『草枕』
何度目かの読了。
初めて、腑に落ちた。
そして、、、、、(以下略)
『坊っちゃん』
読了。
『虞美人草』読了
なんとなく文体がとっつきにくくて、敬遠してきた『虞美人草』。
読んでみたら、めちゃくちゃ面白かった。
これは、おすすめ。
特に、『坊っちゃん』が好きな人には、必読と言いたい。
『虞美人草』は、初期の長編。
漱石初の新聞連載小説。
気合が入りすぎ。
冒頭の京都観光のシーンにどんな意味があるかが明らかにされるときの衝撃。
この小説では、勧善懲悪的な構図が明確で、その後の作品のように、真面目なものが破滅し、世知辛い人間が世にはびこるという展開になっていない。まさに初期という印象。
やはり漱石を読み解くには、「世間」「世間体」という観念が重要である。「エゴイズム」とか「他者」とか、西洋に由来するような概念よりもずっと重要なはずだが、「世間学」はまだ形をなしていない。「漱石と世間」という論文を構想。
ラスト。何も藤尾を殺すことはないじゃないか、と思ったのだが、彼女を死なせるということが漱石にとっては欠かせない目標(創作意図)だったらしい。それは何故なのか、考えてみるに値するテーマ。
最後の一行。
まるで落語のようなオチだが、意味は深い。
漱石は、この小説の後、「喜劇ばかりが流行る」世界を、執拗に描き続けることになるのだから。