浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



そば元浅草砂場/南稲荷町手打ち蕎麦志づや

今日はそばや二軒。

4550号

4月22日(月)第一食

そば・元浅草[砂場]

さて。

ごくご近所。
ご町内。
お馴染み、元浅草[砂場]。

このところ、ちょっとご無沙汰であった、か。

書いていなかっただけ、かもしれぬが。

ともあれ。
最近、この周辺で、そばやの新規開拓やら、しばらく
行っていなかったところなどをまわってきた。

で、あらためて、ここの実力を、今さらながら、
思い出した、のである。

では、どういうそばが、うまいのか。
どういうそばやがいいのか。

町のそばや、老舗と老舗系、私のいう“趣味そば”。
手打ち、自家製粉、エトセトラ。

店の外観、内装。

特に呑む場合は、居心地。態度、客あしらい。客層。

そばの色、太さ、細さ、ゆで加減、歯ざわり、
腰、喉ごし、など。

つゆの濃さに好みはあるが、よくいわれる、
そばの香りというのは、毎度いう通り、
よくわからぬ。

従って、正しい分析ができているのか、まったく
わからないが、ここ、元浅草[砂場]のそばの
レベルは、かなり高いのではないか、と。

こようと思ったのは、雨、というのもある。
歩いてすぐのところ。

と、いうわけで、例によって13時少し前。

ミニかつ丼ありますか?。
いつも、頼む前に必ず聞いてしまう。
最近、この時刻ならば、ないことはない。

ミニかつ丼ともりのセット。

見た目、砂場なので、白い更科系。

太さは、太くもなく、細くもない、ノーマル
であろう。

箸にわさびを少し取り、一口分つまみ上げ、
そば猪口を左手に持ち上げ、つゆにそばの先1/3をつけて、
一気に手繰る。

一噛み、二噛み、、のみ込む。

特筆すべきは、ゆで加減なのか、シャキッとした、
喉ごし。
特に、ここが優れている、と思うのである。

そば、というのは、やはり、このズズっとすすって
呑み込むところが、醍醐味であろう。

もちろん、つゆは濃く、気持ちしょうゆの勝った
下町風。

そばを、一気に手繰り込みかつ丼にかかる。

お新香もつまむ。

かつ丼を掻っ込みながら、つゆにそば湯を入れ、
すする。

いつも通り、うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。

元浅草[砂場]、たいしたもんである。


03-3841-8001
台東区元浅草1-1-1


4月23日(火)第一食

稲荷町・手打ち蕎麦・志づや

またきた、南稲荷町の[志づや]。

やっぱりここ、迷ってしまう。
私の目印としては、都立白鴎高校の北の通りから
北へ路地を入る。

また、こなきゃいけぬと、思ったのは、ごまのつゆを
食べておきたかったから。
ごまは、先日の、吾妻橋[やぶそば]くらいしか
界隈ではない。

14時までなので、13時20分。

ここへきたら、一杯頼もう。

ぬる燗。
やっぱり、そば味噌くらい、つけてほしい。

ごませいろ(1300円也)。

あたり鉢は白胡麻
これをあたって、よい香りを足すということか。
つゆに入れる。

あらためて気付いたがここのそばは気持ち、
緑が入っている。
色を付けている場合もあるというが、基本は
新そばの色だと思うのだが、この時期なので
理由はよくわからぬ。

ごまのつゆにつけて、手繰る。

歯応え、喉ごしは、よし。
まあ、当然、しょうゆのつゆよりもごまは、
香りが強いので、そばだけの香りは、よくわからぬ。

ただ、やっぱり多少上品なのか、私の舌では
もう少し、濃くてもよい、か。

さて。
今日は、奥のカウンター、厨房の前、で食べたので
わかったのだが、ここ、外、お嬢さんと、中は
若くみえる男性の二人であった。
この時刻でも満席。特に待たされたとも感じない。
たいへんであろう。

 

志づや

台東区東上野2-4-3
03-6284-4295

 

 

 

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人形町・ピッツァ・ダバッボ

人形町・ピッツァ・ダバッボ

4550号

4月21日(日)夜

さて。

ちょっと久しぶり。

内儀(かみ)さんの希望で、人形町のピザ、イタリアン
ダバッボ]。

人形町の現代の地図。

[ダバッボ]は人形町大門通りと甘酒横丁の
交差点角から一軒東北。

このあたりは、基本碁盤の目なのだが、
45度程度であろうか、東西南北が傾いている。

人形町というのは、おもしろい街である。

さかのぼると、江戸初期、明暦までの吉原遊郭
大門通りというのは、その吉原の入口である大門の
通りからその名が残っている。

また、江戸後期に浅草に移転させられるが、歌舞伎、
人形浄瑠璃の小屋が集まる芝居町でもあった。
また、これにともない芝居茶屋はもちろん、いわゆる
男娼を置く、陰間(かげま)茶屋なんというものもあった
ようである。

また、明治以降は芳町、浜町の名で知られた、芸者町。
洋食やの老舗がなん軒か残っているのはその名残。

そして、このあたりは、太平洋戦争の空襲で焼け残った、
東京でも数少ない街。今はほぼなくなったが、今から20年、
30年前までは昭和初期の木造三階建の料亭の建物
なんというのも残っていた。

過去に詳しく書いているので、ご興味があれば、
ご参照願いたい。

江戸

明治

閑話休題

[ダバッボ]であった。
日曜もやっているのがありがたいが、
同じような人がくるのか、いつも大賑わい。

元浅草の拙亭からは、タクシー。
意外に遠くはない。
地下鉄では行きずらいのである。

予約をして、18時、到着。

ビール。

プレミアムモルツ生。

バケットとオリーブオイル。
小皿は、ドライのミニトマト?、とネジネジは
なんというのかわからぬが、堅いパン。

オーダーは、いつも通り、前菜盛り合わせと、
パスタ1品とピザ1品。

パスタはオーソドックスにボロネーゼ。
ピザはゴルゴンゾーラの入った、クアトロ・フォルマッジ。
はちみつも付けて。

前菜盛り合わせ。

右上から、いかとじゃがいものトマト煮。
左へ、にんじん、肉団子、なすのグラタン、
ズッキーニ。

ボロネーゼ。

意外に、イタリアンでこういう定番は頼まないので
頼んでみた。

やはり、うまいもんである。

日本でなぜ、ボロネーゼ、ミートソースが
定番になったのか。
やはり、ナポリタン同様、戦後の進駐軍が起源、
という。
我々の世代なら、子供の頃の給食の存在も大きかった
のであろう。

そして、ピザ。

クアトロ・フォルマッジと、はちみつ。

リコッタ、ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、グラパダーノ。

バジルものっている。

四種のチーズなのだが、やはりゴルゴンゾーラ
存在感が絶大。

イタリアのゴルゴンゾーラ、フランスのロックフォール
青かびのチーズで匂いも強烈。

はちみつに合わせるのが定番だが、
匂いがまろやかになり食べやすくなる。

イタリアンの店でも、フレンチの店でも同じように
合わせるが、どちらかが先なのであろうか。
それとも、どちらが、ということもないほど、昔から
あたり前であったのかもしれない。

こういうなにかとなにかを組み合わせて、
別の新しい味にする、というのは、ヨーロッパ特に
フランスの食文化なのか。

毎度思うが、日本の食文化にはないセンスであろう。
日本の食文化は、足すあるいは、組み合わせるのではなく、
そのものを突き詰める方向に向かう。

このピザも私は、せっかくのにおいがうまいのに
なぜ消してしまうのか、とも思う。

同じような、鮒ずしや、へしこ、くさや、など強烈
な発酵食品もせいぜい火を通すくらいで、なにか
別のもので、においを減らすようなことはしない。
そのまま食べる。
食べられない人は、食べない。
不思議なものである。

ともあれ。

うまかった、うまかった。

ご馳走様です。

会計は、二人で10,270円也。

 


ダバッボ

03-3666-2777
中央区日本橋人形町2-21-1 FSビル 1F

 

 

 

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浅草田原町・焼鳥・鳥なお

4549号

4月20日(土)夜

さて。
今日は、ちょっと久しぶり。
浅草田原町の、焼鳥[鳥なお]。
/p>

やはり、なかなか予約が取れない。

今日も17時から。

この時刻が、開店だが、同時に我々より先に2組、3組が
待っていたよう。

カウンターの中央付近に掛ける。

ここはコースのみ。5,500円也。

まずは、ビール中瓶。
サッポロラガー。

最初はこれ。

ふたものの陶器の器。

ここは最初にこういうものをよく出すが、
今日は冷たいもの。
すり流し。

まあ、和のポタージュ。
つまり、つゆもの。冷製。
これは新玉ねぎ、新じゃがのすり流し。

今日の最高気温は26.1℃(13時56分)。
またまた、夏日。

こういう冷たいものを最初に出すのは
和食でもセオリーなのであろう。
よいものである。

上にのった、ちょっと黄緑に近いねぎも美しい。

次から焼き物。

焼き物、野菜で、

グリーンアスパラ。

初夏のもの。旬、か。
北海道と言っていたか。

であれば、ハウスものかもしれぬ。

焦げ目がよい感じ。

次から、焼鳥。

ささ身。

塩で、上にのっているのは、山わさび

ささ身の焼き具合が絶妙。
もちろん、自分で焼けば、ささ身など間違いなく、
パサパサになる。
かといって、中も生でも、半生ですらない。
なのに、しっとりと焼けているのである。
まさに、極上の焼き上がり。
これが、ここの真骨頂であろう。

次は、ハツ。

心臓である。

甘辛のタレが薄っすら。
軽くおろした柚子がまぶされている。
先と根本が切ってあり、先のささ身同様、
絶妙な焼き上がり。

次は、野菜。

銀杏(ぎんなん)。

銀杏はうまいのだが、やはり殻を割るのが手間
なので、自分ではあまり調理はしない。
ここではよく出るのでありがたい。

次は、また焼鳥。
いいリズムである。

これは、肝。

レバーで、ある。
ハツ同様、薄いたれ焼きだが、まぶしてあるのは
青山椒粉。
これも、同様にしっとり。
流石の焼き上がり。
血の味などは皆無。

青山椒粉はとても香りが新鮮で強い。
さわやか。

また、野菜。

箸休め。
この小鉢は、おかひじき。
おひたしであるが、出汁感が強く、酸味もあるか、
上品。
シャキシャキとした食感がおもしろい。

次はこれ。

“先”が切ってあるのでわかりにくいが、手羽
皮のパリパリが、うまい。

次は、もも。

塩。ねぎと、しし唐。細かいところだが、ねぎは
丸のままではなく、縦に切ってある。この方が食感が
よいということか。細かい技。

野菜だが、蕪。
/p>

たまに出るが、こんがり焦げ目付き。なのだが、
独特の仕上がり。水分が抜けているといったらよいか。
ゆでたり、蒸したりしたものとも違う。

焼鳥最後は、いつものこれ。

きんかんとつくね。
つくねは、青紫蘇入りでちょいとさわやか。
きんかんは、生ぐささなどはまったくない。
ほぼほんのり温めているだけではなかろうか。
ということは、管理の鮮度、か。

お新香が出て。


最後は、これ。

焼きおに入りの、鶏スープ。

以上。

会計は二人で、15,300円也。

いつもながら、うまかった。ご馳走様でした。


公式食べログ

050-5593-4854
台東区雷門1-5-9 いさよビル 1

 

 

 

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立ち喰い鮨・浅草まぐろ人・雷門出張所

4548号

4月19日(金)第一食

さて。
今日も天気はよい。

最高気温は、23.6℃(15時10分)。
夏日には届かないが、十分暑い。

今日は鮨だ。
まぐろ人に行こうか。

相変らず、浅草は観光客でごった返しているが、
入れるであろうか。

14時。

暖簾を分けて覗くと、だいじょぶそう。

入って一人と言って、カウンターの中央へ。

先客は、アラブ系?ラテン系?、インド系?、
髭の男性と、ちょっと色の黒い女性のカップル一組のみ。

ビール(生)をもらって、いつも通り
白身とすみいか。

が、平目は切れており、鯛、それからかんぱち。

が写真を撮り忘れて、食べ始めてしまった。

かんぱち。

ん?。

また、観光客一組が入ってきた。
今度はアジア系、短髪の30代とみられるお父さんに
小学生3~4年生くらいの男の子と、4~5歳の
赤いレンタル着物を着た女の子。
顔は中国系に見えるが言葉は北京語にも広東語にも
聞こえない。タイ?、マレーシア?あたりの中華系
かもしれない。板さんに話す言葉は、英語。

これで、私以外、お客は、皆、外人になってしまった。

ともあれ。

ここから、光物。
ん!、今日もさよりがある。

右から、しまあじ、さより、鯵。

さよりは、前回もそうであったが、やはり
小さなものであろう。獲れていないのか。
春、秋だけだが、うまいものである。
端正で、限りなく白身に近い光物。
もう少し大きいともう少し脂があるか。

光物、次はこれ。

右から、〆鯖、小肌、いわし。

小肌は、もはや小肌とは言えない大きさでは
なかろうか。半身のさらに半分。この時期ならば
致し方ないか。
〆鯖も小肌も、ここの〆具合、私は好きである。
ちゃんと酢は入っているのだが、水分は抜けすぎて
いない。
いわしもうまい。いつも行く[美家古寿司]では
置かないので、やはり食べたい。

ここで、味噌汁とお茶に。

味噌汁は、いつも通り浅利。
濃いめの出汁がうまい。

光物最後の、小鯛と、貝。

春子だが、昆布〆。
そして、好物の平貝。

平貝は最近いつもあるが、やはり多少獲れているのか。

このあたり、また、撮り忘れているような、、。
ふぐを食べた記憶がある、のである。
すると、ふぐと、あと一つ、食べている、か。
なんか、外人さんばかりで、なにか血迷っていた、か?。

ともあれ、軍艦二種。

白子はなかった。
右、生しらすと、左、白魚。

どちらも、昔は生では食べていなかったもの。
特に、生しらすは最近であろう。
やっぱり、うまい。
冷蔵設備と、管理のお蔭。
時代とともに、うまいものが増えているのは、
有難いことである。

そろそろ終盤。

まぐろ、だ。

ここは、まぐろの店でもある。
目の前のショーケースにまぐろほほ肉を
見つけた。
あ、その隣に、鰹もあった。

もらおう。

左が鰹、右がまぐろほほにく。

まさに、初鰹。
きれい、で、ある。
やっぱり、鰹はプロの腕に掛かるものでなければ
いけなかろう。
瑞々しい。

まぐろほほ肉。
いつもあるとは限らぬが、流石、まぐろ仲卸経営。
脂もあるが、コリっとした食感。
うまいもんである。

最後もまぐろ。
鉄火、細巻。

鮨やでの最後に頼むのは、巻物、あるいは玉子。
玉子は甘いものなので、最後。
巻物を最後にするのは、腹を一杯にするため。

やっぱり、ここでは最後の巻物は鉄火であろう。

うまかった。

ご馳走様。

勘定は、今日は4000円台。
やっと、いつもに戻った。

 

浅草まぐろ人

台東区雷門2-18-12
03-3847-7139

 

 

 

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本郷三丁目・ラーメン・にし乃

4547号

4月17日(水)第一食~

さて。
続くのだが、次はここ。

ご存知であろうか。
前回から続いている。
正真正銘、ミシュラン・ビブグルマン2024掲載。
[らぁめん小池]グループ。

本郷三丁目の[にし乃]。

やはり、いってみねばなるまい。

距離的には遠くはないのだが、やっぱり本郷三丁目
大きな壁がある。いや、坂だ。

春日通り天神下から、切通し坂。
坂を登らねば[にし乃]には行けぬ。

この坂、以前はもっと急であったと思われる。

緩くなったのは、正確な年代はわからぬが、明治以降。
人力車も市電も通るので緩くする必要があったのであろう。

自転車で登れる人もいるだろうが、私は降りて押す。

[にし乃]は本郷三丁目交差点に近い。
交差点から南東側の裏通り。

この日もよい天気。
最高気温25.5℃(13時43分)。夏日。

14時すぎ、到着。

外に列はなし。中も待ちはいないよう。

調べてきたのだが、ここは、塩でわんたんが看板。

券売機で、中華そば海老二個、肉二個の
わんたん付き1320円を購入。
やはり、気持ち強気の価格設定であろう。

ここもカウンターのみ。
あいている席に掛ける。

やはり接客も丁寧。

このグループの特徴か、明るくきれいで多少お洒落めの店内。
席の間もゆったり。

さて。ここ[にし乃]の店名。やはりユニーク。
店主やらの名前かと思いきや、グループ代表水原氏の
「心の恋人とするアイドルの名字」とのこと。

はー。
最近、イケメン俳優と結婚を発表した今、女優のあの人。
店内に流れているのは、その坂道グループの曲。

おしぼりもある。紙エプロンを用意して、待つ。

きた、きた。

わんたんが別皿。

ラーメンに入れてもよいが、酢をかけて、そのままでも
食べて下さいとのこ。

まあ、やはり入れて食べよう。

細麺、澄んだ塩スープ。

中央になると(「の」?)、小松菜、低温調理らしいチャーシュー。

スープは、魚介系?だけではないとは思うが、
複雑だがバランスの取れた旨味。やはり、流石であろう。
ミシュラン掲載は伊達ではない。

細麺、塩、わんたんといえば、ずばり拙亭近所の[大和]を
思い出すが、ここまでくれば、優劣ではなく、個性の違い
ということになろう。どちらも、うまい。

さて、翌日、またきた。

ここは、もう一品、山椒そば、というのがある。
これも食べてから、書かねば。

今日も14時頃。
やはりこの時刻ならば、空席はある。

わんたんのない、ノーマルな山椒そば960円を買って
カウンターに掛ける。
今日は、白人の観光客風男性三人組もいる。

ん?!。

今、掛かっている曲は「つづく」だ!。

実は、このところ、私、いい年齢をして、坂道にはまっている。
この「つづく」は、かの人の卒業ソロ曲。
もちろん、大ヒット曲ではない。
ここは、もしかして、この人の曲だけ掛けているのか?。
(厨房との境の壁の一番いい位置にご本人のサインも見つけた。)

私が、ちょいと耳に入っただけで、わかってしまうのは、
たまたま、この前日に勉強のため、彼女の卒コンのDVDを
買って聞いていたから。
はまったきっかけは、先日、4月5日に卒業したとある人の
深夜番組からだが、そこから、坂道全体へ、さらに、
順にさかのぼって、聞いているのだが、なかなかおもしろい。
坂道について、また機会があれば、書いてみてもよいか?。

閑話休題

きた、山椒そば。

見た目は、ここの中華そばと同じ?。

アップ。

よく見ると、青い葉のかけらのようなもの。
これが、山椒か。

食べると、なんであろうか、不思議と山椒らしい感じ
ではない。だが、そこはかとないエスニック感。
強くはないが。
おもしろみは、あるとは思うのだが、なぜこういうものを
作ろうとしたのか、もう一つ、ピンとこないのが、
正直のところ。

ともあれ。
先に書いたが、ある程度以上になると差はあまりない。
ここがミシュランで、そうでないところの違いは
接客だったり、店の雰囲気だったり、遠くから
例えば外国人が食べにきてもその価値があるのか、か。
そう思うと、納得かもしれぬ。

坂道を登って[にし乃]。

 


食べログ公式

文京区本郷3-30-7 熊野ビル B101


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御徒町・ラーメン・あいだや

4546号

4月15日(月)第一食~

さて、ここ、ご存知であろうか。

昨年、10月開店していた。

私は知らなかった。

ミシュラン・ピブグルマンに複数軒掲載されている
[らぁめん小池]グループの新店。

御徒町の行列店なのだが、ビルの中で
まったく気づかなかった。

ビルとしては[寿限無担々麺]と同じなのだが、
中に貫通する通路があり、格安床屋なんぞもあって、
その床屋の前。
つまり、この店は外からはまったく見えない。

店名の[あいだや]というのもビルの通路の“あいだ”に
あるかららしい。

昼は、15時までの営業のようなので、14時すぎに
行ってみる。

ここは、ラーメンはあるが、つけ麺が看板。
さらに黒毛和牛サーロインご飯というのが
売りのよう。

月曜、この時刻でも列。3~4人。

順番がくると、お兄さんが登場し、食券を買って
また列に戻るようにいわれる。

つゆが四種類あるようで、一種950円と二種1250円が
ある。
せっかくなので、二種に。
サーロインご飯850円はとりあえず今日はやめておく。

価格設定はなかなか強気。

順番になり、店内へ。

カウンターのみ。
ただ、一席はかなり広めに取られている。

指定された席に掛けると、四つのつゆのうちの
どれにするか聞かれる。

四つというのは、豚骨魚介、海老、にんにく醤油、担担。

一番ノーマルそうな、豚骨魚介と、にんにく醤油というのに
してみる。

麺は冷か温かい釜揚げから選べる。
冷で。

ゆで時間がかかるのか、そこそこ待って、きた。

なりほど、麺は太目。

まず、豚骨魚介から。

ん?、ちょっと、おとなしめの豚骨魚介?。

今、豚骨魚介系はつけ麺では定番になっていると
思うが、もっとガツンと、濃いところが多いように思う。

まあ、逆にいえば、バランスの取れたもの、といえようか。

にんにく醤油。
これは、なるほど、にんにくで、クセが強いが、
正直、もう一つ、ピンとこないか。

と、いうことで、翌日、またきた。

やはり、サーロインご飯を食べるべきかと。

サーロインご飯は、券売機には単品であるのだが、
こで、実際に出してみると、お兄さんに戸惑われた。
つけ麺を頼んでほしい、と。申し訳なさそうにいう。
丁寧で腰が低い。
なるほど、やはり、そういうことね。

と、いうことで、麺少なめのつけ麺、つゆ一種
2000円に。

目の前で、お嬢さんが焼いてくれる。

もの凄い、霜降り。
これもパフォーマンス。

まあ、すき焼き。

玉子を溶いて、お待ちください、と。

焼けたのを玉子へ入れてくれる。

一枚。

つけ麺もできた。

今日のつゆは、坦坦。

坦坦麺系のつけ麺というのは、食べたことが
あったろうか。
あまり記憶にない。

これ、なかなかなもの。
うまい。
辛みはべら棒に強い、ということはないが、
こってり胡麻で、バランスが取れている。

牛肉。
まあ、これだけの肉が、まずいわけがない。
力技。

やはり、ご飯にのせて。

玉子も全部。

この玉子も色が濃く、よいもの、
なのではなかろうか。

かなりの腹一杯。

ご馳走様でした。

なるほど、こういうことであったか。

なかなかの、やり手、で、あろう。

 

食べログ公式

台東区上野6-1-6 御徒町グリーンハイツ


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鰻・炭焼・ひつまぶし・美濃金・神田本店 その2


4545号

引き続き、末広町のひつまぶし[美濃金]。

待っている間に、うなぎ蒲焼の歴史を振り返っていたが、
頼んだ、肝入りのひつまぶしが出来上がったので、
考察は、後に回して、食べよう。

お櫃を開ける。

ひつまぶし、というのは基本、こんな感じ。

これだけ並ぶと、かなり、ゴージャスな感じであろう。
名古屋文化圏の婚礼など特別な時の大盤振る舞い、といった
ようにも見える。見るだけで、大満足。

お櫃に入ったご飯にたれが染み、その上に
短冊に切った、蒲焼。

青紫蘇の葉の天ぷらの上に、肝。

手前に、細かく切った青ねぎ、わさび、茶漬け用のあられ。

右の小皿が昆布の佃煮と奈良漬け。

反時計回りに、肝吸い。これはノーマルな吸い物から
チェンジした別オーダー。
その上の白い土瓶が、茶漬け用の出汁。
次が、うざく。蒲焼の入ったきゅうりの酢の物。
隣が、う巻き。蒲焼入り玉子焼き。
その隣が、きざみ海苔。
そして、空の飯茶碗、しゃ文字と、匙。

お櫃のアップ。

肝は煮たものではなく、やはり焼いたもののよう。

ひつまぶしでも、やっぱり、山椒を振る。

お!、この山椒。

かなりの香り。
青山椒のよう。
フレッシュで強い。

一膳めは、そのまま飯茶碗へよそう。

蒲焼の味付けは濃い、のだが、やはり、
東京の蒲焼よりも甘い。
そして、先にも書いたが、このパリパリの食感。
これが東京の蒲焼にない、うまさ。
身上。

どちらが上でどちらが下、ということではない。
東京うな丼だと、飯とともに蒲焼は、ほぐれる。
これもまた、身上。
うまいことは、もちろんのこと。

肝も蒲焼と一緒に飯とともに食べることになる。
これも、ちょっとアクセントになっておもしろい。

二膳目は海苔、ねぎをまぶす。

三膳目は、出汁をかけて、海苔、ねぎ、わさび、あられ。

うな茶。もちろん、お茶ではないのだが。
これが、ひつまぶしの最大の愉しみでは、なかろうか。

出汁に負けない蒲焼の味付け。
東京の蒲焼でこれをやってみてほしい。
蒲焼の味が薄くなってしまうのである。
名古屋圏の蒲焼でなければ、これができない、
のである。
私は、こちらの蒲焼の味付けはたまりしょうゆでは
ないかと思っているのだが。

と、いうことで、最後もうな茶。

うまかった、うまかった。かなりの腹一杯。

さて、考察の続き。
東京、関東のうなぎ蒲焼と名古屋を含めた蒸さない、
焼くだけの西日本のものの境目は、浜松と豊橋の間。

江戸のうなぎ蒲焼のことは、だいたいわかったのだが、
問題はこの西日本の蒸さないうなぎ蒲焼の歴史、で、ある。

色々調べたのだが、やはり意外に解明されているとは
いえないようなのである。
わかったのは、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」には
多数出てくるということ。
東海道を旅しているので、いくつかの宿場で
名物になっているのが紹介されている。
三島、柏原(吉原と原の間)、新居(荒井)、、など。
宮は今の名古屋市熱田。

東海道中膝栗毛」は享和2年(1802年)から文化11年
(1814年)にかけて出版されている。昨日見たように江戸で
開いた蒲焼が生まれたという、天明、寛政より少し後。

この差、数年から10年ちょっとだが、どうであろうか、
気持ち後とみるか、誤差とみるか。
ただ、この頃、江戸以西、東海、尾張などでも既に
うなぎ蒲焼は食べられていたのはどうも史実のよう。

さて、うなぎの蒲焼は、江戸起源で西に広まったのか。

江戸のうなぎ蒲焼は濃口しょうゆと浅からぬ縁が
あるというのだが、西のもの、特に名古屋圏のものは、
うな茶で書いたが、おそらく濃口しょうゆよりは、
たまりしょうゆがキーになっていると思われる。
名古屋を含む西日本では江戸期には濃口しょうゆは
ほぼ作られていなかろう。

また、西と東の違いは、西は腹開き、東は背開き
というのは知られているが、実はさばく包丁の形も
違っていると聞く。もちろん、蒸さない。

これだけ違うと、どうなのであろうか。
見た目は似ているが、もはや起源が同じとは
到底思えないのでは、なかろうか。

例えば、江戸で生まれたが、どこかはわからぬが、
名古屋以西の料理人が、開いて甘辛に焼いた蒲焼を
再現しようと独自に工夫をして、生まれた?。

いや、そもそも、江戸が始めかどうかすら、確たる
エビデンスはないではないか。
逆の可能性すらある。
名古屋以西で、生まれ、たまりじょうゆで焼いていた
ものを再現するために、江戸では濃口しょうゆを
使ったのかもしれぬ。

残念ながら、わからない、のである。

隠れた研究があるのかもしれぬが。
ともあれ、宿題。

勘定は一人で、7960円也。
以上、ご馳走様でした。

 

美濃金

千代田区外神田6丁目14-3 VORT末広町II1階
03-6806-0328

 

 

 

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