バレンタイン用にと注文しておいた舶来モノのチョコレートは、月初めには家に届けられてしまったため隠しておけず、食べ物にかけては目敏さ天下一品な夫に早々に気づかれてしまった。14日まではだいぶ日があったが、毎日毎日「食べたいよ」「一口だけでも食べさせて」「食べずして何のためのチョコだ」「バレンタイン反対(?)」云々、しつこくねだられて鬱陶しさがピークに達したものだから解禁することにした。
そして瞬く間に完食されたチョコ一箱。大枚叩いて買ったのに。味わって欲しかったのに。

毎日昼飯用に持たせている自家製おにぎりについて、「もういい加減、梅干にぎりには飽きた。梅干にぎりそれ自体がストレスになりつつあるよ」などと大袈裟な文句を垂れる夫。内心めんどくせえなあと思いつつも、それでは風変わりなものを作って差し上げましょうと、パルメザンチーズとおかかのおにぎりなる洋風メニューに挑戦してみた。
けれども結果は散々で、レシピ通り作ったにもかかわらず、冷めてしまったそれは薄味に過ぎるというか、溶けたチーズ成分がお米とお米の間に入り込んでホロホロ感を殺いじゃってるというか、塩むすびの方が百倍美味い気がした。好き好きだろうか。
ようし今度は「冷めても美味い・おにぎり・レシピ」で検索してみるべか。

えびせん待ち。

実家にて母上とふたり二時間ドラマの再放送など観ながらお茶を飲んでいたらば、母上、食べていた茶菓子をポイポイと放り投げはじめるものだから、気が触れましたか?!と驚いていたらば、わらわらと猫たちが集まってきて、えびせん0.5本ずつをポリポリ食べ始めた。餌付けは楽しいけれど、塩分の摂らせ過ぎには要注意です、母上。

オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)

オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)

オウエンのために祈りを〈下〉 (新潮文庫)

オウエンのために祈りを〈下〉 (新潮文庫)

主にオウエンの少年時代を描いた上巻を読み始めたのは昨年後半で、読了まで数ヶ月を要したというのに、青年期以降を綴った下巻は数日で読み終わってしまった。本当は一日で読めたところを、物語の世界と別れる名残惜しさと、次を知りたい好奇心との綱引でもって数日引っ張った感じ。こういう感覚は久しぶり。
オウエンの真っ直ぐさ加減や、強さにふれると、自分がいかにだめな人かが認識できて、イタタタ……という気持ちになったりもするけれど、ほんとうに良いお話。『サイモン・バーチ』の原作ながら、かなりの別物。どちらも好きだけれど。

警察から電話を貰ってはじめて、自分が財布を落としたと気づく。
てっきり家に置いて来たものとばかり思っていたその財布の中には6万弱の現金が入っていたので、さらば6万円……とがっくりうなだれたりもしたのだが、実際のところ中身は無傷であり、そのうえ拾い主の方は「忙しいからお礼は要らない」と名乗りもせずに立ち去ってしまわれたらしい。なんと奇特な!感謝の気持ちを伝えたいのだが、拾い主さんは誰かも、顔もわからないということでとりあえず、おひょいさん風の白髪の老紳士を思い浮かべつつ空に向かってありがとうございましたと両手を合わせた。
なので今回、わたしは何も損をしてない。むしろ「世の中にはいい人がいるのだな。自分も今回良くしてもらった分、やさしさペイフォワードしていけたら良いな」などと、ものすごく健全な方向に気持ちを向けることが出来たという点では幸運だったのかも……とすら思う。この気持ち、一体いつまで持ち続けることが出来るかしら。持ち続けなさいよ、自分。
帰宅後、夫にこの話を報告したところ「君は間が抜けているから心配だ。さあ、君の現金とカードを全て僕に託すんだ!」と何やら悪いことをたくらんでる風の顔をして言われたので、やんわりとお断りしておいた。