(ころう)(独学による学問はひとりよがりになる)、肝に命じよ」
「今のわかった?」
「ひとつわかった」

雑感

道長は、盗賊を捕らえた兵たちに、速やかに検非違使に引き渡すよう指示を出し、検非違使の役人には心づけを渡して、何も盗まれておらず、誰も傷つけられていないから、手荒なことをしないよう依頼する。その後、取り調べを受けることなく流罪と決まったが、実際には鳥辺野へ連れていかれ斬り殺されたのだった。

釈放される時間を聞いて、最後の別れを告げようと道長とまひろが検非違使庁へ向かったら、既に釈放されたあと。この情報の違いは故意か、偶然か(話を伝えた人が間違えた、あるいはその後なんらかの事情で時刻が変わった、もしくは道長に邪魔されないようわざと違う時刻を伝えた)。

検非違使庁の役人は、二度と盗賊を働かないよう手を折って釈放すると言った(道長の同僚や捕まった散楽の連中はむち打ち30回くらいではないかと言った)。無罪放免というわけには行かないから、ケガをさせるわけにいかないとなれば流罪だが、7人もの人間を流罪にするというのは大変だ。列車も自動車もない時代、流刑地まで誰かが連れて行き、また戻って来なければいけないから。それを面倒がって、流したことにして殺してしまえとなったのか。道長の意図を逆に受け取った(藤原家に恥をかかせた者たちを決して許すな)という説も見た。道長から心づけを受け取った役人が、喜んでいる様子でもなかったのが気になる。

兼家は意識不明状態を脱し、子らに対して一丸となって帝を引きずり下ろすよう指示を出す。気絶したのは本当だが、帰宅後、意識を取り戻していた。安倍晴明に、帝を退位させたいが手がないと打ち明けると、晴明は、気絶したふりを続けるように言う。兼家が倒れたのはよしこ様の怨霊のせいだと噂を流す。その兼家が息を吹き返したということは、よしこの霊が兼家を離れ、内裏をさまよっているということ。その霊を成仏させるためには帝が出家するしかない、と安倍晴明花山天皇に伝える。

事情が判明し、目が点になっている道隆、道長、詮子に対し、道兼が、へへん俺は知っていたもんね、それだけ親父に信頼されているんだもんね、とドヤ顔をしていたのが可愛かった。それにしても花山天皇の道兼への信用度合いが凄すぎて可哀相になる。花山天皇はいい人なのだが、人を見る目がない。いい人なのだが!

それにしても、道長とまひろ、二人の初の共同作業が、共通の友人の死体の埋葬とは……。直秀の手に自分の扇子を握らせた道長がいじましい。罪人ではなく、芸人として逝かせてやりたかったということだろうか。

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