早期から条件作文を取り入れよう!!

今年は、初めて2学年の授業に行くという経験をさせてもらっています。

英語教育の重鎮から中・高校生が入試で白紙回答をする率が多い問題は条件作文だというのを以前に言われたことがありました。
条件作文を早期からする方がいいと思いました。1年生はbe動詞が終えてもうすぐ一般動詞に入ったところです。
復習では、説明は教師からせずにプリントに必要事項だけ書いておいて、あとは、伝統的なドリルや口頭でのパターンプラクティスをさせたりしたのですが、それだけじゃ飽き足りないのでbe動詞だけで条件作文ができないかを考えました。

そこで考えた物は

1自己紹介(名前、クラス、出身地)
 これは、教科書の文を一部変えたりしたらできるので大半の子ができていました。

ここからグループ活動、
2 物の紹介(物の名前、色、特徴)
3 空想の転校生紹介
状況「三郎という新しい友だちが大阪から来ました。うわさによると三郎はテニスがとても上手です。近くにたまたま友だちがいたので三郎を紹介します。
友達にあいさつをする文も入れて5文で三郎を紹介しましょう。」

特に2、3番は2ヶ月半で勉強したことを総動員しないとできません。一人だと諦めて放置してしまう子が出てくるのでグループ内で考えさせました。
最終的にはホワイトボードを使って共有までしました。

3番のポイントは5文の英文を書くという要求ですがそれに加えてどのような情報が必要かを生徒自信が見極めて作文を書かないといけないというタスクです。

1〜3が終わって時間を持て余すグループも出てくるので3のような条件を生徒に考えさせてそれに対する英文を書かせるのもいいでしょう。

 アウトプット活動として考えているのですがアウトプットの中でインプットに戻らせることも大切なので必要に応じて教科書を参照してもいいことにしてもいいと思います。
初期から条件作文を練習して条件作文への苦手意識を克服させておく、「条件作文って楽しい」と思えるようにどんどんタスクも面白いものにしていきたいですね。
一つの文法に焦点を当てるのではなくてたまには複数の文法項目を統合した条件作文も設定していかないといけないですね。

教育におけるイエローカードについて

イエローカードと言えばサッカーで軽微なルール違反をしたら1枚出され、それが累積するとレッドカードになって退場となる。

 今現在、様々な勤務形態で4校を転々としている。今現在の勤務校は、いろいろな意味でしんどい生徒達が集まっている、いわゆる教育困難校に位置付けられている。授業規律もないような授業がほとんどでそれの打開策として「イエローカード(特別指導カード)制度」が設けられている。

授業態度不良であれば、生徒に「著しい授業態度不良のため改善を促します」という旨のカードを渡して改善を求めるものである。

授業態度不良の種類として代表的なものは
1騒がしい(私語など)
2立ち歩き
3その他(授業に関係のないものを出す・する、エスケープ…)

あくまで例であるのだが、受け取った枚数によって「生徒部注意」→「校長訓戒」→「謹慎(3日間)」→「謹慎(7日間)」と処分がだんだん重くなっていく。累積してしまうと「無期謹慎」という思い処分も下される。

そこまでしないといけないレベルになりつつある学校もある。
学校によっては、授業態度だけでなく服装や遅刻に対しても特別指導カード(イエローカード)を出しているところもあるようだ。

個人的には、そこまでしないといけないならその趣旨に賛同してイエローカードを切っていかないといけないんだと感じている。

 この状況下でどのような授業を求められているかを考えていかないといけない。授業だけでなく生徒との関わり方も考えて行かないといけないことを痛感。

生徒に質問力を付けさせよう

  教師はよく「発問」という形で生徒に質問をするのが、その質問を生徒にさせてみるのもいいでしょう。
  
 生徒にスピーチなどで事実を述べさせることが多いですが、生徒に人前で英語で質問をさせるという活動をさせているかどうかは疑問です。

 質問をすることは、自分にとって有益な情報を手に入れるうえで重要です。増してや、人の前で堂々と質問するなんて…と思います。*1
 
 最近ALTとのTTの授業が繰り広げられていると思います。ALTが常にいるところではALTを週に1回のペースで活用できるというメリットもあります。そのようなときにALTを活用しない手はありません。

 たとえばALTの最初の授業では自己紹介を活動としています。そのメモを元にALTに対しての質問作成の作業をグループないしはペアで行わせます。内容についてや(これはどうかわからないですが)スピーチでは触れなかった部分を質問するように仕向けます。何分か経てば生徒に挙手させてALTに質問をさせます。

例えば、ALTがI have a daughter.といったとしたら。
生徒は、What is your daughter's name?
    How old is your daughter?などの質問が出来ます。

 文法構造などをあまり知らない中学校1年生なら
 Your daughter's name please*2.とか言ってきます。
 Your daughter's age.

 そこで生徒が何を言いたいか分かるが文構造がおかしい、文法的に文がおかしいなどあるでしょう。それはきちんとALTの先生に前もって頼んで質問した生徒に言い直しをさせてもらうので、質問者は「こんな言い方をすれば良かったんだ。」となる。しかし、それを一人だけのものにするのは勿体ないのクラス全体でシェア(リピート)をするようにするといいでしょう。

 特に「ミスをして馬鹿にされたら…」とありますが。私個人的には発言することに意義があるのでそこは「人のミスを馬鹿にするのは許さない」旨の指導をして躾をしておく必要があるでしょう。

 英語で質問することで英語でアウトプットする力もつけられる、人前で堂々と節度をわきまえた質問をさせることが出来るというメリットがあります。「質問力」を英語を通して身に着けませんか?

*1:私自身も学会で権威のある方々の前で質問をしだすようになりました。

*2:この文はいい例じゃなかったかもしれないですが

【第3回英語教育ブログ同時更新企画記事】中学卒業に身に着付けてほしい英語力

 第3回「英語教育ブログ同時更新企画」の企画に参加中
http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20120217/p1

本当にこれが自分のブログ更新の機会になっているので感謝申し上げます。

 来年度より中学校における英語科の学習指導要領が変更になる。
 具体的には週3時間から4時間になったり、単語数が増えてくる。
 そこで今までと同じように「少ない」と思ってギリギリをさまようのか活動を充実させるのかになるのだろう。
学習指導要領がどうなろうと教師として大切にしたいのは「xxxな生徒を育てたい」という揺るぎない信念だと思っている。

 さて、中学校1年生はABCから教えるのであるが、その生徒たちの成長がすごく楽しみである。*1生徒自身も中学校1年の英語の授業に対してすごく期待を寄せてくれているのが生徒たちの目を見たら伝わってきた。生徒の期待を裏切らないためにも教師の日々の努力が必要になってくる*2。 

 一番大切なのは中1の地点で「3年後にはxx」ということを生徒に示してやることが重要である。*3
その次に、「1年生が終わったときにはxx」次に(学期ごとに)「X学期が終わったときにはxx」そして、単元ごとに「この単元ではxxx」というように大きな目標を達成するために小さな目標も適宜提示していくことが必要になってくる。


 生徒に中学校3年間で身に付けてほしい英語力を一言でいうのは難しいので4技能ごとに目標を定めて行きたいと思う。CAN Doリストを使っていくのも一つの手ですが…

【Listening】
 ・ある程度(この言葉を使うのもどうかなと思うけど)の長さと速さのある英文を聞き取ることが出来る。
 ・ある程度の長さと速さの英文を聞き取って、要点をメモすることが出来る。
【Speaking】
Interactionの面を大切にしたいので…
 ・ある程度の長さと速さのある英文を聞き取って、その英文に対して質問をすることが出来る。
 ・特定の話題(自分の地域について、自分の宝物…)について3分間のスピーチをし、そのあとにされる質問に対して適切に答えることが出来る。
 ・友人、ALTと3分間適切にチャットを続けることが出来る。

【Reading】
 ・環境問題、人権問題などのある特定の簡単に書かれた英文の内容を理解することが出来る。
 ・英文を読んで必要な情報を読み取ることが出来る。

【Writing】
 WritingはSpeakingへとつなげたいと思っています。
 ・特定の話題(自分の地域、自分の宝物)についてある程度の長さがあり、まとまりのある英文を書くことが出来る。
 ・意見の分かれる話題について自分の意見を書くことが出来る。

 今までその場をやりくりするため授業をしていた部分があったのですが、3年後を見据えて授業を組んでいかなといけないことを大学院での日々の勉強や研究会で痛感させられます。3年間の目標がどんなんであれ、評価計画を練って、そこから授業の中の活動を組んでいかないといけないことを痛感します。生徒の3年間いや人生を輝かせるのは教師次第だと思っています。生徒の幸せのためにこれからも精進していきます。

*1:実際に4か月間中学校1年生を指導したことがあったが、できることなら3年間教えたかった。

*2:その思い期待を背負いながら授業をしていた自覚があったかは謎だが…

*3:3年間持ち上がりになるかが問題になるけど具体的なビジョンを持って授業を組むことが重要となってくるのでここは外せない

学習方略の指導について

 講師である管理人は来年度のことが全く分からない。4月に1年間もしくは3年間の授業の方向性が決まる授業開きにはいつも悩まされている。「面白い!!けど厳しい部分もある」をモットーにしてきた。来年度はもっと手がこんだ授業開きが出来ればな〜と思っている。来年度は少しオリエンテーションではあるけどワークショップで授業を展開していこうと考えている。
 
 前置きはここまでにしておいて

 学習者である生徒や英語学習が上手く行っていないことが多く聞かれる。
 私もはっきり言うと英語学習は上手く行かなかった部分がある。*1
 努力をしているにも関わらずやっていることが、身についていない、コミュニケーションの中で上手に使えないなどがある。

 そこで、学習方略が重要になってくる。私自身は学習方略は学習者の英語学習が少しでも成功するように導くうえで重要になってくる。ましてや、教師が提示する学習方略は入門期や再入門期にとって今後の英語学習の方法を決めると言っても過言ではないと思っている。

 学習方略は様々な学者が研究している。その成果を学習者に還元しない手はないと思う。

 そこで、英語の授業の中で「学習方略」という枠を設けて、時間をかけて英語の学習方法をプリントにして生徒に提示してやってもいいと思っている。具体的に何をするかは決められていないけど。

例えば「音読」を扱うとすれば
今までの研究の成果に基づいた音読の効果を体験させてから音読に関する研究を中・高校生が分かるように噛み砕いて説明してやるというように

枠組みとしては
①学習方略の提示
②学習方略を体験させる
③研究成果の説明

で英語授業の時間を使って教えてやるといいのではないだろうか。

 学習方略を自分の経験にもとづいて教えていた部分があるが、根拠のない方法だったりした。しかし、英語教育を研究しているときに学習方略にも目を向ける機会が出てきたので中高生のレベルに合わせて噛み砕いてやらないといけないが…

 何度も強調するが学習方略は生徒の英語学習を左右すると言っても過言ではないだろうか。それを教師が責任を持って教えてやる必要もあるのではないのだろうか。*2そのことで英語の学習に悩む学習者を少しでも救うことができると思っている。

*1:私自身は努力不足+効率のいい方法が見つけられていないことに原因を感じている。

*2:「こうしなさい。」と強制するのではなくて「こんな学習方法があるよ。」と提示するといいかもしれない。

教材研究の際に役に立つリンク集

この記事は筆者の備忘録というよりバックアップを兼ねて執筆しています。
カテゴリー別に分けて行く予定です。

【授業アイデア
田尻先生のホームページ
http://gtec.for-students.jp/tajiri/index.htm

【英作文添削】
Native Checker
http://native-checker.com/

観点1を斬る!!

成績を出し終えた先生方ご苦労様です。

外国語科における4観点を確認しておきます。
そこで観点Ⅰ「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」
   観点Ⅱ「表現の能力」
   観点Ⅲ「理解の能力」
   観点Ⅳ「知識・理解」

ですが、観点Ⅰの解釈が一番難しいところです。

 例えばよく耳にするのが「A君はできないけどノートとかの提出物も出してるし・・・・観点ⅠはA。これで3が4になった良かった(ちゃんちゃん)」とか「B君はテストもできるしパフォーマンスとかも良くできるけど忘れ物が多いし観点ⅠをBにして5を4にしてやろう。(あー後からクレーム言われたときのために…)」などがあります。

 私からするとそれはナンセンスです。確かに頑張りをみてあげることは大切です。それでは英語力と関係していますか?つまり、「観点Ⅰ」も生徒の英語力とつなげて評価してやらないといけないと思います。

じゃぁ、どのようにしていけばいいのか?
一番理想なのは学期初めに評価計画を作っておくことです

指導と評価の一体化を目指す英語授業の創造

指導と評価の一体化を目指す英語授業の創造

評価に関してはこの本を参照してください。

 忘れ物チェックをして忘れ物をしたら減点とかではないのです。授業中に居眠りをしていたから減点。それも違います。まぁ、生徒指導上帳面に控えておくのはいいと思います。

 
 もちろん普段の言語活動に対する取り組みの様子を見てやればいいでしょう。(しかし、新しく130人を担当すると生徒の顔と名前が一致しないので普段の取り組みはつけづらいところです…)付け方は、言語活動の取り組みを見て、明らかに取り組んでいない子には補助簿の言語活動に取り組んでない子の欄に×をつけてあとは全員おおむね満足とみなすなどあります。取り組みの部分はそれの積み重ねで点数化すればいいでしょう。そこで途中経過を計算してC基準の子には手立てをしてやる必要があります。

 他には何を見てやれるでしょうか?
 提出物の作文であれば「分量」を見てやればいいのです。書こうとする意欲を見てやればいいのです。作文課題を提示する際にA基準の分量は生徒に示します。そうするとAを取るためにたくさん書いてきますが、一貫性のないものであったり、ミスが大量にあるのは度合いによって減点*1してやればいいでしょう。後は、個人的には文字を丁寧に書こうとしているかも評価に入れています。

 実は定期考査でも見ることが出来ます。私はリスニングテストの解答意欲*2と作文の分量を100点満点以外のところで採点しています。そこでの生徒にも示します。しかし、点数を書くときは生徒が計算ミスをしないように採点に使っているペンと違う色で点数を書いておくといいでしょう。

 このように観点Ⅰで見るものを考えておくと評価計画が立てやすくなります。評価計画をしっかり立てることは授業計画を立てることにもつながります。観点Ⅰをもう一度考え直してみませんか。

*1:どのようなミスを持って減点するのかは判断しがたいところです

*2:一番いいのはリスニングのときのメモを答案用紙と出させるといいと思いますが、試験監督の先生の手を煩わせてしまうので難しいところです