さらば!深紅のSuperSix

 6年間で5万キロ以上一緒に走ってきた赤いSuperSix。フレームを載せ替えることにしたので、乗るのは昨日で最後。

 フランスのガリビエ、ラルプデュエズを上り、鹿児島まで一緒に行った相棒。だが、最近はハンドリングのぶれを感じてたし、そろそろ新しいフレームに乗り換えを考えていた。そんな時に見つけたのが40%オフのセール品。2015年モデルだが、まだまだ最新モデルにもひけをとらない性能を有している。という訳で、つい購入してしまったのが、実は2週間近く前。

 最後に少し走っておこうと思い、いつも通り関宿まで。行きは軽い向かい風、帰りは追い風。後半、最後だし、ついつい真面目に走ってしまった。走行距離63kmで平均時速30km超えは、単独で走ったにしてはまあまあな数字だと思う。これで、乗り収め。

 帰ったら自転車屋に行って新しいフレームを受け取る。帰ったら、早速組み始める。SuperSix Hi-Modの部品を新しいフレームに取り付けていく。バーテープを巻き終えて、とりあえず組み上がったのが23時過ぎ。初乗りは翌日だな。

 今朝、雨の音で目が覚める。昨日の予報では曇りじゃなかったの?しばらくすると雨は止んだ。路面が乾くのを待って午後から出発。走り出した瞬間から違和感。サドルの高さが高い。きちんと計ったはずだったけど、ちょっとずれがあったか。1mmほど下げたらしっくりときた。我ながら敏感だな。荒れた路面でも伝わってくる振動がマイルドだ。太めのタイヤを履いているような感覚。

 変速の調整もしながらゆっくり走る。イクリングロードを南下。ダンシングで坂を上がる時、ケイデンス高めで走ると脚がクルッと回る感覚がした。踏みごたえがないというか、ためがなくてすっと踏み下ろせる感覚。軽めでクイック気味なハンドリングとともに、軽快感がある。ただ、その代わり重心が低くてどっしりとした感覚は弱い。

 河口に着いたら、今度は北上。今回、速さを追求するか楽しさ重視にするか迷って、結局今まで通り速く走る事を重視したフレームを買ってしまった。やっぱり、速く走る事を当分は止められそうにない、と気がつかされた。途中、何度か小判鮫さんに遭遇するも、ほとんど後ろに付かれる事なく後方彼方へ消えていった。やっぱり速いぞ、こいつ。

 少し休憩したら再出発。最後までたれる事なく走りきって帰宅。走行距離は116kmくらい。これからは頼むよ、新しい相棒のSuperSix Evo Hi-Mod。銀黒に見えるけど、メーカーはREDとして売り出しているので、第5代赤いキャノンデールの誕生だ(笑)

ツール・ド・のと 3日目

天気に恵まれ、楽しく走ってきたツール・ド・のともついに最終日。周りがまだ暗いうちに起きて朝ごはん。バスを待つ間は猫と戯れて時間を潰す。コスモスがきれい。すっかり秋だねえ。バスで集合場所へ移動して、スタートを待つ。今日もTさん、Kさん、Iさんと一緒にスタート。

スタート直後は大混雑。あまりにも遅すぎて辛いので、後方から来る車両に気をつけて追い抜き。橋を渡ると筧さんが見えたので、後ろにつかせてもらう。しばらくすると、Iさんの集団が追いついてきたので、前を牽いてアシスト。上りでベルマーレの選手がよいペースで上っていったので、ついていったらKさんだけになってしまった。時速35kmくらいの快適走行で休憩所で先頭集団へ追いついた。

ドリンクとバナナを補給したら出発。しばらくは海沿いを進む。先頭集団を走る限りはペースも落ち着いている。途中、片側交互通行で前から千切れる。再びベルマーレの選手の出番。かなりのペースで走ってるはずなのに、なかなか前は見えない。残り距離が5kmを切り、もう追いつかないかなと思ったら、筧五郎さん登場。走り出したと思ったら、あっという間に時速50km巡行。たまらず前の人が中切れ。追いつくのに脚を使った。3日目通して、この時が一番きつかった(笑)

何とか追いつき、休憩所へ到着。ここでKさんから前走ってというリクエスト。走りやすいから、だって。喜んでアシストさせて頂きますよ。昼食会場の少し手前でも信号によふ集団の分断発生。後ろ走るKさんが千切れた。先頭集団の人数が少ないから待とうよ、と先導にアピールしたが聞いてもらえず。しばらくすると、やっぱり筧さんに牽かれて追いついてきた。人数が少ないのは45km巡行だったから、らしい(笑)

昼食は昨年とほぼ同じ。ブラックコロッケが美味しい。Tさんから、コロッケもらったので、お腹いっぱい。午後も頑張るか。ここからしばらくは信号の多い区間。前を走る人が前走車に接触して落車。速度が遅めでバランス崩してから転ぶまでに時間があったのと、それほど車間を詰めてなかったので、無理なく避けられて良かった。やっぱり、知らない人の後ろを走る時は特に気をつけないと。

しばらく進むと、今日のメインイベント。ようするに上り登場。ダム湖まで上る。さっきの平坦で脚を使ったのか、ペースが上がらない。何とか前方でクリア。下ると次の小矢部の休憩所まではすぐ。そして、また次の上りもすぐ。勾配はあまりきつくないし、途中に平坦や下りもあるので休める。下った先が最後の休憩所。金沢ジャーマンベーカリーのあんデニッシュを頂く。美味しいね、これ。やっぱりあんこはパワーの源だ。急だけど短い上りを終えると、楽しかった3日間ツール・ド・のとも残り僅か。

ゴールまですぐなのに、ジグザグに進んでなかなか近づかない。最後の上りはゆっくりと走ってゴールの自転車競技場へ。トラックを半周したらゴール。しばらくするとIさんとTさんもゴール。みんなで一緒に写真撮影して解散。また来年、内灘で会いましょう。最後に79歳のTさんと固い握手を交わしてお別れ。走行距離は131kmくらいかな。

ツール・ド・のと 2日目

今日も朝から晴れ。5時台に朝ごはん食べて集合場所へお散歩。輪島の朝市はまだ準備中だった。スタート地点に着いて、主催者発行の新聞を見ると、一面に写真が載ってる!一番大きくではないけど、ちゃんと真ん中に写ってた。

昨日とは逆に最後尾スタート。先頭はすでに遥か彼方。千枚田への上りでペースが落ちた人達をひたすら追い抜く。途中、千枚田で写真撮影。やっぱり良い景色だ。そんな事してる間に、一緒に走ってるメンバーに置いて行かれた。さて、追いかけるか。左手に美しい海を眺めながら、ひたすら走る。時速35km以上は出してるはずなのに、なかなか追いつかない。しばらくすると、前方にIさんが牽く集団を発見。きつそうだったので、先頭を牽いて先頭集団まで連れて行く。疲れた。

それにしても、今日の先頭は速いぞ。なかなか追いつかない訳だ。上りで完全崩壊した集団後方で峠を上って最初の休憩。先頭集団は筧五郎さんが上りでペースアップという豪華さ。泣ける(笑)次の休憩までのアップダウンもペース早かったな。60km走ってアップダウンも沢山あったのに平均時速30km弱ってどういう事?

この後はペースが落ちついてサイクリングらしくなった。海沿いの景勝地を走る訳だから当然気持ちよく走れる。まあ、恋路を走るの仲間は皆おっさんだけど(笑)見附島で記念写真を撮り観光気分を満喫。昼食場所まではすぐだった。今回は豪華に炭火で焼いたステーキ丼!なかなか美味だった。場所が狭いからか、昼前には出発。

しばらく海沿いを走った後は、食後の運動の上り。序盤に脚使ったので、結構きつい。さらにもっとペースが上がりそうになった所でペースダウン。よかった。ずっとすぐ後ろを筧五郎さんが走ってたので、すごいプレッシャー(笑)下るとすぐに次の上り。距離は長いけど勾配の緩い桜峠。速いときついけど、さほどペースアップしなかったので良かった。道の駅桜峠でお約束のブルーベリーソフトクリーム。昨年までよりもパワーアップしてブルーベリーの実がそのまま乗ってた。ここのソフトは能登ミルクを使ってるので美味しい。

その後もいくつかのアップダウンをこなした後はずっと下り。下りきると最後の休憩。ここに来たら、食べるのはいつものふっくらというお菓子。良く冷やしてあって美味しい。この後はなぜかペースが一定しなくて走りにくかった。なので、無理に車間詰めずに一定速度走行をする。能登島へ渡った後はペースダウン。それでも、大した人数は集まらなかった。少なめのままゴール。走行距離は165kmくらいかな。ペースが全体的に速かったので、結構疲れた。

民宿までバスで移動。毎年参加されているというKさんと同室になった。いつも先頭集団で走ってますよね?と聞かれ、観察されていたことを認識。そうか、毎年先頭集団で走っていると、他の人達から目立ってたのか。晩飯は、能登島にしては刺身が控えめ?焼き魚は美味しかった。今年は昨日に引き続き肉が出た。昨年までは魚尽くしだったから、ちょっと意外。明日は最終日。怪我なく事故なく無事に走る事だけを考えてゴールまで行こう。

ツール・ド・のと 1日目

今日は起きたら朝飯食べてスタート地点へ車で移動。しばらく待つと、いつものメンバーが集合。八ヶ岳では病み上がりだったKさんも走れるようになったらしく、良かった。今年で79歳になるTさんも相変わらず元気そうで何より。

先頭でスタート。あまりにもペースが遅くて、心拍数が100を下回る。たまに上りでペダルを踏むと、すごく頑張ってる気分になる(笑)しばらくダラダラと進むと、道は海沿いへ。あっ、この先は昨年落車したグレーチングのある坂だ。雨が降ってないから滑らないけど、慎重に走って無事クリア。これで今年の目的の一つは達成できた(笑)

再び海から離れてしばらく進む。相変わらずゆっくり。それでも、気心の知れた人達と一緒だと走りやすい。そのうち、道は海沿いへ。有名な観光地を通るので、さすがに景色はきれいだ。でも、景色を堪能したいなら、イベントじゃなくてソロツーリングが一番なのだろうが。志賀原発付近だけ曇ってたけど、それ以外では良い天気。ただ、時速20kmで上って25kmで下るのは勘弁してほしい。いつもの事だけど(笑)

昼食場所がいつもの道の駅から離れてしまったので、男爵ソフトは食べられず。明日のブルーベリーソフトに期待しよう。昼メシはうどんとカレー。Tさんがいらないというのでカレー2杯食べたらお腹いっぱい。さすがに食べ過ぎか。次の門前休憩までは30km程度。たいしたアップダウンもないので、ダラダラ走って到着。負荷あげてないからサドルに荷重がかかりすぎ。お尻が痛くなる。

ここからは、峠を一つ越えれば輪島のゴール。勾配はさほどきつくないし距離も短い。とりあえず先導のペースについて行く。もう一段上がるときついかな、という程度の速度で抑えてくれたので最後まで千切れずに済んだ。佐多岬まで走ったおかげで、体力ついたのかな。無事に先頭集団で峠を越えたら、あとは輪島まで下るだけ。あっという間にゴール。走行距離は118kmくらいかな。

まだ3時か。飯まで時間があるな、と思い銭湯へ。汗流してスッキリ。風呂場はレーパン焼けしたおっさんに占拠されてた(笑)歩いて民宿まで移動して、晩飯の時間までくつろぐ。今回は3着持ってきたので選択する必要はないし、する事がないな。部屋はまさかの2人部屋。普段は4人以上の事が多いのに珍しい。晩飯は・・・特別豪華な感じではなかったけど、普通に美味しい食事。量も多すぎないし、ちょうど良いくらい。そして、ほとんど会話なく男ふたりの夜は更けていくのであった・・・

ツール・ド・のと 前日

毎年恒例のツール・ド・のと、今年もエントリーしたので前日に石川県まで車で移動。500kmのドライブは疲れるけど、渋滞にはまる事なくスムーズに行けた。時間節約のために昼飯はSAで買った弁当。なかなか美味しかった。

ヤマト味噌醤油でしょうゆソフトを食べて、甘酒と味噌とドレッシングを購入。

あとは自分の生まれた辺りをうろうろして観光終了。

その後は受付済ませてから20kmほどサイクリング。少しだけ日本海を眺めてから湖の方へ。内灘周辺は干拓で出来た土地のせいか、広々としていてちょっと本州っぽくない雰囲気がある。車も少ないし、のんびりとサイクリングすると気持ちが良い。

温泉で汗を流してから晩飯。明日からは魚三昧の日々なのでステーキを頂く。あとはホテルで寝るだけ。夕焼けに浮かぶ雲がきれいだった。

7日目 佐多岬から鹿児島空港まで

昨日までで佐多岬を目指す旅は終わった。今日はのんびりと鹿児島空港まで走り、飛行機に乗って羽田へ戻るだけ。今までの旅の余韻に浸りながら、鹿児島の景色を堪能しよう。

朝食食べずに早く出発して薩摩半島を目指すか、のんびりと出発して大隅半島を北上するか。いろいろルートを考えた結果、大隅半島ルートを選択。もう沢山走る気力もないし、薩摩半島は以前に走った事があるから止めておこう。開聞岳にはまた会いに来れば良いし。海から上る朝日を眺めながら起きる。

8時過ぎに出発して、佐多岬に別れを告げる。さらば、また来る・・・時はあるかなあ。海沿いを走ると、左手には海の向こうに薩摩半島灯台のように海にせり出したきれいな円錐が見える。私の好きな山のひとつ、開聞岳だ。螺旋状の登山道はまた歩きたい。若干のアップダウンを繰り返しながら先へと進む。

ちょっとお腹が空いたので、根占のコンビニでパンと牛乳を補給。近所の子供らしき人影が、元気に動き回っていた。それにしても、今日は暑いな。時間には余裕があるので先を急ぐ必要はない。これまでは1日の走行距離が長めだったのと、雨が多かったので観光らしき事はほとんど何もしてこなかったな。荒平天神の鳥居が見えたので、ちょっと寄り道。海辺の小島全体が神社になっていて、その入口に鳥居があるという美しい光景。ロード用のシューズでは歩きにくい、急な階段を登ると小さな祠があった。お参りしたので、先に進もう。ここは廃線跡なのかな。道路の脇には、駅らしき雰囲気が残っていた。

垂水まで来ると、前方に見えていた山が近づいてきた。鹿児島のシンボルとも言うべき桜島だ。近づくにつれて、溶岩と火山灰の山という雰囲気が迫ってくる。さすが、何度も大きな爆発を繰り返してきた山だ。

少しルートを外れて、有村溶岩展望所へ向かう。溶岩道路の名の通り、周りを溶岩で囲まれた道路は熱く感じる。2kmほど進むと展望所に到着した。山の麓に広がる溶岩、山からはごうごうという音が聞こえる。シューズを履き替えて、少しだけ散策。辺り一面溶岩という異様な光景を前に、しばし佇む。来た道を引き返して、霧島市を目指す。

途中、黒神埋没鳥居に寄り道。よく知られているのとは違う場所だ。島からはずいぶんと離れているのに、火山灰で埋まったという。大正の噴火の凄さを感じる。

お腹空いたなあ。という事で垂水の道の駅でランチ。この辺りで養殖されているというカンパチがたくさんのった大漁丼を頂く。美味しくないはずがない。さすがに鮮度が高くて、熟成された旨みはないけど歯ごたえは素晴らしい。こういう新鮮な刺身は旨みを補う甘い醤油が合うね。喉渇いていたので、ドリンクも注文。飲み放題だったので、何杯もおかわりしてしまった(笑)

ここから空港まではすぐ。ただ、霧島の市街地からはずっと上り。のんびりと走っていたら、空港の設備か見えてきた。ついに今回のツーリングは完結。さて、出発まで4時間もある。どうしよう。汗かいたし、温泉に入るか。事前に調べておいた6kmの温泉を目指す。入浴250円は安くていいね。雰囲気は完全に地元民の銭湯。なので、石けんは置いてない。購入してから風呂場へ。汗を流してスッキリしたら、飛行機乗るための普段着に着替える。石けんと濡れたタオル持って羽田へ戻るのか。来た道を引き返したら、自転車を袋に入れてカウンターへ。これで今回のサイクリングは完全に終了。今日の走行距離は138kmくらい。腹が減ったので、黒豚とんかつを食べる。う〜ん、空港内のレストランだったせいか、値段の割にイマイチ・・・

今回の佐多岬自転車旅、果たして楽しかったのだろうか。苦しくて辛い事ばかり思い出される。いや、それら全てが旅の楽しみなのだろう。旅の楽しみの真髄は、その行程の中にある。ゴールにたどり着く事は結果でしかなく、目的ではない。だから、飛行機で移動して観光地だけ巡り、きれいだったね〜、というのには惹かれない。これは私の旅への考え方であり、他の人がどう考えるかは自由だ。

次の旅の事はまだ考えられない。でも、またどこかを走るだろう。自転車に乗り続けている限り、旅に終わりはないのだから。

6日目 高鍋から佐多岬まで

 いよいよ佐多岬を目指す旅も終わりが見えてきた。残り200km弱。朝食を早めにすませて、6時過ぎに出発。空は快晴だ。相変わらず脚は重いし、お尻は痛くて座っているだけで苦痛。でも、なぜだろう。このわくわくする気持ちは。

 トラックの多い国道10号線をひたすら走る。スクーターで通学する高校生をよく見かけるな。ひと山越えたら、しばらく下り。宮崎市内を避け、真っ直ぐに都城を目指す。自転車通学する中学生と何となく目が合ったら会釈されたので、こちらも会釈。何だろ(笑)

 再び国道10号線に合流したら、もう一つ峠を越えて鹿児島県へ。もう、次の県境はない。これまでの行程を振り返ると、ずいぶんと走ってきたなあ、と感傷的になるが、まだ先は長い。走る事に集中しよう。都城の街中を抜け、国道269号線へ。ついに、目的地の佐多岬と書かれた標識が出てきた。いよいよ近づいてきている。道の駅おおすみには、なぜか牛車が置いてあった。細かいアップダウンをこなすと、鹿屋に到着。街中を抜けると、鹿屋航空基地の敷地が見えてきた。

 あとはひたすら海岸線に沿って南下。そろそろ佐多岬までの距離も減ってきて、終わりが近づいていると実感する。目指す岬は見えてきている。今日も気温30度以上と暑い。ちょっと道の駅にしきの里に寄ってデコポンアイスを購入。あれっ、デコポンって宮崎県のような気がするけど、と思って裏を見ると製造は宮崎県だった。なぜ、鹿児島のご当地アイスに?

 そのうち道は海から外れ、アップダウンの繰り返しに。途中、すれ違うモーターサイクルのライダーからサムズアップされるが、返す余裕がなかった。すれ違う速度が速すぎるし(笑)そのうち、再び海が見えるようになったら、残りわずか。だんだんと大隅半島らしい雰囲気になってきた。あと少しと思うと、ペダルを踏む脚にも力が入る。すでに日が傾いてきているが、まだ明るいうちに道路の終点に到着。この先、南には道がない。九州最南端の道路だ。目の前には、写真などで何度も見た事のあるトンネルがある。ここからは徒歩。自転車を降りて靴を履き替える。500mほど歩くと、展望台。やっと着いた。これで佐多岬を目指す1300km近い自転車旅はお終い。

 満足したら、海辺にあるホテルへ移動。10%を超える急な短い坂を越えるとすぐに到着。今日はここに宿泊。部屋から波の音が聞こえる。晩飯食べたら眠くなってきた。海から聞こえる音を子守歌にして就寝。走行距離は197kmくらいかな。

 感動のゴール!とはならないのは、旅が終わった訳ではないからだ。明日も走るし、その先もずっと走り続ける。今までの旅でもそうだった。自転車に乗り続ける限り、旅に終わりはない。好きだから走る。そして、また旅に出るのだろう。