やがて君になる 1〜7話 感想ツイートまとめ

2018年も平成ももうすぐ終わりますが、
最期にバケモノみたいなアニメが来たので久々にブログ更新。

やがて君になる
原作は未読で、公式HPがオープンした時に見に行ったんですが、その時点で作品の雰囲気が何となく感じられるし、キャラクター紹介が絞られていたので期待していましたが想像以上でした。
あとシンプルなデザインも格好いい。

キャラクターは侑の「好きがわからない」というキャラクター像がとても新鮮だったのがまず印象的だった。
演出は一人称視点のカメラワークを多用してきたりして、とても凝っている。
暗喩表現もとても豊富で、見ていて何度も発見があるし、背景美術の丁寧さも白眉。

というわけで、色々つぶやいているのをまとめてみた。


1話の最初の方だったんですが、細かい所へのこだわりがなんか尋常じゃないぞと感じた最初のシーン。









「ううん、違う」という二重否定は、
単純に「 同じじゃない」という意味とも、
「同じじゃないんですか?」という疑いに対して、「違うよ同じだよ」と言っているという意味にもとれる。
なので、小糸ちゃんも視聴者も「この先輩の事がわからない」となる。











このアニメは「間」の取り方が本当にうまくて、
「あ、このキャラクターいま何か感じたな(あのことを考えたな)」と自然と感じさせてくれるように作られている。
この細かい間がとられているおかげで、息づかいのようなものを感じる。
随所で間がうまく取られているので、気づいていなかった人は意識してみて欲しい。

















線を使った演出も多い。
ここで紹介した以外にもたくさんあるので、探すと楽しいと思う。







この足元の描写は原作漫画1巻でもされているシーンが多いですね。
しかしアニメ独自の一人称視点などで、少し増えているシーンもあります。
アニメ独自の演出なのか、原作からのインスパイアなのか、答え合わせをしながら見るのも楽しいですね。








この作品は、直球の感情表現をできるだけ避けているように思います。
おそらくメインキャラクター達の多くが、自分の感情にそこまで自覚的ではないから。
一番自分のことを分かっていそうな佐伯沙弥香ですら、何故自分が橙子を好きなのか、7話で店長に聞かれるまできちんと具体的な形としては自覚していない。
だからこそ、『やがて君になる』と言うタイトルなのでしょう。








特に3話は、橙子の「手」の感情表現が多い回でした。
どれも、無意識下での橙子の感情の動きを如実に表わしている様に見えますね。










背景、本当に雰囲気を醸し出していて良いです。
いい感じに枯れたりくたびれた感じが出ているのも、日常の風景の中にいる人物を際立たせ、彼女たちの実在性が感じられます。
会話の「間」をうまくとれるのも、隠喩表現が冴えているのも、この素晴らしい背景があるからですね。







とにかく、さりげない描写(芝居)が多い。



ココに限らず、猫っぽい動きの多い侑。
しかし、好奇心は猫を殺すと言いますが大丈夫ですかね……。







感想ブログなどを見てもあまり言及されていないシーンなんですが(このあとの涙のように溶けるアイスへの言及が多かった)、個人的にはとても好きなシーンです。







うまくやらなければならないと、いっぱいいっぱいになっている橙子の様子を暗に表現しているシーン。





ココはわかりやすく寂しそうな顔に見える。かわいい。






自分で自分を抱きしめて、「特別な自分でいたい」という橙子は、侑の事を一瞬ここで諦めて、一人でどんなに寂しくて辛くてもずっとやっていくんだと覚悟(諦観?)している様にみえる。
侑は一方的に手を離されて、しかしそれをすべて許した。






橙子にプレゼントされたプラネタリウムの星空の下。何故橙子が自分の事を好きなのかを考えながら。
橙子につれてこられた体育館の星空の下。橙子が頼れるのは自分だけなんじゃないかと考えながら。






2話では好意を示す橙子に、「ずるい」と侑が憤りを感じる。
6話では好意を示しかけた侑に、「死んでも言われたくない」と橙子が拒絶する。









純粋な美しさと危うさが同時に存在して、視聴者の心を動かす。
この作品を象徴する風景。

このシーンで高揚した熱が、日が暮れた後に二人で帰るシーンで徐々に冷めていく。
そこで橙子の侑への感情が吐露される。
「好きは相手を束縛する」「どうか侑、私を好きにならないで――」という独白によって、奇妙な余韻が心に残って幕を引いて終わる。

映像、背景美術、演出、脚本、そして演技。
6話は本当に全てが完璧で、美しかった。











雫を橙子と沙弥香に見立てて、2つに分かれているけれど、最後は一つになれれば良いなという沙弥香の願望の発露にも見えなくもないし、
隣り合った2粒の雫(自分と橙子)を、コップを傾けて一つにしようとしたら思いがけず離れてしまった。
しかも雫は大きな溜まりに飲み込まれて、もはや取り返しがつかない。というマイナス方面の解釈もできる。
(過去の先輩との顛末の暗示にも見えなくもない)

沙弥香の複雑な感情同様に、色々な解釈ができる素敵なシーン。





「いい子」と繰り返し言ってくれるのは、自身を「悪い子」だと思っているであろう沙弥香にとって大きな救いになった。
(側にいるために本当の気持ちを隠すのが卑怯な行いだと思っている)

救われた沙弥香は、もう一度コーヒーカップに唇をつけて、コーヒー(自分の想い)を飲み込む。





やがて君になる」の特徴のひとつとして、とてもポップなEDがあげられると思う。
最初、もっとしっとりとしたEDの方が良いんじゃないかと思ったけれど、7話時点ではこのEDのおかげでアニメを見た後の軽やかさが本当に心地よい。
TVアニメ「 やがて君になる 」エンディングテーマ「 hectopascal 」



脚本の構成も、最期が重くなりすぎない様に原作漫画から上手に再構成されていて、
(例えば3話で、原作では話の途中にあったプラネタリウムを見上げるシーンをオチに持ってきてうまくつないでいる)
おまけのこぼれ話的なモノもうまく差し込まれているし、1つのエピソードでどう視聴者を満足させるかを考え抜いて作られていると感じる。



という感じで現在、『やがて君になる』7話終了時点です。
ここからの後半戦も期待しております。






こちらの記事もおすすめです。
『やがて君になる』の映像的妙味は、どのように生まれているのか?――加藤誠(監督)インタビュー

「好き」の気持ちはどこへ向かう?――『やがて君になる』キャスト対談:高田憂希×寿美菜子(前編)

「好き」の気持ちはどこへ向かう?――『やがて君になる』キャスト対談:高田憂希×寿美菜子(後編)

「好き」の気持ちはどこへ向かう?――『やがて君になる』佐伯沙弥香役・茅野愛衣インタビュー






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selector spread WIXOSS(2期) 11話感想・解釈などの自ツイートまとめ

11話感想・解釈などの自ツイートまとめと注釈です。






ちなみに幼虫時代は強烈な毒を持つ害虫。
あと外見がもふもふしてる(そこそこ気持ち悪いので、虫が苦手な人は検索しない方がいいかも)
「イラガ」は日本全国の木にいて、幼虫に刺された時の強烈な痛みや、葉っぱの食害による被害の大きさからか「名前がいっぱいある」。そんなところも繭・シロ・クロ・タマ・イオナ・ユキっていう色んな名前がある所とシンクロしている様な気がしてくる。
まぁさすがに偶然の一致じゃないかなと思いますが…(笑)







この「棒」があの暗い部屋に落ちてきたらタマは「消えちゃう」のかな・・・という穏やかじゃない考えがよぎる。それプラス、夢の中で柱を受け止める巨大なタマというイメージが関係してきそうにも見える


 
 
イメージがリンクしている様にも見える。







ユヅキ「キスとか、私もいつかしたかったし!」
花代「アンタ、ルリグになっても変わらないね。まっすぐで騙されやすくて・・・」
すごく意味深な発言に聞こえる。
本当はキスより先まで行ってるんじゃないかとか、キスだけど口づけとは言ってないよみたいな・・・。











で、お菓子と飲み物を買って遊月(恋人)の部屋に来たって事はアレですよね。メリークリスマス!!





香月に見られてしまった事と、香月に触れられる事に対するユヅキの乙女っぽい繊細な反応から、ベッタリとカードに張り付いたイラストとして描かれているユヅキへの切り返しが本当に残酷でホラーっぽい。

























仮に他のプレーヤーのもとで同じような事が起こっても、タマ=ユキの様な同一存在でなければこのような事は起こらないのかなと自分は解釈しています。












とはいえ、一衣たちが向かったのはこちらの図書館ではないのですが。しかし何となく似ている様な気もします。
















ウリス自身も「悪い子のクロ」であるこの姿がしっくり来ているのか、表情もとても豊かでイキイキしている。














「蒼井晶!」と気合いをいれて臨んでも黒タマ出されちゃったらあっさり負けちゃうし、ソロプレイしかしてない繭はラスボス補正みたいなものは全く無くて修羅場をくぐってきているるう子に圧倒されて負けそうになるし、このアニメはバトルの実力に関してとてもシビアだと思う。





白窓の部屋は、バトルフィールドとつながっていて、そこはタマのいる場所でもあるという辺りは、とても上手く設定とシナリオを転がしている感じがします。








実際にはワープしてそうなので、おそらくは大丈夫だと思います。(一瞬ワープ忘れて追っかけてなければ)











2期11話まで見てきて思ったんだけど、selectorの少女達は願いに関することを話す時などによく上空を見上げている。そしてルリグ達も、常にカードの世界の小さな窓からセレクターを見上げている




 
 
繭も上空の窓を見上げて願いを吐露していたし、11話冒頭のタマも上(窓)を見上げている。そして11話の中では逆さまになって上からるう子達に話しかけている様な構図。(タマにとってはるう子達が上空)







ということで今夜、まもなく関東で最終回が放送です。
どういった結末を迎える事になるのか、楽しみです。

selector spread WIXOSS(2期) 10話感想・解釈などの自ツイートまとめ

selector2期10話に関する自ツイートのまとめです。



メタ的な話をすると、selectorシリーズは前回繭が言っていた「クロは別の人になっちゃった」とか、繭の過去を聞いた晶が「そんなことどうでもいい!」と言ったりとか、視聴者への牽制球みたいな台詞が時々うまく挟みこんであって面白い








こういう所で本当に上手く視聴者の印象を操作していると感じる。



カメラワークは上からしたに落ちていくので、「相手が落ちていく様を見る事を望むウリス」という言葉とはリンクしていると思う。



で、ウリスの側はといえば、晶の望みを全くわかっていない(まぁわかるわけないんだけどw)。
晶は、ウリスの本性や、ウリスから自分へ向けられていた感情について完全に理解していたのに、ここでついにハッキリと「想いの差」が描かれてしまった。哀しい。



セリフ回しの巧妙さ。









恋人になるまではかなり一直線に攻めていっていた花代さんだけど、その後は戸惑いと不安がまだまだあるのだと思う。あるいは罪悪感か。



引き出しの中から花代さんは遊月と香月のやりとりを聞いていたので「この前も変って言ってたよね」と返せるんだけど、これは香月を無理にでも黙らせる方向に行ってしまっている。「香月と恋人続けるための手札」が彼女の中で尽きかけているんじゃないかとも感じる


フタセの「小説家にならなければならない」という託された願いは、ある程度は自分自身との戦いという部分が大きいから頑張りようもあるんだけど、花代さんの場合は相手がいる事でしかも恋愛で尚且つインモラル(!)なので持続させるのはかなり大変だと思う。





そもそも思春期の少女というものが色々な意味で移ろいやすい存在であり、自分自身の変化についても不安を感じているというのはリアリティがあると思うので、「前の私と、今の私どっちが好き!?」は、少女の発言としては全く正しい。この辺りの少女という存在を描く巧みさはselectorの特色であり美しさ。


だから、少女達は中身が入れ替わっても生活していけるし、伊緒奈ちゃんも元の生活に戻っていくことができる。









「わかった? 怒ってる?」と繰り返し訊ねている辺り、繭は結構頑張って説明したんじゃないかなあと…w そしてそれに対する答えが「そういうのは別にどうでもいい」という伊緒奈ちゃんの果てしない諦観だったので繭はキレちゃった。
実際に繭は二言三言声をかけるだけで絶望していた遊月を相手にしているときなどは凄く余裕ぶっている。


繭にとっての「怪物」みたいな少女であるところの伊緒奈ちゃんが、自分の半身であるクロから送り込まれてきたというのは皮肉でもあり運命でもあると思う


伊緒奈ちゃんのキャラ付けは「繭キラー」だったり「晶がイラツキそうな子」だったりするのだけれど、それが今までに明かされた伊緒奈ちゃんの境遇(全てを持ちえている財閥の娘)と凄く自然に接続されているように感じられて、かなり上手く作ってあるなと感じる(メタな視点)。









「悪い子のクロ」だったイオナはタマに負けて良い子になりつつあり、逆に「良い子のシロ」だったタマはイオナやミルルンに勝って悪い子になりつつある。物語が佳境に入り、OPの歌詞の通り「光と闇が重なり」はじめている。



タマも繭も、夢幻少女になったはずのウリスの事を全く気にしていない感じなんだけど彼女は一体どうなったんだろうか・・・





 
「ありがとう、ごめんね…」




浦添伊緒奈はとくに気にしていなくても目についてしまう存在ではある。



隣にエスカレーター(?)とか、もう少し細い階段あるけど、クソでかい階段のど真ん中を昇っていくっていう描写はこれからの伊緒奈ちゃんが頑張っていくしかない境遇みたいなものを隠喩しているようにも見える気がする。。



※2期EDの歌詞






ここのBGMの使われ方は本当に最高なので確かめられる人は確認してみてほしい。



繭視点から見ると、10話は「ルール違反」が怒涛のようにやってきてるのが本当に可哀想だし面白い。
少女達からすると、繭の願いや定めたルールはすごく不条理なんだけど、
からしても少女達はせっかく考えたルールとか平気で破ってくるし願いは無いとか理解も出来ないし、ものすごく不条理な存在。







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selectorシリーズの背景描写について

このブログでずっと追いかけているselectorシリーズですが、このシリーズは背景へのこだわりをとても感じます。
キャラクター性を表していたり、キャラクターの心情や物語の雰囲気を暗喩していたり。
今回は私が気づいた部分を紹介してみたいと思います。




【橋のモチーフ】

アニメselectorシリーズにおける「橋」のモチーフ(2期8話終了時点)。「クロス」の暗喩からか意味深いシーンやその前後に採用されている事が多い。




【町並み】
都市伝説の様な味わいのあるselectorという作品において町並みの描写はとても重要。
この作品では、つねにどこかしら「薄汚れた感じ」が出ていて作品独特の雰囲気を醸成していると思う。


↑ウリスを刺したすぐ後のシーン



地下鉄=猛スピードで地面の下(どん底)を走っている
工事中=現在進行形で何かが変わっている
袋小路=出口がない
駐輪禁止=停まることを許されない(しかし、自転車は漕ぎ続けなければならないという行き詰まり感もあるかもしれない)



この他にも、交差点や信号の描写は多い。





【鳥のモチーフ】
EDで飛ぶ鳥を描写していたり、selectorは鳥に関しての描写も多い。


1期10話、ルリグとして一衣の下へときたユヅキ。
思い悩んでいる時に窓の外の枝に鳥が留まる。飛んでいない鳥は、停滞感=現在のユヅキの心境を表していると思われる。(キャプの左側)
そして、「やっぱり友達が欲しい」と涙する一衣を見たユヅキは決心(選択)する。そこで「2羽の鳥」が飛び立つ。(右側)


この2羽の鳥は、基本的には「ユヅキが一衣を導いて飛び立っている」というイメージだと思うのですが、
窓の外=隔てられた向こう側(selectorではそういう隠喩が多い)で飛び立っているという印象から見ると、2羽の鳥は「香月と花代」という風にも見えてきます。


「ユヅキが一衣のルリグで居ても良いと決意(選択)する」ということは、もう人間に戻る事を諦めるということで、ユヅキは、香月と花代さんには絶対に手が届かなくなってしまう=空へと飛んでいった2羽の鳥には手は届かない…という隠喩。


と、かなり色々な意味を解釈できる良いシーンだと思う。





※ウリスを刺したすぐ後のシーン




【ブランコのモチーフ】
中学生の少女たちがメインキャラということで、公園という舞台は彼女たちがまだ子供でもあるという事を示唆する良い舞台であると思う。
その中でもブランコは「揺れる」という動きが象徴的で、セレクターの少女たちの心境を上手く代弁している様に見える。



心が揺れに揺れていた遊月や文緒とは違って、ウリスは勿論、このシーンでの晶は「揺れる心をもつ少女」ではないのだろう。だからブランコは絶対に映さない。という意図を感じる





【雷のモチーフ】
selectorシリーズは、雨の日に悲劇を描写する事が多いが、この雷雨のシーンでの雷はかなり凝った演出として使われていると感じる。



ここでは話数をまたいでバトルフィールドに長時間いたことから、現在位置を判りやすく伝える必要があった。
バトル結果も衝撃的であり、ここでの雷光・雷鳴という演出は
現在位置を知らせるという必要な情報
バトルの結果を更に盛り上げるという付加的な情報
両方共を非情に効果的に表現している、本当に高度で見事な演出。




【窓のモチーフ】
「白窓の部屋」などから象徴されるように、窓のモチーフも多く用いられている。このアニメにおいては「隔てるモノ」として描写されている事が多いと思われる。





【その他のモチーフ】
その他のモチーフ。本当に様々な背景を使って色々なモノを表現している。


「しばらく操作されなかったパソコン」が、自動的に「画面の電源を落とす」。
フタセがパソコンで創作活動を行っている事などから考えても、このシーンの情報量はとても多いと感じる。



ここでフタセは「現実は物語のようにはいかない!」と言って机から払い落としている。この献本は彼女が自ら紡いだ「物語の集大成」である事から考えると、色々な事を示唆していると感じる。



「呪いまみれになりながらもセレクターバトルを求め、その流れにのって進むしかないフタセ」を、柵の向こうから見守ることしか出来ないるう子という心象風景を表したカットだろうか。



何かのモチーフがあるわけではないが、童話や神話の一節のようでもあり、ただの家庭内の出来事のようでもあり、不思議で印象的なシーンだ。



イオナが話す繭の過去へと耳を傾けていた視聴者にウリスの存在を気付かせるかのように描かれている。

この後、ウリスの事を忘れてしまったかのように「希望」を感じて喜んでいるタマやイオナ、るう子達に対してウリスは「くだらない戯言はもううんざり。次は私のターンなんだけど!」 「キラキラしたあなた達を全員ブッ潰してあげる」 と声をあげる。直前のウリスの存在を感じさせるシーンの不気味さが後になって更に引き立っている。







【少女たちの住居】
selectorで登場した少女たちの家や部屋について紹介。こちらも家庭環境などから彼女たちの境遇などがスッと視聴者に理解できるように工夫されていると思います。


〜小湊家〜
 
るう子の部屋。ぬいぐるみや小物が多く、机もいわゆる「学習机」で、ついこの前までランドセルを背負っていたんだという感じが良く出ていると思う。「時間わり」が貼ってあるのもポイントが高い。


 
仕切りが少なく、開放感のある居間とコタツが特徴的。床暖房も効いてそうな感じがする。とても暖かそうな雰囲気があり、物語でも癒やしの空間として使われていると思う。
右は兄ちゃんの部屋。ピアノらしきモノがあるが誰かが弾いていたんでしょうか。居間にトロフィーや盾がいくつも飾ってあるので案外兄ちゃんがやっていたのかもしれません。
ブラウン管のテレビや少し古いゲーム機など、兄ちゃんは結構前に家を出た、もしくはあまり婆ちゃんに新しいものが欲しいと言わなかった(るう子もそういう所がある)ことが伺える。あとピアノを置いてある事で、今は部屋の主が居ない「物置き感」も出てるかも。



この脱衣所は、「おばあちゃんの家」という感じがすごくする。


この家はるう子の婆ちゃんが一人で住むには広すぎる家で、その割にキッチン等が比較的新し目に見えるので、婆ちゃんがずっと住んでいた場所ではなくるう子の母親が育児放棄をしてしまった時に改めて買った(借りた)家だったりするのかもしれない。




〜紅林家〜

外観は地味めだが入り口は広くて豪華。管理人らしき女性もいる。
広めのリビングには大きな壁掛けテレビ。キッチンは対面式。黒色を基調にした脱衣所や、その他の家具からもスマートな印象を受ける。小湊家や植村家と比較すると「暖かい場所」という感じは少し薄いか。
何となく遊月と香月にはまだオシャレすぎて不釣り合いな雰囲気もある家ですが、二人は住み慣れた様子でリラックスしています。何となくですが、少し落ち着かない感じ。(紅林姉弟が「新婚夫婦」に見えなくもない?)
間取りは子供達に1部屋ずつと夫婦の寝室で3LDK? 都心だと最低でも4000万円以上しそう。
共働き家庭のようで、ご両親は割りと若そうな感じがしますね。



〜植村家〜




とにかく恵まれた家庭という印象をうける一衣の家。
間違いなく一衣の優しさはこの両親から受け継いだものなんでしょうね(お母さんはちょっと過保護で心配性すぎるきらいも有りますが…)
そういえば一衣は最近引っ越してきたとの事ですが、新築なんでしょうか…。




〜サボテン〜


サボテンの花言葉は「枯れない愛」「熱情」「秘めた熱意」「偉大」「暖かい心」「内気な乙女」など。注目して見ていると割りとチラチラと映っている。
まぁこんな小さなインテリアにそこまで意味付けをしているのかは分かりませんが、アニメーションは「描かれなければ存在しない」というモノである事も確かです。




〜蒼井家〜





〜文緒・フタセの部屋〜




〜繭の部屋〜


物が減っていった後に、最後には真っ白な部屋となっており、「白窓の部屋」を思わせる。







背景というものは、そこまで大きく物語へ主張してくるわけではないのですが、積み重なる事によって作品の雰囲気やキャラクター達の心情が知らず知らずの内に視聴者の頭に入ってきているものだと思います。近年のアニメは全体的に作画レベルが上がっているので他のアニメでもこういったことはよく行われていると思いますが、selectorシリーズは特に背景演出に手が行き届いていると感じられ、見れば見るほど新しい発見があります。


今回、色々と紹介してみましたが、まだ紹介しきれていない所も多いです(2期8話のラストとか)
また、selectorに限らず他の作品でも色々な所で多くの表現が成されていると思います。注目してみていくと新しい発見が待っているかも。皆さんも自分のお気に入りの作品で探ってみてはいかがでしょうか。






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selector spread WIXOSS(2期) 9話感想・解釈などの自ツイートまとめ

セレクター9話に関するツイートまとめです。






一衣が自分の幸福に気づくというのは勿論彼女の成長だけど、自分よりも富める者、貧しい者をみて自分の置かれている立場を自覚するという「グロテスクな現実世界」の掟そのものであるとも言える。そして繭にはこれは出来ない事。



繭の大人っぽい外見を無視して少し引いた位置から見てみれば、「ルリグ化」も「願いが逆さになる」のどちらも子供が遊びの中で思いついたローカルルールの様にも見える。





視聴している側としても、何となく一衣達の話している事が、以前のファミレス等でイオナが不快感を示していた時とは違って、スッと入ってくる感じがあった。この辺りは演出やセリフ回しが本当に上手くやっているのだなと思う




「絶対に勝てると思っていた遊び」で、手痛い負けを食らって、でもそれを認められずに「そんなの変だもんルール違反だもん!」的な事を言っている子供という感じにも見えます




「クロはもう違う人になっちゃった」と、拗ねた繭がいきなりそんなことを直球で言ってくるもんだから視聴者としては「お前が言うな」的な事をつい思ってしまう。イオナが変わったというのは視聴者の認識でもあるのにひどく混乱させられる。





めっちゃかっこいい外観。









緑子さんは自分が一衣のような幸せな家族の元で暮らすという希望を捨てきれないし、いざとなったら一衣はバトルには応じてしまうんじゃないかという事を分かっているから、「捨てて!」となる。



しかし、ちよりはエルドラにルリグの宿命を黙っていた事に関して文句をブツブツと言っていたのだが、彼女は本当に今でも「ルリグの世界に行きたい」というのが願いなんだろうか・・・?
もしも願いが想定外のものだったら……?





るう子の心の傷の痛みを想えるようになったイオナ。るう子の小さな仕草からその心を感じ取れるという絆の深まりを感じられて、短いけれどいいシーン。




ウリスは勿論、晶もすでに「揺れる心をもつ少女」ではない。だからブランコは絶対に映さない。という意図も感じる。



晶がミルルンに言っていた「傷を治す」とか、ウリスに言った「アンタを助ける」が心の傷だったりセレクターバトルからの救出だったりした場合は、すごくねじれた事になりそうですね……。




以上です。







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SHIROBAKOのキャラデザ 「まぶた線」のルーツを探ってみる

SHIROBAKOのキャラデザにおいて少し気になった部分があったので、軽く調べてみました。



よくまつげの上に描かれる二重のまぶたではなく、もう一つ上の眼窩?みたいな所を表している感じの線です。
表情の変化で現れる事は昔からよくあると思うのですが、SHIROBAKOにおいてはキャラクターデザインの時点で多くのキャラクターに採用されていて特徴的に見えます。
※どういう名前か判らないので便宜上「まぶた線」と呼びます。






 
 
 
SHIROBAKOの宮森は表情がコロコロと変わるヒロインですが、この「まぶた線」がとても良く効いていると思います。
特に半目っぽい時に、目をそれほど小さくせず可愛さを損ねずに、でもきちんと目が座った感じが表現できているのではないかなと。
あと疲れや眠気みたいな表情を表現する時に、このまぶた線があるととても便利そうです。
寝不足やお疲れな人が続々と出てくるアニメ、SHIROBAKOにおいては特に必要な線なのかもしれません。



可愛さと半目の同居。いいですね。



興津さんがクールビューティーであるという事を一目で示すというデザイン的な意味合いの他にも、就業時間をきっちり守る人で睡眠時間や休憩をきちんととっているからというのもあるのかも。
「まぶた線」の使い分けに関してもメリハリをつけて上手く成されていると感じる。




――で、気になったので、SHIROBAKOにおける「まぶた線」のルーツを少し探ってみることにしました。
と言っても、
水島努監督
アニメーションキャラクターデザイン担当の関口可奈味さんの二人のこれまでをたどってみただけですが……。
(追加でぽんかん⑧さんも調べてみました)


ではまず、アニメーションキャラクターデザインの関口可奈味さん。


「ふたえまぶた的な部分」の線は結構ハッキリしていてまぶたがあるなという感じは受けます。
しかし今回取り上げている「まぶた線」に関してはSHIROBAKOの様にデザインされてはいない。



グラスリップとそれほど変わらないか、それよりも少し薄い感じでしょうか(?)



TARITARIよりもさらに薄めに見える。



※キャラデザの元の絵柄が特徴的なので影響はあるかも



どうやら関口可奈味さんが好んで使う技法というわけでは無さそうです。




で、水島監督



関口可奈味さんの作品群よりまぶたがハッキリ描かれている気がしますね。
「まぶた線」らしきものもあります。
※原作コミックスがあるので、原作絵の影響もあると思います



今回取り上げている「まぶた線」らしき線があります。



秋山殿もそうですが、「まぶた線」があると半目系が可愛く見えますね。



ガルパンと比べると少し薄い感じはするかもしれないです(?)



※軽く調べた所そう見えただけで本当に切り替えとして使っていたかは不明です



ブラッドCではCLAMPの方が脚本としてメインスタッフに入っているのでその時に…?(憶測です)




他のキャラも線というほどのものは見えなかったです。
(原作のあるアニメだと制約がありそうですが)





【追記】ぽんかん⑧さんは?
SHIROBAKOキャラクターデザイン原案のぽんかん⑧さんの絵もpixivで少し調べてみました。
ぽんかん⑧さんのpixivアカウント
調べてみたところ、SHIROBAKO絵の直前のイラストには「まぶた線」が無く、
SHIROBAKOのりーちゃんの絵には「まぶた線」が有りました。


ぽんかん⑧さんがpixivにアップしておられる絵という狭い観測範囲での調査ですが、SHIROBAKO以外の絵だとあまり「まぶた線」みたいなものは見られませんでした。
【追記終わり】



――と、興が乗ったので調べてみましたが、所詮Googleで検索して出てくるレベルの調べ物なので全くの的外れだったりするかもしれないです。その点はご注意ください。(興味を持った人がいたら他の監督さんとかの傾向も詳しく調べてボクにこっそり教えて下さい)
【追記】
アニメーターの木村貴宏さんルルーシュガオガイガー等でキャラデザを担当)が良く使っておられるそうです。


ということで、SHIROBAKOのキャラデザ時に誰が出したアイデアなのか実際には不明なんですが、
ただ、水島努監督が「まぶた線」を好んで使っている傾向はあるのかなと感じます。
「いわゆる萌えキャラ造形」での表情の幅が結構広がる気がするので、もしかするとこれからアニメ等で流行る事もあるかもしれないですね(ホントか?)
水島監督が手がけるアニメは勿論、他のアニメでもこの「まぶた線」に注目して見ると面白いかもしれません。









【追記】

眼窩の影・まぶた線を増やすと顔に凹凸感が出て、陰影や彫りが深い感じになり喜怒哀楽の表現の選択肢も増えると思います。なので劇画調なキャラデザのアニメだと「まぶた線」が割りと採用されているかもしれないです。
※あとで少し調べてみましたが、Darker Than Black』 『UN-GO』 『コードギアス反逆のルルーシュ等が「まぶた線」を多く採用しています。この中でSHIROBAKOと同系統の、「萌えキャラ的造形」寄りで採用しているのはDarker Than Black



その一方で、影の少なさや一種の平面さが可愛さにつながっている「萌えキャラ的顔造形」と凹凸や影は相性が良くないんじゃないかと思われます。なのであまり「まぶた線」は採用されていない気がする(?)



SHIROBAKOにおける「まぶた線」は萌えキャラ的造形のキャラ顔が崩れない程度に、表情のアクセントを着けるために用いられている線……なのかもしれないですね。







(やっぱり単なる寝不足かも……?)

蒼井晶の正体とは!?(ネタ記事)

デデッ デデッ デデッ デデーー!



 
街をつつむ Midnight fog
孤独な Silhouette 動き出せば






 
それは まぎれもなく ヤツさ




 
アキラ Leaving me blue
アキラ Missing you true





アキラ Only few memories after you




 
背中にまといつく翳りは
オトコという名の ものがたり




 
許されるはずもない Peace & Love





コブラじゃねえか!!