2024/05/08

⚫︎お知らせ。5月19日に開催される「文学フリマ東京38」のいぬのせなか座ブースにて『セザンヌの犬』が先行販売されます。ぼくは「文学フリマ」にはかかわっていないのですが、本の「現物」がここで初出しされます。

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⚫︎「文房具絵画・付箋」(付箋、ラミネートフィルム)

 

 

 

 





 

2024/05/07

⚫︎お知らせ。約八年半ぶりの展示を、OGU MAGで行います。

タイトルは「bilocation/dislocation」。

期間は、6月6日から16日まで。月曜から水曜日は休廊で、木曜から日曜日に開いています。

前回、吉祥寺の百年で展示した「人体/動き/キャクター」シリーズの発展形となる作品と、「文房具絵画」のシリーズを展示する予定です。

この展示は、連続講座や本の出版と連動していて、いぬのせなか座と、Dr.Holiday Laboratoryの共催で行われます。

(会場では小説集『セザンヌの犬』の先行販売も行います。)

⚫︎以下、ステイトメントです。

「bilocation/dislocation」

1.

遠くにある近いものと、小さくて大きなもの

※これは撞着語法ではなく、次に挙げる可能な16パターンの中から選ばれた字義通りの意味を持つ。

(上の文には、下の16の可能性が―「地」として―内包されている。)

遠くにある遠いものと、小さくて小さなもの

遠くにある遠いものと、大きくて大きいもの

遠くにある遠いものと、小さくて大きなもの

遠くにある遠いものと、大きくて小さなもの

近くにある近いものと、小さくて小さなもの

近くにある近いものと、大きくて大きいもの

近くにある近いものと、小さくて大きなもの

近くにある近いものと、大きくて小さなもの

遠くにある近いものと、小さくて小さいもの

遠くにある近いものと、大きくて大きなもの

遠くにある近いものと、小さくて大きなもの

遠くにある近いものと、大きくて小さなもの

近くにある遠いものと、小さくて小さなもの

近くにある遠いものと、大きくて大きいもの

近くにある遠いものと、小さくて大きなもの

近くにある遠いものと、大きくて小さなもの

2.

色や形は、それ自身の固有のキャラクターを持つ

組み合わされた「色と形」、組み合わされた《組み合わされた「色と形」》は、それ自身の固有のキャラクターを持つ

3.

そこにあるもの(たとえば人の動き)を、ここ(紙の上)に移動させる

紙の面積はたいていオリジナルの人物のスケールより小さいが、「動き」そのものに大小はあるのか

たくさんの「動き」を集めて組み立て、どこにもなかった動きを作る

作ったものをコピーして組み立て直して、どこにもなかった動きを作る

コピーしたものを大きくしたり小さくしたりする(大きくしても別に「動き」は大きくならない)

大きくしたものと小さくしたものを組み合わせて、どこにもなかった動きを作る

そうして作ったものを手で描き写したり切り刻んだりして組み立て直し、どこにもなかった動きを作る

そうして作ったものを切り開いたり折りたたんだりする

切り開いたり折りたたんだりしたものを組み立てて、どこにもなかった動きを作る

そうして作ったものを、コピーしたり、手で描き写したりする

(イメージを操作しようとしているのではなく、イメージの器となるもの、スケール感や距離感、つまり時空間のありようそのものを組み立て直そうとしている)

4.

二次元のものを三次元上で操作する(切ったり、貼ったり、裏返したり、ひねったり、折り曲げたりする)ことは、二次元のものを二次元上で操作する(描く)こととはかなり違う。三次元のものを三次元上で操作することと、三次元のものを四次元上で操作することと同じくらい違う(アナロジー)。

www.ogumag.com

 

2024/05/06

⚫︎なんとか警察みたいなことは極力言いたくないのだが、フランク・ステラはミニマル・アートでもないし抽象表現主義でもない。これはたんなるレッテル貼りではなく、けっこう重要なことだ。抽象表現主義以降の画家であり、かつ、非ミニマリズムの画家で、その微妙な立ち位置こそがステラの美術史的な意味だ。本当にピンポイントで、そこでそれをやるしかないというところで「それ」をやった(「それ」を発明した)。そういう意味で、他に似た画家はいない。グーリーンバーグはステラを評価しなかったが、マイケル・フリードは高く評価した。その意味でも微妙であり、その微妙さこそが命でもある。

(ぼくはすごく好きだ。「ある時期までは」という限定が必要だが、唯一無二の「色感」を持つ画家だと思う。美術史的な立ち位置がどうこうということとは別に、ぼくにとってはその側面でとても重要な画家だ。)

後年の、あのタガの外れた、なんと言っていいかわからない巨大なレリーフ群については、それとは全く別の方向からの検討が必要だろう。「検討したい」という気持ちにはなかなかならないが。

2024/05/05

⚫︎アパートの部屋を二つ同時に借りているという夢をときどき見る。どちらも木造の、古くて狭い部屋だ。主に一方に住んでいて、もう一方は放置気味というか、普段は忘れていて、ときどき、後ろめたい過去を思い出すようにその存在を思い出す。この、やや後ろめたいというニュアンスををどう表現すれば良いのか。そこはもう、半ば自分のものではないのだが、しかしまだ鍵を持っていて、新しい住人がいるわけではないまま、その部屋はある。家賃は支払っているはずで(だが、それも定かではない、占有権が半分くらい失効している感じ)、だから自分にはそこに行く権利はあるはずなのだが、なぜか、できるだけ近所の人や大家さんに見つからないように気を使って、こそっと訪れる。そこには荷物も家具もなく、ただ、郵便受けに自分に充てた、しかしどうでもいいDMが溜まっている(他人の郵便受けを勝手に見てしまうかのような後ろめたさで、郵便受けをチェックする。)。そのような部屋が、そのように存在していて、そこに行くことができるというることが、自分にとってはけっこう重要なことだ、みたいな感じ。

2024/05/04

⚫︎国立新美術館マティス展、とても良いという評判を信頼できる複数の人から聞くのだが、観に行くための時間を作れる気がしない。27日までだが、せめてあと一週間、長くやっていてくれば観に行けるのに。好評につき会期延長、とかないのかな。

2024/05/03

⚫︎お知らせ。本が出ます。タイトルは『セザンヌの犬』。小説集です。七つの短い小説が収録されます。一番古いものは2011年に書かれ、一番新しいものは2023年に書かれました。連作となっており、12年かかってようやく完結したことになります。これらの小説の中には自分のすべてが入っていると思っているので、この本が出せて本当に嬉しいです。本屋さんやamazonなどで買えるようになるのは六月半ばからですが、予約が始まっており、いぬのせなか座のSTORESで先行販売します。

 

inunosenakaza.stores.jp