【目黒の事件に寄せて】

なんとも痛ましいとしか言葉がでてこない事件です
我が家にも5歳児クラス(6歳になりましたが)の息子がおり
大変身近な出来事です
この事件に限らず子供の虐待での死亡ケースにあたると夫は
「死刑だ」
と憤りをこのような言葉で表します
また、主にネットでの反応ですが「同じ方法で死なせろ」的な発言もよく目にします
憤る気持ちは良く分かりますが
私はいつもこの反応に厭な感じを抱いてきました
何故なのかと少し考えたことを今回自分へのメモとして記すことにしました
夫のように「死刑だ」と端的に反応するのは加害者と同じスタンスなのではないだろうか
と最近思うようになりました
特にこの少女の親は「躾」目的だった印象です(方便かもしれませんが)
できないから罰するという構造です
また、報道されていることを信じるのであれば
「朝4時に自分で目覚ましをかけて起床して平仮名の練習をしていた」
この少女が命を落とさずに大きくなりそれなりの立場になったとしたら
おそらく美談として語られるのではないかと想像します
継父の少女への要求は
?「人に会うときは、しっかりおじぎをして、あいさつをしないといけない」
?「ひらがなの練習をしないといけない」
?「はみがきは自分でやり、怠ってはいけない」
?「太りすぎてはいけない」
と、特異なことではないように思う
?についてうちの子は本当に挨拶ができない
保育園から下園するときも促さないと「さようなら」が言えない
一方で園児が「○○組みの××です。帰ります。さようなら」と大声でご挨拶をするご家庭が一定数ある
このような挨拶を求めるご家庭であれば?の要求はやってしかるべき
なんならできない家の親に対しても「あの家は…」と思っているのかもしれない
?については最近の子はびっくりするほど早く字を書く
4歳位から練習して書いている子もざらだし
親御さんたちが喜んでSNSに投稿していたりする
そうすると書けない子の親は焦る
相当確固たる教育理念のある家庭か全く気にしていない家庭でなければ
本当に焦る
?これも虫歯がある子は虐待(ネグレクト)と受け取られてしまう
自分で磨くか磨かないかなのだが
5歳になったら自分で磨くと思っている方が多いのではないだろうか(仕上げはお母さんかもしれないが)
我が家は実は私が全部磨いている
告げたら引かれるだろうなぁとお思っている
本人にやる気が全く見当たらない
実はこれは夫にも原因があるのではと思っている
夫は寝る前に歯を磨かない
以前理由を聞いたら「スースーして気持ちが悪いから」と
歯磨き粉つけなきゃいいのではないかと思うが磨かない
私が夜いないときに子供の歯磨きを頼んでも子供の歯磨きは私の仕事といって拒否する
?の「太りすぎてはいけない」は少し奇異な感じに受け取られている方もいらっしゃったが
肥満よりの体型だと「食事に気を使わない親」扱いを受けてしまうこともあるので
親の心情からしてみれば気にして育てている親御さんもいるだろうと思う
なんだかそうみてみると
外からの評価をとても気にしていたのではないかと思う
少女がノートに書いていた言葉
「きょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから」
「ほんとうにもうおなじことしません」
などは加害者の親も投げつけらていた言葉ではなかったかと想像する
「何度言ったらわかるの!」などはよく聴く言葉だと思う
その延長
5歳児にそれは無理だと軽くいう口があるが
だったら何歳からなら良いのか
「5歳になってもちゃんと挨拶ができない」
「5歳になっても自分で歯を磨けない」
「あの子は虫歯だらけね…」
「同じクラスの○○ちゃんはもうすらすらお手紙を書いている」
私たちはそんな中で子育てをしている
今年度のはじめクラス懇談会で他の保護者のお話を伺ったが
他のご家庭は驚くほどに子供への要求が高い
「私が他の家の子になれない」とへこんで帰ってきてしまったぐらいだ
また、そんなお母さんたちがびっくりすり様な勢いで子供を叱っているのに何度か遭遇したことがある
暴力も1回手をあげてしまったらエスカレートしていく事例は過去にも幾度となく目にし耳にしてきた
勿論言葉での暴力も存在する
どうしたら少女の命を救えたか
どうしたら親を殺人者にせずにすんだのか
殺人者の子供とならずにすんだのか(下にお子さんがいるようなので)
どうしたら子供を殺人者にさせないか
今、こういった状況に置かれている人たちにどのように手を差し伸べられるのかを考えるほうが
加害者の罰を考えるよりも先だと思う

【クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜】

6歳の息子
もうかなり前からテレビのレギュラー放送は見なくなっていたけれど
「映画みたい」とは言っていたのを
なんとなく流していたところ
「映画は?」と改めて追求されて観にいくことに
しかし、電車乗り換えなしで行ける範囲での上映は終了していて
諸状況かんがみてはじめてのARIO西新井、TOHOシネマズ西新井
職場の同僚には東武線沿線の人も多く
西新井に映画を見に行くという人もまた多く
どんなところだか思っていた以上に大きくてスクリーンがたくさんあって驚いた
公開されて大分時間もたっているしと予約せずに現地でチケット購入に挑んだら
前列2列しか空席がなくぎりぎりセーフ
席についてみてみると空いていたはずの前列2列の席も埋まり
クレヨンしんちゃん」の放映は12時過ぎからの1回のみだったので
もし売れ切れていたら…と胸をなでおろす
見終って6歳息子の感想は「30分ぐらいだった」というから面白かったのだろう
私は「長いな」と感じながら見ていたので少し以外
実際104分で結構長い
中盤でぷにぷに拳の九つの奥義を会得した2人が中国の地に旅立つってところで
「今からっ!」と驚かされたあたりからちょっと長いなぁとと感じ始め
その後からの展開にあまり緊張感を持って見られなくなってしまった
完全なるフィクション作品であるのは重々わかっているのですが
1才〜30過ぎまで春日部に住んでいた私ですので
今回の設定の「春日部に古くからある中華街・アイヤータウン」ってところから
「えええっ!」となって
(川向こうってことは庄和町??でも春日部は実に沢山の川が流れているのですが)
最後のジェンカを広大な草原で踊りだすあたりで
「ここはどこ?」状態
変に知っているから入っていけない悲しさ
かといって面白くなかったわけでなく
ストーリー展開も単純な勧善懲悪で終わることなく一ひねり二ひねりあり
落ちこぼれてしまった「まさおくん」が渋かっこよく描かれ
付き添いの大人は大人で楽しめる箇所ふんだんにがちりばめられていた
私がふふふとなったのは
プロジェクトAのテーマソングとともに登場したカンフー映画の名優たち
早口言葉の「きゃりーぱみゅぱみゅ
パンダコパンダ」や「未来少年コナン」の頃の宮崎キャラのようなドン・パンパン
(秘孔を突いて製麺するという設定が変に納得してしまった)
イラストに関してはエンディングの手書き風のイラスト群がとても素敵だった
行きは路線バスでアプローチしたのだが息子が酔ってしまい帰りは電車
電車は2回乗り換えで時間も倍以上かかってしまったが
全て座れてそれなりにゆっくり購入したパンフレットも読めて良かった
息子はパンフレットの袋とじが気になった様子
ずーっと覗いてみていた
ちゃんと映画とリンクされていて面白い
あと、なんとなくずーっとももいろクローバーZの歌う主題歌「笑一笑」を口ずさんでいた

大ホール【リーズの結婚 全3幕】英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

  • 音楽
    フェルディナン・エロール 編曲:ジョン・ランチベリー
  • 指揮
    ポール・マーフィー 演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
  • 台本
    ジャン・ドーベルヴァル
  • 振付
    フレデリック・アシュトン
  • 衣裳・装置
    オスバート・ランカスター
  • 照明
    ピーター・テイゲン
  • 主な配役
    • シモーヌ(裕福な農家の未亡人):ローリー・マッカイ
    • リーズ(その娘):セリーヌ・ギッテンス
    • コーラス(若い農夫、リーズの恋人):タイロン・シングルトン
    • トーマス(金持ちのブドウ園主):ヴァレンティン・オロヴィヤニコフ
    • アラン(その息子):チョウ・ツーチャオ
    • 村の公証人:ファーガス・キャンベル
    • 公証人の書記:アイトール・ガレンデ
    • おんどり:アイトール・ガレンデ
    • めんどり:ベアトリス・パルマ、ラケレ・ピッツィッロ、リンジー・サザーランド、ジェイド・ウォレス
    • リーズの友人:ルース・ブリル、カーラ・ドアバー、淵上礼奈、ジェイド・ヒューセン、水谷実喜、シャン・ヤオキアン、アリス・シー、チャン・イージン


開演前に元団員の山本康介さんと現芸術監督のデヴィッド・ビントリー氏のプレトークあり
「リーズの結婚」の原題名の説明やフレッドステップ、独特な角度をつけたポジションなど
これから見るにあたって楽しみを増幅してくれるであろうポイントを含んだ解説や
ビントリー氏はアシュトンとの思い出話など
お二人とも楽しませようとするサービス精神とにじみでるジェントリーさが素敵
少し早めに会場につけて本当に良かった
ビントリー氏については
だいぶ昔に新国立劇場のバレエの芸術監督をされていたときに
たまたま取った日にもビントリー氏のトークがついていたことがあったのだけれど
その時も感じたのだが、なんだか本当にいい人オーラで幸せにさせてくれる
私初めての「リーズの結婚」
なんとも気楽なプログラムで楽しい
鶏の気ぐるみを着てのダンスや本物のポニーの登場
木靴を履いてのタップ、両手に釜を持っての踊りや、スティックを持っての踊り
それはそれは大変なステップてんこ盛りだし魅せるテクニックも散りばめられており
バレエちょっと観てみたいなという鑑賞初心者から
寝ても覚めてもバレエ漬けの上級者まで楽しめる演目と
今回の座組みはそれに応える踊り手、カンパニーで
(私としてはアランがちょっといじめられっこ風に見え切なく感じたり
もう少し何とかならないかと思うところもあったけれど)
観終わって帰りの道すがらも思いだしながら「ふふふ」と嬉しい演目だった
3階席とちょっと舞台から距離のある席からだったけれど
リーズを踊られたセリーヌ・ギッテンスの素晴らしかったこと
とてもチャーミングで物語の中を生きている
コーラスのタイロン・シングルトンはちょっと「頑張れ!」とどきどきさせられた箇所もあったけれど
セリーヌととても良い組み合わせで2人がおおらかで観ていてとても楽しそう
イギリスというよりは南仏やイタリア、中南米を思わせ
風貌からの印象もあるとは思うがちょっとラテン寄り
このペアはドンキとかきっと楽しくみせてくれそうだろうなぁと
ちょっと妄想

上野駅の本屋で購入して読んだら思いのほか面白く、すぐさま続巻を購入意外なことに2冊とも6歳の息子がはまり、繰り返しページをめくる
史群アル仙さんが編集者に言われた「古臭い絵」がいいのでは?と推測
息子は「やばい」状態のところが気に入っているようで
そのような絵がでてくると「やばいね」と教えてくれる
さてこれが発育にいいのか少し不安なところもあるが
ADHDの諸兄とこれから生きていくうえで関わりもあるだろうし
本人も判らないがそうかもしれない
と思うと早いうちから知っていたほうがいいのかとも思う
酔っ払うと派出所や病院へ行ってお話しを聞いてもらう輩は結構多い
このような方々もADHDである場合も多いのだろうと思い
診断というかフォローができたならば救われる人も多かろうとも思う
なんだかものすごく勉強になった

【修羅天魔〜髑髏城の七人 シーズン極】劇団☆新感線

渡部又吁
昨年お春から始まった髑髏城もいよいよ最終ステージ
途中「月」だけは下弦も上弦も少し惹かれながらもパスしたけれど
「花」「鳥」「風」を観て挑む
前回3回とも「勝どき駅」から徒歩でアプローチしていたのだが今回は前の予定もあり渋谷から埼京線りんかい線ゆりかもめ
電車賃が痛い
いままでの劇場に到る方向が違うので今回初めて劇場横に大きな看板が設えてあったことに気付く
そうだったのか
晴海大橋」から劇場辺りを眺めるとまったくどこに劇場があるのかわからないので
晴海大橋側にも何かしらタテカン立てたら良いのに

今回は18列の一桁の座席
子供のお迎えがあるのでカーテンコールを存分に楽しまずに退席するには出やすい席なのだけれど
矢張り端だとGが強く感じるか
右回転が多かったような気がするので背中を押される感じ
左回転になると後ろに引っ張られる感じで体調悪いと辛いかもしれない
これは中心あたりの席だとあまり感じないのだろうか
4回ともたまたま左側の席だったので
右側を体験したかったと思ったが
そういえば「メタルマクベス」チケット取っているので
次回を期待
さて、芝居の感想は箇条書きで

    • 入れものを借りた新作のよう。前の物語にとらわれていると置いてけぼりになる。
    • 天海さんの肩幅!着流しのように見える。
    • 天海さんはさすが組みのトップを張っていただけあり、ものすごい安心感。かっこつけかたが板についている。凄い。
    • 今回の沙霧は比重が軽い。ちょっとロマンチックなところがないのが寂しい。清水くるみさんの股関節の柔らかいこと。
    • かんてつの三宅弘城さんが好き。ナイロン公演「百年の秘密」で今回は三宅さん出てないのかという私のロスだった部分が埋まった。で、体操部の本気を見た!
    • 原慎一郎さんの声が美しい。
    • 古田新太さんと竜星涼さんとのツーショットはりかちゃんとバービーぐらいの規格違いを感じさせられた。竜星涼さんえげつないぐらいにスタイルが良い。
    • パンフレットが小さくなっていてよかった。
    • コアが濃くなった分、周辺が薄くなった印象。
    • 暗転を映像で繋がられるのが良い。バレエ公演でもこういう展開があっていいと思う。

あと、ずっと思っているのだけれど、ここの客席は東京文化会館の1階席と似ている。
 
IHIステージアラウンド東京:座席数1314

東京文化会館 大ホール 1F:座席数1282

シアターイースト【嗚呼いま、だから愛。】モダンスイマーズ 句読点三部作

ソワレもある土曜日の15:00開演というので短い芝居かと思ったら
それなりに尺のある105分
休憩はなく後半に訪れる爆発までぐいぐい引き込まれてしまった
私が座った席は舞台をコの字型に囲む3面の左側
役者が出入りする会談の出口側
とても面白い設えで、小さな一戸建ての2階部分のLDKで繰り広げられるあれやこれ
主人公の多喜子のモノローグを挟みながら時間を前後させながら
でもカウントダウンが入ってその瞬間に進んでいく
多喜子の姉が女優をしている慎子(シンコ)
私の知人にも全く同じ漢字と読みで「シンコちゃん」と呼ばれる人がいて
なんだか新鮮
前情報として「セックスレス」がテーマだと受け取っていたのだが
観終わって思うのは「行き違い」「伝えようとすること」「コンプレックス」か
私の記憶では川上さんの芝居を観るのは3本目なのだが
どれも印象が異なり「ほえ〜」と感動
そして最後は多喜子と一緒に私泣きました
もう滂沱
以下雑感

    • 川上さん以外「顎」がある(微妙な人もおりましたが)。これ、実は重要なのでは?
    • 川上さんがいい具合に「ぶす」。服装も、仕草も、、、でもかわいらしく見える瞬間もあるのが良い。
    • 担当編集者の「本気でレイプと思うならやめます」的発言。ものすごく腹立つ。
    • セックスしてくれないから模型壊されたと素直に説明する夫。ものすごく腹立つ。
    • 「千葉はイヤなの」発言。千葉県民どう?私は笑わせてもらいました。船橋というのも良いチョイス。
    • 台詞をつっかえたり、言いよどむ箇所が気にならない。むしろリアル。
    • あれを1日2回演るのは相当なのではないだろうか。
    • チエコちゃん純朴でかわいいけど、きっと彼女も過去に何かある。復活してよかった。
    • いじめで用水路に突き落とされるって凄まじい。
    • 何か意見を求められたときに拠り所があるって強い。
    • 劇場入り口脇のスクリーンに流れているモダンスイマーズの踊りがゆるい。
    • 1本3000円超安い!3本8100円セット割り買おうと思ったら行ける日程がなかったのが悔やまれるが、それにしても安い!
    • で、次の公演を帰りにボックスオフィスで買いました。席が選べて(割り振られている中だけですが)手数料かからないのが嬉しいね。

小劇場【1984】新国立劇場主催開場20周年記念 2017/2018シーズン


  • 原作
    ジョージ・オーウェル
  • 脚本
    ロバート・アイク、ダンカン・マクミラン
    • 翻訳 平川大作
  • 演出
    小川絵梨子
  • 出演
    井上芳雄 ともさかりえ 森下能幸 宮地雅子 山口翔悟 神農直隆 武子太郎 曽我部洋士 堀元宗一朗
    子役(トリプル・キャスト):青沼くるみ 下澤実礼 本多明鈴日
    映像出演:野坂弘
    声の出演:浅野雅博 大澤遊
  • スタッフ
    ・美術:二村周作 ・照明:佐藤啓 ・音響:加藤温 ・映像:栗山聡之 ・衣裳:郄木阿友子 ・ヘアメイク:川端富生 ・演出助手:渡邊千穂 ・舞台監督:澁谷壽久 ・音楽:坂本弘道 ・稽古場代役:岩澤侑生子 加茂智里 ・プロンプ:竹内香織 ・制作助手:原佳乃子 ・制作:田中晶子 ・プロデューサー:茂木令子 ・芸術監督:宮田慶子

1984』は数少ない読み返す小説で
上演情報を入手したときからとにかく楽しみにしていたところ
先行販売、先行抽選やらがどうにも売れ行きが良く手に入らず
新国立劇場の『2017/2018シーズン 春の3作品通し券』をボックスオフィスに電話で申し込んで入手
電話口でも開口一番に「『1984』のお取りできる日が限られていますので…」ということで
まず『1984』の日程から決めていったのですが
幸運なことにシアタートークのある日のチケットを購入
1984』が目当てだったので
件の戯曲のブロードウェイでの公演で
「気絶したり嘔吐する人が続出したのに加え、熱狂した観客が逮捕される」
事態であったことは全く予備知識なく挑み
あれ、なんか、本と違う???
となりつつ過激な描写てんこ盛りで慄きながら
休憩なしの120分
シアタートークは司会は中井美穂さん
主演の井上芳雄さんとともさかりえさん
芸術監督の宮田慶子さん、今回の演出をされ次期芸術監督の小川絵梨子さん
5人たっぷりの50分
この芝居の稽古期間は1ヵ月半ぐらいだったとかで(たしか)
それはなかなか厳しかっただろう
(そもそのも本は演者と作り上げていったというのだから)
驚いたのは最近人気の小川さんがどの演者ともはじめての仕事だったということ
稽古のほかに「人狼」というゲームや『1984』の裁判をやったりとしていたと
また、数本宮田さんから提示された戯曲の中から『1984』を選んだのは
トランプ氏が大統領選で勝利する前だったようで
トランプ氏が大統領になりアメリカで『1984』の売り上げが伸びたニュースを知り
「やった」と思ったということや
宮田さんが『1984』を選んだ小川さんに「また、面倒くさいの…」と言ったり等々
司会の中井さんもたぶんあまり公では発することがないと思われる政治情勢について言及したりして
大満足のシアタートーク
何より一番『1984』の恐ろしいところは
読み返すにつれ受け取る私の心情が変わっていっていること
最初に手にとったのは大学生時分の1990年代初頭
高校の国語教師に「おもしろいよ」と薦められた(私個人ではなくクラス全体にだったと思う)のを思い出して読みはじめ
「うわーうわー」となりながらあっという間に読み終え(通学時間が電車で片道1時間半もあったので)
当時は「ビックブラザー怖えー」だったのに
(少し訂正:ちょっと反芻していてなんとなく思い出してきた
1984年がつい最近だったので、ちょっとコミカルにも思えていた
ソ連を揶揄してるんだろうなぁなんて思いながら)
読み返すにつれ描かれている社会を受け入れつつある自分が超怖い
また、ソ連じゃなくて日本を想起させることも

以下瑣末な感想

    • 小川さんは普段使わないというけれど戯曲の指示ということで使われていた「テレスコープ」。あの画質、映し方、私は好き。
    • 2012年に書きあがった脚本で、2013年に上演。それを2018年の春に日本上演する為に2014〜5年頃に小川さんにオファーしたという流れなのか?相当なスピード感なのでは?
    • 別の役でキャスティングされていた神農直隆さんが大杉さんの代役となったというけれど(凄くよかった)、もともとは誰をやる予定だったのだろうか?
    • 子役が3人とも9歳らしい。こんな芝居に出てて凄い。親はこんな芝居だと思ってオーデション?オファー?を受けたのだろうか。
    • ブロードウェイの演出は光源を客席に向けていたというプラン。ならば失神する人がいるやもしれない。
    • 井上さんが「『助けて』って言うのに誰も助けてくれないって」言った後に「助けにこられても…」って、そうよねぇ。
    • 小川さんの演出プランが「客は安心なところから観てほしい」というのが以外だった。客席の通路を役者が歩くような演出はしないし、客いじりも好きじゃないらしい。
    • 演者もすっかり『1984』に侵食されていている。井上さんはうたコン本番舞台の底でセリに乗って待機していところ、真っ暗なスペースで赤いランプだけがチカチカと点っているのに「ここは101か!!」というエピソードを披露。なるほど。ともさかさんもオンエアーをみていたらしい。
    • なんかもったりした井上芳雄さんが新鮮。でも数節歌ったマザーグースの美しいこと。
    • 演出の小川さんを生で見るのは初めてだったけれど、写真でお見受けするよりずっと華奢でシャイな印象。絶対劇場ですれ違っても私わからないと思う。
    • 二村さんの舞台美術が美しい。上手のほうが楽しめるかな。
    • 画面が2面で映されることがあるので、乱視が進んだ気になる。
    • 1948年にこれを書いたジョージ・オーウェル。ホント凄い。