茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

過労死しない働き方 読書会と労働生活相談会

過労死しない働き方 読書会と労働生活相談会

 

日時 2024年6月9日(日)13時半-16時半

場所 生存書房(土浦市川口2-2-12 ) seizonshobo.com

 

13時半-15時 読書会 川人博『過労死しない働き方  働くリアルを考える』(岩波ジュニア新書、2020年)

15時15分-16時半 労働生活相談会(別室にて)

主催 茨城不安定労働組合

 

連絡先 

電話番号 090-8441-1457(加藤)   電子メール ibarakifuantei@gmail.com

 

生存書房への案内図

 

 

私たちは生活のために働いています。仕事が生きがいという人もいるでしょうが、多くの人は生活のために働いています。決して逆ではありません。私たちは働くために生活しているのではありません。

 

けれども往々にして多くの人がそこを間違えます。経営者からすれば従業員は働くために存在しています。国の機関の職員たちは、国民はGDPを維持するため、税を取り立てるために存在していると思っているでしょう。働いている私たち自身も追い詰められると間違えます。何よりも仕事が優先と思ってしまいます。

 

過労死は、その行き着く先です。生きるために賃金を得ているはずなのに、仕事が命を奪うなどあってはなりません。

 

この本を読みながら、過労死しない働き方を、過剰に働けと言い募る社会での身の守り方を考えたいと思います。

 

 

 

五月の労働相談

五月の相談会は下記の通りです。

第一回相談会 5月8日 水曜日 20:00〜22:00

第二回相談会 5月22日 水曜日    20:00〜22:00

相談電話番号 090-8441-1457(加藤)  

電子メール ibarakifuantei@gmeil.com

 

二十一年四月から当分の間、組合事務所での相談を中止し、電話相談そのものは上記の携帯電話でこれまでと同じ第二第四水曜日の20-22時の時間帯で継続します。(携帯電話への相談はいつでも受けつけています。お急ぎの時は労働相談日を待たずに電話してください。)

電話料金を気にしている方にはこちらから電話します。とにかく一度電話をしてみてください。

電子メールでの相談も随時受け付けています。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(572)映画館に完全に振られる

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(572)映画館に完全に振られる
加藤匡通
五月××日(月)
 初日に『ゴジラ×コング 新たなる帝国』を見たが、駄目な頃の東宝チャンピオン祭を狙ったのか思わせる中身に愕然とした。なんでアメリカはこれがヒットするんだ?映画館で新作怪獣映画が二本も、しかもゴジラが二本もかかっているなんて夢のような事態なんだが、なんでもいい訳ではないからなあ。
 冒頭の舞台がバルバドスだったのにはびっくりした。この国の観客がバルバドスと言ってわかるのかどうか。僕だって自分たちで集会をするまでは関心どころか存在さえ知らなかったんだから偉そうに言える立場じゃないけど、大使館も開いてないし、研究してる者もいるのかどうかって国のことはみんな知らないだろ。カリブ海にある、王制を廃止した一番新しい国だ。
 辛い時に頼るのも当然本と映画だが、どうにか気が紛れたりするのは映画である。本は、こちらから働きかけないと内容を理解も楽しみも出来ない。映画は、もちろん作品によるものの、映画館で椅子に座って目を開いていれば楽しめる。しかし金と時間がかかるのでそんなにホイホイ見には行けないし(主観的には今の僕はホイホイ映画を見に行ってはいないのだ!)、辛くなって来ると映画館に行くこと自体が出来なくなる。なので、辛い時でも頭に入らない文字列を追いかけることの方が多い。幸い、最近は本が読めなくなるほどに追いつめられることはなくなっている。
 しばらく前に『デューン 砂の惑星PART2』を見たが、上映開始ぎりぎりで入ったのでパンフを買いそびれた。最近の映画館は最終上映開始時までしか売店を開けていないところが多いのだ。
 前作の『デューン 砂の惑星PART1』も封切り時に見ている。面白かったので原作も読んだ。
 ついでに言えばデビット・リンチ版『デューン砂の惑星』も公開当時に見てるが、こちらはまるで面白くなかった。肩透かしを喰らったと思いながら渋谷東急から出てきたと思う。パンテオンじゃなかったはずだ。今ではいくつかの断片とつまらないと言う記憶しか残っていない。あれから四十年経った。
 原作は欧米でSFのオールタイムベストを選ぶとベスト3に必ず入る作品である。大学ではSF研究会に入るくらいには好きだったものSFを読んでいたと言えるのは二十代前半までで、評判は聞いていたもののフランク・ハーバートは一冊も読んだことはなかった。
 期待して二巻本を読んだ訳だが、見事空振りに終わった。続編がいくつもあるが、もう読まなくていいや。つまらないとまでは言わないが、これがどうしてオールタイムベストなのか理解出来ない。発表当時は新鮮だった惑星の生態系とそこに住む人々の生活や文化を丸ごと描く試みも今では珍しくない。領主や皇帝たちの権謀術策を僕が楽しめるはずもなく、何より、優生学によって銀河皇帝をつくる話がどうして今でも人気を得ているのか!SFファンはそんなに幼いのか?
 にも関わらず今回の『PART2』も楽しめた。何でだろうと思っていたが、人に説明していてわかった。今回のドゥニ・ヴィルヌーヴの映画は画面を見ていると、白人酋長物のアラブの独立戦争に見えるのだ。つまり銀河規模の『アラビアのロレンス』である。アラキスのロレンスがこれからどうなるのかはわからないものの、白人酋長に対して感じるはずの反発はティモシー・シャラメの美しさで相当軽減されている。
 で、都内の上映館を確認して109シネマズプレミアム新宿へパンフを買いに行った。基本的には見た映画のパンフは買っている。茨城に来てからはパンフが売り切れてて買いそびれることも増えた。この前見た『関心領域』は公開二日目でもう売り切れていた。何冊入荷したんだか。また、あまりに映画の出来が悪いと買う気が失せるので、鑑賞前に買うようにしている。最近だと『変な家』は出来が悪くて買う気にならなかった。
 しかし、なんと109シネマズプレミアム新宿は現金払いを受け付けなかった。だからプレミアムなのか!たまたま友人と一緒だったのでクレジットカードで代わりに買ってもらえたものの、いくら見たい番組があってもここでは見れない。
 映画は大衆娯楽じゃなくなったんだなあ。それとも、クレジットカードを持てない貧乏人は大衆じゃないのか?

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(571)下請けの何でも屋

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(571)下請けの何でも屋
加藤匡通
五月×日(水)
 今通っている現場は解体屋が解体した部材を運ぶ作業が中心である。他にも養生だの揚重だのがあるが、本来この現場ですべき作業は撤去材の運搬だ。しかし、僕たちは別に解体屋の下請けではない。別の会社、別の職種であって、解体屋の指揮命令下にはいない。
 現場の詰所は一つしかなく、全ての職種が使っている。もっとも、車で来ている業者は車で休憩しているので作業員全員が詰所に入ることはない。と言うか、全員が入れる広さはない。作業員は少なくて五十名(年末年末みたいな時は劇的に減るがそれは数えないとして)、多くて二百名と言ったところだ。
 解体屋は車ではなく詰所で休んでいて、会話はよく聞こえる。この前は職長が「ああ、それは×××にやらせるから。」と言っているのが聞こえた。×××は僕たちの会社名である。「やってもらう」でも「頼む」でもなかった。解体屋の職長の中では×××は下請けの何でも屋なのだろう。ま、珍しいことじゃない。
 下請けの何でも屋だった時間は長い。今でも僕の意識はほぼそうだ。日雇派遣だった時間はそのまま下請けの何でも屋=雑工だった時間である。相対的には養生・クリーニングの比率が上がっていったとは言え、基本的には日替わりで様々な職種の手元に入る。専門職にはなれないし、ならない。それはそれで居心地は悪くなかった。むしろ何も出来ないのに配管工を名乗ったりしている方がはるかに居心地は悪い。本工がそんなに偉いのかと思っていた、いる、とは何度もここで書いている。
 最近、スキマバイトとかスポットワークと言う言葉を目にする。日雇派遣を言い換えたものらしい。カタカナにして英語っぽくしても中身は変わらないだろうに。隙間で金を稼がなければならないほどに追い詰められている人間が増えているようにしか思えない。僕もその一人だ。やってらんないから映画見に行くか!

茨城アンダークラスメーデー2024 in つくば 憲法はボーっとしてんじゃねぇよメーデー

茨城アンダークラスメーデー2024 in つくば
憲法はボーっとしてんじゃねぇよメーデー

2024年5月3日(金·休)

◆デモ 14:00スタート 
 つくばセンター広場に集合(TX線つくば駅前、ペデストリアンデッキ上)

◆集会 16:00ー18:00 

    つくば市民センター大会議室a(つくばセンター広場、つくば市吾妻1-10-1)

    参加費500円 困窮者・学生無料

発題者
・越路さん
・藤田康元さん(古書店主)              
・鈴木俊弘さん(非護憲反改憲パート主夫)

学者にも政治家にも任せるな、憲法を問いただせ!

主催/茨城アンダークラスメーデー実行委員会
X/@Ibkunderclass ブログ/ibarakiantipoverty.hatenablog.com
電話/090-8441-1457(加藤) メール/ibarakiunderclasss@gmail.com

 

 憲法は工場の門の前で立ち止まる。工場だけではない。学校の門の前でも立ち止まる。家の門の前でも立ち止まる。会社の門の前でも立ち止まる。門があってもなくても立ち止まる。公園の前でも、裁判所の前でも、国会の前でも立ち止まる。スマホの前でも立ち止まる。路の真ん中でも立ち止まる。憲法はいたるところで立ち止まっている。つまり、この国で憲法はどこにもいないのだ。

 憲法基本的人権法の下の平等を規定し、奴隷的拘束や苦役を退け、思想・良心、信仰、集会・結社・表現、居住・移動、国籍離脱の自由を謳っている。逮捕・拘禁を制限し、婚姻の自由も、生存権も定めている。そして職業選択の自由と勤労の権利と義務を記し、勤労者の団結権を保障している。しかし、それは紙の上だけのことではないのか。私たちはこれら憲法に書かれていることを、自らのものとしているのか。

 生活できるか怪しい賃金で長時間働いているこの状態は奴隷的拘束とどう違うのか。生活保護を申請することにためらいを感じるよう様々な機会に教育され、やっとの思いで申請に行けばなんのかんのと門前払いされるこの状態で生存権が保障されていると言えるのか。長期的な展望など描けない短期契約の繰り返しはいったい何の自由だと言うのか。勤労はひたすら義務として私たちに重くのしかかっている。この国の国籍を持たない者に対しては基本的人権すらないと言い切る国に、本当に基本的人権なんて存在するのか。飢える自由が保障されている社会に私たちはいるとでも言うのか。職業選択の自由がどこにあるのか。デモやストが忌み嫌われる社会のどこに労働者の団結権があるというのか。 

 憲法制定議会を開いた歴史すらない私たちの前で、憲法は立ち止まっている。
 私たちは憲法の前でボーっとしてるんじゃないのか。  

 そして憲法にも言いたい。憲法、ボーっとしてんじゃねーよ!

 

アンダークラスとは
従来の労働者(プロレタリア)たちのさらに下に形成された、非正規労働者から成る社会階級。上層諸階級からの搾取によって不安定な雇用・劣悪な労働条件を強いられ、フルタイムで働いても年収は多くが200万円以下。女性率、未婚率等に加えて心的な疾病率なども高く、2025年には1000万人をこえると予想されている。

 

茨城アンダークラスメーデー
リーマンショック後の大量派遣切りを背景に、2009年5月つくば市で、非正規労働問題を柱とする独立メーデーが県内で初めて開催されました。次年の2010年からは「茨城反貧困メーデー」と名のり、主に県南各地で毎年デモ・集会を行ってきましたが、2022年「アンダークラスメーデー」に名称を変えました。毎年募る実行委員会メンバーは、アンダークラスの視線から自分たちとその仕事・社会や国のことを話し合い考えて、手作りメーデーを模索しています。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(570)「マクドナルドはイスラエルを支援するな」

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(570)「マクドナルドはイスラエルを支援するな」

加藤匡通

四月××日(火)

 地方に限らず喫茶店は姿を消していると思うが、僕の自宅近辺には全くない。車で動く「近所」でもほぼ見かけない。見かけるのは廃業した喫茶店の跡ばかりだ。昔から自宅で書き物が出来ないとは、以前書いたと思う。喫茶店がなければ連鎖店のコーヒー屋かハンバーガー屋、ファミレスを使う他ないが、ファミレスはやや高いので勢いドトールマクドナルドに行くことになる。

 自宅の近くにマクドナルドが出来たのは去年の秋だった。歩いていくにはやや遠いが車ならあっという間の距離だ。仕事帰りでも負担にならない近さである。

 去年の秋と言うと、イスラエルがガザでほぼ一方的な殺戮を始めたのも同じ時期で、ネットではマクドナルドはイスラエル支援企業としてやり玉にあがっていた。そんなとこに行きたくなんかない。とは言え近くに店はない。

 しばらく考えて、近くの百均でスケッチブックとマジックを買ってマクドナルドに入った。注文して席に着いてから、「マクドナルドはイスラエルを支援するな」と大きく書いて机に立てかけた。

 それなりに緊張しながら一時間以上そのままでビラを書いていたが、誰も気にしていない。気づいても無視してるんだろう。

 何度か繰り返しているが、店員も客も気づいている風さえない。うるさく嚙みつかれたりしたら書き物が出来なくなって困るけど、ここまで無視されるのもなあ。店の前で立ってても車が通るだけだしどうしたものか。いや、立ってたら書き物が出来ない。ますますうーん。

これを知らずに働けますか?読書会と労働生活相談会

これを知らずに働けますか?読書会と労働生活相談会
4月21日(日)13時半-16時半
生存書房(土浦市川口2-2-12 )→https://seizonshobo.com
13時半-15時 読書会 竹信三恵子『これを知らずに働けますか?』ちくまプリマ―新書
15時15分-16時半 労働生活相談会(別室にて)
主催 茨城不安定労働組合
※相談だけ、読書会だけの参加も可能です。

報道によると、先日、格安航空会社のジェットスター・ジャパンの乗務員らが作る労働組合が、労組幹部への懲戒解雇処分の撤回を求めてストライキを予告したところ、会社側はスト参加者を解雇する可能性を通告しました。組合はそれを受けてスト決行を断念したそうです。これを知ったあなたは、利用客の利益を守るためとして会社がスト参加者を解雇したとしても問題がないと思うでしょうか?
もしそう思ったとしたら、あなたは中学の社会科の授業でならう労働基本権を忘れていることになります(「公民」で習うはず)。労働組合ストライキを行うことは日本国憲法も保障している労働者の基本的権利です。また、スト参加者を会社が解雇することは、不当労働行為として禁止されています。
これはひとつの例ですが、しばしば指摘されるように、特に若い世代では、労働者の権利についての知識や働くことをめぐるかつての常識が大きく欠けているようです。そのまま社会で働いたら、会社にいいように使いつぶされてしまうかもしれません。
今回は、朝日新聞の記者として労働の現場を多く取材して、その後大学で教鞭をとった竹信三恵子さんが、大学生と接する中で彼らの疑問に答えようと執筆した本、『これを知らずに働けますか?』を読みます。すでに働いている人、これから就職するという人も、働く人を守る基礎知識を学ぼう。