営業力を組織で担保する人事制度とは?

k-takagi10212005-08-08

営業強化の講演から感じる組織で担保する仕組みの必要性に関して、企業から依頼を受けて感じるとことを<人事戦略>に関わる立場から書かせていただきます。

私が営業の講演をさせていただいたことがある企業は100社以上あると思いますが、業界は意外と広くて金融・公共機関・マスコミ・メーカー・不動産など幅広い業界に渡っています。講演のきっかけは個人のHPをお問い合わせいただく場合が大半です。多くの営業マンや管理職の前で営業のやりがいを感じていただこうと自分なりに話をします。

こうして行った講演を終了した後には、応接室で関係者の方々と感想含めて雑談をしますが営業部長の方々と会話で以下のような話題が出てきます。

「よかったですよ先生!ありがとうございます。景気も回復して営業力の向上が急務になりました。是非とも研修から営業部隊でいい成果を出ればいいと思い・・」

満足そうな関係者と振り返りの会話が続きます。こうした1回の講演で1.5時間から2時間させていただきますが、私は講演を通じていつも1つの疑問を感じています。
それは、講演でいただいた<ソコソコの満足>の中で、私は次のアクションが気になってくるのです。

それが営業の<講師1回で何が出来るか?>です。

ちなみに私は営業の講演で<心の窓を開く><仮説力>

などをテーマに話しますが、ここで知っていただきたいのが

〓たくらみ:ゲームとして純粋にハイスコア狙う「たくらみ」を持つ

〓想い:商品/サービスを通じてお客様をお手伝いするもの

〓行動:足が止まらないように…訪問にワクワクする喜び

〓思い:常に幸せの基準は低く、リセットする力を

〓更に:仕事を通じて成長したいと常に思うこと

などを大切なこと伝えます。が、ここで思うのは本当に営業力上げるなら組織としての制度や仕組みの改革が一番効果があると言うことです。

営業力を質とともにやる気を上げて継続的に向上させたいならば、評価制度やインセンティブプランを効果的に実践するのが一番意味があると思います。何故ならば・・・営業は何が一番<エライか?>を明確にすれば自然と行動がそれに向かうからです。

ある会社で営業部長が<うちの営業は新規を全然やらないくなった>と嘆いていたので、相談にのってみて驚きました。彼の営業部は業績を<売上額>だけで評価していました。しかも新規営業しても業界の特性で半年以上は成果までかかるので、目の前にある売り上げにつながる行動にシフトしてしまうのは当然なのです。それでも部長は<俺が若いときは変わらない状況でも新規をやったぞ>と、おっしゃいます。

昔はどうだかわかりませんが、企業にとって大切なことは組織が大切に感じるマネージメントテーマは評価と連動させることの必然を理解することが当然ですが重要です。講演1回だけより制度によって継続的に出来る打ち手と組み合わせることが企業の人事戦略としてとても重要なのです。

例えば新規営業を会社が営業に期待するなら売り上げ以外の付加的な評価制度として新規訪問の数を査定のポイントに組み込むとか、評価とは別に上司が新規営業への行動を会議や日常の場で褒めるテーマにするのも<打ち手>の1つです。このようにして
営業の評価=何がエライか?

例えば
〓新規営業の訪問数の月間1位に組織からの特別表彰がある。
〓新規の件数の達成が人事評価制度の加点ポイントになる。
〓とにかく新規営業してる奴がエライと感じる雰囲気が組織にある。

などとマネージメントがなされると<新規やれ=上司の叱咤激励>よりも営業のモチベーションアップや内部の競争風土の醸成につながったります。

このように・・・企業の営業戦略にあわせた人事的観点から評価の仕組みを企業と改革したいものです。今後は企業の営業力の強化のお手伝いも、このような考え方ですすめていきたいと思います。