終末へのカウントダウン 吉田基已「夏の前日」(4)
いよいよ夏が来てしまった。
- 作者: 吉田基已
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/07/05
- メディア: コミック
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連載開始から4年が経って、いよいよこの二人の関係も決まっている結末が訪れようとしている。
年上の晶の健気さと可愛さがますますもって切ない。半年ぶりに書くほどのショックじゃないけれども、とりあえず。
前を向くバリエーションの豊富さ GOING UNDER GROUND「Roots & Routes」
前作「稲川くん」は決意表明のメッセージを含んだ傑作だったけれど、今作はそこで示した場所へ進んでいく、さまざまな行き方を示しているように受け止めた。
- アーティスト: GOING UNDER GROUND
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2012/11/14
- メディア: CD
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インスト「1978」に続く「シナリオライター」は前作からまっすぐみえる延長線上にある曲だ。見せたくない傷もココにちゃんとあるって一節はもしかしたらここまでの活動の総括としてあるのかもしれない。
それが衝動としてあらわれたのが「BreakThrough」だ。ソウル持ってぶつかっていくストレートなアプローチ。
「ナカザのディスコ★」はアルバム全体の中の照れ隠し成分に思える。
方向性の統括として後半部分のスタートに「稲川くん」を配置したのかもしれない。その後、ジョーさんの曲によってちょっと落ち着いた方向性が示されていく。
「9th route」「Shining」は確かな歩き方で。
ゆっくりとしたロックンロールはたくさんある中のまたひとつのルートで、これまでにあまり示されることがなかった。とても新鮮だ。
すごく断片的になってしまった。
シンプルに伝えたいのはこのアルバムがとてもいいってことだけなんだけれども。音だってバリエーション豊かだし、その点では前作よりも入り込みやすいはず。
歌詞なんてあとでいいからさ。じゃあこの記事なんなんだよって思うけど。聴けよまあ。
神様は想いに宿る、こともあるのかもしれない しおやてるこ「たまりば」(1)(2)(完)
たまりば 1巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
- 作者: しおやてるこ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/06/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: しおやてるこ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/06/15
- メディア: コミック
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1巻からは想像しえないようなシリアスかついい落ちだった。傑作!
河原にいる変な兄ちゃんとそいつに恋する女子高生の物語。のはずなのだが、変な兄ちゃん、川崎ハルオのパーソナルが明かされるにつれてそれは変質する。
女子高生、中原美和が恋を成就させるのではなく、その思いによって日々削られていくハルオが癒され、救われていく物語と。
好き、嫌いだけじゃなく、愛しさにこそ救われ神様は宿るんだきっと。
どんな音でも関係ない たむらぱん「mitaina」
書くことはあっても気力はなくブログといいつつ月一更新もせずにいたわけだが、大傑作を聴いたらなんらかの反応をせざるをえないわけですよ。
- アーティスト: たむらぱん
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2012/01/18
- メディア: CD
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これまでたむらぱんは気持ち悪いメロディを神がかったポップセンスで成型することで(一部の人間の間で)天才の名を欲しいままにしてきた。
今作はそれにノイジーなバンドの音をも盛り込んだが、どんな楽器を操ってもたむらぱんはその色を隠すことができないのだと解った。
ハードコアパンクバンドSNUFF*1とのコラボレーション曲「フォーカス」は混ぜてはいけない感じの音だ……と思いきや意外や意外。明らかに日本語が不得意な男性コーラスが混ざっていようとも才能の煌めきはダイレクトに伝わってくるから不思議だ。
「ファイト」は転調とメロディのいびつな組み合わせで異常なキャッチーさを併せ持つ。全盛期の川本真琴*2にも勝るとも劣らない危うさ。
そんなやばいタイトルが並ぶ前半部と、シングル「しんぱい」*3を挟んで比較的おとなしい後半部は少しトーンダウンした印象だがアルバムのラストを飾る「歩いてる動いてる」では平穏なようで平穏ではないエンディングを見事に飾る。
異様な曲が並んでいるのにアルバムの流れとしてはひとつにも思える。まだ彼女には行くところがあるのか。才能の陰りはまだまだみえない。