gavangavanの日記

書きたいことを書いております。

ロケみつと制服と桜 稲垣早希(夏コミ改訂版)

夏コミ早希ファン本を出すからね、という我らがさこん隊長の要請により、いつものごとくちょい長い文章を書いて投稿しまして、無事本にはなったのですが製本数十数部(手製本ですから)ということで、おそらく部外者でこれを手にとって読まれた方はほとんどいないはずですね。

冬コミには完全版を、というお話もあったんですがまあ予定通り(←失礼極まりない)遅れているので、年内にあげてしまえということで自ブログにあげちゃうことにしました。真冬の大晦日に真夏モードで書かれた文章読まされる季節感の崩壊っぷりはご容赦いただくとして、今年ほぼ唯一ともいうべき本ブログのアクティビティを記録しておこうという趣旨でもございます。

夏コミ本の稿からちまちまと追加修正をしているので若干内容が増えております。そもそもこの原稿は以前本ブログに書いた記事内容に大幅に追記する形で構成された改訂稿でして、その意味ではいまも追加されつつあるのですが、現時点の確定稿ということでなにとぞよろしく。

それではみなさまよいお年を。

ロケみつと制服と桜 稲垣早希

5年8ヶ月続いた桜 稲垣早希ロケみつブログ旅が終了して1年半が過ぎようとしている。かつてあれだけの間、地震のあとしばらくの期間を除いて毎日、本人によって更新されつづけた旅ブログ。記事を逐一確認する日課から遠ざかって久しい現在、ブログ旅のことを考えるのはまるで、初秋のころになって真夏の蒸せ返るような日々を思い返すかのようで、懐かしくも口の中が少し苦くなるような、視界が陽炎で歪んで見えるあの焦燥感が真っ先に思い起こされるのだ。あの青い制服の背中に乗った大きなピンクのリュックが遠くでゆらゆらと揺れている、そんな光景とともに。

彼女が学校の制服を着ているのはもちろんエヴァンゲリオンのアスカを(当初版権無断で)演じているからだが、考えてみればこれは別の意味でも必然なのだ。桜 稲垣早希ロケみつブログ旅は、まだ無名の駆け出しだった女ものまね芸人が、いじめとほとんど区別がつかない過酷な条件で旅をさせられながらも、世の厳しさの中に人の暖かさや思いやりを見出して少しずつ成長していく、その物語性ゆえに多くの視聴者によって時に熱烈に支持された。アスカだけれどアスカじゃない。生身の人間・稲垣早希の成長物語だからこそ、みな深夜のテレビ画面に釘付けになったのだ。あの制服姿は形式的にはエヴァからの借り物だとしても、虚構としての番組と演者のリアルとのクロスオーバーを実に象徴的に体現している表象=アイコンなのだ。制服とは「学ぶこと」が「生活」と同一視されるための表象である。成長途上のこの少女(すでに二十代だが)はいつも学んでいる。失敗と挫折と克服を繰り返し行きつ戻りつしながら少しずつ前に進んでいく。旅に同行して自らカメラを回しているため常に声だけで登場する番組きっての悪役=親玉ディレクターは、この番組を構成・演出するにあたって相当の計算をしただろうが(曰く関西縦断の経ヶ岬ゴールシーンから逆算して演出したらしい)、アスカのコスプレが制服であることは最大限意識していただろう。もちろん稲垣はロケみつ以前からアスカのものまねとエヴァ漫才で一部お笑いウォッチャーから注目されていた存在なわけで、この新人芸人としての稲垣自身をいわば「エヴァごと引用」したのがブログ旅なのだから、エヴァと稲垣とブログ旅は二重にクロスオーバーしていることになる。

番組がエヴァから借りた(エヴァ的デザインモチーフ以外の)アイコンはもう一つある。「真夏」だ。エヴァの世界観ではセカンドインパクト後の日本は四季がなくなり、永遠に夏が続くようになった。それゆえブログ旅の第一章「関西縦断」が夏に始まったのは偶然ではない。旅がその条件設定の苛酷さゆえに思ったより長引いたため、ゴールしたころにはすっかり冬になってしまい、夏のモチーフは全体を通してやや後退した感がある(それでも後年のしまなみ海道編など夏の過酷な暑さは印象深いシーンとなって記憶に刻まれているが)。「関西」とこれに続く「四国一周」の前半では、寒さ対策にと旅の資金で買った白いロングのダウンジャケットが水色の制服姿をすっぽりと覆い隠してしまうが、翌年の「西日本横断」の冬場ではヒョウ柄パーカーとピンクのショートジャケットを着用、スカートの部分が露出するようになったのは、今になってみれば意図的な演出だったのかもしれない。番組上最も不可欠なモチーフが、エヴァの設定でもロゴでもフォントでもカラーデザインでもなく、主人公の纏う制服であった証左だろう。やはりあの制服こそが、芸人・桜 稲垣早希自身の成長物語をまぎれもなく象徴していたのだ。

2013年度後期MBS制作の深夜アニメに「キルラキル」という作品がある。TRIGGER制作のケレン味の強い作風に根強いファンも多い(私もその1人だ)作品だが、その主人公・纏流子と桜 稲垣早希には大きな共通項がある。二人ともその物語上極めてシンボリックな「制服」を着ていることだ。奇しくもキルラキルはMBSではロケみつ最終回(フライデーではなく無印)と同じ日にその最終回O.A.を迎えている。このふたつの制服が物語の終着地点でどう扱われたのか、比較してみるとなんとも感慨深いのである。流子の着ている意志を持った制服「鮮血」は最終回のクライマックスで流子を守りながら燃え尽きるその刹那、別れを受け入れられない流子にこういって諭すのだ。

鮮血「セーラー服とは、卒業するものだ」(CV:関俊彦)

エピソードのラストでは、流子はじめ制服を着ていた他のキャラクターたちも、これから新しく始まる自分たちの希望と未来を象徴するようにそれぞれに私服で登場し、去っていく。いわれてみて気がつくのだが、たしかに(学校の)制服とは人生の特定の一時期にだけ着るのであって、いずれ脱ぎ去るものだ。あとから思い出して袖を通そうとしても、現在の身の丈にはあわないことに愕然とする。それが成長の証なのだとまるで鮮血が語っているかのようだ。「終わらない夏」は現在として永遠に続くのではなく、いずれどうしようもなく終焉し流れ去ってしまうから、もう決して手が届かないからこそ、それへの憧憬が生涯続いて「終わらない」のだ(この反映がエヴァの夏の設定なのだと私は思っている)。

一方でブログ旅の稲垣早希は旅が終わっても相変わらずアスカの制服を着ている。たしかにテレビ等での私服での露出は非常に増えているが、劇場でのピンネタにしても「ドラゴゲリオン」等のコンビネタにしてもあるいは「アニメ座」にしても、基本はやはりアスカである(だからこそ「私服」早希=「素早希」の醸し出す独特の「オフ」感覚は、テレビ演出的にもそのキャラの身近さを最大限強調してやまない)。私は、あるいは最終回の公開収録があったあのNGKの舞台上で、もしかするとアスカコスを脱ぐ展開があるかもしれないとほんの少しだけ予想、いや期待していた。それは結果として完全に外れに終わるのだけれど、ブログ旅が桜 稲垣早希本人の成長物語であるからこそ、かつて山口百恵が舞台にマイクを置いて去ったように、NGKでの最終回公開収録の場はその一区切りとしてありだったではないかと思う。それがいつになるかはわからないが、いずれどこかでアスカコスとの決別は彼女にとって不可避なのだろうと考えたとき、ブログ旅の完結を直接表現するのにうってつけのまさに最後のワンピースとして納まったのではないか、と夢想してしまうのだ。

あるいは、芸としてのアスカコスは今後もしれっと続けるのだけれど、ブログ旅のアスカとしてはここで制服を脱ぐのだ、という「枠の中」における演出でもよかったのかもしれない。なにせベタな期待やオチを自ら壊したりずらしてみせる「すかし芸」は彼女の得意技でもあるわけだから(斜に構えてしまうからなのか単純に恥ずかしがりだからなのかは未だに判然としない)、これはこれで予定調和でもある。

現実には、後番組「ロケみつフライデー」のMCとして相変わらずアスカコスの稲垣早希として登場することで(肝心の制服はなんと幼稚園児(!)のものになっていたが)1年の放映を終えた。特番的な回においてかつてのブログ旅を少しだけ彷彿とさせる「調査旅」がO.A.されることによって、はからずもブログ旅からの「旅立ち」が描かれたといえるかもしれない。「振り返る」という行為は、その対象が過ぎ去ってしまったからこそ可能なのだから。

多くの日本人にとって「制服」と「終わらない夏」は、過ぎ去りし青春時代を象徴する、結晶化して記憶の底にしまい込まれた心象風景のひとつだ。果たしてあのロケみつのスタッフならば、番組が終わってからのちしばらくして視聴者が幾多の名シーンを思い返すときのその感傷までも、もしかすると最初から計算して作りこんでいたのではないのか、という多少の買いかぶりを含んだ想像にまでたどりついて、私は思わず苦笑いする。ひとしきりの苦笑のあとで、あの水色の制服姿越しに見える灯台の白い壁と、空と海の深い青、照りつける日差しの眩しさ、そして、手のひらの1円玉の鈍い光を、締め付けられるような喉の渇きとともに鮮やかに思い出すのだ。

二〇一五年 八月
ぎゃばん (@gavangavan)

BOXジャケット、各ショップ特典公開。

f:id:gavangavan:20150306160051j:plain:w350:right15枚組Blu-rayボックス「ロケみつ~ロケ×ロケ×ロケ~桜 稲垣早希のブログ旅 Blu-ray BOX 日本編完全版」のジャケットが公開された。


ロケみつ~ロケ×ロケ×ロケ~桜 稲垣早希のブログ旅 Blu-ray BOX 日本編完全版
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ロケみつ~ロケ×ロケ×ロケ~桜 稲垣早希のブログ旅 Blu-ray BOX 日本編完全版【よしもと限定特典付き】
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本作は「桜 稲垣早希のブログ旅」を初めてBlu-ray化したボックスセット。稲垣早希が世界中を旅してきた中でも「関西縦断」「四国一周」「西日本縦断」の日本編3部作を収録しているほか、これまで発売されたDVDには未収録の「移動距離19000キロ 広島←→パリ 最大戦速ブログ旅」も楽しめる。

また特典としてプレゼントされる生写真のサンプルも到着。AmazonタワーレコードTSUTAYA、ローソンHMVジョーシンソフマップ楽天ブックスセブンネットショッピング、よしもとネットショップplus・よしもとテレビ通り、MBSヨドバシカメラで絵柄が異なるのでチェックしてみよう。

桜 稲垣早希「ロケみつ」15枚組Blu-rayジャケット&特典生写真公開 - お笑いナタリー

だから買いませんてば!!(汗
艦これアニメもあるのにどーしろと←

ブルーレイ!?

f:id:gavangavan:20150216232427j:plain:w350:right稲垣早希のブログ旅シリーズ ブルーレイ化 第1弾!

日本編完全版として、 第壱章「関西縦断」、第弐章「四国一周」、 第参章「西日本横断」の三部作に加え、新たに DVD未収録「移動距離19000キロ 広島⇔ パリ 最大戦速ブログ旅」を追加収録した、 Blu-ray 15枚組BOX!

初回特典:初回プレス盤限定封入(仮) Blu-ray BOX「日本編完全版」「ヨーロッパ編完全版」2巻連動応募券(特典内容未定)

★日本編DVD26巻(28ディスク)分を特典映像、特典副音声まで含め完全収録!収録時間はなんと約70時間!
★Disc15には、DVD『ロケみつ~ロケ×ロケ×ロケ~桜 稲垣早希の 西日本横断ブログ旅12~18』の全7巻連動特典だった「移動距離19000キロ広島⇔ パリ 最大戦速ブログ旅」を収録!
ブルーレイディスク15枚がコンパクトに収納された豪華デジパック仕様!さらに、シリアルナンバー入り!
★数量限定!(当たりつき)!当たりにはランダムでディスク収納トレイ部分に桜 稲垣早希の直筆サイン入り!
★6月発売予定「ロケみつ ザ・ワールド桜 稲垣早希のブログ旅Blu-ray BOXヨーロッパ編完全版」連動特典!
※連動特典内容及び「ヨーロッパ編 完全版」の発売時期など、詳細は後日発表。

【ロケみつ】桜 稲垣早希のブログ旅シリーズ ブルーレイ化 第1弾! | ロケみつ ~ロケ×ロケ×ロケ~ | NEWS | YOSHIMOTO R and C CO.,LTD./よしもとアール・アンド・シー

買いませんっっ!!!!
いやほんとに。

イブやすらかに。

f:id:gavangavan:20140909220815j:plain:w300,right今日、私が中学の時に拾ってきて16年間飼ってた犬のイヴが亡くなりました。
獣医さん曰く、寿命だったみたいです。
私が実家に帰ってイヴに会うたびに
どんどん歳とってくのを感じてました。
食が細くなってって
足腰も弱くなってって
目も白内障で白くなってって
いつ悲しいお知らせが親からくるだろうって
思ってました。

(中略)

イヴが生まれ変わったらもし犬でも今度は捨てられなかったらいいな。
イヴお疲れ様でした。
ゆっくり眠ってね。

イヴ - 桜 稲垣早希のブログナイフ - Yahoo!ブログ

子供が生まれたら犬を飼え、のテンプレツイートはBBSの昔から人口に膾炙してきたわけですが、それはおそらく正しいのでしょう。いろいろな環境の制約で必ずしもいきものを飼うことが叶わない場合もあるわけで、うちにも長生きする生き物はいない(私が小さいときに鶏と犬がいましたが)のですけれども、犬や猫を飼っている友人は多く、家に遊びに行ったり旅行にいったときに触れ合うこともあり、情も移るわけですけれども、家族ともなれば思いの深さは一層でしょう。たぶん言葉が使えないゆえの情のモードがたしかに存在する気がします。

人間は多くの生き物に比べてかなり長寿ですから、生き物とつきあえばこれはもう避けがたいシーンでもあるし、それゆえに犬を飼えという示唆なのでしょうが、ことに犬と触れ合う瞬間はなにか今と過去と未来とをないまぜにして体験しているようなそんな錯覚にもとらわれて不思議な気分になります。

彼女にとっては今年はいろんな意味で区切りの年となるのだな、そういう象徴的なできごとであるかもしれません。

どうぞやすらかに。

STAND BY ME ドラえもん見に行ってきたよ。

STAND BY ME ドラえもん見に行ってきました。ドラえもんの劇場版は数あれど、今回のは初の3DCG版ドラえもんで、1巻先頭から7巻最初までのいくつかの話を軸にしたストーリー。たまごの中のしずちゃんしずちゃんさようなら、雪山のロマンス、のび太の結婚前夜はずいぶんのちの巻からの採用。

ドラえもんのび太の友情の深化が中心なんだけど、こう編成することでしずかちゃん(およびジャイ子も)の成長すら描いている。なかでも雪山のロマンスの改編は本作の最善パートで、F先生もきっと唸っているのではないか。よほどのドラ好きが考えたに違いない。

原作の雪山のロマンスは、風邪で情けなく寝込んだ青年のび太に代わって、少年のび太が遭難したしずかちゃんを助けに雪山に単身乗り込むストーリーなのは今回の映画と同じ。しかしオチは違っていて、最後までしずかちゃんに助けられっぱなしでおかげで無事下山することができ、しずかは「心配でほっとけないから」という理由でのび太との結婚を承諾するというものだった。本作は完全にこれを倒立してみせた。

しかけとしては、ようするに「正義の味方セルフ仮面」、「ドラえもんだらけ」、「のび太の大魔境」の逆張りなのだが、ドラファンならだれでもこれはその反転オマージュだとわかるだけにカタルシスがすごい。助けに来るのがこの時代の青年のび太本人なのだから。このプロットによって本来対峙すべきこの時代の青年のび太としずかがきちんと対になって存立するのである。そしてそれだけでは終わらない。

尺の関係もあるので難しいかとおもっていたら写真でしずかちゃんとノビスケが登場したのみの「のび太のおよめさん」回(この話は小学4年生の初出時およびてんとう虫コミックス6巻ではさようならドラえもんの直前回である)。この話では、本当に大人として成長したのび太(近眼もなおり、ノビスケが小学生なのを見れば結婚から10年ほどたっている)と少年のび太の対話が描かれている。このシーンは、もし今回のようなそもそもの初めから「さよきた」までをフィーチャーする話なのであれば是非とも本編に取り込んで欲しかったエピソードなのだけど、まさにそれをここで翻案してきたのだ!青年のび太と少年のび太のエールの交換。それをしずか救出作戦という具体的な本人の記憶の形で結晶化させてみせた。まさにこれはやった!と思った。

ここの青年のび太は原作版雪山のロマンスに登場したただのなさけないのび太ではもはやないのだ。いや考え方によってはあの雪山での子供のび太の機転こそがこの時代ののび太を一気に成長させたとも見ることも出来る。きっとそうに違いない。

このパートは本作随一の良作部分で、スタドラ全体をただのリメイクCGアニメではない「新作」に押し上げる鍵になっている。ここまでやってくれると贅沢を承知でもっと高望みしたくもなるのだ。それはアニメ版のび太の結婚前夜のオリジナルエピソードだ。

劇場アニメ版のび太の結婚前夜では、原作にはないTVアニメ版オリジナルエピ「しずかのネックレス」(wikipediaによれば83年OA)とのリンク、および猫の飼い主を探しにしずかやジャイアンスネ夫も巻き込んで空港へ急ぐという劇場版オリジナルエピソードが追加されている。しずか父の「のび太くんを選んだ君の判断は間違ってないと思うよ」「あの青年は人の幸せを願い人の不幸の悲しむことのできる人だ」をこれらの具体的なエピソードでしっかり裏打ちしているのだ。それもTV版オリジナルのネックレスのエピソードと合わせてしずか父母の両方から。この珠玉のシナリオをなんとか今回活かせなかったかと思えてならない(もちろん無理は承知)。

劇場版「のび太の結婚前夜」ではしずかの父への告白はドラえもんの正直電波ではなく自ら切り出していたりする。このあたりどっちを採用すべきか悩ましいところではある。今回スタドラにはのび太の側にムシスカン自殺未遂事件?のエピがあるだけにしずか側にもなにかエピソードがほしかったところ。

たぶんあの時系列では雪山からしずかを救出したのはぜんぶその時代ののび太ということになっている(しずかもそう思っているだろう)からそれが結婚の意志を固める礎石になっているならもやもやが否定出来ない。いやのび太のことだから事の顛末はしずかにもう説明しているのかもしれない。

ラストのさようなら/帰ってきたドラえもんはほぼ原作通り。テンポが少し悪いのは本来さようならで終わっているところなのでうまく繋がないと後日談が蛇足にみえてしまうところか。最後のくす玉シーン、ジャイアンスネ夫はしずかに促されてのび太にひどい嘘の詫びを入れに来たのかもしれないね(98年の劇場公開版帰ってきたドラえもんではまさにそういう展開になっているらしい)。

しずかだけでなく、今回本編ではジャイ子にも出番がある。原作当初のジャイ子は不憫なキャラで、のび太にふりかかる不幸の象徴として(どころか根源としてすら)描かれていて、そこからのび太がいかに脱出してしずかちゃんという希望にたどり着けるのかというのが物語の基本フレームだったのだけど、F先生のすごいところはこのジャイ子に漫画家への道を託すことで彼女を救い上げたことだ。なにせ「漫画家」なのだ。これは並々ならぬ思いだ。これまた尺もあるのでむずかしいと承知の上だがジャイ子エピソード(ちゃんとベレーかぶって絵を描いているシーンが冒頭から差し込まれている)なら茂手もて夫くんをだしてほしいという欲もあるのだけどそれは望み過ぎか。

本作は3DCG作品なので、3D上映版が存在し(私が見に行ったのは2D版である)そのために過剰に3Dぐりぐりなモーションシーンがある。これは正直いらなかったかもしれない。ドラえもんはアクション映画ではないので。やりたい気持ちはわかるのだけど。

総じてよい映画であった。ビッグタイトルだけにコケが許されないプレッシャーのなかスタッフは良作を生み出したと思う。泣きをあえてプッシュしなくても十分客は呼べたのではないか。実際300人ほどの箱のほとんどの席が埋まっていた。小学生も多数きていた。

となりの席が小学生の女の子たちであったがしっかり泣かされていたようだ。しかしそのとなりのおっさん(私)は泣くどころか、押入れの星野スミレやジャイアンのリサイタル衣装にやたら反応して声を上げそうになるので、さぞかし気味悪かったことであろう←。

東浩紀著「弱いつながり」を読んで。

ずいぶん更新もしなくなって久しいわけですが、今後はおそらく単発的に語りたくなったときに特定のテーマで語る感じでゆるく進んでいくことになろうかと思います。いやもともとそういう趣旨のブログであったわけですが途中で路線がずれまくってここに至ったという話もあり、もちろんメインコンテンツになってしまった路線も折にふれて書いていくことにはなるのでしょう。

さて東浩紀さんは私もツイッターでフォローしている著名人の一人ですが、かねてよりシンパシーをもってそのツイを読ませてもらっています。彼に限らず著名人は、少しでも尖った言動をネット上で展開するとどこからわいてくるのかわからない人たちのスクラムで、やれAといえばBもあるではないか、Aであることの根拠はなにか示せ、そもそも思慮がたりないからそういう言辞が出てくる、はてにはRTがうざいからやめてくれ、に至るまで、どんな資格を任じてそこまで緊密に迫ることができるのかはためには理解できないレベルの炎上騒動がおきます。東さんにしても3.11の震災以来(それ以前からですが)のツイッタにおける言辞(そもそもそれほど責任を背負い込まねばならないようなメディアではないはずなのですが)に対しての罵詈雑言によくも耐えておられるなあ(いや耐え切れてないのかもしれない)とか思いつつ、しかしそのほとんどの発言(感想というレベルのものも含めて)には自分自身の共感するところ最も深い言論人の一人であるなということがその都度強化されてきたこの数年であった気がします。

私に言わせれば、つまるところ彼のスタンスは「地に足がついている」という一点につきます。よくよく読めば(いやそんなに注意深く読まなくても)生活感のある一人の人間(家族や仲間も含めて)の常識的な感覚を延長していけば「そうだよね」と共感できる、そういう立場からまずはすれることのない安心感がある。そりゃ立場の違う人達からすれば敵対的に映ることもあるだろうけど、生きていればだれとも敵対せずに生涯全うできようはずもないことからすれば、とくに彼が「より敵対的」であるわけがなく、むしろ「無理をしない」、つながれるところでつながれる人どうしが連携すればいいのではないのか、つながれない人に対してことさら攻撃的である必要もないだろう、ということを彼の一連のツイートからは感じ取っています。

だからといって逆に孤高であれという仙人的な立場でもなく、何かをして生きていくには仲間もほしいし必要とするという、よくよく見ていけば実に人間的で無理のない立場を主張しているように思われます。もちろんあらゆる意味で人間的ですから、多少無気になってみたりすねてみたり弱音を吐いたりと、そこだけをみれば大人げないというツッコミも多く出ますが(そらツッコミやすいだろう)、自分自身に照らしてみれば、そういうところがあるほうが自然でいかにも人間らしく、むしろ信頼出来るのではないかと思うわけです。私が彼に対して寄せる信頼感は決して「信者」的な熱狂的それではなく、ゆるいファンというくらいのものです。しかし明白です。

新著「弱いつながり」では、そういう「ほどよい接地感」がよりいっそう際立ってる感じがします。観念の世界ではなく生活感のある地上の世界。そういう現実への接地感が必要なのだというメッセージなのだと今回の新著を読みました。ロボットや人工知能の研究者にとってはこの20年来「身体性」という言葉で語られる観念に翻訳して捉える事もできとても馴染み深い。そしてそういう接地感は、むしろ一箇所への密着ではなくまだ触れたことのない別の現実への接触によって維持できるのだという逆理的な主張も、私自身が彼の「ゆるいファン」であるという立場に照らしてみても自分には実感にあう感覚なのです。

ひとつ思うのは、受信側がファンとして発信者にゆるくつながることは容易だとしても(実際は一方的「密着」が生じてスクラムになることも多いわけですが)、彼のような発信側が不特定の見知らぬ受信者とどうゆるくつながれるのか、というパラダイムについてはまだよい解答が見つかっていないのかもしれません。なにせ発信側からは顔が見えない相手なのですから、ここに欠けている現実的な接地感がもどかしさの原因ではないのかと思ったりもします。

本著の終わりのほうでは、直近の結果だけを見て行動を最適化しすぎるな、というメッセージが出てきます。これまた自分にはまったく実感だったりします。すぐとなりと自分を比較して少しでも違いがあると損をしたと考え、とにかく損しないように行動を規定する、そういう狭い範囲への近視眼的のめり込みがもたらす局所解への落ち込みが個人のレベルでも社会のレベルでも大きな病巣になっていると思うからです。

短く読みやすいエッセイなのでおすすめします。

ロケみつDVD44巻完結!そしてハイタッチ会ですと?

f:id:gavangavan:20140626001353j:plain:right,w350みなさま大変ご無沙汰しております。およそ3ヶ月ぶりの記事でございます。一部にはすでにこのブログは終わったと思われている方も少なからずおられるのではないかとおもいますが、はい、ほぼ終わっております←。

いや、そんなこともないのですが、後番組のロケみつフライデーが予想に反しての盛り上がりっぷりをごく局所的界隈のみにて見せていたりしておりまして、それについて触れる機会もなくにはなかったのですが、どうにも執筆にいたるテンションまではあがりませんで、ついにこんな間隔になってしまいました。それにしても、シュークリーム、あやつるぽんにつづいて、こまごめピペット(ちーちゃん&優華)にまりこりんにたっきーと、つぼみ/元つぼみラッシュ、一人で数百枚のハガキを出している強者どもよ、鬼すぎる!。かえすがえすもなぜ(大量卒業した)3月までにできなかったかと悔やまれることしきりですが、いずれにせよテレビに出番があるというのはめっけものであります。そーいやもみちゃんズまでロケ決定してたな。

そんなこんなで6月も終わりに近づきまして、いよいよロケみつDVD44巻と香港マカオ3番勝負!の発売を持ちましてロケみつDVDシリーズも完結とあいなりました(ロケみつフライデーがDVD化するかどうかはしりませんが)。思えば遠くへ来たもんだ、当初完結までの道のりがどのくらいになるかを見積もったときには銀河英雄伝説と揶揄したりもしましたがロケみつDVD18巻到着で顔パンパンDVD応募だよ。 - gavangavanの日記ほぼ同じ巻数到達でありますww。もう置くところなんてありゃしない。

f:id:gavangavan:20140626003129j:plain:right,w350で、39巻から44巻分の初回購入特典、封入カードコンプリートアルバムVol.3の申し込みハガキがついてきております(Vol.1はこちらロケみつDVD27-33巻初回購入特典カード全部入りアルバム到着。 - gavangavanの日記)。しっかり応募券を貼り付けて明日出してきます。とどくのは10月以降と、もはや忘れていることになりますな。記事にはしてませんでしたが、Vol.2も4月末には届いておりましてツイートだけしておりました(右写真)。今度はオレンジの表紙カラーにヒョウ柄ルックと、前回にお揃いでよい出来となっております。

さあ、そして、DVD完結記念としてイベントが開催されるとの情報が入ってまいりました。

稲垣早希 ブログ旅DVDシリーズ 遂に完結!!
7月26日(土)阪急西宮ガーデンズにて「ロケみつ ザ・ワールドDVD発売&ゴール記念 応援ありがとうイベント」開催決定!

ロケみつ ザ・ワールド 桜 稲垣早希のヨーロッパ横断ブログ旅DVD発売&桜 稲垣早希ブログ旅4シリーズゴールを記念して“スペシャルイベント”を開催致します。

ロケみつ ザ・ワールドDVD発売&ゴール記念 応援ありがとうイベント

【開催日/スケジュール】
2014年7月26日(土)<開演>16時00分(予定)

【会場】
阪急西宮ガーデンズ4Fスカイガーデン・木の葉のステージ
兵庫県西宮市高松町14-2 (会場アクセス→http://nishinomiya-gardens.com/access/

【出演者】
月亭八光宇都宮まき、桜 稲垣早希

【内容】
トーク&月亭八光宇都宮まき、桜 稲垣早希とのハイタッチ会
☆ハイタッチ会参加者全員にプレゼントあり!

【イベント対象商品】
2014年6月25日(水)発売DVD 2タイトル(各3,333円+税)
◎「ロケみつザ・ワールド 桜 稲垣早希のヨーロッパ横断ブログ旅44」(YRBN-90778)
◎「ロケみつ ザ・ワールド桜 稲垣早希と挑む!香港・マカオ3番勝負!」(YRBN-90779)

【ハイタッチ会参加方法】
上記イベント対象商品2枚を当日会場にご持参頂くか、当日会場でお買い上げ頂くと、ハイタッチ会にご参加頂けます。
※ハイタッチ参加証明に商品のジャケット裏にステッカーを貼らせて頂きます。予めご了承下さい。

(中略)

<ハイタッチ会へのご参加に関して>
ハイタッチ会への参加をご希望のお客様は、イベント対象商品2枚をお持ち下さい。
イベント対象商品2枚でお1人様につき1回ハイタッチ会にご参加頂けます。
※トーク終了後、そのままハイタッチ会となります。
※小学生以上のお客様はハイタッチ会参加のためにイベント対象商品が2枚必要となります。
  未就学児童はイベント対象商品を2枚お持ちの保護者様同伴の場合に限りお1人様のみ参加可能です。
※ハイタッチ会ではハイタッチ以外の行為(握手.写真撮影. ..など)は禁止とさせて頂きます。
※ハイタッチ会はお客様の列が途切れ次第終了とさせて頂きます。あらかじめご了承下さい。
※ハイタッチ会はスケジュールの都合上、イベント対象商品を2枚お持ちの方がいらっしゃる場合でも、終了させていただく場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※諸事情により内容の変更または中止になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。

【イベント観覧方法】
イベントは観覧フリーですので、どなたでもご自由にご観覧いただけます。
ただし、ステージ正面の優先観覧エリアでのご観覧には「優先観覧エリア入場整理券」(整理番号入り)が必要となります。

<優先観覧エリア入場整理券に関して>
優先観覧エリアへの入場をご希望のお客様は、当日上記イベント対象商品を2枚お持ちの上、優先観覧エリア入場整理券配布場所までお越し下さい。
※「優先観覧エリア入場整理券」配布証明として商品のジャケット裏にステッカーを貼らせて頂きます。予めご了承下さい。

■優先観覧エリア入場整理券配布時間・場所
●時間:14:00
●場所:阪急西宮ガーデンズ4階スカイガーデン・木の葉のステージ付近
※「優先観覧エリア入場整理券」のお渡しは、ご本人様分1枚のみとさせていただきます。
※「優先観覧エリア入場整理券」は予定枚数が無くなり次第、配布終了となります。
※「優先観覧エリア入場整理券」はランダムに配布いたします。
 お渡しする順番と整理番号の順番は無関係ですのでご了承ください。

【7/26(土)兵庫・阪急西宮ガーデンズ】ロケみつ ザ・ワールド DVD発売&ゴール記念 応援ありがとうイベント開催決定! | ロケみつ ~ロケ×ロケ×ロケ~ | NEWS | YOSHIMOTO R and C CO.,LTD./よしもとアール・アンド・シー

並んで整理券をとれば優先席でイベントが見れる(そうでなくてもイベントは見れる模様)。さらに44巻と3番勝負のうち2枚(同じもの2枚でもいい)を持参すればハイタッチ会に参加できるというしかけのようです。ハイタッチ、というのがまた微妙な内容ですが、夏場ですからねえ、4年前のセルシーを覚えている方はおわかりでしょう昨日の千里セルシーロケみつイベント&握手会! - gavangavanの日記。女帝さまは暑さのなか延々とつづく握手会でフラフラになり、途中一時休憩をはさんで再開という事態になり、当時まだはれものに触る思いで見守っていた我々は大変心配しながら見ていたものでした。あの経験を活かして今回はもうゴンゴン数をこなすべくハイタッチで通過ということになった模様です。AKBも真っ青です←。

まあそれでも、当初会場で購入しないと権利なしか?と慌てたのですが、どうやらそこまでの極悪さ加減はなかった模様で、すでに購入済み(うちはアマゾンで購入)の2枚を持参すれば良い模様です。ハイタッチ会参加済のDVDジャケットにはステッカーがはられる模様です。どの位置にどういう感じではられるのか興味しんしんですが、ちゃんとロケみつステッカーであることを望みます。

ではみなさま、暑さにやられていなければ会場にてお会いいたしましょう。