コンビニでじゃがりこをふたつ買いました。
「じゃがりこをおふたつ~。じゃがりこを……ふたつ!? ふたつ!?」
めちゃくちゃ店員さんに驚かれた。滅茶苦茶驚かれた。並みの驚き方ではなかった。
驚いてしゃっくりが止まるなんて信じていない僕が「この驚き方ならさすがにしゃっくりも止まるんではないか」と思いたくなるようなレベルの驚き方だった。
「息を止めながら水を飲めばしゃっくりは止まる」という信念が揺らぐような驚き方だった。「息を止めながら水を飲めばしゃっくりは止まる」派の急先鋒として、「息を止めながら水を飲めばしゃっくりは止まる」派の未来を担うものとして、「息を止めながら水を飲めばしゃっくりは止まる」派を若者へ託すものとして、色々なものが崩れた瞬間だった。
もしかすると有史始まって以来、2024年2月19日に至るまで、じゃがりことを二ついっぺんに買った人間はいなかったのかもしれない。
僕は人類史上はじめて、じゃがりこを二つ同時に買った人間なのかもしれない。そうでもないと納得ができないほどの、店員さんの驚き方だった。このタイミングでしゃっくりがでていない自分が恨めしい。