中世的世界の形成

石母田正
出版社: 岩波書店
出版年: 1985/09 (初版は1944年、昭和19年)

日本史を専門にする方々、あるいは日本で歴史学を学んでいる方々には言わずと知れた名著なのだろうけれど、すいませんすいません、僕はぜんぜん知りませんでした。著者の名前ぐらいは聞いたことがありましたけど。
畏れ多くも、眺め読み、走り読み。これまたY先生にお借りしたのだけど、ほとんど読まないうちにもう返さねばならず、先生が絶賛するその内容はと、ちょっと散策してみる。読んでいて、石母田はやっぱりマルクス読んでたんだなあとか。 土地制度への関心とかも、その辺から来てるのかなあとか(たぶんそうでしょ)。

読んでいて面白いなと思ったのは次の一節。

本来黒田庄の在地武士団の子孫であったこれらの地侍は、何故庄民を組織するかわりにそれから孤立して山賊・追剥的な一面をもつようになり、同じ黒田庄の百姓の家屋に放火し無意味な殺人を行い、墓を発くような行動に出るに至ったのであろうか。かかる道徳的頽廃は、偶然のものでなく、黒田悪党の固有の面であるとすれば、かかる性格は農村武士の性格やこの時代の風潮から皮相に説くべきでなく、むしろこれらの悪党が住んでいた黒田庄という世界との生きた関連において理解すべきであろう。一人の人間が頽廃する現象はその人間が結ばれている世界の頽廃の表現であるから、これらの武士の頽廃も深い根拠なくして起り得るものではない(386ページ)。

ここの部分は、自分の専門分野にひきつけても考えることができて、ひじょーに面白い。がしかし、そのためにはもっとちゃんと読まねば。

El mosaico indígena: movilidad, estratificación social y mestizaje en el Corregimiento de Cuenca (Ecuador) del siglo XVI al XVIII

Poloni-Simard, Jacques

Editores: IFEA - Abya Yala
Paginación: 605 p: ill., tab., graph., ann., bibliogr. p. 577-605
Peso: 964 gr
Formato: 17 x 24 cm
ISBN: 9978-22-591-9
Los autores y el IFEA: Poloni-Simard, Jacques

Y先生から、もう数ヶ月も前に貸していただいたのが、ほとんどまだ読めていない。そろそろ先生の帰国に伴って本を返さねばらないのだけど、備忘録にここにしるしておこう。背表紙の紹介を読む限りでは、これから数年後に書こうと思っている博論にかなり関係のありそうなテーマ。公証人役場の史料、特に遺産目録を使って、先住民貴族VS先住民平民といった二項対立にとどまらない先住民社会内部の複層性を描き出すとのこと。他の社会集団とのメスティサッヘと先住民社会内での差異化の両方の進行によって、さまざまな社会集団が新たに誕生していくさまが扱われているという。ぜひぜひ読みたいが時間が...時間が...

「このモノグラフィーは、植民地時代という長期持続の時間のなかにおける先住民の社会的アイデンティティの形成・変化に関するひとつのモデルを提起するものである」、というフレーズはかなり魅力的。今度、奨学金そのた資金獲得のためのプロジェクトでこんな感じのまとめを使ってみよう。実際、チアパネカの言語が失われていく過程を追うのだけど、最終的な到達予定地は400年間にわたってのアイデンティティの変遷の歴史なのだから。

著者のPoloni-SimardはパリのEHESSで教員をやっていて、かの雑誌『アナール』の編集長をやってるそうだ。今年たぶんフランスで会うかもしれない(いや多分会う)から、向こうでスペ語備忘用に一読しておこう(多分ね...)。

Estudiar el mundo indígena en América española, entre los siglos XVI y XVIII, consiste en encarar el tema de la "república de los indios", uno de los estamentos que componía la sociedad colonial, dentro de la cual los individuos se definían por sus obligaciones fiscales hacia la Corona. Gracias a la documentación notarial, especialmente los testamentos, la historia del corregimiento de Cuencia (Audiencia de Quito) revela la heterogeneidad de la sociedad indígena, que no se reduce a la sola oposición entre los miembros del común y los caciques. Las diversas formas de adaptación al sistema colonial dieron lugar al florecimiento de nuevos grupos sociales, bajo el efecto de los mecanismos de diferenciación interna y de los procesos de mestizaje, especialmente en la ciudad. El análisis de las redes sociales confirma que los indios han sido actores de las mutaciones observadas, mientras que las dinámicas socio-económicas ponen de manifiesto la maleabilidad de las estructuras colectivas.
Estudio monográfico, El mosaico indígena propone así un modelo sobre las recomposiciones de las identidades sociales indígenas, en la larga duración del periodo colonial.

Jacques Poloni-Simard, doctor en historia, ha sido investigador del IFEA y de la Casa de Velázquez. Docente en la École des Hautes Études en Sciences Sociales (París), actualmente se desempeña también como director de la revista Annales. Histoire, sciences sociales.

Contenido:

1.- Abreviaturas
2.- Agradecimiento
3.- Introducción general
4.- La dominación española
5.- La recomposición de la sociedad indígena
6.- La sociedad indígena a través del prisma de las escrituras notariales
7.- La fragmentación de las condiciones sociales indígenas
8.- Espacios, límites y modalidades de la movilidad social
9.- El nuevo contexto económico
10.- Población y doblamiento
11.- La segmentación de la sociedad indígena
12.- Conclusión general
13.- Anexos
14.- Índice de mapas
15.- Índice de cuadros
16.- Índice de figuras

人種概念の普遍性を問う

http://kyodo.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~race/book001.htm

人種概念の普遍性を問う:西洋的パラダイムを超えて

* メーカー/出版社: 人文書院
* 発売日: 2005-02
* メディア: Book


Ⅰ 総論 人種概念の包括的理解に向けて 竹沢泰子

人種概念を洗い直す/人種概念の起源をめぐる大論争とその陥穽/人種概念の三つの位相/「モンゴロイド」「コーカサイド」「ネグロイド」/DNAからみる「アジア人」「ヨーロッパ人」「アフリカ人」/分類という常套手段と暴力

Ⅱ 「白色人種」「黒色人種」「黄色人種

一九世紀ヨーロッパにおける人種と不平等――身体と歴史 ロバート・ムーア(五十嵐泰正訳)/北米における人種イデオロギー オードリー・スメドリー(山下淑美訳)/中国史上の人種概念をめぐって 坂元ひろ子/*近代人種主義の二つの系譜とその交錯――地域連鎖の世界史から人種を考える 田辺明生

Ⅲ 近代日本における人種と人種主義

人種・民族・日本人――戦前日本の人類学と人種概念 坂野 徹/「南島人」とは誰のことか 冨山一郎/人種主義と部落差別 黒川みどり/*近代天皇制と賤・穢 高木博志

Ⅳ 植民地主義とその残影

インドにおけるカースト・人種・植民地主義――社会通念と西洋科学の相互作用 サブハードラ・チャンナ(工藤正子/門田健一訳)/人種主義的アフリカ観の残影――「セム」「ハム」と「ニグロ」 栗本英世/人種的共同性の再構築のために――黒人性再想像運動の経験から 松田素二/*調停される「帝国の視点」――双方向性のなかで人種概念を見直す 井野瀬久美惠

Ⅴ ヒトの多様性と同一性――自然人類学からみる「人種」

「人種」は生物学的に有効な概念ではない C・ローリング・ブレイス/瀬口典子(瀬口典子訳)/人種よさらば 斎藤成也/日本人の生物人類学者にとって、「人種」とは何なのか? 片山一道/*生物学的概念としての人種 多賀谷 昭

【書名】人種概念の普遍性を問う:西洋的パラダイムを越えて
【編者】竹沢泰子
【刊行】2005年2月20日
【出版】人文書院,京都
【頁数】548 pp.
【定価】3,800円(本体価格)
【ISBN】4-409-53030-5

近代統計制度の国際比較

近代統計制度の国際比較―ヨーロッパとアジアにおける社会統計の成立と展開

* 作者: 安元稔
* 出版社/メーカー: 日本経済評論社
* 発売日: 2007/12/29
* メディア: 単行本

目次
第1章 スウェーデンにおける人口統計の生成 石原俊時
第2章 ドイツにおける国勢調査の成立 桜井健吾
第3章 近代センサスの成立過程 安元稔
第4章 ヴィクトリアン・センサス 山本千映
第5章 日本おける人口センサス 佐藤正広
第6章 日本の植民地行政と植民地統計 佐藤正広