こどもディレクター

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テレビ東京の「ハイパーハードボイルドグルメレポート」って番組が好きでした。過酷な状況にいる人がどんなものを食べているのか?そんな人の食事を紹介するというバラエティーの体裁とりながら、内容は完全なドキュメンタリー。しかも難民や、貧困、犯罪組織など、結構芯を食う内容だったので、とても印象に残ってました。

そしてそれを作ったディレクターがテレ東のアナウンサー、大橋未歩さんの旦那さんと知って更に興味を持って。そのディレクター上出遼平さんは、中東のテロ組織にいたと言っても疑わないような見た目でパンチありまくり。その後はゴタゴタあってテレ東辞めて、今はフリーになっている事を、先にテレ東を辞めたプロデューサーの佐久間さんとか、高橋弘樹さんのYouTubeで知り。しかもこの対談がまたとても面白くて為になり、一気に注目の人になりました。


そんな上出さんが新しい番組を始めると知って、早速録画して見た番組が「こどもディレクター」。両親にずっと聞けなかったこと、伝えたいこと、謝りたい事、ウチの家族だけの文化など、子供が(年齢問わず)親にディレクターとなって取材する形のドキュメンタリー。これが良かった。やっぱりこの人が作るものには根底に愛がある。勘違いしない、盲目的じゃない正義感がある。正義じゃなくて正義感。これが大事。


最近は涙腺がバカになってるので、すぐ泣くんだけど、まあ親子の愛情の話には滅法弱い。内容は見ていただくとして、やっぱり愛情ってのは連鎖なんだよなぁーと再確認。そしてその連鎖は大人になると理解ができて、遡って感謝を伝えられるようになる。若いうちは無理だけどね。おばあちゃんと孫の会話がとても良かったなぁ。


テレビなんて!という人の気持ちもわかるけど、作ってる人が誰なのか?ってのも解釈に入れると、もっと正面から見られるのかもしれない。全部が嘘もないし、全部が本当もない世界で、自分の物差しを手に入れるのは大変だ。

長谷部誠

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長谷部が引退するというニュースが飛び込んで来た。いくつになっても衰えず、それどころか歳を取れば取るほど円熟味を増し、ブンデスを代表する素晴らしいプレーヤーになった。もうこのままカズみたいな事になるのか?と思ってしまう自分がいた。でもやっぱり終わりはある。小野もヤットもいなくなり、そして長谷部も現役から退く。


晩年のリベロが印象的なので、今の人はビックリするかもしれないが、長谷部はトップ下でゴリゴリドリブルを仕掛けるタイプの選手だった。山瀬が浦和を出て行ったのは、長谷部がいたからじゃないかとも思う。その後ポンテが来て、ポジションを一列下げると、そこから持ち上がる姿が印象的な選手になった。

それがドイツに行ってマガトに扱かれ、サイドバックまで務めるポリパレントな選手になった。その後は理不尽に干されても腐らず、移籍先のフランクフルトで伝説の選手になる。皇帝なんて呼び名は、ドイツではベッケンバウアーと比べられてるって事だ。ドイツ史上最高の選手と比べられる存在。


そして、今や代表のキャプテンといえば長谷部だ。どの監督が来てもキャプテンは長谷部だった。長谷部の事を悪く言う選手は聞いた事がない。真面目で、フェアで、理知的。でも、レッズに入団した頃はかなり攻撃的な印象があった。先輩でもなんでも食ってかかる勢いの選手。人間は成長する。いつの間にやら大きな人間になった。その器があったって事だろうけど、長谷部はキャリアを間違わなかったんだと思う。


こうなったら次は代表監督とサッカー協会会長をお願いしたい。森保さんは人の良さ以外の魅力が見当たらず、ツネ様は期待してた感じにはならずに田嶋会長の傀儡感が漂う中(岡田さん待望論!)、そこに長谷部がいる未来を夢見てしまう。まずはフランクフルトでコーチから監督を務め、シャビ・アロンソのようになってくれる世界線を夢見ている。1番良い未来は、なぜかクロップが日本代表を率いる事になり、ベスト4くらいの結果を残し、その後を長谷部が継いでW杯で優勝する未来。そんな事を夢想している。


選手としてはお疲れ様でしただけども、まだまだ長谷部にはやってもらわなきゃいけない事が沢山ある。でも長谷部なら期待に応えてくれる気がする。長谷部はルーキーの時から期待に応え続けて来たんだから。長谷部にがっかりした事は一度もない。そんな選手、なかなかいない。


ララララララー長谷部誠!ララララララー長谷部誠!本当にお疲れ様でした!

コーチェラ

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いやーコーチェラ面白い。良い時代になったねえ。こんなの無料で見られるなんて。信じられん。


とか言いながら、今まではそんなに見てなかったんです。ネットで見てもなぁーとか思ってて。前で覚えてるのはボーイジーニアスくらいかなぁ。実際今回もそんなにハマって見てなかったんだけど、昨日はラナデルレイのステージに釘付け。ビリーアイリッシュとのデュエットなんて、2人とも歌上手くて死ぬかと思った。


その流れで今日も沢山見た。何よりも楽しみにしてたBLEACHERS。ジャックアントノフが好きすぎる。ルックスも冴えない感じだし、音楽性も凄くシンパシー。こんなに自分と重ねて見ちゃうのはコステロイールズのE以来かな。しかもステージングが大暴れなの。暴れ過ぎなの。良い大人が(笑)そこも自分と同じだから重ねて見ちゃう。そしてギターもちゃんと弾かないくせに、ラストの盛り上がる曲で何故かベース弾きながら歌う困った人。ベースはちゃんと弾いてくれる人に任せた方が!って見ながら叫んじゃったわ。しかし演奏しながら退場していくエンディングも最高でした!


あとはジョンバティステね。あのオープニングのギター弾きながら入って来るのかっこよかったなぁ。プリンスよりももっとルーツに忠実で、オーソドックスな感じはあるかな。才能爆発なのは同じなんだけど。


そしてLE SSERAFIM。完全にアメリカ仕様のステージ。特に前半はガールクラッシュを押し出してて、やっぱりこっちの音が合うなと再認識。強くても可愛さが消えないのがLE SSERAFIMの良い所。

今回はアメリカンなユンジンが中心のとにかくロック色強めの音で、これにチェウォンもしっかりと対応してた。しかし1番びっくりしたのがサクラの安定感。歌が上手いタイプじゃなかったはずなのに、全く弱さは見えなかった。あの「夢でkiss me」って歌ってた日本のアイドルの人が、コーチェラのステージで堂々たる姿を見せるなんて!これは現代の成り上がりですよ!サクラ、現代の永ちゃん説を唱えたい!素晴らしい。

ウンチェとカズハはもうちょっと頑張れたかなぁ。特にウンチェ。まあ2人ともまだキャリアが浅いからしょうがないけどね。


あとはヴァンパイアウィークエンド 、ジャングル、ブラーなどを見ました。ジャングルが良かったな。あ、あと何と言ってもタイラーザクリエイターのわけわからん爆発登場シーンね。あれは笑った。


配信でライブを見るって行為の楽しさも良く分かってなかったんだけど、これ楽しいかも。鍵盤が目の前にあるので、一緒に演奏しながら見ちゃった。ドラムの音で演奏に参加。また新しい楽しみを見つけた気分です。はい。来年はもっと見よう。

楽しいお酒

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昨日はジュン君とサシ飲み。焼きトンとワインバー的なお店を梯子。楽しかったなぁ。2人でいて気詰まりになる事は無いし、話題は尽きる事は無い。大人になってから出来た友達って良いよね。


基本的に1人飲み生活の人ですが、誰かと飲むのは嫌いじゃないです。誘ってもらえて時間さえ合えば、大体出て行きます。

ただ、自分から誘うのって意外と少ない。これは、基本衝動が好きな人なので、今!ってタイミングにならないと誘いたい気分にはならないってのが原因。それでいて意外に人に迷惑かけないタイプなので、いきなり誘ってもなぁーなんて事も考えちゃう。そして1人飲み嫌いじゃ無いから、結局は1人で飲む。それが日常。


基本的に人嫌いでは無いし、人懐っこいタイプだと思います。そんな自分の理想の飲み方は、たまたま隣にいた人と話をしながら飲む事。それが1番楽しいかな。知らない人の話って好き。でもその呼吸が合う事ってなかなか無い。隣のおじさん、話しかけたいんだろうなぁーと思ってもブロックしちゃう時もある。こっちの心構えのコンディションが合わない時。隣が女の人だと変に警戒されても嫌だから、なかなか話しかけられないし。ナンパした事がない、真面目なおじさんなんで。女の人に話しかけられたらすぐ扉は開くんですけどね。苦笑


体調不良も完全になくなったかな。昨日はけっこう飲んだけど二日酔い無し。またバリバリ飲みに行きたいです。はい。

スターの代償

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沢山のお金がある所には、欲望が渦巻き、そこには不信が生まれる。一平さんの一件を見ると、そんな事を考えちゃう。結局自分も含め、みんなが一平さんを良い人だと思いたかったけれど、そういう事ではなかったんだね。勿論依存症はあっただろうし、マフィアに狙われたのは間違いないけれど、もう通訳として、マネージャーとして優秀なだったとか、大谷さんも世話になったんだからとか、そんな話はぶっ飛ぶ金額。


ミュージシャンを目指し始めた頃、頭の中に描いてたのはスター街道であり、アリーナを埋める観客の前で歌う自分だった。でも今考えると、本当に自分の求めるものがそんなものだったとは思えないし、ただの夢物語のテンプレだったと思う。本当にやりたいのは音楽を作る生活で、スターになる事ではなかった。でも、もし万が一にもそんな境遇になっていたら、そこにはスターの代償もやって来て、人間不信になっていたかもしれない。この柔いメンタルで、そんなものは乗り切れたとは思えない。考えただけで恐ろしい。成功とは、それに値する欲望を持つ人以外には、危険なものだと思う。


今の自分の音楽生活に満足してるわけではないけれど、音楽をただ作る事に集中出来ているのは本当にありがたい。今日も曲を退出した。もっと採用されないといけないし、もっともっと売れたいけれど、それはスポットライトを意味してはいない。ステージで歌う事も嫌いじゃないけれど、それが何より求めるものではない。足るを知る。自分が何を求めているのか、それを知るのはとても大事な事だと思う。欲望には忠実にいるべきだ。でも無駄に膨らませない事も大事なんだなと、この歳になると思います。欲望がないのも問題だとは思うけどね。ほどほどにだね。何事にも。

ゆらゆら帝国で考え中

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ゆらゆら帝国のベーシストだった亀川さんが亡くなってしまった。個人的な繋がりは無いし、ただのいちファンでしか無いけれど、ゆらゆら帝国の音楽をこの世界に産み落としてくれた事にとにかく感謝したい。あんな音楽はどこにも無い。日本のロックンロールを誇らしく思えた瞬間。


やってる事は3コードのロックンロールのはずなのに、どこかはみ出して行くその音楽に僕らの世代は完全にやられた。世代的には自分のちょっと上だから、もう少し下の世代はさらに衝撃だったと思う。


センスが良いとかカッコいいというのが、海外の音楽にどこまで迫れるか?みたいな観点だった時代に、そもそも海外にも存在しないし、どこにも無いロックンロールを提示してくれたのがゆらゆら帝国。そこからくるりコーネリアスなど海外追従じゃ無い日本の音楽は増え始め、今の藤井風、米津玄師など、みんな今の人達は海外に似てるとかなんて意識もしてない。その種子としてゆらゆら帝国は大きかったと思う。


そしてそんなアングラ臭漂う音楽をお茶の間に引っ張り出しためちゃイケの功績もここでは触れておきたい。ああいう事がたまに起きるのが面白いよね。


あの独特なロックンロールは、「空洞です」まで行って、もはやロックンロールでもない、誰も知らないムードミュージックになった。そしてゆらゆら帝国は役割を終えた。独特な楽器の音色と声、コードワークとグルーヴが醸し出すムード、そして普通の言葉を普通じゃない場所に置いた歌詞。そんなものが一体となって、ゆらゆら帝国という音楽は奏でられていた。ゆらゆら帝国が流れると、その場所は特別な場所になる。その不思議な現象について、ずっと考えている。


まさにゆらゆら帝国で考え中。亀川さんのご冥福をお祈りします。

球体

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昨日は病み上がりのリハビリを兼ねて、外に出た方が良いという判断で下北モナレコードへ。ポプシとブロークンTVが出るって事で。


まあ色々あって早めに着いて、全バンド見れた。1組目はSAKU君という弾き語りの人。めちゃ歌上手い。90年代UK節が染み付いた歌の人。英詞って事もあるけど、それを差し引いてもだね。90年代に下北にいたら絶対人気者。


2組目のポプシは平田さんお休みで、ゲスト交えながら基本2人編成。

美音子ちゃんはちゃんと歌が上手いなぁ。味とかもちゃんとあるけど、前提として歌い手として上手い。それでいて歌い上げに行かない塩梅が素晴らしい。そして昨日はしまっちの声の良さも際立ってた。なんか歌い手として覚醒した感じ。2人のハーモニーは絶品。ギターも良い音だし、良い曲を良い音で、良い声で歌う。これ正義なり。


中村ジョーさんと北山ゆう子さんはベテランの余裕。阿吽で全て進む。北山さんのドラム良かったなぁ。ドラムの音がハーモニー奏でてる感じがした。


そして今回見たかったブロークンTV。ボーカルがソイチャンネルになって初。ずっと見たかった。ソイチャンネルの事はまあまあ前から知ってるし、加入にはびっくりした。前任が濃い味のリカチャンネルだったのでどうなるか?

結果から言えばベストチョイスだね。バッチリ。昔から居たみたいな感じがする。リカチャンネルの異物感の面白さではなく、スッポリブロークンTVのインディーポップに収まる歌。無理がない。元々の感覚が近いんだろうね。穏やかにも、強くも行けるし、これはこの先が楽しみになった。それぞれのメンバーの味の濃さも上手く引き出すような、そんな触媒としての能力も感じる。

良い音楽ってとても美しい球体のようになる。無駄がなく、すべてがそこに収まるような感覚。ブロークンTVって沢山の無駄を貼り付けて、そのゴテゴテ感で勝負するような音楽に聴こえるけど、ソイチャンネルの歌が入って、その要素が無駄に感じなくなった。面白い。カラフルな事は変わらないけど、ビビッドなリカチャンネルから、パウルクレーみたいな淡いカラフルさのソイチャンネルへ進化した感じ。少し大人になったとも言えるのかな。でもブロークンTVってずっと生き物感あるから、これも完成ではないんでしょうね。面白いバンドだ。ずっと楽しめる。


ラストのバンド、睡眠船のドラムの子が、若き頃のミッキーみたいで笑ってしまった。音楽はまずはみ出して、その後に収まる所に収まって美しき球体を目指す。ポプシみたいな老練な球体だけじゃなく、色んな球体があっていい。でも良い音楽は球体。それは間違いない。最終的にみんなそこを目指すんだと思う。