変サラ#4

 いじめ案件の解決と異世界解説。いじめ被害者はどうやらメインキャラの一人となりそうだけど、主人公の探偵を取り巻くヒロインがかなり出そろったという感じかな。探偵だから世相を取り扱う切り口としてお誂え向きで、やっぱりラブはともかくコメディ要素は入れ物で、世相を斬るのがメインテーマっぽい。

WB#4

 隣のチームとタイマン団体戦wwwの約束をする話。中坊がなんかやらかしたのかと思ってたら、万引き犯というトラブルの元凶がいた。…のだが、その元凶をほっぽらかして縄張り争いをしてるのがなんか笑。ただ、商店街というよりメインキャラ達のナワバリがそのままアジールとなっている感じやね。高校生はアジールを守る実働部隊であって、今回までの話でどうもメインキャラ達は不良でもなんでもなく自然発生的な「新しい」地域共同体のリーダーたちのように見える。
 しかしなんだなー、元からアジールの要素が強かった地域共同体もあったのだろうけど、それらは日本の近代化の過程によって解体され、戦後の短い期間疑似共同体として機能してた企業も平気で従業員を切り捨ててる現状、もうどこにも運命的なでも経済的でもない共同体すら根絶してしまい、NPOなんかも外面は取り繕っているものの、税金に集る銭ゲバでしかなくって、そういう個人が個人として孤立している状況を政府が作りだし搾取しているこの時期に至ってようやくこういう漫画にて前近代への回帰を謳うものがでてくるとは、日本の近代化が庶民にとって完全に失敗というか、悪でしかなかったことを思い知らされる…。

花野井#4

 クリ後の初詣で久しぶりに二人が会う話。まぁ実はよくわかってないのだけども、前回まではそれでも男の方は恋する一個人の範疇だったのが、だんだん狂気を帯びてきてるように感じてしまったのが面白いというかなんというか。キミゼロなんかはそのうち二人は結ばれるデショ…みたいな感覚があったけど、この作品の場合今のところどっちに転ぶか読めないというか、別に二人はわかれちゃうけどこのお付き合いが二人の経験値となって人間として成長できました…みたいなENDが見え隠れするのが不穏な感じ。それでもキミゼロのようないかにも恋愛マニュアルっぽい雰囲気はあまり感じられなくて、ドラマとして今のところは楽しめてる。

ゆるキャン△3#4

 奥大井湖上駅など秘境に到達する話。奥大井湖上駅という名前だけではピンとこないけど、それでもピンク髪が近づくにつれ、あーネットでも良く取り沙汰されるあそこかぁと気づいてしまえるあの場所。こういうあたりは前回も触れた、まるで読者も一緒に訪問しているような雰囲気があってうまいなぁという感じ。

まどめ#5

 放逐されたヒロインがさらわれるが…の巻。まぁ大枠では三文芝居だけど、物語としてのパワーは相変わらず強め。こういう、タイトルに奴隷だのといった露悪的な単語を入れ込む作品にありがちだけども、ストーリーは割とキレイごとではあるが、キレイごとの積み重ねで欲しいものが手に入るわけではないという要素があるのはなかなかよろしいというか、身も蓋もない描き方ではないんだけど、そういうものから目を背けてないのがちょっとした深みを与えてるようには思う。


メイドラゴンスピンオフもの少々。

 なんか出版社が公式動画にて漫画のこま切れを後悔してたのでチェックしてた。なんか原作が大人気作なのか、スピンオフ漫画が二つもあって、一つがカンナの日常、もう一つがエルマのOL日記。まぁスピンオフだから二次創作以外の何物でもなくって、本編のスキマを埋める程度のものではあるんだけど、よくよく考えてみたら本編を食っちまうほどのエピソードをぶち込むわけにもいかんし、力強いストーリーにできないという構造があるのかと不思議に納得してしまった。どちらも現状30本ほどあって、一本当たり15分ほどだから全部チェックするのはそこそこの時間を使う。
 ちょっと感心したのがテンポの適切さ。ネット漫画だと自分でページをめくらないといけないのがちょっとめんどくさくて、こういう動画形式にしてくれるとその手間が省けるのがありがたいのと、吹き出しを読むのに場面転換の速度が遅くもはや苦も無く丁度良いのがなかなか。

声優ラジオ#2・3

 メインキャラ二人のラジオがあと四回で打ち切りになると告げられる話。うーん、よくあるアイドルものなのかもと思って視聴してたんだけど、確かに大枠ではその範疇ではあるんだろうけど、大抵のアイドルものがアイドル活動を通じて夢を掴むだとか成長していくってものなのに対して、これはもうキャラは声優としてはほぼ完成してるし、当然もう声優になってしまってるからほぼ夢は掴んでるわけで、どちらかというとエクハのような要素が大きいのかなと。俳優なんかでも売れない頃はアルバイトで食いつなぐしかなくって、しかしそのバイトなどの社会経験が演技の幅を広げられたりもするんで、この作品におけるアイドル活動のようなもんもある意味そういうものと通じるものがある。とはいえ、所詮声優は役に求められる演技を尽くしてナンボだとは思うんで、そりゃ歌を歌うとか踊るとかが楽しいと思ってる範囲では芸の肥やしにもなるんだろうし、好きならやればとは思うけども、結局のところ顧客満足度のために職業の本分をないがしろにさせられてると感じちゃったら、そりゃもう辛いよね…という感じ。で、こういうのは人気商売となってしまったし、役柄として求められる演技をするだけでなく、声優という自分を日常の大部分を削り取って演じるという、もうセルフプロデュースをやってかなきゃならないってのも、これまたしんどいという話だよねーという。で、これがプロの世界だけでなく、動画配信で一山当てるという一般人の世界にもどんどん侵食していってるし、もうこれからは自分で自分を追い詰めていかなくちゃならないしんどい世界になっていってる(まぁ就活なんて典型的だけど)のかもと思うと、なるほどこの作品も単なるアイドルものとは違うかも…と思いながら眺めてるとかそんな感じ。

怪異と乙女#3

 よだれかけ事件解決編。牛鬼だとか日本古来の妖怪を出してきた割に、いじめ問題との喰い合わせが悪いというか、なんかこじつけっぽくてピンとこなかった。しかもいじめの構造は温存して、いじめに翻弄されて溺れてる善意の人間を鎮めて終わりって何の問題の解決にもなってなくて困惑。そりゃここでいじめを解決方向にもっていくストーリーラインにしたところでそんなのもファンタジーでしかなくって、こういう落ち着き過多になるとは思うんだけどもどうにもシナリオとしてパッとしないなぁ。とはいえ、メインキャラがタッグを組んで初めてトラブルシュートをするんだから、小手調べという意味ではこぢんまりまとめるしかないのかも。

このすば3#3

 姫の話相手役になる話。まぁドタバタコメディとして出来は悪くないけど、今までのスタイルそのままなので新しい切り口は見つからないという意味では感想は書きにくいとかそんなの。

バーテンダー#4

 フランス在住の一流日本人シェフの引き抜きに主人公が協力する話。まぁシナリオ自体に感想を書くことはほとんどないというか、バーテンダーをトラブルシュートに巻き込むのが強引やなという感じではあった。
 うーん、やっぱり見てて落ち着く。話を組み立ててる要素はオーソドックスだから可もなく不可もないって感じだけど、今回のマティーニのように、視聴者が知ってるマティーニはタダの一種類ではない、バーテンダーの数だけ存在してもおかしくない個性があるってことで、実例示しながらだから飽きないし、驚きというほどのものはないけど新鮮味があるからダレることが無いのに感心した。

アンメモ#3

 主人公ペアが他の魔女にイタズラされる話。といっても仲を取り持ってもらうという優しい世界。最初のうち@種崎敦美川澄綾子っぽい声色をしてて不思議に思ってたんだけど、ここで満を持して本人登場ってのがなんとも。
 しかし原作は男と女のどっちがターゲット層なんだろ?。ヒロインは最初っから自立した女として描かれているし、卓越した能力を持ってるから、女の自立をテーマとしたほかの作品とは一線を画してる感じがするわけだが、だからといって必ずしも男向けだとか女向けだとかいえないようになってるのが不思議。男の方は王子様だし、ヒロインの方は見かけは若くても年寄りという設定だから、なんとなくおおきなおねえさんむけって思ったりするんだけどね…。かといって男の読者を排除するような要素も見当たらないし、ターゲット層を広くとってるってところなのかもな…。

リンカイ#3

 競輪学校に合格して入校する話。トラブルもなく順調に推移しててあっけなく感じるけど、今更ここで脱落しました…で話が続くハズ無いし、もったいつけずにさっさと済ませるのはそりゃそうなんだろうという感じ。競争率2倍だとそんなに激戦でもないかな…。いちおうトレーニングで実力は上げてますってのはほのめかすていどだけど表現はされてたしな。スポ根要素は次回からかも。競輪学校(今は養成所というらしいが)に入るのだけども事実上就職と変わりないってのは面白かったかも。
 なんか不思議な感じ。トントン拍子に事が進む割にダイジェスト風味をあんまり感じないし、ご都合主義と言ったらそうなんだけど上記の通りそうでなければ逆にストレスを感じてしまいそうで悪い印象もない。前回も言った通り特に夢を持たぬ若者が、興味をきっかけにとりあえず社会に飛び込んでいくというイシューについても、実家が太くて逃げ帰る所があるカネ持ち限定という以外は現代的で自然に感じる。

終末トレイン#4

 飯能市内まで。池袋までの30駅のエピソードを一駅づつやるわけにもいかんし、途中雑に処理。メインキャラの一人に前回のキノコの影響が出てて、そういやおもてなしは避けて危機管理してたはずなのになんで?とは思った。
 今回、ヒキの絵面からセリフにもあったガリバー旅行記のオマージュだとは思うが、そもそも個々の要素が何のアイロニーかわからんので今のところ何がメッセージなのかまだつかめない。現段階では盛大に伏線を張ってる段階だろうし、なんらか腑に落ちる部分が出てこないと話として面白いというまでには至らない感じか。

ヨルクラ#2・3

 メインキャラ4人が揃う話。物語としてのパワーは激つよという感じだけど、雲の上の世界っぽくてその辺引っかかる。主人公?以外の三人は元アイドル、音楽専門高校、お嬢様進学校で、幼少時からの文化資本の蓄積が必要なものばかりで、もしかして庶民は主人公だけ?みたいな感じ。ただ、これからの成り上がりって、ネットで露出し名前を売ってという現代的な要素はなるほどだし、ネットでの売込みったって参入障壁が下がって競争率が高くなってることを考えると、その文化資本の蓄積なしに能力の向上はありえないし、作品の品質も上がることはないから、そういう意味ではリアリティはあるんだよな…。キャラ達の認知欲求の高さが気にはなっていたんだけど、今のところは人に認められるというよりは「自分を獲得する」という要素が強いのもちょっとばかし好感度が高い。
 メタルーを見た直後だから、結局アレが最終回まで真のメッセージが見えてこなかったから、あんまりそのへん最初っから期待しても仕方がないというか、ドラマはギュンギュン動いて退屈しないのでぼんやりながめているだけでも最後まで楽しませてくれそうではある。

ハイスピ#3

 強敵が主人公の偵察に来る話。前より話が面白くなったような気はするが、それにしても…。主人公が前の夢をあきらめたシーンが重々しく描かれていた割に、あっけらかんとした態度なのがちょっと不自然だけど、集中力を描くところはそこそこ説得力があったような印象。

アストロノオト#3

 弁当が云々…。ようやく自分の中で落ち着いてきた感じ。ただ、主人公が探す鍵なる存在に対するミッションがどうでもいいのと、ラブコメ要素のスラップスティック的な要素がイマイチ自分にはフックしないかな。というか鍵捜索ミッションは物語上でもとってつけであって、この作品の伝えたいことはもっと別にあることがわかるので、これはこれでいいとは思ってる。スタイルはずいぶん違うけど変サラと同じカテゴリーだとは思うが、変サラのようなカラッとした部分が今のところ自分に合ってる感じ。


謎の彼女X#1~13

 Youtube水着回の選抜シーンを見て、そのまま全話視聴してしまった。植芝作品というとディスコミュニケーションが有名で、自分もアフタヌーンをちょくちょくチェックしてた頃はついでに読む感じだった。だいたい背景がスチームパンクっぽいというかおどろおどろしい印象があって、なんかガロにでも載ってた漫画っぽくはあったのだけども本作は現代の日常性が濃くて思ってたのとずいぶん違ってた。まぁアフタヌーンは自分も毎号欠かさず読んでいたわけではないし、そのうち漫画雑誌をチェックすること自体やらなくなってしまったからどうにも。原作の連載当時、漫画のチェックをやめてたわけではないけど、アフタヌーンは手を取らなくなってた頃かも。
 謎の…とはあるけど、外形的には通常やらない行為だったり態度ではあるんだけど、かなり最初の内から不思議なことに不自然さはなくなってしまうし、その謎の行動などもちゃんと理由が考えられてそうしてるのがわかるので、いいスパイスになってる。よだれを舐めさせる行為も、最初にやれセックスだのとか前振りで言われるもんだからそのメタファーかと思ってたんだけど、むしろ強度としては逆で、おそらく間接キスよりは濃いけど、直接のキスよりは淡いそういう中間の関係確認行為なのだと思う。
 内容はシンプルなボーイミーツガールものだと思うけど、なんやろ?、おそらく自分が高校生だとか若いころにこの作品を読んでたらピンとこないままシュールさだとかサブカル作品としてどこかメイン足りえない作品としてとらえてたと思うんだけども、物語としてのパワーが強いというか、人としての素直な感情がこんなにも力強いなんてことを思い知らされることになった。毎回毎回ではないんだけど、平均すればそのくらい胸が締め付けられるような強度で泣かされるので、あれ、植芝作品ってこんなだっけ?と印象が覆される思い。
 主役とでもいうべき@吉谷彩子、聞かない名前だと思ったら三次ドラマが生息地の女優であって、声優自体の経験はほとんどなし。演技自体は俳優が声優をやった時の印象そのままであって、声優本業の人がよくある過剰演技がないあたりフツーの女の子というものが表現できてて個人的にはよかったのだけども、OP・EDも担当しててどこか大貫妙子を彷彿とさせる歌い口がどこか懐かしい感じがした。ところどころ声が揺れるんだけども、それで音程が崩れるわけでもなく、かといって歌手本業の人が聞かせどころで歌のうまさをひけらかすようなところが無くてすごく聞きやすい。
 公開が2012年らしいけど、なんつーか最近「強い女」を描く作品をめっきり見なくなったなぁとは思っていたので、こういう昔の作品によくみられた、強い女…というより、懐が深い女性キャラを見るとどこか懐かしい感じはする。昔も今もこういう女はいたしいると思うんだけど、昨今メディアに露出する女というのは欲に駆られて目先の利益にしゃぶりつこうつする浅ましい姿をさらしてることが多いので、なんかぼんやり、だからこそ強い女を描く作品がそういう世相を反映して少なくなっているのかもなぁと思った次第。