お知らせ★今後の更新について♪

2012年になりました。
こちらの映画感想日記は、以後、支柱としております『クララの森・少女愛惜』にても更新していります。相変わらず、マイペースな更新ではございますが、今年からは出来るだけ更新頻度を高めてゆけたらと想っております。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします☆

『コールガール』 屈折した心の闇を抱く女性ブリー(ジェーン・フォンダ)と警官クルート(ドナルド・サザーランド)監督:アラン・J・パクラ 1971年

cinema-chouchou2011-02-23


★アラン・J・パクラ監督の1971年映画『コールガール』のジェーン・フォンダは好き。原題は『KLUTE』なので、警官のジョン・クルートのこと。クルートを演じるドナルド・サザーランドも渋いです。舞台はニューヨークという大都会。その街でコールガールという仕事をしているブリー・ダニエルスは美しくクールな佇まい。しかしながら、心の闇がヒリヒリする程伝わる。それも実に静かに。ジェーン・フォンダはこの作品で、アカデミー賞主演女優賞を獲得されている。他にも名演は多い大女優ですが、役柄によって好きなものとあまり...というものが。それはまったくの個人的な好みの問題。そんな中でこのブリー役は大好きなのです。

この女性ブリーは元々は女優志願なのだけれど、そううまく事は運ばない。生計のためにコールガールというお仕事に身を置いている。またブリーは精神科医をいくつか掛け持ちしている。謎の手紙や殺人...どうなるのだろうかとミステリーとしても上等。全体を覆っているのは「クール」!大都会で生きる若い女性の孤独感、その女性を監視しながら次第に思いを募らせるクルートの優しさもクールでさり気なくて良い。そして、マイケル・スモールの音楽が格別素晴らしい!その上、ゴードン・ウィリスのカメラワークはとても相性が良く好きなので、私にはかなり印象強い傑作なのです。

ロイ・シャイダーが悪役で登場しますが、上手い脇役が居ると主役がさらに引き立つのだと、またしても再認識。そして、この撮影当時、ジェーン・フォンダドナルド・サザーランドは私生活でもロマンスの頃なので、クルートのブリーをしっかり見守る優しさや、二人の息の合った中での作品ということも大きいのだろうとも思います。

コールガール/KLUTE
1971年・アメリカ映画

監督・製作:アラン・J・パクラ 脚本:アンディ・ルイス、デイヴ・ルイス 撮影:ゴードン・ウィリス 音楽:マイケル・スモール
出演:ジェーン・フォンダドナルド・サザーランドロイ・シャイダー、チャールズ・シオッフィ、ドロシー・トリスタン、リタ・ガム、ネイサン・ジョージ、ロザリンド・キャッシュ、ジーン・ステイプルトン、ヴィヴィアン・ネイザン

コールガール [DVD]

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『不良少女 魔子』★夏純子(魔子)が美しい! 監督:蔵原惟二 1971年

cinema-chouchou2011-02-22

★1971年の日活と大映統合のダイニチ映画『不良少女 魔子』を先日ようやく観た。タイトルが以前から気になっていた「魔子」がどんな不良少女なのだろうと。そして、夏純子主演の映画を観たことがなかったことも楽しみの理由だった。

天下の日活もこの時期は低迷期で最後の力を振り絞るかたち...素人の私が偉そうに言うのも変ですがそんな雰囲気が伝わり、ある意味切ない思いで結末の行方を観ていた。(個人的に「日活映画」は50年代から60年代の作品が好きで、「東宝」「松竹」「東映」映画をより多く観ていて好きな作品は「東宝」「松竹」作品に多い。)

不良少女グループのリーダー的存在の魔子は破天荒な毎日を他の少女たちと送っている。少女といっても高校は卒業(退学かな)しているであろうくらいの年齢なので、20歳前後のメンバーぽい。制服で万引きする女子高校生グループと喧嘩したりして、その品物を奪ったり...まあ、良くない人たち。何故、この魔子たち(不良少女グループ)が、こうも自堕落な生活を送ることになったのかは想像するしかない。魔子が行きつけのゴーゴー・クラブでガンガン踊っている時に、若い男性グループと知り合い、その中の一人の男性秀夫に恋をする。

ところが、魔子の兄(藤竜也)は安岡組のやくざでそこのボス役で宍戸錠も少し出演。そんな不良少女グループと青年グループと暴力団との絡みで魔子の愛した青年は死んでしまう。そのグループの中には翌年1972年頃には『太陽にほえろ!』の「殿下」としてブレイクする小野寺昭が居たのは良かった(「殿下」好きなので)。裏切るかたちになるのだけれど、やはり"華"があると再認識。

最後に魔子のアップの瞳から涙がこぼれる場面はジーンと来た。70年代初頭の当時のファッションも好きなので、特に夏純子と戸部夕子(ユリ役)の美しさばかりを目で追っていた。お話的には期待した程面白い展開ではなかったけれど、観れて良かったかな。

余談ながら、『太陽にほえろ!』のジーパン刑事時代に夏純子はゲスト出演されていた。また、最も記憶に残っているドラマは桜田淳子石立鉄男主演の『玉ねぎむいたら』の中で前半、石立鉄男の彼女役のグラフィックデザイナー役で出演されていた「友子さん」の印象が強く残っています。クールな美しさで素敵な女優だと思います。

不良少女 魔子
1971年・日本映画
監督:蔵原惟二 脚本:藤井鷹史、黒木三郎 撮影:山崎善弘 美術:木村威夫 編集:鈴木晄 音楽:鏑木創
出演:夏純子、小野寺昭藤竜也宍戸錠、岡崎二朗、深江章喜、戸部夕子、美波節子、原田千枝子、太田美鈴

不良少女 魔子 [DVD]

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『キス』著:キャスリン・ハリソン★作家キャスリン・ハリソンの少女時代

cinema-chouchou2011-02-21


★表紙の女性から何かを感じ、安価であったこともあり即購入。未読本が多いので暫くそのままにしていたのだけれど、読んでみようと思い一気に読み終えた。

けれど、途中幾度か不快な思いが襲うので読むのをやめようかとも思いながら、後半頃にはすっかり読み耽っていた。読後の重い余韻が私の心を締め付けるようでもあった。納得出来ない苛立ちのようなものと、主人公の少女の心を思うと、涙が止まらなくなっていた。

このお話は実話であるということ、実の娘と父親との近親相姦。そして娘と母親...私の人生に於いて父親という存在は途轍もなく大きい。故人である今現在も。尊敬と威厳、父の姿から誇りや高貴、あるいは孤独や拘りを学んできた。

この本の中の父親は牧師である(父親のみ偽名で登場)。我が娘を自分の大切な存在と思い愛するのは分かるけれど、性愛へ発展する過程が理解できずに読んでいた。この父親は私は好きになれない!でも、少女の気持ちを色々と想像してゆく内に、彼女が好きになっていた。母親や祖母との女同士の関係も家族と言えども複雑。また娘と父親という関係もまた。

作家キャスリン・ハリソンの自分の過去の事実を書くという勇気、「書いておかなければ」という気持ちが伝わるものでした。最後まで読んで良かったです。

※ノン・フィクションですが、性的描写はさらりとしていたのも好感が持てました。

キス (新潮文庫)

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『リトル・ミス・サンシャイン』 ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督 (2006年)

cinema-chouchou2010-01-13

リトル・ミス・サンシャイン/LITTLE MISS SUNSHINE
2006年・アメリカ映画

監督:ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス 脚本:マイケル・アーント 撮影:ティム・サーステッド 衣装デザイン:ナンシー・スタイナー 音楽:マイケル・ダナ

出演:グレッグ・キニアトニ・コレットスティーヴ・カレルアラン・アーキンポール・ダノアビゲイル・ブレスリンブライアン・クランストン、マーク・タートルトーブ

【あらすじ】
アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、家族それぞれに問題を抱え崩壊寸前。パパのリチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、長男ドウェーンはそんなパパに反抗して沈黙を続ける。9歳の妹オリーヴはとうてい無謀なミスコン優勝を夢見て、ヘロイン常習のグランパは勝手言いたい放題。さらにはそこへゲイで自殺未遂の伯父フランクまで加わる始末。ママ、シェリルの孤軍奮闘も虚しく家族はバラバラ。そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れる。そこで一家は旅費節約のため、オンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、はるばる開催地のカリフォルニア目指して出発するのだった。だがその道中、彼らは各々の問題と直面してその現実と向き合う羽目になるなど、散々なドライブに。そして、一家に衝撃的な出来事が起きてしまう…。(ALLCINEMAデータより)

★感想をメモしておこうと想いながら更新が出来ずにいる映画がいっぱいなのだけれど、この『リトル・ミス・サンシャイン』もそのひとつ。インディペンデント映画ながらアメリカでも大ヒット。往年の名優アラン・アーキンアカデミー賞助演男優賞を受賞された作品なので楽しみにしていた。残念ながら劇場での鑑賞ではなくレンタルにて。

ママ役のトニ・コレットも好きな女優さまで、演技派&個性派女優だと想う。この映画の中で父親は「勝ち組」と「負け組」を論じる。家族だからと云っても性格も考え方も様々なのだ。このフーヴァー一家の人々は可笑しいくらいに個性的でバラバラ。それぞれに問題を抱えているのだけれど家族としての纏りはない。そんな崩壊寸前の一家が、9歳の娘オリーヴの「ミス・コンテスト」出場となりカリフォルニアへ向かうという愉快なロードムーヴィー。車が途中で故障したり、長男のドウェーンが喋ったり、おじいちゃんが急死したり...色々なことがありながら。アラン・アーキン演じるおじいちゃんが急に亡くなってしまう場面はビックリ!私はアラン・アーキンを第一目的で観たのでちょっと終盤の登場がなくて残念だった。でも、この家族の中にあって希望の光のような少女オリーヴを演じるアビゲイル・ブレスリン、ドウェーンを演じるポール・ダノの兄妹の存在が印象深く残っている。ドウェーンのあの”一切喋らない”姿勢は一見脱力感に溢れたものだけれど、凄い存在感だった。伯父さんのフランクが家にやって来て結構気が合うのだった。この伯父フランクはプルーストの研究学者でインテリながら、心の問題は教え子の男性を他の男性に取られてしまい落ち込んでいるゲイのお方。私としては随所に興味のある映画だった。

そして想う。人生に於いて「勝ち組」とはなんだろう...と。そういう私はこのパパの考え方からすると明らかに「負け組」の人間だろうと。でも、私ながらの人生を歩んでいるのだし悲しくても辛くても人生謳歌しているつもり。そもそも、人の人生に勝ち負けを誰が決めることができるだろう。お金持ちで社会的に成功する人々がみんな勝ち組とも限らない。その成功ゆえに不幸な人生を送る場合も多々ある。もっとも、そのような思想にはまったく興味のない私なのだけれど、この映画を観てやはり”関係ない”って想えた。帰りの一家はおじいちゃんが居なくなったけれど、行きよりも会話が増え、それぞれの表情に笑みが戻ったようだった。また、人間の魅力というのは色々あるけれど、私はやはり「個性」というものが好き。そんな人たちが社会から少しズレていたりしてもそれもとっても興味深い人生に映ることが多い♪

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映画『ひめゆりの塔』を幾つか観て想う儚き少女たち

cinema-chouchou2009-11-29


あゝひめゆりの塔
1968年・日本映画

監督:舛田利雄 原作:石野径一郎ひめゆりの塔」 脚本:若井基成石森史郎八木保太郎 撮影:横山実 美術:木村威夫 音楽:真鍋理一郎

出演:吉永小百合和泉雅子浜田光夫、遠山智英子、乙羽信子中村翫右衛門、青木義朗、二谷英明藤竜也、浜川智子、高樹蓉子、音無美紀子北島マヤ、寺島君枝

ひめゆりの塔
1982年・日本映画

監督:今井正 原作:石野径一郎ひめゆりの塔」 脚本:水木洋子 撮影:原一民 美術:坂口武玄、大鶴泰弘 音楽:池辺晋一郎 主題歌:さだまさし

出演:栗原小巻古手川祐子大場久美子、斉藤とも子、蜷川有紀田中好子、牛原千恵、篠田三郎津嘉山正種田村高廣地井武男、神崎愛、中原ひとみ、明石勤、下絛アトム、役所広司、矢崎滋

ひめゆりの塔
1995年・日本映画

監督:神山征二郎 原作:仲宗根政善ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」 脚色:神山征二郎、加藤伸代 撮影:飯村雅彦 美術:育野重一 編集:近藤光雄 音楽:佐藤勝

出演:沢口靖子、永島敏行、後藤久美子中江有里高嶋政宏吉行和子神山繁

★私は映画が好きなお陰で多くのことを教えて頂いたり考えさせられたり、きっと限りなくいつまでもそんな日々だろう。第二次世界大戦での日本の敗北、焼け野原になり物資もなく困窮に陥った時代。たった60余年前のこと。その当時を生きてこられた方々、家族に犠牲者を持つ方々、恩師や友、恋人を失った方々も今を生きておられる。「昭和」と云ってもこうした戦争の時代もあれば、バブルな時代もある。私は暢気にバブルをバブルと当時感じることさえ出きず、のうのうと生きてきた戦争を知らない子供。「沖縄戦」という史実を知らずにいた。何故、米軍が沖縄に駐屯することになったのか、その後の返還に至る流れをようやく把握(おおまかにだけれど)出来るようになった。それはやはり映画からのこと。同名の原作を映画化した今井正監督による1982年の『ひめゆりの塔』の衝撃が大きい。まだ10代の女子生徒たちが従軍しなくてはならないなんて!

乙女たちよ 知っていたのか 青春の砂時計に残された 
はかない いのちを・・・・・

劇中、明るく愛らしい笑顔の少女たち、みんなで合唱する儚き輝く刻が今も浮かぶ。まだお若い頃の古手川祐子さんが特に印象強く残っている。また、宮城先生役の栗原小巻さんのお美しさと凛々しさ。師を敬い慕う美しき少女たちと身を持って接する尊き姿の先生たち。美しい!けれど、史実が悲劇なので映画化だからと云ってハッピーエンドで終えることなどできない。内容は脚色されているだろうけれど、私は「ひめゆり」と聞くと反応してしまう。先生と生徒、227名がこの戦争で亡くなられている。これから、教師への道、また恋する季節の思春期の少女たち。夢と希望はそれぞれにあったはずなのに。「青春」という短い刻を戦争という狂騒の中に身を投じることになった運命。生き残られたお方もこの悲劇は心の傷跡として消えることはないだろう。そして、徴兵され兵役を担う運命になった方々も。この青年兵士たちの様子は、1968年の舛田利雄監督による映画『あゝひめゆりの塔』で考えさせられたように想う。吉永小百合さんと浜田光夫さんの青春コンビだった。吉永小百合さんの妹的な存在だったのではないだろうか、和泉雅子さんもまだお若く可愛いかった。

熱心な「サユリスト」であった母の姿が吉永小百合さんの出演されている映画を観るとどうしても浮かぶ。私はもっと後の世代だけれど、子供の頃から栗原小巻さんが好きだったので、もう少し早く生まれていたなら「コマキスト」と呼ばれていただろうか。宮城先生は最後は目が見えなくなってしまう。爆撃の連続の毎日で気がふれてしまう少女たち。負傷して壕から脱出できず死に至ってしまったり、解放後も米軍に引き渡されることを拒み手榴弾で自らの命を絶ってしまった少女たち。「ひめゆりの少女たち」のことを知って良かった。もっと学びたいとも想う☆

●“ひめゆり”の由来●
沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校には、それぞれ校友会誌があり、一高女は「乙姫」、師範は「白百合」と名づけられていました。両校が併置された際、校友会誌もひとつになり、両方の名前を合わせて「姫百合」と名づけられました。ひらがなで「ひめゆり」と使うようになったのは戦後です。「ひめゆり平和祈念資料館」より。

『ひめゆりの塔』の少女たち★映画で知った「ひめゆり学徒隊」の儚く散って行った命を想う : クララの森・少女愛惜

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里中満智子マンガの中の郷ひろみ

cinema-chouchou2009-10-22


昨日の記事に里中満智子さまのお名前を記さなかったのは別に予定が脳内にあるもので。纏まっていないので少しだけ綴っておこうと想う。幼少時の少女マンガ耽溺の日々が始まった私ですが、『なかよし』は大人気の『キャンディ・キャンディ』以外にも、レギュラー的な作家先生方はおられた。殊に里中満智子さまは好きであった。最も有名なのは『アリエスの乙女たち』でしょうが『フレンド』だったかな。思いっきり号泣した私。その中の路美と笑美子の路美(ひろみ捩りと思い込んでいる私)が好きで憧れていた。前後してしまうけれど、『スポット・ライト』の後、『ミスターレディ』(1976年)の連載が始まった。その主人公の太郎と花子の太郎は、「デビューした辺りのひろみ」をモデルにしたような絵である。里中満智子さまはひろみのファンであるとご本人が仰っていたもので、ついつい、作品の中で巻き毛の可愛い少年が出てくると、「あっ!ひろみだ」って思ってしまっていた。『マコとツトムのファースト・キッス』のツトムは『ミスターレディ』の太郎にそっくり、ひろみのような男の子。

『ミスター・レディ、ミスター・マダム』というフランス映画がある。フランスらしいコメディで好きな映画。里中満智子さまは一時期、よくテレビに出演されていた。何年頃だったのだろう...記憶が間違っていなければ「クイズ・ダービー」にも。あの番組は好きで観ていた。ああ、懐かしい!

もう少し時代が進むけれど、ひろみの衣装デザインもされている。これも間違っていたら教えてください。『洪水の前』とか『悲しきメモリー』(共に1977年)など。私は特に『洪水の前』の全身白の美麗なお姿が大好きだった。また、この曲の振り付けも好き。勿論、あのシュっとした綺麗な姿勢のひろみである。すっかり、「郷ひろみ讃歌」な記事が続いているけれど、70年代から80年代のあのヒット曲たちを時代と共に再度眺めてみると驚異的なのだ。ニュー・ミュージックやロック(バンド)が台頭してきた中で、歌謡曲としてヒット曲を生み、かつスターであり続けていたのはひろみとジュリーである!ジュリーはGSの頃からのアイドルで、ひろみより世代は上(ボウイと1つ違いだし)。どちらがどうのではないけれど、私はGS世代ではない(ネオ・GS世代)のでやはり「新御三家」以降と共に少女時代の想い出がいっぱい。女の子アイドルは、ひろみと同期の麻丘めぐみアグネス・チャン、三人娘(桜田淳子山口百恵の曲は色々聴いているけれど、森昌子はほとんど知らない)、キャンディーズ(ピンク・レディよりもずっと好きだった!)、松本ちえこ...という70年代アイドルたちが好きであった。中森明菜小泉今日子の登場時(キョンキョンはひろみと同じ事務所で妹的な存在)だと、松本伊代伊藤つかさが少女っぽくて好きだった。松田聖子はデビュー前からのひろみファンで豪語していたのでなんとなく危険な気がしていた。危険と云えば!ああ!木ノ内みどりが好きだった!!そして、おにゃんこは絶対に!河合その子ちゃん。彼女ばかり観ていた。バイトが終ってからも隠れるように、CDジャケットの中のお写真を眺めていたものだ(このお二人は共に後藤次利の危険な罠にハマってしまった)。既に洋楽を聴き始めていたので自分で購入することは滅多に無かったけれど、女優としての桜田淳子を継続して応援していたのだけれど...半引退状態が続いているのは残念。ミニスカートの似合うアイドルが好きだったように想う。お声も高めの方が好き。さらに痩身なお方。ちょっと膝をキュっと曲げたり首を傾げたり...そんな小さな振り付けの女の子歌手を観ていると「可愛い!」と、邦楽に疎くなっていながらも気になっては眺めていた。基本的に「女の子(女性)好き」なのは、いつの間にかすっかり年季も入って来たようだ。組み込まれた何かが私の中にある。もう取り除くことも不可能なようだし、別に後戻りなんてしたくもない。

「ひろみ讃歌」はまだ追々。なぜなら、良い楽曲が多いもの!カッコイイし。流石に今はもう54歳。嘗ての「可愛いひろみ」ではないけれど、ストイシズムは「ひろみ美学」である。決して太らない。朝6:00ピッタリに起床してトレーニングを毎日欠かさない。こんなお方は結婚生活は無理だろうとも想う。けれど「郷ひろみ」であるためには正負の法則故に、犠牲にしなくてはならないことも数多いだろう。凡人には分からないスターの宿命を背負っているのである。そうでなければ維持できないだろう。コンサートも全国だし、最近の曲も動きが多いけれど呼吸の乱れなどない。あの姿勢の美しさ、ストイックさを受け継げるとしたら東山君(ヒガシ)だけだろうと想う気持ちは長年変わらないが、まだまだ、ひろみは嶮しい世界で生き続けるであろう。


里中満智子さまのデザイン衣装で歌う『洪水の前』(1977年・22枚目シングル・ひろみ21歳)の動画もあった。でも、やはりもうあまり無いみたい。「今日の1枚」の画像は『ミスターレディ』の絵をスキャンしました。里中先生はちゃんと額にひろみを入れてくださっていて嬉しいです!太郎なのですが♪

ミスターレディ (1) (講談社漫画文庫) ミスターレディ (2) (講談社漫画文庫) アリエスの乙女たち(1) (中公文庫―コミック版)