だれが払うの?イラン風会計の仕方イラン風会計の仕方
ナオミさんからチカさんへのお手紙での質問。
「イスラエルでは、例えば何人かで食事をしたときに、どんな風に会計をしますか?」
そしてナオミさん曰く、イランでは・・・・
こちらだと、Bozorg(年上あるいは立場が上の人)が支払うというのが割と普通だと思うんですよ。学生同士で割り勘にするにしても、日本のように、一円単位まできっちり計算するというのは滅多にない光景で、誰かしらが、端数を持つとかするものなんですよ。今回は私ねと。
で、私の場合、日本人留学生などと一緒の場合は、年齢的にも、一応とはいえ働いているので、やっぱり、少し多めに支払うくらいのことはします。で、イラン人の教え子と一緒にタクシーに乗ったら、やっぱり彼らがお金を出すと言っても私が出すのが普通なんですね。
実際には、非常勤の給料なんてないに等しいですし、いつも懐に余裕があるわけではないのですが、でもまあ、一応とはいえ年上なんだし、仕事もしているんだしと、特に疑問を持つこともなく奢ったり、多めに負担をしたりすることをしていたんですね。逆に、私が私より立場や年齢が上の人にはよくごちそうになったりしていますし。イラン的なやり方からしても、私個人の性格からしても、きっちり割り勘でなくても良いじゃない、という感じなんですけど。まあ、なんというか、もちつもたれつ、というところでしょうか。
イスラエルだときっちり分けるのかな?と気になったんですね。 お金の払方一つにしてもお国柄がありますよね。きっと。
チカさんのナオミさんへの返答お手紙はこんなふう。
ナオミさんのお話、さすがイランという気がします。イスラエルではどうなんでしょうね。年齢に関係なくさらりと割り勘というのが一般的なんじゃないかなあと思いますが、私の個人的な限られた学生的な交友関係だけかもしれませんけど。
親しい仲では持ちつ持たれつで、時には奢りあいもありますね。男性の友人同士の場合はどちらかが奢る、または大目に出すというの見かけます。まあ、このあたりはやっぱり男のたてまえみたいなものなのでしょうか。
親しい女性の友人がいますが、彼女は「絶対におごられたくない!」主義者のようで、彼女が全額払うことがあっても、私がそうしようとすると必死に止めますね。イスラエルの女性はとてもガンコな方が多いので、口では勝てませんから、あっさり引き下がることが多いんですけどね。わはははっ。
年配の方たちの場合、あまり外で食事をする、またはコーヒーを飲みに行くという習慣があまりないような気がします。外でコーヒーを飲むくらいならお互いの家で、奥さんの作ったケーキとミルクと砂糖たっぷりのネスカフェで、ズズズーっと、という感じでしょうか。エルサレムでも若い女性がカフェに出かけたりするのはよく見かけますが、おばちゃんたちがカフェに行くというのもかなり稀な気がします。
あ、これを書いていて思ったんですけどね、イランでは中年層の方々(語弊があります?この表現?)が行かれるようなおしゃれなレストランなどはありますか?チャイハネのようなローカルなものはあるでしょうけどね。
エルサレムではそうですね、マハネ・イェフダ市場のあたりなどではローカルな食堂のようなものはあっても、やはり中年層はきちんとした食事は自宅に呼び合って、というのが多いような気がします。
テヘランとエルサレムの魚と水
魚食べツアーからお帰りになったテヘランのナオミさんと、エルサレムのチカさんの交換日記での一こま。
ナオミさん:湾岸ではちょうどマグロがシーズンだったらしくて、一緒に行った留学生たちと新鮮なマグロを買って、刺身にして食べました。
エルサレムは魚が高いんですか。これは意外。イランは湾岸とカスピ海岸を除くと魚を食べる習慣がほとんどないに等しいので、日本から来た人にはちょっと辛いです。テヘランは地図で見るとカスピ海に近いのですけど、テヘランとカスピ海の間に横たわる山脈が、魚文化を断絶させてしまっています。そのため、テヘランでも魚は高いし新鮮じゃないですね。お正月のごちそうです。
チカさん:マグロか・・・・。くっ・・・うらやましい。エルサレム一のいいお魚屋さんで以前はマグロの真空パックが売っていたのですが、かなり高かったですよ〜。日本並みの値段じゃないかと思いました。生のサーモンとかもよく売っているのですが、やっぱり日本並みで高いですね。一キロ70シェケルほどかな。日本円だと大雑把に見て1700円ほどでしょうか?冷凍のサーモンは安いのですが、やっぱり身がカスカス・・・。あとは黒鯛や小鯛、アジ、いわしなんてのもありますよ。
ナオミさん:テヘランの魚屋よりずっと魚が良さそうでうらやましいです。値段が高いのは一緒かもしれないですけど。
ところで、鯉とか鮒とかの淡水魚は養殖ですか?
らくさん:そうだと思いますよ。デニスと呼ばれる黒鯛の一種も養殖でもあるようです。本当は地中海があるのだから養殖でないほうがいいと思うんですけどね。
ナオミさん:こちらでは最近、健康のために魚を食べようキャンペーンを政府が打ち出していて、ニジマスの養殖が盛んです。淡水魚だからどこでも養殖をしやすいということなんでしょうが、イラン全国どこへ行っても養殖のニジマスを食べさせられるのでちょっと閉口しています。 物価といえば、チカさんがUPしていたデニースというお魚。おいしそうでしたけど、値段を見てびっくりでした。高いんですね〜。こちらで800円出したら、羊の肉が2キロ近く買えるかも。
魚の調理法はどんなのがありますか?イランよりは絶対にバラエティーがありそうですよね。フナやコイはちょっと遠慮したいですけど。
チカさん:虹鱒ですか。おいしそうじゃないですか。こちらでも売っていますが、やっぱり高いですね。しかもかなり大きい。魚の調理法はそうですね〜、アシュケナジー系はあっさりシンプルなゲフィルテ・フィッシュと呼ばれる魚のつみれ風。中東系はグリルでじゅ〜じゅ〜!香辛料たっぷりで揚げたり(笑)。モロッコ系はチリとパプリカでまっかっか〜&オリーブオイルでギトギト。
大きく分けたらこんな感じでしょうか。私はやっぱり魚の味を感じられる塩焼きがいい!北陸でだったら煮魚がいいのですが、エルサレムでは水が硬いから煮魚にしてもおいしくないですね。
ナオミさん:イランはというかテヘランは軟水なんです。もちろん、日本に比べると硬いんですけど、でも十分軟水の範囲だという…。だから、お茶も高級なお茶はともかく、普通に飲むようなお茶だったらあまり日本と変わらずに飲めるんですよ。
硬水だと確かに、シャンプーの泡が全然立たないですよね〜。テヘランでも日本に比べると泡は立ちにくいですけど、ごわごわするところまでは行かないので助かっています。でも石灰分が多いから毛穴が痛むとかで、抜け毛が増えますね。
チカさん:あらっ、テヘランは軟水なんですか?ほ〜。イスラエルというか、エルサレムはがっちんがっちんの硬水。なので日本の緑茶なんて、まず色が黄色っぽくなったり、香りも味もあまり感じられないですね。カルキがきついのかな。ポットでお湯を沸かすと、下のほうに白くカルキが固まってて・・・。改めて、いかにも不味そうな水ですねえ。わははっ。
シャワーも、シャンプーたくさん使いますワ。なんだか汚れが落ちているのかいないのかわからないというか。あ、そんなに身の回りを不潔にしているわけじゃないんですけど、あはは。石鹸やボディーソープもここの水質にあったものでなければ、洗い流せないような感じがします。やっぱり水は柔らかいほうがいいのかなあと思ったりも。
テヘランとエルサレムのスカート事情
ある日のメールの中で、チカさんが二枚のスカートを一枚の値段で買ったという話をされました。
その話に反応したナオミさんは、イランではスカートは家の中でははけるけど、外ではあまりはけないとこぼしました。
ナオミさんからチカさんへのおたよりから:
「そうなんです!スカートはあまり誉められた格好じゃないんです!
私は昔、そのために大学の構内へ入れてもらえなかったことがあるくらいです!スカートがめくれると足が見えてしまうから、というのですけど、靴下とかストッキングをはいていればいいじゃん?と非常に理不尽さを感じています。
おばさんたちは結構スカートのまま外出してしまうんですけどね。若い女性はやっぱりズボンです。
考えてみたら、こちらの女性のファッションは、昔から、遊牧民の系統を引いていて、スカートの下にズボンをはく形なんですよね。あるいは、あるいは5メートルくらいの布を使ってとてつもなく沢山のギャザーを寄せるか。」
チカさんからのお返事は?
「足が隠れるほど長いスカートならOKかと思いましたが、そうではないのですねえ。そう言われてみれば、東エルサレムでもロングコートの下はスカートではないですね。
スカーフばっちりにパンツ姿はかっこいいなあと思ったりもするのですが(笑)。
エルサレムでも宗教的な若い女性などは、ズボンの上からスカートをはいています。ちょうど直美さんのブログのほうに載っていた写真のような感じですが、やっぱりこちらはノーマッドな雰囲気で、もたもたっと流浪気味ですが(笑)」
エルサレムでも宗教的な女性たちのスカートは、イランのスカートのはき方と同じだった!
テヘランとエルサレムの寿司事情
ナオミさんとのメールで、時々「何かおいしいものが食べたいですね〜」と、食べ物の話になることがあります。そんな時、チカのエルサレムの自宅では、手巻き寿司を作ります。これが一番手ごろで、失敗なく満足できる和食。
そんな会話の一部です。
ナオミさんからお手紙着いた:
「ところで、手巻き寿司…いいですねえ。こちらでも海苔は日本食を売っている店で手に入りますけど、高いので買ったことがありません(笑)。いつも人からもらっています。
寿司ネタはどんなものがあるのでしょう?生の魚は問題なしですか?」
チカさんたら読まずに食べた・・・:
「テヘランでは海苔は高級品・・・・。なるほど〜。エルサレムでは250円ほどで10枚入りの焼き海苔が売っています。かなりお手ごろ。これもアメリカからの寿司好き移住者様様というところでしょうか(笑)。
寿司ねた、生の魚は、たまに自分用に黒鯛なのか縞鯛なのかわからないデニースと呼ばれる鯛系の魚を三枚におろして、握りにすることもありますよ。でもこれはよっぽど気合が入っていないと作らないですけど(笑)。この魚は意外と新鮮なことが多いのでOKです。あと私がよく使うのは、スモークサーモンです。他にはスモークした鯖とか、シーチキンをデンブにしたり。お寿司を食べたことのないイスラエルの方に作るときはショックが大きすぎるというか、抵抗のある人とない人がいらっしゃるので、まずスモークならいけるだろうと。」
ピクルスのこと (エルサレムより)
ナオミさん、こんばんは。
ほ〜、テヘランにもカレー色のピクルス、あるんですねえ。ターメリックで色合いをつける意味ってなんでしょうね?単に見栄えをよくすることなのでしょうか。私もターメリックの入っているものと入っていないものの味自体の違いはほとんど感じません。
出身国によって異なるか・・・、うーん、どうなんでしょうね。中東とアフリカ系の方は問題なくこのターメリック・ピクルスですが、ヨーロッパ系はどうでしょうか。どちらかというと、ちょっと甘めシンプルなキュウ、のピクルスが主流なのでは?と思ったりもします。
黒いオリーブ、ないのですか?!これは以外。ほー。黒いオリーブは塩漬けのようなしょっぱさです。あとは赤紫のような色で実の厚いオリーブのピクルスもありますよ。少々高価ですが、おいしいですワ。
スパイス・ラインを調べるのもおもしろいかもしれないですね。
ピクルスのこと (テヘランより)
チカさんのUPしていたカレー色のピクルスを見て、「おお〜〜テヘランにもあるぞ〜〜」っと思わず、声を上げてしまいました。
そうなんですよね〜カレー味じゃないんですよね。ターメリックで色が付けてあるだけ。ターメリックの風味はあるけど、やっぱりカレー味とは違うし、実は私、ターメリック色じゃないのとそれほど違いを感じないんですよ。
スパイス文化はやっぱり、パキスタンでおしまいなんだなあというのをしみじみ感じてしまいました。イランから西へはあまり伝わらなかったのかなあと。
ところで、こういう漬け物って、やっぱり、出身国によって好みが違うんでしょうか?
あ、そうそう、こちらでは、黒いオリーブはないんですよ。