双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

春の翼に夢む

|本| |音|


昔から、所謂「占い」の類にはまるで興味が無い質だけれど、
たまたま手にした石井ゆかり氏の本が、ちいとも「占い」らしくないのと、
何処か見覚えの在るよな表紙に惹かれて、つい買って帰ってきてしまった。
何だろな、これから行こうとして居る場所への道案内と云うのか、
先の見えない不安を、ほんの少し手助けして和らげてくれると云うか。
これからの三年間のヒントが書かれただけの、一寸不思議な本なのである。

因みに私の星座は山羊座
一般的に地味&真面目の権化とされるが、実際は怪しいものである(笑)。
そんな山羊座の三年間を象徴するものとして「ツバメ」が選ばれていた。
ツバメは春の訪れを告げる鳥。旅して戻る渡り鳥。

長い冬が終わって、爽やかな解放感に包まれるような。
長いトンネルを抜け、明るい陽光を浴びるような。
長い旅を終えて故郷へ帰ってくるような。
紆余曲折を経ながら至る三年間の道のりの、やがて落ち着くところ。
私がずっと続けてきた”探す旅”が、ようやく着地する時期が近づいて居るのだろか。
長くしんどかった道へやさしい光がさして、心の平穏を得ることができるのだろか。


ツバメと聞いて、Bibioのこのアルバムがすぐに思い浮かんだ。
春嫌いな私が、春になると聴きたくなる春の音。
そうか、このジャケが頭の中の引き出しに在ったんだな。


眠りながら空を飛ぶと云うハリオアマツバメ
夢見ながら飛行するのは、田園風景の中の桃源郷だろか。
私も幾年か先には、そんな風景を見ることができるのかな。

其々の仕事

|雑記|


先週から続いた電線の改修工事が終了した。何だか少し寂しい。
工事期間中、二日ほど物凄い暴風雨の日が在ったのだが、
休工せずに作業が続行されて居たのは驚いた。只々頭が下がる。
午前中、もしくは午後での途中切り上げは在ったにせよ、
あの激しい雨風の叩き付ける中での作業は、相当きつかったろう。

しかし何より、電線の架け替え工事の全工程をこんなに間近で
見ることができた、と云うのが実に興味深く、実に愉しかった (笑)。
二人、ないし三人が一組となっての作業は、高所と地上と運搬と、
息を合わせたチームワークの元で着々進んでゆく。見事な連携。
仕事に入る前の段取りが大切なのは、何事も共通なのだなぁ。
特殊な工具や特殊な装置が次々と登場し、その度に成程ねぇ。
あれはああして使うのか。あんなものが在るのか…等々。

若者もベテランも、其々の役割を行いながら共に作業を進めてゆく
その様を見て、久々に心の底から純粋に「良いな」と思った。
若い人が真剣に懸命に体を動かす。ベテランの人の手捌きの淀みなさ。
工事が滞らぬよに、交通を妨げぬよに、道路を誘導する警備の人たちも。

至極当たり前のことだけれど、同じ目的のために、其々の役割を持った
多くの人たちの連携によって、一つの仕事が完遂されると云う事実が、
まさしく目の前で行われ、それを実際に目で見て理解した機会であった。
休憩前の和気あいあいとした雰囲気が、すごくいい感じだったな。
緊張と溌溂とが合わさって。久々に良いものを見せて貰った。
皆さんのおかげで、今日も電気が使えて居ます。有難う。
私も私の役割で頑張ろう。

失って得るもの

|雑記|


昨年の秋辺りから、小生も人並みに化粧をするよになったのだが、
年齢の所為も大いに在るのだろう。アイシャドウの色がきれいに出ない。
淡い色味やマットなベージュ系が特にそうで、ともすると瞼に溶け込み、
もとい、同化し過ぎて、塗ったのだか塗って居ないのだか分からぬ始末。

まあ何しろ、こちとら五十路である。
透明感なんてものは遥か遠い昔の何処かへ置き忘れて来て、
今やくすみがデフォルト、標準色みたいだもので、
流行のくすみカラーとやらが、むしろしっくりと馴染む、
なんてのは実に皮肉な逆転現象であり、はて。
こいつは良いのやら悪いのやら…。

まぁ、捉え方は人それぞれではあるけれどもさ。
失うものが在れば、代わりに得るものが在る。
そう考えられれば、うん。別に構いやしないか。

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