生活モデル?

ちょっと古いが、広井良典氏が完膚なきまでに叩きのめされている(ように見える)。その後の論争の展開はどうなったか?広井氏は修正したのか?追ってみる必要。(追記:立岩さんのページから結構追える。大原社会問題研究所に関連文書あり)。

http://www.sekishinkai.or.jp/ishii/opinion_tc01.htm

広井理論の基礎になった長谷川敏彦氏の「タイプ」論は、医療費の費用対応効果の問題としてであり、社会的な資源配分の問題である。
その限りで医療および介護への資源の最適な配分を考察するのは重要である。
しかし、老人への医療的ケアのあり方の議論としては問題の立て方が違う。
資源配分を問題にするのなら、社会的入院や不適切な薬剤使用など、老人への医療の制限以前に検討すべき課題はたくさんある。
しかも長谷川氏は、老人医療のタイプとして「急性ケア、予防的ケア、末期ケア、長期ケア」の4つをあげていることは、広井氏の著書の中でも明らかであり、しかも広井氏自身が「末期ケアは長期ケアより、医療の比重が上回る」と書いているのであるから、報告書で広井氏は老人医療イコール「生活モデル」という図式をたて「生活ケアの延長上の末期ケア」と見解を単純化して書きすぎたようである。

 老人の急性期医療の重要性に対して、
広井氏は部分的問題として意図的に無視し、
竹中氏は老人への医療イコール「過剰医療」として、
"みなし末期"という言葉を使い「末期でない者を末期と見なすことは誤り」と批判した浴風会病院の横内氏「老人医療の問題点」(社会保険旬報1804〜1806)を反批判して、「みなし末期」を肯定している。