この前、これが話題になったよね。ブクマもにぎわった。
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この種の議論を聞くと「本多勝一節!なつかしいねぇ!」と思う層も、だんだん減ってきてるんかな。
それはともかく、この論を語ったのは、どこかにあるのみくい処のがんこなおやじさん(orおふくろさん)であるっぽいが(性自認はとりあえずの当てはめです、ゆるせ)、同じようなことを、赤門の学士や博士たちも言っておられる
その前提として、いま、雑誌「中央公論」で北岡伸一が、猛烈に面白い回想録を連載中(いま連載18回かな)なのだ。
平成期を通じて、アカデミシャンの分野から現代政治に影響を及ぼした”ラスプーチン”と言っちゃあ失礼か「黒衣の宰相」的な存在は何人かいるが、そのトップクラスに位置する人物(何しろ国連大使まで務めたのだ)。
一足先に回想記をひとまず完結させ、一足先に単行本にまとめた山口二郎の本も猛烈に面白いのだけど、政治的な立ち位置や理論とは別に、純粋に文才的には、北岡氏のほうが上であることはだいたい評価が一致するでしょう。
自民党に対抗する中道左派を築き、政権交代のある民主主義を作ろうとした政治学者は、政治に何を見、どう関わってきたか。昭和の終わりから安倍政権後まで、期待と挫折と試行錯誤が繰り返された三十余年を、いま率直に振り返る。自身の日記を織り交ぜて同時代政治をたどる回顧録。オルタナティヴを見出す挑戦は終わらない。
山口氏の本にも、北岡氏の名前がちょっと出てきたりしてる。
ま、その話は大前提。機会が在ったら中央公論の連載の一読をどうぞ、ということを大前提として…
いま書店に並んでいる回の、本題前のちょっとした挿話が、まさに「東大の授業と英語」の話で、しかもまた展開がしょっぺぇ。
外国語科目の導入は難航
もう一つ、新しい科目について補足したい。東大本部から、「法学部で英語の授業をしたい」という要請があった。ところが法学部は断った。
日本の法律や政治が主な研究対象であり、英語でやる意義は乏しいというのが理由だった。また、「アメリカの大学では授業はすべて英語で行われ、外国語での授業などほとんどない。我々が外国語授業をする必要があるのか」とか、「英語だけでドイツ語やフランス語や中国語はやらないのか」など、形式的には一理あるが、実質的な効果を考慮しない反対論もあった。
しかし、他の学部には、日本の法律や政治を勉強したいという留学生がおり、国際化のためにも英語で行授業は絶対に必要である。そこで、2008年度から、藤原帰一、高原明生、飯田敬輔の各教授、それに私の4人が、「自発的な形」で英語の授業をすることになった。私は先に述べた現代日本外交の授業を英語で行うことにした。
この授業には、やや残念なことがあった。それは、学部、大学院(法学政治学研究科総合法政専攻)、公共政策大学院のいずれの学生も履習できるようにしていたのに、学部学生の参加が少なかったことである。しかも最初はともかく、徐々に人数が減っていったのである。それは、東大法学部の悪しき成績主義のせいだと、私は思っている。つまり、良い成績(優)を取る自信がないと、受講をやめてしまうのである。
法学部は国際化に消極的である。これが、最近の東大法学部の凋落の一因だと、私は思っている。すべての教員が一つは外国語の授業を持ち、またすべての学生がいくつかの外国語の授業を履修し、外国語で論文を書くことを必須とすれば、飛躍的に
国際化は進むのだが、まだ実現されていない。東大法学部以外でも、そうした方針を採用している大学や学部は少ない。残念なことである。
この話を聞いて、日本の知の総本山、日の本根本道場たる東大法学部でも「英語で授業してください。英語の授業を受けてください」となると、とたんに、しゅんと尻込みする人が多いんだろうなぁ、と。
というか、東大法学部の気鋭の学者たちで、「英語で授業をしない」のでなく「できない」人も多いんだろうなァ、と。
いや、できないとかできるのレベルが、これまたダンチなことは当然分かった上で言ってるが、そうよな、そうよな、と親近感を勝手に抱くよ(笑)。
実際、そうやって英語を自由自在にできない人が、母国語で最高の教育を受けているその現状こそ、日本がペリー来航以来紆余曲折の末に守り抜いた国家と文化の独立自尊、その偉大な成果である……みたいな論もしょっちゅう聞いて知っている。
北岡伸一は、単に自分が、国連大使が普通に務まるほどの英語レベルだから、その他大勢の教授らの気持ちがわかんねーだけだったんと違うの??
それもわかりつつ、
「東大法学部と英語」の関係がこのざまなんだから、のみくい処で英語が通じないこともゆるしてやれ、と(笑)
1990年代半ばから2000年代初頭にかけて、PRIDEや修斗の情報に飢え、桜庭和志や佐藤ルミナの情報なら何でも知りたい、という外国人に、超ブロークンイングリッシュで積極的にゴン格やkamiproの最新情報やs画像をシェアしていた人間から見てもそう思うのですよ。
余談 今月号の北岡伸一回想録のメインは、それどころじゃない、「日韓歴史研究」なんだが…
悪い予感がするのう。