18日、暖かい朝日が部屋の差込みはじめた頃、がうは虹の橋に行ってしまいました。


享年1歳5ヶ月でした。


がうは毎日元気いっぱいで、お医者さんには太らせないように注意されるくらい食欲旺盛でした。
ここ数日、がうは殊更甘えん坊になっていた気がしました。
連日残業が続いて、がうにはずいぶん長い時間留守番させていたし、最近寒くなったからだと思っていました。


金曜日も終電まで残業したあと戻り、がうを構いながら、借りっぱなしだったDVDを見ました。
今日は夜更かししようが、絶対見たかった映画を見終えてしまおうと思っていました。
がうをバランスボールに乗せたり、ひざに乗せたり、手にじゃれさせたりして、ちょっと長めのいつもの夜を過ごしました。


実は3日くらい前に、少し気になる発作を起こしていました。びくっ、びくっと上半身が動いてしまうのです。
痛そうにはしていなかったし、すぐに収まったので、今週末病院に行ったら相談してみよう、としか思っていませんでした。
金曜日は、そのいつもの病院の日の直前でした。


ベッドに入り、一緒に寝ていましたが、土曜の朝方に突然、激しい発作が起こりました。
激しく手足を動かしたので、ベッドから落ち、床を跳ね、壁に2度衝突しました。
全力で押さえつけておかないといけないくらい激しい発作が1時間も続きました。口からは絶えず泡が出て、先ほどの衝突が原因か、脚の爪からは血がにじんでいました。
だんだん落ち着いてきて、ああこれで病院に連れて行ける、と思いました。


背中をさすり、手を握らせながら、何度も、がう、力を抜いてごらん、と話しかけました。
少し失禁したので、ペットシーツをあてがって、おしっこがまんしなくていいよ、と言うと、また腰の力が少し抜けたように見えました。
発作の間じゅう泣き声ひとつあげなかったがうが、低く鳴きはじめました。


肝臓の薬2種類、栄養剤、それにステロイドの薬4粒を、毎日文句も言わずに頑張って飲んでくれました。
特に栄養剤はとても粒が大きく、わたしも飲ませるのが下手だったので、毎日苦しかったろうと思います。でも、薬が必要なものだとがうはわかっていて、頑張ってくれていました。そのときはストップしていましたが、毎日の下手な注射だっておりこうにされていたのです。


発作の間じゅうも、泡の出る口をぐっと結んで我慢していました。歯軋りの音が聞こえました。
でも、ついに、鳴き始めました。歌をよみあげるような不思議な鳴き方でした。
そのときは、発作がだいぶおさまっていました。鳴いたあとは、舌を見せてはあはあと息を整えていました。


本当にすっかり手足の力が抜けて、息も落ち着いてきました。
がう、息してる?深呼吸してごらん、そう呼びかけたのがわかったのか、小さくふうっ、と息を吐きました。
わたしは、もう大丈夫、納まったと安心し、喜びました。


そのとき、すうっと、眠りに落ちたように、行ってしまいました。
今にも起きだして朝ごはんをせがみそうなくらい、安らかな寝姿でした。


がう、だめだよ、これから病院に行くんだから


そう言ったのに、もうがうは返事してくれませんでした。


病院の先生に電話で報告後、がうと一緒に千葉の実家に帰りました。


今朝早く、がうを庭に埋めました。
がうは冷たく、硬くなってしまいましたが、うっとりと眠っているような顔は変わらず綺麗で、毛並みもすべらかなままでした。わたしの指を握っていた手は、にくきゅうを上にしてちょっと曲げた状態で硬くなっていました。


母が柿の木を植えたいと思って空けてあった、日当たりの良い静かな一角をもらいました。
がうは拾われて以来触っていなかったふわふわの黒土に入りました。


その後雨が降ってきましたが、両親と3人で柿の木を買いに行きました。母はかわいらしい実をたくさんつけた冬柿を選びました。
雨が止んだら、がうの横にその木を植えてもらえます。


今、再びがうと暮らしていた部屋に戻ってきました。
部屋に戻るのが怖くて、ずいぶん散歩してきましたが、夜になってやっと玄関を開けました。


がう、ただいま!


いつものように言ってみましたが、がうの返事はもうありません。


明日からまた仕事です。
部屋を片付けないといけません。がうのものは早く処分しないと。
でも、何も出来ずにいます。
もう少し、がうの写真を眺めてから、それから、


今日は、シーツを取り替えて寝ようと思います。

バランスボールでリハビリ

がうの症状は安定しています。あまり動かないのは良くないそうで、本当はリハビリをして、筋肉が固まらないようにしたほうが良いそうです。でも猫のリハビリなんて、聞いたことありません;;


先生の話では、バランスボールを使ってバランスをとる練習をするのが良いとのこと。犬のようにプールに入るわけにはいかないので、これは良いかもしれません。


今日、55cm直径のと、30ch直径の2つの安物のバランスボールを買いました。
っていうか、ゴムマリです(笑)

がうは、意外とボールを気に入ってくれたようで、無理矢理載せられても終始ゴロゴロ喉を鳴らしながらバランスをとって座っていました。
大きいほうのボールを押さえ、がうを載せると、がうは手足を四方に伸ばして、でも背中をまっすぐにして落ち着きます。ちょっとでも背中を曲げると、傾いてしまうのです。
小さいほうは、脚は床についてふんばり、上半身をボールに乗せてバランスをとるのに使えそうです。
黄色のボールに上半身を預けてゴロゴロいっているのは、すごく似合っていてかわいいです^_^)
普段身体を左に曲げて寝がちながうなので、見るからに健康によさそうです。
こんな感じで、がうが嫌がらない間だけボールに載せるだけで、リハビリ効果があるのなら、すごく良いかも。

夢の話

アオドリーを抱きしめて、どんな夢をみ

がうが元気な頃、パパは、がうがしゃべる夢を見たそうです。
知らない人が、初めて会うがうに、名前を聞いたあと、「男の子?」と聞いたら、
がうが「がうは女の子!」と答えたそうです(笑)


わたしは、がうが来る前、強く強く「猫が欲しい」と思っていました。
実はその頃夢で、わたしが部屋に帰ってくると、ウチの台所で、ものすごくやせこけて歩くのもやっとの黒猫がいました。
猫は鳴こうともわたしと目をあわせようともしません。
わたしは、「ああ、この子の世話がきちんとできなかったから、こんな姿にしてしまった。ごめんなさい...」と思います。


こんな夢を見ていたのもあって、わたしは猫とは暮らせないと思っていました。
鉢植えすらしょっちゅう枯らすようなずぼらさです。生き物を飼うなんて、絶対に無理だと思い込んでいました。
(こんな夢を見ていたことは、パパにはもちろん内緒です。
パパも、最初は猫を飼うことは反対でした......)


今思うと、痩せて歩くのもやっとの黒猫って、がうのことじゃないかとも思えます。
でも、すごくおしゃべりだし、見えないけれども綺麗な目をこちらにいっぱいに向けてくれます。


夢に出てきた黒猫は、本当はわたしに何を教えてくれたんだろう?