この度の震災について
blogは更新してないのですが、こちらでも無事を報告しておきます。
この度の震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
また、被災者の方たちが一日も早く日常を取り戻すことと、被災された地域の復興を願っています。
■
90日以上更新のないはてなダイアリーに、広告を掲載します:はてなダイアリー http://bit.ly/gA84QD
ということなので、とりあえず更新しておきます。
11月13日から20日の文学系学会情報まとめ(付:多和田葉子イベント情報)
11月中旬から下旬の文学系の学会があまりにも多いので、簡単にまとめておきます。
昭和文学会2010年春季大会「SFと現代文学」
法政大学市ヶ谷キャンパス、11月13日
詳細:http://p.tl/xGfb
高橋源一郎の講演「次の千年の文学」など。
国際シンポジウム「越境する歴史×時代小説−ジャンルの混交、研究のグローバル化」
早稲田大学戸山キャンパス、11月13日
詳細:http://p.tl/LzLq
成田龍一参加の司馬遼太郎シンポジウム、岩本憲児講演など。
表象文化論学会第5回研究発表集会
東京大学駒場キャンパス、11月13日
詳細:http://p.tl/C2yQ
公開集中講演会「二葉亭四迷「浮雲」を見直す」
共立女子大学、11月13日
詳細:http://p.tl/t8Mk
国際研究集会「日本近代文学と戦争−「十五年戦争」期の文学を通じて」
愛知県立大学、11月14日
詳細:http://p.tl/fNNC
日本近代文学会11月例会シンポジウム「紙からデジタルへ:研究環境・研究方法の前線(2)」
早稲田大学、11月20日、Ust中継を予定!
詳細:http://p.tl/hNpr
パネリストは、前田塁、岡野裕行、谷川恵一。
岡野裕行氏の論文「ガイドブックを用いた <文学館> 概念の変遷に関する予備考察− <文庫> の時代から <文学館> の時代へ−」がシンポジウムの発表内容と関わる論考になりそうですが、PDFで読めるので、以下のblogからたどって参考下さい
岡野裕行氏のblog「Literary Museum Studies」11/7日記 http://bit.ly/c29hAq
多和田葉子イベントも合わせて。
Χレパートリー劇場『さくら の その にっぽん』
東京都墨田区両国「シアターX」、11月17日〜23日
詳細:http://p.tl/PWSH
多和田葉子かきおろしひらがな戯曲の演劇詩。23日のアフタートークには多和田葉子も参加。
小説と“ロマンという幻想”の濃度 多和田葉子『尼僧とキューピッドの弓』×奥泉光『シューマンの指』
青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山、11月20日
詳細:http://os7.biz/ug6vGT
言葉と音のパフォーマンス+ワークショップ
東京大学(駒場)コミュニケーション・プラザ北館2F音楽実習室東大駒場、11月26日
詳細:http://www.setenv.net/event/workshop2010/
出演は、多和田葉子、高瀬アキ。
第9回シアターΧ晩秋のカバレット2010『まっかなおひるね』
東京都墨田区両国「シアターX」、12月1日(水)19時〜
詳細:http://p.tl/QeRd
出演は多和田葉子・高瀬アキ
ツイートする文学――ツイッターを利用したインタラクティブ・コンテンツ
ツイッターを利用した小説・映画等の作品・企画などを紹介。
ツイッタードラマ「素直になれなくて」なんてのもあったけれど、内容面でツイッターを題材とするだけではなく、ツイッターを利用したインタラクティブな読者参加型のドラマ・映画・文学などのコンテンツの企画が出てくるのはある意味で当然だし、おもしろいものが出てくるのを期待したいところ。
◆星野智幸のツイッター小説
星野智幸のツイッター小説企画は、ツイッタラーが星野のツイッター小説(『俺俺』の外伝)に勝手にストーリーを付け加えて、ボルヘス「八岐の園」の如く分岐・増殖させていくという試みのよう。リツイート後分岐する小説を書き加えていくことで、最終的には全体像が捉えられなくなるぐらいになればとのこと。楽しみです!
企画解説:http://ow.ly/2cvjw
ツイッター小説アカウント:http://twitter.com/orex2
星野智幸ツイッターアカウント:http://twitter.com/hoshinot
- 作者: 星野智幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 101回
- この商品を含むブログ (62件) を見る
◆思潮社のツイッター連詩
思潮社のツイッター連詩の企画は、150行の詩の一行ずつをツイッタラーから募集し採用していくというもので、7月1-7日まで行なわれました。完成した詩は「現代詩手帖」8月号に掲載される予定です。
企画解説:http://p.tl/_UnS
思潮社のツイッターアカウント:http://twitter.com/shitecho
◆『恋するセリフ tweet love story』
ツイッターの広告窓で宣伝されているアンジェラ・ベイビー主演「恋するセリフ tweet love story」は、映画の各場面でポイントとなるセリフをネットユーザーが入力することで募集するというもの。例えば、シーン2では、お祭りでデート中、女の子が躓いたところで男の子が「キスしていい?」と聞く場面で、「あなたのセリフを入力してください」と出るのだけど、「恥ずかしいけど、嫌じゃないよ」とか、「私もキスしたいと思ってた」といったセリフが入力されているよう。
『恋するセリフ tweet love story』:http://tweetlove.angelababy.asia/
◆舞城王太郎のツイッター小説「NECK the seventh」
8月21日公開の映画『NECK ネック』原案の舞城王太郎によるツイッター小説「NECK the seventh」が連載開始。随時トゥギャッターでまとめられていくようです。
舞城王太郎「NECK the seventh」アカウント:http://twitter.com/neck_movie
◆井上夢人のハイパーテキスト小説「99人の最終電車」
ネット小説といえば、先駆的な試みとして、井上夢人のハイパーテキスト小説「99人の最終電車」があります。1996年から10年かけて完成した大作で、地下鉄銀座線を舞台に99人の登場人物の99の視点から出来事が語られていきます。単線的な読みの時間にはならないことなど、ウェブ小説の構造を利用したさまざまな小説的な試みがなされています。
「99人の最終電車」:http://www.shinchosha.co.jp/99/
哲学カフェ
仙台哲学カフェを大学の仲間たちとやってます。
哲学カフェというのは、マルク・ソーテというフランスの哲学者が、知は市民に開かれた形であるべきという思いから、カフェでコーヒーを飲みながら市民と議論やお喋りできる場を持ちたい、ということで始めたもののようです。日本では、今年3月に浜松で哲学カフェを始められた方がおり、そこから全国的に広がっているようです。
まあ、哲学カフェと言っても、難解な学問的な言葉で議論できなければならないというわけではなくて、日常のふとした疑問などをきっかけに、ようは多くの人と楽しくお喋りできる場があればいいなという感じですので、お気軽に足を運んでいただけたらと思います。
すでに5月8日に、第0回仙台哲学カフェは終えました。次回の予定は未定ですが、月1程度で開催する予定です。次回以降はblogでも告知していこうと思います。よろしくお願いします。
もう一つ、仙台では、てつがくカフェ@せんだいという哲学カフェも、こちらは大学の先生がカフェマスター/ファシリテーター役で行っており、興味のある方はこちらも足を運んでみてください。第1回は5月9日に行われ、ぼくはこちらにも参加しましたし、今後も予定が空いていれば参加しようと思ってます。
- 作者: マルクソーテ,Marc Sautet,堀内ゆかり
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1996/11/01
- メディア: 単行本
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 作者: マルクソーテ,Marc Sautet,堀内ゆかり
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1998/06
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
細見和之氏講演会「イングランドの批評性−オーウェル、ディケンズ、ピンク・フロイド−」メモ
細見和之氏講演会「イングランドの批評性−オーウェル、ディケンズ、ピンク・フロイド−」(5月12日水曜日15-17時、東北大学川内北キャンバスマルチメディア教育研究棟6F大会議室)http://p.tl/gwgk のメモです。
◆話の枕
今回のテーマを選んだのは、今いちばん興味があったことだから。ドイツ哲学はすでに本にまとめてるし、すでにやったことを喋るのでは自分の中でも発展がなくしんどい。今までドイツやフランスについては考えてきたが、イギリスについては直感的にちょっと違う印象を持ってきた。去年の暮れからディケンズを読んでおり、自分が高校時代から聴いてきたピンク・フロイドも含めて、オーウェル、ディケンズ、ピンク・フロイドの三つが、批評的なラインでつながるならおもしろいかなと考えた。
- 作者: 細見和之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
- 作者: 細見和之
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2005/06/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
◆オーウェル
知識人は、オーウェルはエッセイに本領があると強調するが、実際に小説を読むと作家としての力もすごいことがわかる。『1984年』は、監視社会やビッグブラザーといったキーワードで語られ、読んでなくても読んだ気になれる本で、自分も長らくそうしてきたが実際に読むと小説としてすごい。
ウィンストン・スミスとジュリアの恋愛を軸に進むが、何度もどんでん返しや不意打ちがあり、最後は救いがない。延々と続く拷問場面の凄惨さ。悲惨を悲惨として書き切ってしまう力量。『1984年』の「監視社会」批判は、ソ連に止まらない普遍性。現代社会は至る所にテレスクリーン。相互監視社会。
最新の翻訳の解説でも触れられているが、ウィンストン・スミスがぼんやりとカフェに座っている場面で「2+2=5」と書く場面があるが、これは前の翻訳では「2+2= 」だった。「2+2=5」なら洗脳の完成を意味するが、「2+2= 」であればまだ自立的な思考が残っていることになる。オーウェルの原稿では「2+2=5」だったが、初刊刊行時には「2+2= 」だった。誤植とも、決定的な場面で誤植とは考えにくく、オーウェルがゲラ段階で指示したとも考えられる。ただ、原稿段階で「2+2=5」だったことは確かだ。
オーウェルは反共作家として知られるが、オーウェル自身も社会主義者だった。オーウェルはナショナリズムを全体主義として批判し、パトリオティズムを評価している。パトリオティズムについて、自分は以前は「愛郷心」と訳していたがやはり「愛国心」だろう。「他人まで押しつけようとは思わない、特定の地域と特定の生活様式に対する献身を意味する」「革命が到来した途端にひるんで逃げ出してしまうのは、まさしくユニオンジャックを見て心が躍ったことがないような手合いなのだ」といったオーウェルの言説から窺われる、オーウェルの「愛国心」の複雑な意味合いを捉えていくことの必要性。
- 作者: ジョージオーウェル,川端康雄,George Orwell
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07/18
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 38人 クリック: 329回
- この商品を含むブログ (350件) を見る
◆ディケンズ
ディケンズは大衆読者を相手に商品としての小説を月間分冊で書いていたので著書は膨大。『荒涼館』以降、暗くなる。二期に分かれる。読者を意識しサービス精神が旺盛なので徐々に面白くなっていく。挿話が魅力。ディケンズ初心者は、『大いなる遺産』『二都物語』→『骨董屋』→後は何でも、という流れで読むとよいだろう。
ヴィクトリア朝時代のイギリス資本主義の負の側面、具体的には「破産」をよく描いている。監獄を描く。凶悪犯用監獄と債務者用監獄。債務者が入る債務者用監獄では、騙した者も騙された者も入り、二〜三十年入っている。家族ですごしたりもする。→イギリス社会の縮図。ディケンズの父も債務者用監獄の経験者。ディケンズは監獄に強い関心。
二つのディケンズ評価。過激思想か保守的か? 最終的には遺産や善意で大団円となるディケンズ、社会の負の部分を描いたディケンズ。エドマンド・ウィルソンのディケンズ評(テーマ批評・マクロ的)。「二人のスクルージ」。暗く陰気なスクルージ、明るく気前のいいスクルージ。二人のディケンズ。オーウェルのディケンズ評(細部に拘る批評・ミクロ的)。「庶民は今なおディケンズの世界に住んでいる」。→オーウェルのパトリオティズムの根源の世界。ディケンズは底辺の労働者とブルジョワの両方を全体として描いている。
ドストエフスキーやプルーストへの影響。『バーナービー・ラッジ』の監獄の火事の挿話(処刑間近の囚人たちから騒ぎ出したという人間心理の理解)→ドストエフスキー的。『骨董屋』。少女ネリーがお墓参りのおばあさんと話す挿話。→プルースト的な「時間」。
ディケンズのユダヤ人表象。「オリバーツイスト」の盗賊団リーダーフェイーギン。ディケンズは特に差別性を指摘されているわけではないが、社会・表象の問題としてやはり考えていくべき。
- 作者: チャールズディケンズ,北川悌二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1989/09
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
◆ピンク・フロイド
ピンク・フロイドは、1965年結成のプログレッシブロックバンド。『ダークサイド・オブ・ザ・ムーン』(1973年)は世界的な大ヒット。中心メンバーロジャー・ウォーターズは、インテリ家庭の子どもで社会主義者。印税で住宅を購入しホームレスに与えるといった活動までしていた。妻ジュディはトロツキスト。
アルバム『壁』(1979年)では、父をテーマに。父は教師だったが、第二次世界大戦では良心的徴兵忌避→戦況が深まると出征し戦死(→オーウェルのパトリオティズムを体現)。体を張って戦おうとしない知識人への苛立ち。
アルバム『ファイナル・カット』(1983年)は、フォークランド紛争を背景。繰り返される「マギー、マギー、ぼくらは何をしたんだろう」の声の「マギー」とはサッチャーのこと。
1994年のライブ。スクリーンに政治家たちの顔を映し出す。湾岸戦争以降の状況。ロジャー・ウォーターズ脱退後も批評性維持。
アルバム『The Dark Side of the Moon』(1973)の「BRAIN DAMAGE」の歌詞では、「lunatic」(狂人)と「moon」が重なっていく。「ECLIPSE」では月と太陽が対比。太陽(=理性)と月の対比。「ECLIPSE」は、アドルノと共著のあるマックス・ホルクハイマーの『理性の腐蝕』と同じ言葉を使用。日食=理性のむしばみ。何が理性を蝕んでいるのか?
- アーティスト: Pink Floyd
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1991/07/20
- メディア: CD
- クリック: 31回
- この商品を含むブログ (77件) を見る
Pink Floyd「Brain Damage」
Pink floyd「eclipse」
聴衆は5〜60人。若い学生や一般市民の方らしき方の姿もあり盛況でした。細見氏は、ディケンズについて長いけれど、サービス精神旺盛で面白く、挿話が魅力的と語っていたのですが、細見氏の講演もまた、予定を1時間オーバーして3時間に及び、講演の内容も巧みな語りで聴衆を離さない、ディケンズ的な講演だったと思います。
おかしいと思われた点は、だいたいぼくが手を抜いたまとめをしているせいだと思うので、その辺りご了承ください。また、こんな風に要点をまとめてしまうと、細見氏の講演の話の巧みさや「アウラ」はやはり抜け落ちてしまいますが、その点もご了承ください。
教採試験申込み期限メモ
教採試験申し込み期限のメモです。東北と採用数の多い都道府県をメモ。元はツイッターのつぶやきです。
平成23年度北海道・札幌市公立学校教員採用候補者選考検査について。http://p.tl/6Evc 郵送&持参のみ。5月24日から6月3日まで。一次試験は7月4日。
青森。5.6〜24。http://p.tl/M4Y6 福島。5.2日〜6.3。http://p.tl/nS4a 岩手。公開されてますが今PDFを確認できないので各自。去年は22日まで。http://p.tl/hEC7 山形も同じ。去年は6.5まで。http://p.tl/hx-y
秋田。電子申請は5月13日から28日。http://p.tl/TvqX 秋田は地元なのですが全国一教採が厳しいと言われている県で、ぼくはとっくにあきらめています。ただし、東京都教育委員会との協調特別選考の取り組みも始まっています。
宮城県は6月4日まで。電子申請あり。http://p.tl/zePT 一次試験は7月23-24日。
千葉は5月19日消印有効で郵送のみの受付です。http://p.tl/1sjK 神奈川県・相模原市は21日まで。電子申請ありです。http://p.tl/_81A ちなみに横浜市は20日まで郵送のみ。http://p.tl/SZwc
東京都の教採の電子申請をすませました。電子申請は今日6日の18時までです。郵送は明日の消印でも有効のようです。http://p.tl/4rk5
愛知県は25日まで。おそらく郵送のみ。http://p.tl/IBxG 名古屋市は5月25日から6月4日まで。http://p.tl/b7fQ 5月22日、仙台青葉カルチャーセンターで説明会をするようなので行ってみます。
大阪府は電子申請は終了しており、郵送は明日7日まで。http://p.tl/M5zA 大阪市も明日までですね。http://p.tl/opjG