Aerosmith@東京ドーム
よかった。
ロックというと「社会への反抗というか熱い何か」が先に来るものと思いきや、どちらかというと「安心感」がやってきた。ロックらしいロックを求めていたところにそのピースがはまったような感覚である。むろん観客席に飛び込んだりもするのだが、60過ぎのじじいの円熟というのもあるのだろう。
後ろの中高年のおじさんがはしゃいでいて「うるさいなぁ」と思っていたら、バラードの時には興奮してビールを片手に歌いだした。でも「ここまでしなけりゃ何でもありなんだよな」と思うとこちらの気持ちも楽になる(むかつかないわけじゃないが、彼にとってはこれが青春であり、こちらがなんと言おうとも代え難い何かのような気がした)。
- 気に入った曲
- Sweet Emotion
- Walk This Way
- I Don’t Want To Miss a Thing
ホオズキ
信心深くもないのに今年も観音さんにお参りに行ったのは、四万六千日、つまり126年分という妙に大きな数にもあるが、あの鮮やかなホオズキの色を見たかったのだろう。
夏の日差しが収まった昼下がり、自転車にまたがり言問通りを東へ向かう。西の参道から入る。手水を使い、香の匂いを鼻にくゆらせる。高い天井、少し深く息をして、目を瞑り、手を合わせる。本堂の東へ出て、威勢の良い売り子の声を耳にしながらホオズキを眺める。
http://www.senso-ji.jp/annual_event/shimanrokusennich.html
帰りがけに合羽橋を通ると、七夕まつりの飾りを西日が照らしていて妙にきれいだった。
典型的な...
金曜は、帰ってくるなり布団にうつぶせになる。朝、けだるいなか目を覚まし、ラジオを流しながら、掃除をして、洗濯機をまわす。朝ごはんを食べて、洗濯物を干して、風呂に入る。それから、一息ついて、自転車で上野に行く。
アメ横あたりを物色しながら、昼ごはんを食べる。今日は映画を見よう、金券ショップでチケットを購入する。始まるまで少し間があったので、不忍池に行き、ベンチに座る。うたた寝をしながら、池を眺める(蓮のつぼみがみえる。もう、1メートルちかくの高さで、葉も、直径50cmちかくなっている)。
池の畔にあるポルノ映画館の横を抜けた奥にある上野東急へ。途中、マクドナルドに寄り、Mサイズのコーラにポテトを買込む。居心地の良さそうな席に座る。もう別に何も考えなくていい。映画の幕が開ける*1。
*1:パイレーツ・オブ・カリビアンを見た。相変わらずだけど、いい感じだ。
ミノタウロス
SF小説を読むというのは、たいていの本もそうではあるのだが、乗り物に乗って知らないところに旅に出るような感覚に似ている。
海外ものの方が、しっかりした乗り物のような気がして乗ることはあまりなかったのだが、この本はなかなかいい感じだ。数日前、バリントン・J・ベイリーを数冊読みかえしていて、所謂「超高速エレベータ」に乗ったかのような感覚を期待してしまっていたのだが、それとは違う。うまくはまる言葉が思い当たらないのだが、読後は1つの旅があっけなく終わったかのような感覚*1なのだが、景色を思い出しながら何かそれだけではない、じんわりとやってくるものがある*2。
- 作者: 佐藤亜紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/05/14
- メディア: 文庫
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入れ子的な...
仕事柄、何かをシステム化するというのが多い。紙ではんこを押してなどというものをWebとかでやると少し整理できたり、便利だったりというものだ*1。時折、システム化するという行為自体をシステム化するということもある*2。
どちらであれ、一部が便利になると少し嬉しい気がするのだが、しばらくすると、それは当たり前になり、システム化されて見えにくくなった部分から腐臭が発生する。そのため、そこに蓋をしてみたり、時には匂いの元を絶ってみようと分解してみたり、いい匂いのするものでごまかしてみたりするのである。
であるからして、時折、白紙の状態から考えてみたり、別な観点で見てみたり、その行為自体にロマン*3を求めてみたりするのである*4。
しばらく前、少しいい匂いでごまかすためのおもちゃを作ったことを書くためのくだらない前置き。
わたしを離さないで | 映画-Movie Walker(Never Let Me Go)
久しぶりに映画館で見た。自分の中にある澱んだ何かが澄みわたるような感覚を覚えた。
後になって考えてみるとかなり精巧に仕組まれているように思われる。淡々とした語り口から、子供時代の回想に入る。そして、謎を追いかけているうちに物語の中に引き込まれていく。そこにあざとさがないとは言い切れない。だが、虚構であるが故の、より本当らしさを感じる。