・・・14万ヒット御礼。
▼「たかじんのそこまで言って委員会」
※番組HP http://www.ytv.co.jp/takajin/>若者に人気の「週刊ヤングジャンプ」で掲載されている本宮ひろ志氏の漫画『国が燃える』の中のいわゆる "南京大虐殺"に関しての描写に抗議が殺到し、休載が決定しました。日本国内でも犠牲者の数やその存在をめぐって以前から様々な論争が繰り広げられてきた南京大虐殺ですが、日本と中国間での歴史認識にも大きく違いがあるわけで…
※http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/6112/nikkiokoshi-0410.html#Anchor1033449で、各出演者の発言内容を掲載
・・・突っ込みどころはもはや星の数ほどあるが、最も許せないのはこの人物。
金(美齢)
「西尾先生がおっしゃった写真、死骸に抱きついて泣いている。もし大虐殺があったら、そんな写真が撮られて残るわけないんですよ。本質的なこと考えれば、あとで寄り集めた、又は作りあげた物だとわかる。日本人の気質として、原爆を落とされても風化して忘れてる。よく言えば、あっさり、さっぱりした気質。執念がない。3日経てば忘れる。それが南京に押し入って、軍隊が勝ったにもかかわらず、虐殺して歩くような、日本の軍人はそんな気質ではないと信じてる。東京裁判で日本を悪者にしたくてでっち上げられたものだと私は思う」
・・・この番組には一切の期待をしていなかったが、この侮辱的な発言を↑スルーしている、周囲の共演者たちの気持ちが知れない。あるいは本当に原爆を落とされたことを風化させて忘れてるのかもしれない。
・・・ところで。
今回の本宮ひろ志『国が燃える』言論弾圧事件。
その中心となったのは、衛星テレビ局「ちゃんねる桜」と、それに関係の深い地方議員だった。
ちゃんねる桜は、「日本会議」(※)の提供を受けている。
(※)神道政治連盟や生長の家など、保守派政治家との関係が深い宗教団体の連合体。
※くわしくはこちらを↓
▼本宮・集英社に「グッジョブ」を! http://d.hatena.ne.jp/claw/00010110
▼「桜ちゃんねら議員」の正体 http://d.hatena.ne.jp/claw/00010111
▼ちゃんねる桜 http://www.ch-sakura.jp/
▼日本会議 http://www.nipponkaigi.org/
・・・そういえば、この金美齢氏もちゃんねる桜人脈だな。
▼金美齢HP
http://www.kin-birei.jp/index2.html
>好評放送中の『金美齢とおいしい仲間たち』(金曜日19:00〜)、今週のゲストは元産経新聞論説委員、帝京大学教授の高山正之先生です。どうぞお楽しみに。
>『金美齢と美味しい仲間たち』 毎週金曜日19:00〜
スカイパーフェクTV「日本文化チャンネル桜」(767チャンネル)にて
詳細はHPをご覧下さい。<2004.10.13>
「新しい教科書をつくる会」名誉会長の西尾幹二氏も、もちろんちゃんねる桜人脈だ。
▼西尾幹二with「ちゃんねる桜」
http://www.ch-sakura.jp/publish.php
http://www.ch-sakura.jp/asia.php
※「つくる会」は「ちゃんねる桜」の後援組織。
http://www.ch-sakura.jp/history.php
おやおやあ?パネリストの作家・井沢元彦先生も、ちゃんねる桜人脈じゃないか。
▼井沢元彦with「ちゃんねる桜」
http://www.ch-sakura.jp/koenkai.html
あらあらあらあら。評論家の三宅久之先生。あなたまで!!!
▼新しい歴史教科書をつくる会 賛同者
>三宅 久之 政治評論家
http://www.tsukurukai.com/02_about_us/06_support.html※くどいようだが、「つくる会」は「ちゃんねる桜」の後援組織。
・・・要するに今回の番組は
『国が燃える』を政治的に弾圧した側「だけ」による
一方的な欠席裁判だった、ということだ。
(会場「え〜」と驚き)
しかも、その事実は最後まで視聴者に隠したままだ。
こんな出来レースを、一体なんと呼べばいい?
「まるでスペインの宗教裁判だ」か?
それとも「東京裁判」か?(@∀@)
(会場、引きウケ)
(同番組より)http://dklog.jp/u/yuuko999/
>辛坊(治郎。よみうりテレビアナウンサー)
「(西尾)先生には一理あるんですが、今回の出演者はどっちか言うと、右か左かと言うと右がメインなので、虐殺あったと、日本を非難する側をゲストに招こうとしたが、そういう人は今論戦に参加しようとしないんです。もう1回またやりますので、そういう立場の方にぜひ出てきていただきたい。苦情は、匿名のFAXやメールは来るんですが、顔を出しての議論になかなかならないんです」
・・・この発言は明らかに無知の産物だ。
もし私が近現代史の研究者なら、どのような立場であれ、このようなバラエティショーに出て行くことはまずありえない。
それによって、自分の研究が勝手に「政治的に色分け」され、学問的に正当に評価されなくなるおそれがあるからだ。
それにまた、こういうことも考えてみよう。近現代史を実証研究しようと思えば、さまざまな立場の人と会って、歴史上の事象に関する証言を収集しなければならない。ところが、その対象者に「あんたはこないだ、テレビでこういうことをいっとったじゃないか。そんなやつとは話はできん」といわれてしまえば、貴重な証言を得る機会はパアだ。こんなことが続けば、研究は成り立たなくなる。
だから、こういう番組にほいほい出演して、「政治的に色分け」されることも平気な「研究者」というのは、そういうことに無頓着な人を除けば、「はなから実証研究の水準向上を念頭においていない人」だけ、ということになる。それでも生きていけるとしたら、その人は「研究者としての学問的な業績」によって収入を得ているのではないからだろう。つまり、「学問的業績とはまったく別の評価」によって、収入を得ているとみるべきだ。
・・・もうひとつ、「学問的良心」の問題も存在する。
たとえば、「南京大虐殺の死者数は、いったい何人なのか」という質問がある。
この質問に対して、「わたしは■■万人だと思う」とキッパリ答えられるような学者がいたら、それはちょっと疑ってかかったほうがいい。
学問的に誠実な研究者であればあるほど、この質問に対して明確な答えは出せないだろうし、推計したとしても数万人単位の誤差があることは認めざるを得ないだろう。あたりまえだ、70年前の不十分な統計、それも相互に重複があるかもしれない統計を元に「ある犠牲者数」を推計したところで、それは確実に誤差を含んでいるに決まっているではないか。
しかも日本政府は、南京大虐殺に関する重大な資料をいまだに公開していない。これがどれほど研究を阻害していることか。
→『この国には明かせない秘密がある』参照。
http://d.hatena.ne.jp/claw/20041016
そのくせ政府は、「南京大虐殺があった」ということだけは対外的に認めているのだから、なんとも中途半端な「反省」っぷりだ。
→『日本政府は南京大虐殺を認めている』
http://d.hatena.ne.jp/claw/00010121
・・・さて、「犠牲者数は、そうガッチリとは特定できない」という「学問的に誠実な態度」は、「テレビ」というフレームの中ではどう映るだろうか。
おそらくは「あいまいな、ハッキリしない態度である」と見えてしまうはずだ。
ここぞとばかり、「南京虐殺なかったで厨」研究者(ちゃんねる桜系)は、
「ハッキリした数値が出せないのは、実は虐殺なんかなかったからではないか?」
と、視聴者にに印象づけようとするだろう。
これは果たして「フェアな対決」といえるのだろうか?
・・・何が問題かといえば、「バラエティ番組制作の方法論」は、「学問における真実探求の方法論」とはそもそも別の次元にあるというのに、それを理解していない(あるいはわざと理解しないようにしている)番組制作者がいけないのだ。
・・・つまり、こうしたバラエティ番組に呼ぶべきなのは学者などではない。
「生き証人」だ。実際に虐殺を経験した人間の証言を聞くべきなのだ。プライバシー対策を十分に考慮すれば、決して不可能なことではない。
・・・さらに、中国人や韓国人、北朝鮮人、フィリピン人、シンガポール人、マレーシア人、インドネシア人、ウチナンチュ(沖縄人)など、旧日本軍による侵略と虐殺を経験した各国の人々も呼んでこい。身内が日本兵に殺された、あるいは食われたという人たちが、アジア諸国にはいくらでもいる。みんな呼んできて西尾幹二と対決させるがいい。「前例がない」とは言わせない。『ここがヘンだよ日本人』がとっくにやっていることだ。簡単なことだろうに。なぜやらないんだ?!
・・・とりあえず、金美齢は許さない。その発言は撤回してもらおうと思う。むろん、こんな発言を放置した他の連中にも容赦はしない。
>日本人の気質として、原爆を落とされても風化して忘れてる。よく言えば、あっさり、さっぱりした気質。執念がない。3日経てば忘れる。
ふざけるな。
【抗議先いちらん】
▼よみうりテレビ 番組への意見 メールフォーム
https://mscw.msec.ne.jp/ytv-cgi/opinion/bangumi/bangumi.html
※抗議の根拠は、民放連の放送倫理基本綱領。
http://www.nab.or.jp/htm/ethics/idea.html▼金美齢事務所
kinbirei@helen.ocn.ne.jp
※抗議の根拠は、↓これ。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/atomic_bomb/
あるいは、↓これ。
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C8%EF%C7%FA%BC%D4
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
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この作品を、人間の心を持った人たちにすすめる。
決して歴史の痛みを忘れない人たちにすすめる。
・・・この本を読んだ人なら、きっとわかってくれるはずだ。
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