うーんこれは面白い。
今はほとんどテレビとか見てないんだけれども、最近ギャルがちょくちょく出てくるなーって感じがあって、でもオレたちの知ってるヤツとはちょっと雰囲気違ってる気もしてて、一体コレはどーいうこと? と思ってたんだけど、あーなるほどそういうことなのか。この前読んだ「ギャルとギャル男の文化人類学」とはちょっとギャルのイメージがズレてるところあるよな、と思ったんだけど、一度eggの廃刊ってところで歴史の断絶があるわけね。内容的にはギャル当事者によるギャルの行動原理なんかの紹介ではあるんだけれども、そういう全体の見取り図みたいなところもキッチリ押さえてあって、隙のない本だなあと思いました。
まあでもこの本で一番大事なのは、もっと汎用的にある種の啓発本として、ギャル的な思考回路で自己肯定感を高める方法が書かれているところだよなー。「自他の線引きをきちんとする」みたいな心得がしっかりと明示されていて、いやーこれ普通に大変現代的な個人の生き方の指針だよなぁ。ハリウッド映画でこういう個人の生き方が肯定的に描かれるのよく見るよね、という感じ。
ただまあ一番の問題は、そういう自己肯定感を高めることができるかどうかってところにあって、「ギャル」というアイデンティティがひとつハッキリとあるというのはめちゃくちゃ強いよなー。逆に、そういうアイデンティティがないと、なかなかこういう割り切りを体得するのは難しいだろうなーとは思った。