東野圭吾『黒笑小説』

  • 動機

図書館に行ったら目について、前読んだ同じ作者の『容疑者Xの献身』が面白かったから。

  • 感想

『モテモテ・スプレー』でせつなくなりました。モテないのが先天的でかつ自分じゃどうにもできないものだっていうのが。っていうか私にもスプレーください。
あとは『臨海家族』あたりも好きでした。

黒笑小説

黒笑小説

『”文学少女”と繋がれた愚者』(70/120)

  • 動機

“文学少女”と死にたがりの道化』と同じ

  • 感想

元ネタは武者小路実篤の「友情」ですが前回よりも元ネタ比率が少なめな感じ。死にたがりの道化の竹田さんが再登場してたり前から出てた芥川君がメインになってたりと続けて読んでるとにやりとできて良いです。
演劇したりとかするけど芥川くんの回想が一番好き。暗くて。あと甘酸っぱいっていうより苦酸っぱい感じで。相変わらず私は遠子があんまり好きじゃないんだなぁと再確認したりと。以下ネタバレ反転 美羽が生きてるってのは予想外だったなぁ。この手の設定は大抵死んでるものだと決め付けてた。


まぁ引用してる小説も本編も良かったです。陰鬱な感じが。

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

『”文学少女”と飢え渇く幽霊』(69/120)

  • 動機

“文学少女”と死にたがりの道化』と同じ。ていうか読んだの大分前だなぁ。

  • 感想

あらすじは説明するのがめんどくさいので嵐が丘を読むと全て解決します、の一言で済ませたい。とりあえず虐待が物語の要素としてあるっていうのを最近よく見るなぁとかって思った。過食拒食も然り。
黒崎と雨宮の二人がたいへん好きです。ラストとか。まぁあの関係性っていうのだと負に転ぶ展開ばっかり読んできたのであの終わりは真新しくてなのかなんなのかわからないですけど大変好きでした。


ていうかこれ読む前に読んだ嵐が丘が大分好きになったっていう。ある意味正しいのかなぁ。

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(68/120)

  • 動機

タイトルとなんかはてなの注目商品にのぼってたから。嘘だけど。

  • 感想

感想を書くのに全部○○みたいだった、っていう表現を使うのって楽じゃないですか。あんまり頭よくない感じがしますけど。どう見えようができるだけ楽なほうを選ぶのが私なのでそういう風に書きますけど、文体っていうか掛け合いが西尾維新というか戯言シリーズみたいで話が西尾+乙一っていうかGOTHみたいでそれに前ファミ通文庫にあった『永遠のフローズンチョコレート』みたいなネタをふりかけたような小説でした。なんか「西尾維新みたい」っていう表現をとりあえずどのラノベにも当てはめるっていうのは頭悪げでいいと思います。禁書目録って西尾っぽいのかなぁ。どっかで言われてましたけど。いや詳しくは知らないですけど。
ていうかこんな他社の本の引用して設定が西尾維新西尾維新してたらそりゃあ物議も醸すっつう話だと思います。ラノベからだけとかじゃなかったし、たぶん。あとネタバレなんですけど殺人鬼周りのトリックがまんま乙一さんの『GOTH』なのはどうかと思いました。わかんない人にとってわけがわからないことを掛け合いのときに言われると話についていきづらい気もするのであんまりネタをひっぱってきすぎるのは好きじゃないです。


少なくとも西尾維新が量の割に高め*1講談社BOXで書いてるアレよりは文庫だし手に取りやすいのでこのままポスト西尾みたいな立ち居地になってほしいです。なんかそのまま自然消滅しそうな気もしますけど。

*1:っていう印象

『“文学少女”と死にたがりの道化』(67/120)

  • 動機

なんか面白いらしいってのをどこかで聞いた気がしたから。あと平積みにされてて目に付いたから。

  • 感想

「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだったが…。物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化け”の嘆きと絶望の物語だった―。野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、ミステリアス学園コメディ

あー、本当なら発売当時に手を出してもおかしくない作品なんですけど、私はヒロインが“文学少女”っていう妖怪だっていう説明を見て、そんな微妙なファンタジー要素なんかいらないよ。あれか、ファミ通文庫だからぺとぺとさんの二番煎じみたくなんでもかんでも妖怪化そてりゃ売れると思ってんのか。いいからおとなしく日常ミステリにしてくださいよ! みたいなことを思って買わずにいたんですけど、今月の電撃の新刊を見つけて買おうとしたら装丁がよくなかったので買えなくて、なんだか何も買わないのも癪なのでてきとうに評判のいいものを買おうと思ったら見つけたので、発売当時よりは丸くなった私は評判に従うままレジにもっていったのです。
で、感想ですけどああいう独り語りをされるととりあえず叙述トリックを疑いたくなるっていうのは悪い癖ですね。主人公がそのまんま独り語り部分なキャラっていうので更にそう思ってしまうっていう。あとツンデレの立ち位置が絶妙だと思います。
続巻用みたいな伏線をはりながらちゃんとストーリーが進んでいったのはいいと思います。トリックってほどのトリックはないけど、そっちを楽しむってよりどっちかというと太宰治さんの小説からの引用とかオマージュとかを楽しむ比率の方が私は多かったです。まぁ私も思えば恥の多い人生を歩んできました。


評判どおり面白かったです。続きもたぶん買います。