淀競馬場に出かける。随分長い期間(3年程?)リニューアル工事をしていたが、おかげですっかりきれいになっていた。駐車場が高額過ぎることと、屋外観覧席がすべて有料なのは若干残念だったかな。
子どもは初めての競馬場に興奮し、サラブレッドの走る様子を眺めていたが、残念ながら私の予想は外れるばかりで、たまに当たってもひどい低倍率だったりと、レースが進む度に資金が減っていくことを心配していた。まあ、世の中そう上手くいかないよな、と思っていたのかもしれない。
大愚 元勝著。和尚さんの講話を聞くような本。すべての内容に納得したわけでもないが(そんなことはあるはずもないので、部分的に納得できたのならそれでよし、ということが前提ではある)、改めて「そうだよな」と感じたのは次のような箇所。
あなたが自分のことを大切に思うように、相手もまた自分のことが大切。そのことを認識しておくことができれば、自然と人に対する共感や思いやりが生まれてくることでしょう。自分の「我」だけを優先させず、「自分が相手の立場だったらどう思うか?」を考えてほしいのです。
「こうなってほしい」という欲望は、その人の心が生み出した都合の良い「妄想」にすぎません。他人へのイライラは、「勝手な期待」から生まれる。「他人は自分の思いどおりになどならない」ということを心に留めておきましょう。大前提として、人生は自分の思いどおりになることなどほとんどない
じつは嫉妬に対する処置は至ってシンプル。「他人の喜びに対して、あなたも一緒になって喜んであげること」これが最も効果的です。
憧れと羨みは違う。「羨ましいあの人」と同じ努力が自分にできるかどうか。
漠然とした焦りを感じている場合もあるでしょう。こんな場合は、「自分がなにに焦りを感じているのか?」「なにをいちばん大切にしたいのか?」を明確にし、優先順位を明らかにすること。
「どうにもならないこと」に心を使わないこと。つねに他人への不満ばかり言っている人は、いわば「おいしくないとわかっている食事をずっと食べ続けている」ようなもの
「自分は正しく、相手が間違っている」が苦しみのもと
頭木弘樹著。著者と川野一宇アナウンサーによるNHKラジオ深夜便の放送を書籍化したもの。番組そのものは聞いたことがないが、確かに深夜ラジオにふさわしい番組かもしれない。美しく明るい、希望に満ちた言葉ばかりが飛び交う世の中で(だからこそ)、絶望の中からしか出てこない言葉に「救われる」こともある、というのが著者の思い。
これは、とても良く分かる。そういうことが分かる年齢になってきた、ということかもしれない。カフカや太宰が語る、うじうじとした、このどうしようもなさ、そうした言葉が救いになる。それを読んで何かが改善するでもなく、解決するでもないが、それでも読者として救われる。その感覚、よく分かる。ドストエフスキーのように死の淵を覗き、自身が圧倒的な絶望を経験したからこそ得られた視点。そこからかかれた文学は、読書体験でしか得られない宝なのだが、元気で全てが順調に進んでいるときに読んでも鬱陶しいだけだろう。苦境のときにこそ読むべき本があるのだ。
絶望だけが人生だという趣旨ではないが、希望だけが人生でもないわけで。人間を知ろう、学ぼうと思うなら、両面から見ないといけないという話。「明けない夜はない」という言葉と「明けない夜もある」という言葉、私はこの矛盾する両方の言葉について共感できる。そう、明けない夜もある。
また、ゲーテの項で紹介されていた、「他人の人生をあらすじで見ないこと」という指摘も重要だ。人生をあらすじ、概要で記述すると何の問題もなく順調にいっているように見える(錯覚する)が、そんなわけはない。どの人にも、その人なりの苦悩、苦労があるはずで、それは他人と簡単に比較することはできない。
巻末に書かれた根田ディレクターの「『絶望名言』ができるまで」も良かった。是非、2巻も読みたい。なお、本書はスゴ本の方が紹介されており手に取ったもの(感謝)。
実は活動期間が短く、10年に満たなかった(1992年~1998年および2000年~2001年)。こうして改めて聞いてみると、ジュディマリはビートルズが好きだったんだな、などと気づく(LOVER SOULはRubber Soulから取ったのだろうし、Brand New Wave Upper Groundの中にはCome Togetherがそのまま歌われている)。
燃え殻著。日々の徒然ごとを描くエッセイ。ポジティブ過ぎず一歩引いてる感じで、しかし斜に構えたり世の中を呪詛するのでもなく、淡々とした日常を言語化される著者の目線が心地よい。同世代だからこそ伝わってくることがあるのかもしれない。