あとがき。
アンコールの3曲は、悩んだ末外した曲から。改めて見返すと未だにあーでもないこーでもないがありますが、ひとまず最初の形を守りました。コメントは「2人で1個のヘッドホンを分け合いながら、どんな曲かあなたに話すよ。」モードで書いたので、ほんの少しでも同じ車窓を想像しながら読んでもらえると嬉しいです。またね。
アンコール、3曲め。おしまい。
【E3】たま「さよなら人類」
いろんなところで何回も言ってますが、藤宮が(本当の意味で)音楽を聴くようになったきっかけは「たま」との出会いがあったから。「たった一つの球体でも、いろんな角度から眺めることで無限の可能性を感じるから」というのが、確かバンド名の由来だったと思う。10年以上の活動の中で発表された沢山の楽曲は、どれもがその由来に恥じない、無限の可能性を秘めていた。藤宮は「たまの曲って〜〜っぽいよね。」とか「あの曲って、たまに似てないかな」という意見を、未だ聞いた事がない。たまの魅力は、たまにしか出せない。代わりなんてどこにもない。唯一無二とはまさに、こういうのを言うものだ。
http://www.youtube.com/watch?v=bkwBaeAkj2Y
アルバム『さんだる』に収録。
アンコール、2曲め。
【E2】小沢健二「ある光」
長い間(精神的に)行方不明になっていたオザケンが、帰ってきた。8分もの長く単調なメロディはシンプルだからこそ心を打ち「この線路を降りたら全ての時間が、魔法みたいに見えるか?」という歌詞がとても危うく、心を揺り動かす。何もかもが紙一重で、いろんな意味で限界に来ていたであろう彼が最後の力を振り絞って書いた悲しくも美しい、奇跡の1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=uuTok4zfs1Q
シングル『ある光』に収録。
アンコール、1曲め。
【E1】KAN「すべての悲しみにさよならするために」
藤宮も「愛は勝つ」でKANを知った、たくさんの人の中の一人ですけれどそれ以来、今でもずっと好き。どちらかというとアップテンポな曲のイメージがあると思うのですが、何だかこう。いつまでも心に引っかかってなかなか取れてくれないのはバラードの方。古くは「1989」から新しいところだと「世界で一番好きな人」までどれもオススメなのだけれど、1曲といわれればこの曲かなあ…。当時の雑誌のインタビューで「山火事を消しちゃうぐらいの勢いで書いた曲」と言ってたのがすごく印象的で、そのとおり。ちょっとファンタジー入ってるぐらい壮大な歌詞なのですが、不思議と嫌味がない。力強いサビのフレーズを何度も何度も聴き返して欲しい。
http://www.youtube.com/watch?v=HAEhbb7nbns
アルバム『東雲』に収録。
51曲め。
【51】FUNKY MONKEY BABYS「告白」
有線で初めて聴いた時、誰のかも分からないこの曲の事が気になってしょうがなかった。とにかくサビの歌詞が、今や恋なんて全く無縁の藤宮の心にすら響きまくり。そこだけすごく覚えていたので、うたまっぷで調べてすぐ誰の曲が分かったぐらい。我ながら似合わない曲を聴くなあと思うけれども、自分自身なかなか認められなかったけれども、やっぱり。いいものはいいなあと、改めて思ったよ。「やっぱ、大好きしか出てこない」
http://www.youtube.com/watch?v=MDQUxVfJUDc
シングル『告白』に収録。
49曲め、50曲め。
【49】Spiral Life「Lovin'Song」
これぞスパイラル。これぞギターポップ!何で最初のアルバムに入らなかったのか不思議なぐらいの名曲。(デビューシングルのカップリングに入ってる)軽快なメロディと美しいハーモニーが絶妙で、ほんの2分ちょっとの曲なのに言いたいことは全て言い切った感がたまらない。曲の中で何度も繰り返される「ねえ、僕を連れてって」という歌詞が大好き。初期の車谷くんの詞はホントに魅力的で、歌詞カードを眺めてるだけでも楽しかった。
(動画なし)
アルバム『Freaks Of Go Go Spectators2 −SELL OUT−』に収録。
【50】Flipper's Guitar「午前3時のオプ」
…どう書いたところで、大好きなこの曲の魅力のほんの少しですら、上手く伝えられる自信がないのだけれど。一つだけ言わせてもらうなら。「花束をかきむしる、世界は僕のものなのに!」という詞が初めて聴いたその時からホントに衝撃的で、こんなにも言葉は短く、美しく、雄弁に何かを伝えられるものかと思った。もちろん、その思いは今でも変わらないし、これからも変わることはないと思う。最高。
(動画なし)
アルバム『カメラ・トーク』に収録。
47曲め、48曲め。
【47】MOTOR WORKS「The Slide」
エルアールの黒沢君とスパイラルの石田君が組んだ(ついでにスピッツの田村君まで!)藤宮にとっては夢のようなバンド。世間の潮流がどうあれ、これで藤宮好みの音じゃないわけがない!疾走感たっぷりのこの曲で幕開けするアルバムは最初から最後まで捨て曲なし。良い意味で90年代をたっぷり満喫出来る、あっという間の50分間。残念ながら活動再開の噂はなかなか聞こえてこないけれども、何故か忘れた頃にまた会えそうな気がする。エルアールでもスパイラルでもない、モーターワークスのロックを引っ提げて!
アルバム『BRAND-NEW MOTOR WORKS』に収録。
【48】東京スカパラダイスオーケストラ「美しく燃える森」
声も、音も、何もかもがあるべき場所に収まった、完璧なパズルを思い起こさせる。無駄なものなんて何もない、ただひたすらに美しい曲。数ある私達の人生において、もし損失と呼べるようなものが幾つかあるとすれば、その一つは間違いなく「この曲に巡り合えない」事だと思う。PVの民生ちゃんのかっこよさも、ちょっとずるいぐらいが心地良い。
アルバム『BEST OF TOKYO SKA 1998-2007』に収録。