フェリーニのローマ


圧倒されてしまった。
ここまでカルチャーが違うのか。今更、やっと今更その大きな事実に気付かされた感じ。どこまでが冗談でどこまでが本気なのかを推測するのさえ難しいくらい、私が今までみてきた文脈から離れてた。絵作りにいたっては層が厚過ぎて。構図がカッコいいとかそういう事を軽く言えない。込み入って雑然としてるのに、全てが計算通りのような。こんなことを一体どうやってイメージするんだ。そもそもなんでストーリーがないようなこんな長い映像を飽きさせないで(いやむしろ夢中にさせて)作れるの。

とにかく、すごいなあ。






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年のせい

つまんなくてもおもしろくてもウォン・カーワイ作品は
取りあえずスクリーンで見る事が義務だと思っている節がある。
ジュード・ロウが演技しているところを初めて見た。
ノラ・ジョーンズ加藤ローサ似。
レイチェル・ワイズいかす〜。
撮影はクリストファー・ドイルじゃなかった。
なんか、自分の若かった頃を思い出すんだよなあ。ストーリーのせいじゃなくて。






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ハリー・キャラハン

先週NHKhiがダンディ選手権ていう特番をやってて、
その下らなさ加減はタモリ倶楽部も超えるのではというくらいのおもしろさだった。
内容は、アート、音楽、文学、芸能、政治思想からそれぞれ3,4人のダンディを挙げ、
各部門でNo.1を選出し、更にそこからベストオブダンディを決定しつつ、
失われつつある男の美学、哲学、生き方を語り合うというもの。
ベストオブダンディは文芸批評家のサイード、次点に植木等が選ばれてた。
マニアックだよ…。
出演者たち(姜尚中鹿島茂高橋源一郎佐野史郎ピーター・バラカン)が
ダンディを8時間語りつくし、最終的にはどうでもいいやって空気になってるところが
よかったです。
ダンディを語ってる君たちの下らなさ加減がダンディ、と思いました。


と思ってたら、昨日ダーティハリー2をたまたまTVでやってて、
やっぱイカすわ、ダンディと言えばクリント・イーストウッド(ハリー役の)だ、
と自分の中で決着。


それにしてもダーティハリー2のオチには笑い過ぎて涙が出たよ。
昔の映画はのんびりしてていいなあ。それでいて絵作りは徹底していて
構図とかライティングとかめちゃかっこいい。
そのアンバランスさがまたダンディ。




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暗闇で目を凝らせ!

今週は4日間連続でプリントの〆切が重なり、4日間フルで暗室に入っていた。
最初の3日間は平均15カットをプリントしていいペースを保っていたのだけど、
4日目になって色を判断する目がおかしくなってきて、急激にペースダウンした。
こうなってくるとほんとはプリントしたものを一晩おき、客観的な目で
もう一度セレクトするのが一番なんだけど(深夜に書いたラブレターみたい)、
今回はそんな時間もなかった。


とにかく夕方最後の納品を済ませて、チャリで西麻布の坂を駆け上りながら、
「今日は春のように暖かいなあ」って今更のように気がついた。
今晩はワインを飲もう。お風呂にゆっくり浸かろう。
シューベルトを聴こう。そして目を休ませよう。






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