10/29 ヒグマシンポジウムへのご意見ご質問を歓迎します

個体群生態学会札幌大会参加者、道庁オブザーバーの皆様

 

ヒグマシンポジウムへの参加ありがとうございます。

質問がありましたらZoomへの書き込みまたは、この投書のコメント欄に書き込んでください。どなたでも書き込むことができます。

 

ある行事での参加者からの主な感想と松田の回答

Q:自然環境への負荷と経済活動のバランスが大変難しいと感じた。    

A:ご感想ありがとうございます。生態系には再生力があり、再生力の範囲で利用するなら持続可能です。再生力を超えて乱獲すると、バランスをとれなくなります。私は楽観しています。

Q:経済的割引率と共有地の悲劇の話は非常に興味深い内容でした。    

A:ご感想ありがとうございます。経済的割引率と共有地の悲劇は、気候変動を含むすべての環境問題に通じる2大キーワードであると講義でも説明しています。

Q:エコラベルという取組みの可視化、ブランド化、消費者の意識改革の動きが時代とともに進んでいることは非常に興味深かった。人口が世界的100億人まで増加していく中で、水産資源の量的需要は止まらないことが現実と考えていますが、エコラベルの普及により資源管理が効果を発揮し、少しでも長く海洋バランスの崩壊までの時間を稼げることに期待しています。  

A: ご意見ありがとうございます。欲張りかもしれませんが、生態系崩壊までの延命でなく、Nature positive(生態系の回復)を目指しています。人口爆発の危機感はSDG17目標から外れ、遠のいている印象です。

Q:認証制度についてはまだ消費者に浸透していない気がします。私は漁業界にいるので広めていきたいとも思います。魚離れも近年顕著に表れていると感じます、単価が安価になることを期待しています。    

A:ご意見ありがとうございます。認証制度は消費者よりまず小売店や外食産業、その機関投資家に浸透するとよいかもしれません。欧米ではどちらかと言えば低価格でなく高級品化で成功しているように思います。日本では両方必要だと思います。

Q:質疑を含めてフランクな説明をしていただけて、理解が進んだように思います。ルール作りも環境対策も日本だけではなく国際的に進める必要があるので、世界の中でどのように日本の意向を通していくかが課題であると感じました。  

A: ご意見ありがとうございました。必ずしも日本だけが特殊なのではなく、途上国に共通する問題が多々あります。より多様な産業実態に合う基準を作るよう提案することが重要だと思います。

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札幌市のヒグマ問題

Sent: Saturday, June 17, 2023 4:45 AM

受けた取材の動画は以下【北海道文化放送】にあります。 https://www.uhb.jp/news/single.html?id=36072

ついでに、以下の説明動画を公開しました。

札幌市にヒグマが出没する事態について取材を受けたので、20年前から提案している管理計画案を説明します。ーー2022年度から北海道の検討委員を外れたが、20年前からの提案が引き継がれていない。個体数管理を批判する専門家が、個体数と問題個体数の両方で管理することを理解していない。今札幌市で起きているクマの出没は、アフリカやアジアではゾウで起きているが、先進国の他の大都市で今後起きることの先例だ。「人を自然の外に置かない」ことは生物多様性条約の共通理念になりつつある。札幌市から、具体的な解決策を示さねばならない

 

日本から海外への生物多様性への影響を相手国別に可視化する。

日本の前回の生物多様性総合評価(2010)にはほとんど記述がなく、JBO2(2016)には自給率やエコロジカルフットプリントの海外依存度の形で記述されていたが、日本が海外の生物多様性に及ぼす影響も考慮すべきだ。窒素フットプリント(Oitaら2016)、木材輸入による鳥類の絶滅リスク(Nishijimaら2016)に続き、より包括的な影響評価が出ました(Kanemotoら2023)。今後、TNFDなどの勘定の際にも考慮されることになるだろう。

生成AIには新たなリテラシーが必要だ

 
Chat GPTへの素朴な疑問。たとえば未公開文書を投げて、関連情報を尋ねるとか、英訳してくれという。その情報はビッグデータに保管され、何らかの形でほかで利用されるのだろうか。投稿論文を査読者が投げたら、アイデアの流用を招くのか。
 
 

マサバ太平洋系群はようやく乱獲状態を脱したのか?

 

以下のマサバ太平洋系群の資源評価を拝見しました。

https://abchan.fra.go.jp/wpt/wp-content/uploads/2022/simple_2022_05.pdf

以前は2010年代もBmsy以下、Fmsy以上と評価されていました*1。それでも資源は順調に増加していた。ようやく、過去に遡ってFmsy以上という認識は改められたが、Bmsyを超えたのはごく最近という評価ですね。

 私は信じません。2010年代には、マサバ資源は十分利用できる水準にあったはずです。むしろ、もっと有効に利用すべきだったとすれば、資源評価はその機会を妨げた可能性があるでしょう。

 計算に最善を尽くされていると思いますが、自身の分析【に用いた前提条件】が正しいと過信しないことを勧めます。